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2006初夏の旅〜パリ(2) [2006夏1アムス、パリとノルマンディ・ロマネス]

6/20    プティ・パレ美術館&オペラ「愛の妙薬」

昨夜の蒸し暑さから一転して肌寒くどんよりとした曇り空の日。今日は数年来改修工事のため閉鎖していたプティ・パレが訪問可能になったということで早速行ってみた。リノベーション前も未訪問だったので、今回が初めて。プティというから小規模と思っていたらとんでもない。中庭も美しく堂々としたパレスです。

主なコレクションのなかで貸し出し中だったのはアングルの「レオナルド・ダ・ヴィンチの死」、最近訪れたN.Yのフリックコレクションにも展示されていないものがあったので、どこかで大規模なアングル展があったのかも知れません。フランス絵画ではクールベの名品が数枚。印象派の部屋ではヨンキントの「オーフェルスキエの月光」がとても良い。初期のフランス印象派に与えた影響が大きかったであろうとしばらく眺めていた。同じ部屋のモネの「日没・冬のラヴァクール周辺のセーヌ」にはちょっとびっくり!。「印象-日の出」があまりにも有名なのに日没があるとは知らなかったので・・・。ここでの一番のお目当てはルドン。パステル画のため暗い廊下のようなコーナーに6点展示されていた。「見っけた〜!!」と思わずニコニコ。↓右が「青い壷のアネモネ」反対側に「ヴィーナスの誕生」もある。

中庭には薄いピンクのラベンダーが花盛り。素敵なカフェもある。

オペラの日は美術館は一箇所に絞り、なるべく遅くランチをワインつきでしっかりとり、宿に帰って昼寝をするというのが私のパターン。夕食抜きでちょっと辛いけどオペラで居眠りすることはほとんど無い。終演後はお腹が空いては眠れないので、少々のビールと軽い夜食で就寝。今日ももちろんこのパターンで過ごした。パリに来ると必ず立ち寄るマレのブルゴーニュ料理のレストラン。今回のホテルからもごく近い。前菜にここのエスカルゴをいただくと気分はパリ(というよりブルゴーニュ?笑)。さて今夜はバスティーユ・オペラ、地下鉄で2つ目だから15分後には着席しているという近さ。シャトレ座も徒歩10〜15分でOK。

ドニゼッティ「愛の妙薬」7:30開演

指揮:Edward Gardner  演出:Laurent Pelly   Adina:Heidi Grant Murphy  Giannetta:Aleksandra Zamojska  Nemorino:Paul Groves  Belcore:Laurent Naouri  Dulcamara:Ambrogio Maestri

まず指揮者の名前を見て目が点・・・E・Gardnerってエリオット・ガーディナーと思い込んでいたバカな私。さて現れたEdward Gardnerは若くハンサムな方、2000年にロイヤル アカデミーのディプロムを得て・・・。今年はエジンバラやグラインドボーンのフェスティバルにも登場という若手のバリバリ 。 さて舞台は戦後まもなく?の北イタリアの穀倉地帯。収穫の済んだ小麦の干草の束が舞台いっぱいに詰まれ、クレーン車も見える。アデーナの衣装は映画の「苦い米」の農村の若い娘さん風のはちきれそうな肢体を包む木綿のワンピース。喜劇役者のように演技の上手いNaouriと体格も押し出しも立派なMaestriががっちり脇を固めているので、とても楽しい舞台に仕上がっている。主役の二人Heidi Grant Murphy とPaul Groves は歌唱にそれほどの魅力はないのだが、まず無難にこなしたという感じ。Heidi Grant Murphy はそのワンピース姿、動きがなかなかチャーミングだった。ペリーの演出は愛の妙薬=コマーシャルベースに乗った現代の薬(ビジネス)としてのものなので理解しやすく、それに充分煽られて物欲に走っている私たちにはほろ苦さも自嘲もある。この公演のために作られた幕(スクリーン状の)及びプログラムの表紙には漫画で水虫、ダイエット、赤ちゃんの疳の虫、筋肉増強etcに効くよとELISIR DULCAMARAの広告。そのひとつひとつが可笑しくて、ペリーのセンスをうかがわせるものになっている。オケはOrchestre de L’Opera national de Paris ピットに見た顔が・・・ラ・フォル・ジュルネに東京に来ていたファゴット奏者だった。初めての生の「愛の妙薬」だったが充分満足して宿に帰った。午後11時、パリはまだまだ眠らない・・・というほどカフェのテラスも賑やかだ。


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コメント 3

あがるま

初めまして!
プティ・パレに4月に行きました。古代の部が目当てでしたが、モネは何処にあつたのか思ひ出せません。クルベは覚えてゐるのですが。
同じ頃TVでネトレプコの『愛の妙薬』を見ました(ザルツブルクでの上演だつたかな?)、初めて聴くのですが、とても面白かつた。相手役は何と云ふのかスペイン人でしたが、ネトレプコよりも拍手が多かつた。
最近は一般に演出が現代化されてしまつて、(装置や衣装にお金をかけないやうで)何だか損をしたみたいです。
貧乏性なので、外国に行つてもオペラなどは見ませんが、夜退屈な時に、時々気紛れで見ることがあります。ウィーンでの『ローゼン・カヴァリエ』やプラハで『ドン・ジョヴァンニ』を見ただけで満足してます。
時々パリに寄るのですが、今迄、スリに逢つたり、付近のゴティック教会に行く程度でしたが、ロマネスクも面白さうですね。
ピエロは私もロンドンが初めてしたが(偶然フェルメール展があっつあのでその序でに覗いたのですが)アレッツオの教会の絵は見たのかも覚えてゐませんでした、この夏フィレンツェに行く予定なので序でにまた見られるかな?でも蚊が心配です。
by あがるま (2006-07-18 07:23) 

alice

あるがままさま こんにちは !

パリは何度行っても楽しいところですね!またすぐ行きたくなります。

プティ・パレのモネやヨンキントの部屋はクールベのある長く大きな回廊の奥、カフェの入り口の左でした。多分、その左の階段室に行ってしまわれたのではないかしら?プティ・パレをはじめマイナーな美術館の情報はごく少ないので、実際訪れて思いがけなく好きな画家の絵にであったり・・・嬉しいものですね。古代の部は次回の楽しみにします。

ネトレプコの相手役はビラッゾンだと思います。今一番人気があるテノールです。この二人の歌った昨年のザルツブルグの「椿姫」はお正月にNHKで放映されました。(私のブログにも記事)

夏のイタリア大好きですが、私も蚊が・・・以前ミラノで脚を30箇所以上刺されて熱をだしたことがあり、とても怖いのです。といいながら夏に訪れることが多いです。(笑)フィレンツェも蚊が多いようですね。どうぞ蚊対策グッズを忘れずにお持ちくださいませ。
by alice (2006-07-18 20:46) 

あがるま

オペラも指揮者の名前を見るくらいで(それも殆ど知らない名前ですが)
ネトレプコも写真集を本屋で見たから名前を知つてゐただけでした。
ビラソンと組んでゐるのですね、どうりで最後の場面でのキスと抱擁の時間が異常に長くて聴衆から冷やかされてゐた訳です。

初めてパリのオペラ座を近くで眺めたら、作曲家としてチマロザが代表されてゐるのが愉快です。私は大好きで、以前『秘密結婚』のLDが出た時、そのために機械も買ひましたが、CDで聴いてゐる方が良ささうですね。

前にストゥットガルトに行つた時にも、ここのワーグナーを始めとしたオペラは現代の最高水準のものとして定評があるのは知つてゐましたが、TVで見るその現代的な演出が気になつて這入つたことがありませんでした。残念なことでした。ドイツは一般につまらないところだし、ミュンヒェンのやうに近くに観光名所もないので日本からわざわざ行く人はゐないでせう。
by あがるま (2006-07-19 00:01) 

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