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2006初夏の旅~パリ(3) [2006夏1アムス、パリとノルマンディ・ロマネス]

6/21  グラン・パレ美術館&オペラ「タウリスのイフィゲ二ア」

昨日と同じようなどんよりとした曇り空、やや風が強い。今日はプティ・パレの向かいに建つグラン・パレへ。企画展専門?のここは初めての訪問。2.3日前にアンリ・ルソー展が終了していて残念だった。この日はItalia Nova展(Une aventure de L’art italien 1900~1950)、意外にも多くの美術ファンが来訪していて熱心に鑑賞していた。20世紀初頭からのイタリア絵画の変遷がグループ毎にまとめられ、説明パネルも(仏英)詳細、キュレーターたちの力が入っている。イタリアを旅すると、ほとんどがルネッサンス~バロックの絵画や彫刻を観ることで時間が費やされるので、パリで現代のイタリア絵画に触れられるという貴重な体験をさせてもらってラッキーだった。展示品はTrenteとRoveretoの近現代美術館、及び個人コレクションから貸し出されたものなのでほとんど初めて目にするものばかり。なかでは未来派のコーナーがやはり興味深かった。Balla,Severini,Boccioniなど。キリコ、モランディ、そして大戦後の衝撃的なフォンタナの「神の終焉」まで。

グラン・パレから久しぶりのシャンゼリゼ大通りを歩き、コンコルド広場から「とらや」へ行き昼食。鮭といくらの丼などセットメニュー、お茶と和菓子で疲れを癒す。帰途夜食用にファラフェル・サンドを調達して、ホテルの近辺を散策。インターネット.カフェを見つけた。日本語も打てるというのだが、変換が上手くいかなくて断念。30分ほどMIXIなど覗いて、ホテルに戻り昼寝。今日のオペラはお待ちかねのミンコウスキ。いそいそとオペラ・ガルニエへ。

 

 GLUCK「Iphigenie en Tauride」 20:00開演

指揮:Marc Minkowski  演出:Kizysztof Warlikowski

Iphigenie:Susan Graham  Oreste:Russell Braun  Pylade:Yann beuron  Thoas:Franck ferrari  Diane:Salome Haller

日本を発つ前の評判は演出に問題ありという向きが多かったようだが、こちらに来てからは賛否両論という空気になっていた。私は一度しか観なかったうえ、過去と現在の複雑に交錯する舞台はやはり難解だった。しかし、振り返ってみると古代ギリシアの悲劇と現代の家族の悲劇(問題)はそれほど乖離しているわけではない。現代版イフゲニが老女になってホームで過ごす時間から遡って、父親との相克、家族への愛憎、故郷への想い・・・ミンコによって紡ぎだされる音楽の極上の響きがなにより雄弁に物語っていた。まるで神話と現代の日常の入り混じった哲学的な小説を読んでいるような・・・。グリュックのオペラは「オルフェとエウリデーチェ」とこれで2度目。オペラを聴き始めてから10年たち、いつのまにかバロックファンになってしまった私には印象深い公演となった。

グラハムのスケールの大きい(体格も大柄!)歌唱が抜きん出て素晴らしい。この日のブロンはやや不調。カーテンコールでは黙役の老女優の優れた演技に大拍手だった。刺激的な場面も多かったのだが、慣れちゃったのか特に驚くことも無かった。パリは特にガルニエは観光客も多いので途中で帰る人たちもいたが、シャンシャン手拍子の喝采を受けて、ブーイングもかすんでしまった。「やった~!!」と心のなかで叫ぶ・・・ミンコも嬉しそうだった。(^^)V


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コメント 3

ご~けん

アリーチェさん、旅行記読ませていただいてます。ガルニエの公演がある時期に行かれたのですね。さすが旅慣れておられ、感心することばかりです。今晩のワールドカップ決勝ではシャンゼリゼがまたまた賑わうものと思われます。ぜひ優勝してほしいものですね。(イタリアも大好きな国なのですが・・・)
by ご~けん (2006-07-10 00:17) 

alice

ごーけんさん、フランス残念でした。サッカーはほとんど見ないのですが、ワールドカップの決勝戦だけは別格なので徹夜しました。そしてジダン・ショックで昼まで倒れたように寝てました。ごーけんさんと同じでイタリアも大好きなのですが、今回はパリのジダン・フィーバーにあおられてきたこともあって・・・フランス贔屓でした。いつもは冷静な彼が、今でも信じられません。

フランスのもう一つのフィーバー、7/1から始まっている「ツール・ド・フランス」も優勝候補になっていた主力選手の何人かが薬(筋肉増強剤?)問題が開幕直前に発覚して、興味半減になりました。(涙)
by alice (2006-07-10 15:56) 

ご~けん

私も信じられない気持ちのままです。報道でも、敗戦は受け入れがたい事ではないが、あの事件を世界の子供達にどう説明するかが悩ましい、とありました。しかし、好意的に捉えている方が多いので、良い方向に動いてほしいですね。
フランス人に対して、今まではあまり接することも無く、感心もなかったのですが、旅行とサッカーを通じて、少し理解が深まってきたような気がします。
by ご~けん (2006-07-11 01:13) 

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