2008年冬の旅(NAPOLI 9) [2008冬ローマ、ナポリ、シチリア島の旅]
2/3(日)
今日は朝から良い天気になりました。ナポリ湾の青い海を眺めながら、優雅な朝食。テーブルコーディネイトは気取ってますが、朝食のなかみは見た目ほどではありません。
徒歩数分のプレビシート広場は日曜とあってテントが並び大勢の人。子供の日?なのか小さな子供たちがドレスアップして集まっています。ナポリって怖いという先入観がぬぐえませんでしたから、行く先々での可愛い子供たちや、ポリスの多いことで徐々に安心感がひろがってきました。。
さて、今日の最初の訪問は●国立考古学博物館です。
博物館へ行くバスはサンカルロ劇場(左)や王宮(右)の先のムニピオ広場から。
近くにチケットを売る新聞スタンドもあります。バスから博物館の建物が見えたと思ったら、手前の道を右折したので、慌てたのですが、親切な老人が博物館の前まで行くよと教えてくださって、助かりました。
広壮な館の内部はいくつかの部門に分かれています。まずはグランドフロアの彫刻群を見学。入り口右のファルネーゼ・コレクションと突き当たり階段の左、回廊に面したローマ時代のカンパーニャ地方のものが見所です。
ここで一番観たかったのはなんといってもモザイク。階段途中の日本式で言えば中2階に綺羅星のごとく並んでいます。ポンペイから出土したものが多いのですが、今回はそのポンペイには行けませんでしたから、ここで傑作を鑑賞することで、ポンペイに想いを馳せることになりました。「アレクサンドロス大王の戦い」や婦人、猫、鳩、魚などのほか,奥の秘密めいた小部屋にエロティックな彫像やモザイクが展示されています。ガイド本には申し込みが必要と書いてありましたが、いつもオープンしているようです。言い訳するようですが(笑)私はここがそのエロイ部屋とは知らずに入り、眼が点になりつつも・・・。紀元前のものと思うとイヤラシイというより笑っちゃうみたいな感じ。
上階のヴェスーヴィオ絵画と呼ばれる赤を背景に描かれた作品群も素晴らしく、優美な女神像「フローラ」も4枚並べて展示されています。
●Duomoへは博物館から徒歩でスパッカ・ナポリを散策しながら訪問。
ネオ・ゴシック様式のファサードは19世紀に改修されたもの。内部に入り左の翼廊に入ると、古いレスティトゥータ教会があります。その右の翼廊に西洋で一番古いといわれる洗礼堂があります。想像していたより、天井や壁のモザイクの色が鮮やかで素晴らしいです。見学者は私だけ。じっくり写真も撮れました。
地下の遺跡(有料)も見学しました。
Duomoからカラヴァッジオの祭壇画のある●Pio monte della Misericordia教会はすぐ近くです。ここでも教会の正面扉は硬く閉まっていますからドキッとしますが、左の通路を行くと右にチケット売り場があります。
「慈悲の七つの行い」はこの小さな八角形教会の主祭壇を飾る大作です。1606年の9月に聖堂が建立され、10月にカラヴァッジョに注文され、翌年1607年の1月に完成。このグッドタイミングで今ここにあるわけです。マタイ伝のキリストが挙げた慈善行為を元に描かれているのですが、この行いの描写が混沌とした印象で、いまいち感銘できないままでした。
オリジナルの場所で見ることのメリットは今まで何度か書いてきましたが、やはりここでも同じです。スパッカ・ナポリの喧騒を経てここを訪れることで、何かこの混沌が、これを描いたときの画家の意図が分かるような気持ちになりました。上部に描かれた聖母子と羽を広げた天使、下界に慈悲のまなざしを注ぎ、庶民的に溶け込んだ描写は素晴らしく、まさしくカラヴァッジョの世界。
スパッカ・ナポリの道を戻りますと、地元の方たちが入っていくレストランがありました。
ここは大当たり!安い、美味しい、ナポリの下町の雰囲気と3拍子。☆☆☆
前菜はブッフェで、メインは魚のフリット、デザートにはこの時期の青いメロン。
初めは恐る恐る歩いたスパッカ・ナポリですが、パトカーやポリスも煩雑に見かけましたし、安心して歩けました。下はスパッカ・ナポリの風景。
遅いランチの後はダンテ広場まで歩きバスで、ムニピオ広場へ。このとき乗車した場所と違うところで降りたため、迷ってしまい、ホテルまでずいぶん歩きました。
すっかり疲れてベットへ。夕食は外出する元気もなく、手持ちのもので済ませました。
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