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2007.9 中国西域絹の道 クチャ(6) [2007秋シルクロード西域の旅]

 
9/23(日)
クチャからキジル千仏洞までの道(75km)は一応は鋪装されているがガタガタ道。工事中のため回り道も多く、たっぷり3時間以上はバスに揺られて・・・。(軟弱な腰が悲鳴をあげそう)
途中、道路を拡げるために荒削りされた崖が覆いかぶさるような狭い峡谷が続きます。見上げるといまにも巨石が落ちてきそうです。雨の多い日本では到底考えられない難所を時速2、30キロで走り、予定より大幅に遅れて到着。途中の工事現場では新しい橋やトンネル工事などが見えました。
 
            

ここキジル千仏洞は清流(イカン河)の畔にあり、ポプラ並木に食堂、ホテル、住居(ここの案内人たちの寄宿舎もある)が点在しています。
崖に掘られた千仏洞の見える広場にシルクロードを旅した高僧鳩摩羅什(クマラジュー4世紀)の像。鳩摩羅什は7世紀の玄奘三蔵とともに中国仏教の発展に大いに尽くした僧侶。キジ国に生まれ西域諸国を巡り、数々の経典を訳しました。


日本語のできる若いガイドさん3人が案内役。私は最初のグループに入って早速石窟を上り見学。数カ所の見学が終わりましたが、お目当ての伎楽天が見当たりません。それでガイドさんに尋ねましたら、38屈にあるが、特別料金(100元1、600円)がいるというのです。参加希望は私だけでしたが、最初のグループでもあり、時間的に何とかなりそうと、案内してもらいました。
38屈(4世紀)はそれまで鑑賞してきた壁画がふっ飛ぶほどの素晴らしさ。ガイドの若い男性もさきほどの事務的な説明からみると熱の入った説明です。眼が輝いていました。(笑)
天井の天相図には月と太陽、金の翼を持った鳥、風神など。これを中心に左右対称に主題別に描かれています。あふれる青(アフガニスタン産のラピスラズリ)を主体とした色彩はとても華やか。題材はいかにも仏教らしい捨身の精神性、釈迦の説法に歓びを表現する東方のビーナスと呼ばれる菩薩の美しい肢体。まさにインド、やその向こうの西と東の中国が交叉する美です。ガンダーラ美術には全く疎いのですが、ここの女人像を見ていると、興味がわいて来ました。帰国後ドイツに持ち去られた壁画を調べていたら、ベルリンのインド美術館に収蔵されているようです。訪問することができたらキジルのものと関連して観ることができそうです。撮影不可なので画像をアップできないのが残念です。
8窟にあった伎楽飛天で7世紀のもの。上の黒い飛天はお盆から散華、下の白いほうは五弦琵琶を弾いています。(ネット上にあったものを1枚だけ)

日本語訳のついた本をホテルのショップや博物館で購入しました。なるべくなら、ベルリン訪問を果たした後にHPのほうにでも特別篇を作成したいと考えています。
それにしても、これほど過酷な自然と戦いながら、描き続けた画僧たち....ヨーロッパのシトー派にも通じる厳しさです。そして僧たちが住民たちが守ってきた信仰のよりどころもイスラム教の侵攻にもろくも崩れ去ってしまいます。そのあとは文化大革命の紅衛兵たちの破壊もありました。

夕食は現地ガイドさんがホテルは美味しくないよと連れていってくれたクチャ市内のレストラン。旅の中で一番美味しい食事でした。ラグ麺、サモサ、シシカバブー、デザートはいちじくと葡萄。
↓クチャ近郊&夜のバザール風景。
  
 
 
 


 


 

 

 


 

 


 

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