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2008年冬の旅(PARIS 26) [2008冬ローマ、ナポリ、シチリア島の旅]

2/20(水)
 朝からの雨も出かける頃には霧雨に近い小降りになりました。メトロのAlma Marceau駅から一駅でIenaへ。地上に出ると目の前がギメ美術館です。ここは2度目ですが前回は全部を回る余裕がなかったのと、昨秋の中国新疆ウイグル自治区で訪れた千仏洞から剥がされた壁画がこの美術館にあるとのことで寄ってみました。
前回はアンコールワットとベトナムを主に見学していましたので、今回は中国、日本、アフガニスタン、インドのものを鑑賞。それほど広くない館内に素晴らしいコレクションの数々。

写真は順に中国の花瓶「千の花」18世紀、日本の屏風、唐代のテラコッタ像、

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そして西域シルクロードの仏像、壁画など。

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メトロで次の駅Trocaderoへ。以前から何度も修復が済んだとの情報がありながらオープンしていなかったフランス文化財博物館。昨秋ようやく新しくCite de l'architecture et du patrimoine建築・遺産博物館 という名前に変わって訪問可能になりました。シャイヨ宮の一角の広大なスペースに各地に点在しているロマネスクやゴシックの教会のファサードや柱頭彫刻、壁画などの精巧なコピーが展示されています。もちろん中世以降現代までのフランスの誇る代表的な建築の模型や写真なども膨大です。学生さんをはじめ多数の見学者で賑わっていました。写真撮影不可。

玄関ホール左には早くもロマネスクの扉口が設置されています。(Beaulieu sur-Dordogne )嬉しくてドキドキ。(笑)Toulouse、Autunと続々・・・。見覚えのあるトゥールーズやモワサックではあっても、すでに記憶が薄くなっていますから、ここで細部を確認できました。現地を訪れても、嬉しくて舞い上がっていますから、見落としも多いのです。また、これから現地に行こうとする時は予習にもなりますね。
ここで大事なことは今の姿をコピーに留めておくことで、将来の修復にも役立つであろうということ。教会建築の移築や付属品を博物館に展示するよりも実物は現地にというコンセプトなのでしょう。しかし、あくまでも模刻ですからオータンのエヴァなどは生のあのオーラは感じられません。
ロマネスク関連はLANGUEDOC,POITOU,AUVERGNE,PROVENCE,BOURGONEの5つに分かれて地上階に展示されています。そのほかに2階の奥にカオール、ノアン・ヴィックなどもあります。もう少しで見逃すところでした。

Image155.jpg遅いランチを館内のカフェ(左)で軽く済ませホテルに戻りました。

 

 

 

 

 

 PHOTO126.jpg帰途シャンゼリゼ劇場を撮影。↓

オペラの前はひとつの美術館見学という私の鉄則を破ってしまいました。疲労困憊。倒れるようにベットへ。夕方までぐっすり昼寝。

 

 

★「テセ」  シャンゼリゼ劇場 19:30開演
Jean-Baptiste Lully : Thésée

Conductor Emmanuelle Haïm
Producer Jean-Louis Martinoty
Sets Hans Schavernoch
Costumes Sylvie de Segonzac
Choreographer François Raffinot
~
Thésée Paul Agnew
Médée Anne Sofie von Otter
Aeglé Sophie Karthäuser
Égée Jean-Philippe Lafont
Cérès, Cléone, une bergère Jaël Azzaretti
Mars, Arcas Nathan Berg
Vénus, Dorine Aurelia Legay
La prêtresse Salomé Haller
Bacchus, un plaisir, un berger Cyril Auvity

指揮のアイムとメデのオッターのコンビに惹かれて、昨年夏にはチケットを予約していました。しかし、一度も聴いたことのないマイナーなオペラです。DVDはおろかCDも見つけられません。こういうときは「困ったときの神頼みならぬbowlesさん頼み」です。なんとオンラインで音源とリブレットを取り出せるようにしてくださって、簡単にゲットできるように計らっていただきました。本当にありがとうございました。

シャンゼリゼ劇場で華麗なフランスバロックを観るというなんとも贅沢な一夜でした。
舞台はベルサイユの庭園を望む宮殿の鏡の間?大きな鏡の衝立を移動させて、装置は意外にシンプルですが、大勢のロココ風の衣装の宮廷人たちの登場とリュリの音楽で、いっきょにその時代に気分はワープ。原作の舞台はギリシャなのですが、ここではギリシャの神々の登場で勝利とか愛とかの合唱のプロローグが終わった後は、17世紀の宮廷と教会が舞台になっています。ありきたりといえばありきたりな宮廷恋愛劇ですが、そこはオッターの魔女メデの登場でなかなか迫力のあるドラマに仕上がっています。アイムの指揮も切れの良い溌剌とした演奏。
パリのこの劇場でリュリを聴いたという幸福感に満たされて、華やかなモンターニュ通りを歩き、ホテルに戻りました。

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追記/リュリの『テゼ』は1676年の作曲でメデアの後日譚。オウィディウスの『変身譚』を題材にしています。ここでのメデアも嫉妬に狂った魔女として登場。フランス最初のメデア・オペラとして、この時の台本は18世紀のヘンデルの魔法オペラ『テーゼオ』1713に受け継がれていきます。2005年にパリ・シャトレ座で観たケルビーニの『メデ』1797がメデア・オペラとしては最も知られています。 


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