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N.Y旅日記(4) [2006春NYとロスアンジェルスの旅]

3/30  The Frick Collection & MET「Mazeppa」

当初の予定ではこの日はアムトラックでフィラデルフィアまで日帰りのつもりだった。ネットでタイムテーブルもプリントしてきたのだが、連日の夜中に目覚めその後眠れなくなるという状態だったので、体力がいまいち遠出はあきらめた。街中のポスターでフリックでゴヤの特別展「Goya’s Last works」(写真はカタログの表紙)があることを知ったことも予定を変更する一因になった。

フリックコレクションは富豪の館を美術館に公開していて、名品ぞろいの収集も素晴らしい。N.Yの美術館では最も好きなところ。この日は初夏のように暖かくセントラルパークも人が大勢でていた。汗かきながら到着し、常設展を先に見学した。以前展示されていたアングルの美しい伯爵夫人の肖像画や回廊にあったルドンの花のパステル画などしまい込まれていた?のが残念だった。それでもG・ベッリー二の「荒野の聖フランチェスコ」や何枚かのピエロ・デッラ・フランチェスカやフェルメールに再会できたてシアワセ。

ゴヤの展覧会は地下の展示室で開催。版画が主で油絵は思ったほど多くはなかったが、ボルドーで1828年に客死したゴヤの最後の完成作とされる「ボルドーのミルク娘」がプラドからきていた。この画はとても好き!!ゴヤが多彩な画歴をへて到達した人間への、生命への賛歌を感じさせる傑作だ。晩年のフランス亡命で滞在した際の画業にスポットをあてた展覧会なので、ゴヤが友人にあてた手紙のなかにでてくる象牙のうえに描いたミニアチュールも初めて見ることができた。ゴヤの版画によくみられるモチーフの老若男女が皮肉な笑いを浮かべて漫画チックに描かれている。重いカタログを抱え帰りはバスでアッパーイーストからセントラルパークを横切ってアッパーウエストへ。ワーナービルの日本料理のレストランでバラ寿司のランチ。場所がらか味の割りにお高い。暑いからビールも飲んだので宿に戻ってぐっすり昼寝。

チャイコフスキー『マゼッパ』 MET

チャイコフスキーのオペラは結構好きなので楽しみだった。ゲルギエフの録音のCDで一応予習済みだったが、本物の舞台はやはり格別だった。ヒロインのマリアを歌ったグリアコーヴァは以前オネーギンで聴いたことがあった。そのときも良かったけれどこのMETの舞台でも演技、歌唱ともに輝くような存在感。その健在ぶりに嬉しく大拍手!!タイトルロールのプチーリン、マリアの母のディアドコーヴァほかも脇をがっちり固め、ロシアの歴史ものにみられる重厚さのなかに恋人、親子の愛憎が浮きでる見ごたえのある舞台に仕上がっていた。この壮大なスケールにゲルギエフの音楽やMETの大舞台がぴったり。今回のメトオペラの4公演のなかでは一番印象に残った。


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コメント 2

ご~けん

本日のFM放送が、そうみたいですね。アリーチェさん、お久しぶりです。METの本場は私もぜひ訪れてみたい地です。来日公演が終わってからでも、考えよーっと・・・
by ご~けん (2006-04-16 17:54) 

alice

ごーけんさん

私もFM放送聴きました。舞台の情景を目に浮かべながらでしたが、解説と一致しない場面もありました。CDのタブレットのあらすじをそのままアナウンスするだけ、これがプロのすることかと呆れました。解説者自身がMETで観ていないにしても、NHKほどの組織で現地の文化担当者が居ないとは信じられません。

3/18の録音とのこと。テノールのバラショフが私の観た3/30よりずいぶんと悪くて、違う歌手かと思ったくらいでした。

METの利点は舞台が豪華でオーソドックスなこと。5日間の滞在で4公演は観られること。スター歌手の多いこと(私はミーハーなので)ですね。時期を考慮すればアメリカンバレエシアターやN.Yフィル、カーネギーでのリサイタル、もちろんミュージカルも!!ときりがないですが・・・。
by alice (2006-04-16 20:12) 

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