2007冬の旅 マルタ(3) [2007冬チュニジアとマルタ島の旅]
2/4(日) ゴゾ島一日観光
早いもので、マルタも今日が最後になりました。ヴァレッタから北西のCIRKEWWAのフェリー乗り場まで島を半横断。途中、聖パウロが辿り着いたといわれる小さな岬を遠望。また、見晴らしの良い要所には一見すると小さな城に見えるCostal Tower(監視塔)↓がいくつも建っています。この島の防護の厳しさを物語っているようです。
フェリーは無人の小さなコミノ島を右手に見ながら40分ほどでゴゾ島の南東のMGARRに到着。当初はマイクロバスに分乗の予定でしたが、待っていたのは大型バス。信号のない小さな街が多いので、運転手さんは結構大変なようでした。
ゴゾ島には5千年~三千数百年前に造られた巨石神殿があります。世界最古の建造物ともいわれ、ヴァレッタの博物館で見た渦巻き模様の石の装飾や眠れる婦人像はこうした神殿遺跡から発見されました。私たちが訪れたのは島のほぼ中央に位置するジュガンティーヤ神殿です。
とても見晴らしの良い場所に建っています。先史時代に大きな石をここまで運んで、堅固に積み上げていくパワー。それは神への祈り、忠誠のしるしだったのでしょうか。
神殿の入り口に近所の農家のおじさんが自家製の野菜で作った製品の即売所を開いていました。ドライトマトの塩漬とチーズの瓶詰めを購入。
ホメロスの壮大な叙事詩「オデッセア」で有名なカリプソの洞窟にも行ってきました。↓洞窟の上から
チュニジアのバルドー美術館のモザイクにも「オデッセウスとセイレーン」の素晴らしいモザイクがありましたが、この伝説は何人かの画家によって描かれています。なかで一番印象に残っているのはベックリンの「オデッセウスとカリュプソ」。帰国後画集で確かめたところ、赤い砂浜や洞窟の描写がゴゾ島のカリプソの洞窟に似ています。ベックリンがゴゾ島に行ったとは思えませんが・・・。
イタケの王の息子オデッセウスはトロイ戦争で活躍し、イタケへ帰還の航海で海神ネプチューンの妨害にあい、その長い冒険の末、愛妻のペネロペのもとに帰ります。ここの洞窟でペネロペを思い続けて7年も足止めを食ってしまいます。伝説の地ですからほかにも <カリプソの洞窟>は存在するのかも知れません。
ランチは農家を改造したレストランで。この一帯は葡萄畑や農地の続く豊かな緑のなかにあります。ここでは初体験の兎をシチュゥのような煮込み料理でいただきました。不味くはないけれど美味しいとも思いませんでした。
午後からはアズール・ウインドウと呼ばれるゴゾ島西の景勝の海岸へ。
そして島の中心の町ヴィクトリアでの大聖堂の見学。ここの城壁からの眺めは綺麗でした。緑は今が一番美しい季節とのこと。夏は茶色に枯れてしまうそうです。
日曜日だったのでヴィクトリアの街はお店もカフェもお休み、散策もできないので残念でした。早めにフェリーに乗ってヴァレッタに戻りました。
旅の最後の晩餐はホテルのレストランの個室で、スプマンテつきフルコース 。<カリプソの洞窟>で転んで額に小さな怪我をした老婦人以外は風邪も引かず、お腹も壊さず、一同元気で旅の終わりを迎えることができました。歳を考えると凄いことですね。この夜は添乗員さんも一緒の二次会がありましたが、トランクの整理があるので私はパス。翌日の酒豪たちはさすがに眠そうでした。(笑)
4泊したヴァレッタのホテルの部屋
2/5(月)ヴァレッタ~→ミラノ(乗り換え)→
2/6(火)~ 東京(2泊)
旅の前にノイズ・キャンセリングのイヤホーンを新調してましたので、帰りの飛行機のオーディオも楽しみだったのですが(月も変わっているし)、往路と同じ「チェネレントラ」。サービスの細やかさに欠けているアリタリアです。それでもうっとりとシラグーザに聞き惚れながらの飛行機の時間は短く感じました。東京に寄り道して旧友たちと再会、歌舞伎そしてカサロヴァのコンサートと遊び、15日間の留守の末、我が家に無事帰還しました。(終)
お帰りなさいませ。
チェニジアもマルタ島も、まるっきり縁のない場所ですから、とても興味深く拝読させていただきました。ありがとうございます!
私も年末年始に行ったスペインのこと、忘れないうちに、書かなくちゃ~~と思いながら、わき道に反れてばっかりで、一向に進みませんf(^^;
by ヴァランシエンヌ (2007-02-17 23:32)
個人旅行と違って自分で予定を組んでいませんから、初めはパソコンの前に座っても、何を書いたものやらの状態でした。最後まで書けただけで、自分なりに満足しています。
ヴァランシンヌさんのスペインの続き、楽しみに待っています。パソコンの容量も大きくなったのですね。
来月初旬インディに行ってきます!数日前には寒波到来があった模様。寒さに強いはずの道産子の次女も震え上がっているほど・・・。運び屋のおばばは頑張って札幌ラーメンなど届けに参ります。
by alice (2007-02-18 14:05)
旅日記がんばって作成したね!
写真がきれいで、とても見やすかったよ。
マルタ島、素敵なところね~
ドイツの語学学校で一緒だったパキスタン人(間違いなくアッパークラス)の子が、
「両親は今、マルタ島に行ってるんだ」と言っていたのを思い出しました。
納得。
運び屋、大いに期待しております!
by Indyさいこ (2007-02-19 11:20)
インディ、アメフト優勝したそうですね。日本みたいにデパートやスーパーの優勝セールとかあるのかしら?
>運び屋、大いに期待しております!
なにしろ、お宅のお嬢ちゃん、まだ2歳もならないのにおにぎり2個たいらげちゃう大食漢チビちゃんですから、運び甲斐がありますよ~。そろそろ買出しにでかけます。
by alice (2007-02-21 14:21)
冬の旅、チュニジア・マルタ編、私には未知の世界。
なのに美しい写真とともに、わくわくしながら読ませていただきました。
クレーやイングリッシュ・ペイシェントのロケ地などのコメントに急に身近に思えたりして。
カラバッチオやオデッセウスなどの出会いを求めて旅に出たくなりました。
ありがとうございました。
by さくら (2007-03-02 10:38)
さくらさん
コメントありがとうございます!ブログはHPやMIXIよりもアクセス数(アップし立ての時は一日に200近い)が多いので、もっとコメントが来るかしら?と実は期待していたのですが・・・。あんまり面白くないのだわと少々しょぼんでした。
励ましていただいたので、明日出発するアメリカ篇も頑張ります。(すぐ、その気になります 笑)
そうそう、書き忘れていましたが映画のロケ地といえば、マルタも「トロイ」や「ミュンヘン」の撮影があったそうです。
by alice (2007-03-02 19:08)