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2008年春の旅(BOSTONへ 11) [2008春アメリカ東部NYからボストンへの旅]

4/13(日) N.Y Penn station11:03→NEW HAVEN 12:32/15:41→BOSTON 18:20 ボストン2泊   Jurys boston hotel
 朝は汽車の中での昼食用におにぎりを作って、ゆっくり朝ごはんもいただいて、10時にトランクを預けチェックアウト。5泊分の小さなキャリーバックを転がして、地下鉄でPenn stationへ。昨日の偵察のおかげで余裕で待合室(入り口に居る係員に切符を提示)へ入りました。テレビ画面の出発のゲートを確認して、乗車OKになってから、ゲート(地下の乗り場へのエスカレーターの入り口)で切符を見せてチェックしてもらってから、ホームに降りて行きます。このシステムはとても安心です。そのうえ、車内の切符拝見に回ってくる車掌さんも座っている席のうえの棚に、この人は何処何処で降りるという紙を貼って行きます。そして到着前に大声で次は○○と言いながら回ってその紙をはがしていきます。なんと親切なこと!!

 1時間半ほどで ニュー・へヴンに到着。駅の構内にはコインロッカーもなく、荷物は持ったままでイエール大学美術館へ。(タクシーで、チップも入れて8$くらい)
美術館にはコインロッカーがあります。(入場は無料)http://artgallery.yale.edu/

この美術館を訪問するきっかけは以下の3つの興味から始まりました。
  (1)初期キリスト教の遺構3世紀初頭・・・10年前に訪れたことのあるシリアのユーフラテス川畔のドゥーラユーロポス。ローマ帝国辺境の都市だったドゥーラユーロはペルシア人の侵略に備えて土塁で覆われ、そのまま見捨てられていたのです。1931~32年にフランス・アメリカ共同隊によって、キリスト教徒の家の洗礼室が壁画ごと発掘されました。この遺構がイエール大学美術館にあると知ったのはつい最近のことです。
この遺跡はまだキリスト教が公認される以前のもので、キリスト教美術の最も古い例とされています。

しかし、実際に訪れてみると一般公開はされていないようで、係員に尋ねても、いくら下手な英語で説明しても通じなくて、(係員も見たことが無いようです)諦めました。この美術館に本当にあるのかしら?参考書が古いので・・・人類の美術「初期キリスト教美術の誕生」(新潮社1967年発行)

(2)建物がルイス・カーンの設計・・・映画「マイ・アーキテクト」この映画はルイス・カーンの 唯一の息子ナサニエル・カーンがニューヨークのペンステーション駅のトイレで不慮の死を遂げた父の足跡を追った、父親探し(建築を訪ねた)の映画です。
kahn img.jpg素晴らしい建築シーンの数々、建築の芸術性へのこだわり、ルイス・カーンの生きざまetc。

 

 

 

イエール大学の客員教授だったカーンの処女作がここのアート・ギャラリー(1953)なのです。古い教会?のような建物に付加された増築棟で、美術館の入り口側になります。広いロビー、天井のデザイン、可動パーティションなど。

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PHOTO109.JPGChapel st を隔てた向かいに建つイエール大学英国美術センターもカーンの設計(1977遺作-完成を待たずに他界)です。

 

 

 

 

(3)「The Art and Style of Sara and Gerald Murphy 」を開催中・・・

newheven1.jpgBさんのお薦めで「Living Well Is the Best Revenge 優雅な生活は最大の復讐である」(Calvin Tomkins 青山 南訳   を読んでマーフィ夫妻を初めて知りました。詳しいことは略しますが、20世紀初め、パリや南仏で芸術家たちと交流を持ち、フィッツジェラルドの「夜はやさし」のモデルになった魅力的なアメリカ人の夫妻として有名です。特に南仏アンティーヴでの暮らしぶりはヨーロッパの伝統にアメリカの華やかさと合理性を加味した、豪華ではなく趣味の良い、アーティストたちの圧倒的な賞賛を集めたものだったようです。(ピカソ、レジェ、サティ、コール・ポーター、へミングウェイetc)その「作品としての暮らし」のなかで描かれたGerald Murphyのペインティング15点?(数えませんでしたが)と夫妻の写真などが展示されています。(撮影不可)ちなみに「優雅な生活は最大の復讐である」というタイトルはスペインの諺だそうです。「快適な生活とひどい仕事、ないしは、ひどい生活と美しい仕事、どっちかだよ」。優雅な生活は生活か仕事かのどちらかで失ったものへ、そして過酷な人生への復讐なのだから・・・。なおGerald Murphyはここイエール大学の出身です。イエール大学のアメリカ文学コレクションにヘミングウェイやフィッツジェラルドの写真が収蔵されているようです。
この展覧会はウィリアムズカレッジ美術館(終了)~イエール大学~ダラス美術館の順に開催されています。↓Gerald Murphy「RAZOR」(ダラス美術館)

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  上記の3つのinterests のほかに、ここにはヨーロッパ絵画、彫刻やアフリカ、アジア美術ののコレクションも多数展示されています。写真はゴッホの「夜のカフェ」マティス「婦人像」アフリカのお面、そして2006年NYのメトロポリタンに貸し出されていたCarlo crivelliの「聖ペテロ」に再会。

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  PHOTO116.JPG大学の構内を散策しながら、3ブロックほど歩いてバインネック稀コウ本図書館へ。
ここはあいにく工事中らしく、一般の見学は不可でした。1963年SOMの設計。グリット・パターンに大理石をはめ込んだ外観が、いかにも貴重な稀コウ本を所蔵する建物にふさわしく、外部から完璧に遮断されたつくり。こういう建物は見たことが無いので貴重な体験でした。

 

 

 

日曜日なので学生さんたちの姿もまばら。古典的なスタイルの建物が多く、教会と見間違える図書館も・・・まるでイギリスのオックスフォードに居るみたい。

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再び美術館に戻って荷物を出し、近くのホテルの前からタクシーでニューへヴン駅へ。コーヒーとドーナツを待合室のベンチで、お茶タイム。
ボストンまでの列車はニューイングランドらしい風景が続きます。海辺や池のほとりに建つ家々の佇まいは美しく、豊かな環境の中に余裕のある暮らしぶりが伺えます。2時間半の汽車の旅を終え、ボストンのバックベイ駅に到着。駅からホテルまでは徒歩数分ですが、そろそろ夕刻、ぐんと寒くなりました。震えながらホテルへ。
夕食はホテルの地階にあるレストランで。クラムチャウダーとパスタ。味は普通。
☆☆   ここは朝ごはんも美味しかったです。部屋代は予算オーバーでしたが、地下鉄駅まで2.3分。レストランも近隣に多く、いろいろ便利に過ごせました。

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