2007年ヨーロッパ初夏の旅(ベルリン3) [2007夏ベルリンからブリュッセルまで周遊の旅]
5/10(木) ボーデ美術館&オペラ「Semiramide 」
朝からスモークサーモン(ベルリン風の洋辛子ソースをつけて)や好きなように焼いてもらえ席にまで届けてくれるオムレツ、豚の血のソーセージなどたっぷりいただいた後はバスでアレクサンダー・プラッツまで行って見ました。ブランデンブルグの周辺に比べるとまだ東ベルリンの面影が残っています。労働者の街といった雰囲気。
テレビ塔も特別登ってみたいとは思わないので博物館島の方向へ戻り、ベルリン大聖堂から橋を渡ってボーデ美術館へ。
↑大聖堂とシュプレー川を行く遊覧船
博物館島の先端に美しいドームの屋根を持つボーデ美術館の建物は昨年に全面改修が終わりオープン。古代からの彫刻を主に展示しています。ここの最も有名なドイツ・ルネッサンスの彫刻「Dangoldsheimの聖母」のポスターを見ただけで小躍り状態でいそいそと入館。
↑Nicolaus Gerhaert van Leyden「Dangoldsheimの聖母」1460~65
ロマネスク彫刻室をはじめ、RiemenschneiderやMichel Erhart、Donatelloなど
↑Tilman Riemenschneider「悲しみの聖母たち」部分
↑Michel Erhart「慈悲の聖母」1480
これらのドイツの木彫り彫刻はどこか仏像彫刻にも通じるものがあって惹かれます。
戦時中の空襲で大きなダメージを受けた建物がこんなに素晴らしく復活したのです。ペルガモン博物館との間に赤い電車↓が走って行きます。旅立つ前に観た映画「ヒットラー最後の10日間」のあのベルリンの激しい空襲と逃げ惑う人々の姿が急に目に浮かびました。
↑Antonio Canova「ダンサー」
1時間ほどで見学を終え、美術館を背に右の橋を渡るとミッテ区。そこが旧ゲットーのあった区域で、今はホーフと呼ばれる中庭のある建物にお洒落なショップが集まるスポットになっています。4年前ベルリンに来たとき「ベルリンのゲットー」という案内書を見かけたのですが、ドイツ語だったためパス。その後適当な日本語のものを探したのですが、見当たりません。橋を渡ると右に大きな公園があり、まっすぐ行くとオラ二エンブルガー大通り。立派なノイエ・シナゴーク↓が建っていますが、警備員がふたり厳しいガードで、門も閉めていました。
ランチはシナゴークの並びのビヤ・ホール風食堂で。ここでも旬のアスパラをリクエスト。スープを勧められました。パンをくりぬいてアスパラのポタージュ・スープが入っています。もちろんビールつき。お勧め度★
食事をしている間に雨が降ってきました。ここからタクシーを拾ってホテルへ。タクシーに乗ったとたんどしゃぶりの豪雨になったので、運転手さんもタイミング良いねと言って笑っていました。
♪~Gioacchino Rossini「セミラーミデSemiramide 」 Deutsche Oper Berlin 19:00開演
Musikalische Leitung Alberto Zedda
Inszenierung Kirsten Harms Bühne
Kostüme Bernd Damovsky
Chöre Ulrich Paetzholdt
Semiramide Darina Takova →Iano Tamar
Arsace Marina Prudenskaja
Assur Ildar Abdrazakov
Idreno Antonino Siragusa →Bruce Fowler
Azema Jacquelyn Wagner
Oroe Reinhard Hagen
Mitrane Yosep Kang
Der Schatten Ninos Hyung-Wook Lee
Arbate Slavtscho Kurschumov
Das Orchester der Deutschen Oper Berlin
Der Chor der Deutschen Oper Berlin
雨が降って昨日よりも寒くなりました。旅が始まって早々に風邪をひいては大変と、タクシーで初めてのドイチェ オッパーへ。昨日に続いて今日もお目当てのテノールのシラグーザがキャンセル、タイトルロールのタコーヴァも・・・。 不運にもBキャストに当たったのかと当初は思ったのですが、後の情報ではシラグーザはこの公演全部を降りてしまったとのことでした。
席は一列目の中央。Metのときのことを思い出しました。指揮者の頭で舞台が観えなかったらどうしょう・・・。しかし、小柄なゼッダだったので、問題なしでした。ちなみにMetではレヴァインでした。(笑)
舞台は古代のメソポタミアと現代の中近東をミックスしたちぐはぐなようでいて、結構問題提起もあるという面白い舞台で飽きさせません。それになんといってもゼッダの定評のあるロッシーニの指揮と真摯についていくオーケストラがうまくて感激でした。歌手陣は代役のうちイドレーノのテノールがひどかったほかはまあまあ。セミラーデのIanoTamarはコロラトゥーラには重過ぎる声で、技術的にも雑なところがあるのですが、声は大きくドラマティックなまとめかたが上手です。私は苦手なタイプのソプラノですが・・・。何回か聴いていてもあまり印象に残らないアブドラザコフですが、この日はなんとか皆を引っ張っていこうと頑張っていました。アルサーチェのぺルデンスカヤ、まだ新人と思いますが、背が高く美人。宝塚的ズボン役も似合い、声も良いです。しかし、歌うときの表情があまり美しくないのです。目を剥いて力が入り過ぎ、歌の魅力が半減してしまいます。これからの課題でしょう。
この夜だけカーテンコールを撮りました。ゼッダおじいちゃまのいい顔をパチリ。
私は舞台を観るだけで満足。どんなに感激しても贔屓の歌手のサインをもらったり、出待ちをする趣味はまったくありません。
熱演、熱唱すればするほど疲れているだろうな~と思ってしまって・・・。
ベルリンのオペラの水準は高いです。ひとつの都市に複数のオペラ劇場とオーケストラがいくつかあると、日替わりで観たり、聴いたりできます。その点でもベルリンはパリ、ウィーンと並んで訪れる価値のある都市 といえます。
お久しぶりです。お帰りなさいませ。
ベルリンと伺って、のこのこ出てまいりました(^^ゞ
旧東側のミッテ~博物館島の周辺が大好きで、何度行っても、いつもそこにいるだけで感激しちゃいます。ボーデ美術館、私が行った時はまだ改装中だったので、一度も入ったことがないんですが、次回(できれば来年6月には行きたいんですけど^^;)こそはと思います。
> 私は舞台を観るだけで満足。どんなに感激しても贔屓の歌手のサインをもらったり、出待ちをする趣味はまったくありません。
> 熱演、熱唱すればするほど疲れているだろうな~と思ってしまって・・・
同感です。出待ちも一つのファンとしての愛情表現?だとは思うんですが、そこの一線は越えないように、と思ってます。たとえ、一人の歌手に憑かれたような状態になっていても、というか、だからこそ、と言うべきか(笑)
by ヴァランシエンヌ (2007-05-31 08:47)
ヴァランシェンヌさん
>たとえ、一人の歌手に憑かれたような状態になっていても、というか、だからこそ、と言うべきか(笑)
今回のベルリンではヴァランシェンヌさんの最愛の方(ご主人以外の←わざわざ断る 笑)の歌が聴けなくて残念でした。いつかベルリンでお目にかかりましょう!そして出待ちのかわりに美味しいワインを飲みましょう!
そういえば私も来年6月にベルリン予定していますよ~♪
by alice (2007-05-31 14:11)
いまごろ気がついて、一気に読ませていただいています。ボーデ美術館は初めてベルリンにオペラを観にいったとき(何年だったか忘れてしまいました)まだ改修中でした。ゼッダの「セミラーミデ」には心が動いたのですが、アブドラザコフが嫌で見送ってしまいました。
by kikuko (2007-06-04 10:16)
Kikukoさん
全部アップ終えてからMIXIにお知らせするつもりでした。
ゼッダは今夏のペーザロでも振るのでしょう?行きたい~!!
9月で結婚40周年なので、趣味の違いでいつもバラバラに旅する私たちも仲イイふりして(笑)中国のタクラマカン砂漠にツアーで行くことになりました。ですから今年はアフリカ~アメリカ~ヨーロッパ~中国と4大陸制覇ということに・・・。(汗)
by alice (2007-06-04 15:45)
もしかして、ナポリのサンカルロの前のホテルをご紹介くださった方でしょうか?ちがっていたら、申し訳ありません。
ご紹介くださった方に心からのお礼を申し上げたくて。
現地でお目にかかれると思っていましたが、残念ながらお見えでない。とホテルの方で聞きましたので。
おそらく、イタリアにいらしていた間は、さほど暑くなかったのでは。私が参りました6月中旬は、苦しいくらいの暑さでして、ダウンして帰って来たしだいです。長い期間をかけてヨーロッパを旅するのが私の夢でした。実際に、行動されていらっしゃる方がいらして、羨ましいと同時に可能なのだと勇気が湧きます。
時間を見つけ、ご報告されている所をしっかり読ませていただき、次の私のたびの目標にさせていただきたいと思います。
by ゆみゆみ (2007-07-09 22:14)
ゆみゆみさん
ナポリのホテルの件は私ではありません。上記のkikukoさんではないでしょうか?
ナポリはまだ行った事がないので、来年こそ!と予定に入れました。でも、オペラが丁度あればよいのですが・・・2008年のカレンダーがまだでていませんね。
ゆみゆみさんとはアメリカばかりでなくヨーロッパででもお会いできそうですね。来年のスケジュールが決まりましたらHPにアップしますので、よろしくお願いいたします。
by alice (2007-07-10 00:12)