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2008年春の旅(BOSTON 15) [2008春アメリカ東部NYからボストンへの旅]

4/17(木)
PHOTO199.JPG今日はアメリカ最古の超名門校ハーヴァード大学へ。思っていたよりも簡単に行くことができます。地下鉄で一度乗り換えただけで到着。地上にでますと、賑やかな街、そして大学の構内を左手にストリートを300メートルほど進み左折、カーペンターセンター付近では天気が良いので戸外でお茶をする人たちも。写真はメインストリートの風景。

 

 

ハーバード大学美術館(Fogg,busch Reisinger, Sackler  3館共通チケットあり)
http://www.artmuseums.harvard.edu/home/index.html

PHOTO253.JPG美術館はまずフォッグ(ブッシュ・ライジンガー)の見学から。クラシックな煉瓦造りの建物を入るとすぐ受付があり、その向こうに自然な採光がさし込む中庭。その回廊にロマネスクの柱頭や彫刻。展示室は右側から順番に見学します。カメラ撮影は受付での申告制なっています。コマーシャルベースに使用しないとかの誓約書にサインしてから、許可されます。
 

 

PHOTO201.JPGルネッサンスの展示室に面白いものがありました。ガラスケースに陳列された一枚の小さな板絵(27.5×16.5)。Jan van Eyckの失われた絵画「婚礼の水浴」のコピーです。本物はかなり大きな絵画だったようで、17世紀に描かれたアントワープの富裕な商人の収集室の絵画によって、エイクの「婚礼の水浴」がこのコレクターのものであったことが判明したという訳です。参照:名画への旅13巻/豊かなるフランドル(講談社)

 

 

他はボッティチェリの「象徴的磔刑」ミステリアスで印象に残りました。主題はサヴォナローラの説教と関連するシンボリズムを含んでいるとのこと。

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PHOTO206.JPGさて、先ほどチラッと見て素通りだった回廊に戻ります。数はそう多くはありませんが、スペインとフランスのロマネスク柱頭彫刻が並んでいます。色彩がかすかに残っているものもあり、それぞれが大層質の高いものであることが分かり、次第に興奮状態の私。(笑)
それにさすがにハーヴァード、詳細な説明パネルが付いています。


 

Spanish Romanesque の2つの柱頭彫刻はPalenciaのSanta Maria de Lebanzaにあったものです。
(1)「墓の傍の二人の聖女と天使」(写真左)  (2)「荘厳のキリスト」(写真右)

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French Romanesqueの3つの柱頭彫刻はBurgundyブルゴーニュのMoutiers-sant-Jeanのもの。
(1)「寺院のなかのゼカリアへのお告げ」(写真左)彼の妻エリザベスは左側面に彫られている。(2)「エマウスへの旅」(写真右)
(3)「カインとアベルの貢ぎ」(写真下)

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2階はBusch Reisingerブッシュ・ライジンガー美術館になっています。1903年の創建当時からのドイツ美術の収集に加えて、1921年のブッシュとライジンガー両名の多額の寄付により、現在は主に北ヨーロッパの水準の高い収蔵品で知られています。
ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、モロー、ラファエッロ前派、ミロ、アングル「ラファエッロとフォルナリーナ」(写真は部分)など。あら、ここにあったのね~と驚くような名品がずらり。

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特別展「Art &Design from Central& Northern Europe sinece 1880」ではドイツの彫刻家のコルビッツとバルラッハ、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーP・ M=Becker「赤いドレスの少女」など。ほとんどはここの美術館のコレクションで構成されているようでした。

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PHOTO254.JPGこれだけの素晴らしい作品に会えただけで、もう満足・・・と言うわけでアーサー・M・サックラー美術館は軽く流した見学に留めました。中国や日本の仏像や古代エジプトの展覧会が開催され、撮影は不可。

 

 

 

大学の構内をのんびり歩いて、地下鉄でチャイナタウンへ。

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ランチはチャイナタウン駅の近くの大きな飲茶のレストランで。2時を過ぎていましたので、お腹がペコペコ。それにしてはあまり美味しいとは思わなかったので、お店選びに失敗したのかも・・・。☆
この付近はベトナム料理店があちこちにあります。帰途気がついたのですが・・・遅い。
ホテルまで歩ける距離なので、ボストンコモンやパブリックガーデンを横目にお散歩。

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今夜はコンサートなので、ホテルに戻り休息。
コンサート[Harbison and Mahler]  Symphony hall  8:00開演 
conductor :James Levine
Anne Sofie von Otter     Kate Lindsey      Johan Botha  Ben Heppner   Nathan Gunn
   with Orchestra/Ensemble Boston, USA

もう、何度もブログに書いていますが、オッターの大ファンです。時々彼女のHPを覗いてスケジュールをチェックしています。たまたまボストンに居る間にコンサートに出演すると知って、大喜びでチケットを手配しました。ところが、日時を間違えて翌日18日のチケットを申し込んでしまう失態をしてしまい、取り直し・・・100$の損。(涙)
ボストン・シンフォニーの本拠地のホールは地下鉄symphony駅を上がってすぐです。便利・・・札幌コンサートホールとなんという違いでしょう。
さて、ホールに着いてからBothaがキャンセルしHeppnerに変更になったことを知りました。そりゃ~Heppnerのほうが良いわとご機嫌。前半はJohn HarbisonのSymphony No.5 。余り知られていない作曲家のつい最近完成した曲ですから、世界初演になるのでしょう。メッゾの Kate Lindsey とバリトンの Nathan Gunn が歌いました。Orpheus and Eurydice の台本を基に作曲されています。良く言えば古典的な美しいメロディアスな曲。悪く言えば、モダンで斬新なセンスはあまり感じられませんでした。

後半はGustav Mahlerの「大地の歌」。 Ben Heppner は何度か生を聴いていますが、オペラばかりでした。それに急遽代役になった模様ですから、やや不安でしたが・・・さすがに今をときめくテノールの実力者の底力を発揮。大地の歌にふさわしい野性味のかもしだされる歌唱・・・席が前方だったので、良く顔が見えました。ビジュアル的にも横から見るとライオンが吼えてるみたい。(笑)オッターは金髪に濃いピンクのドレスで現れました・・・長身で北欧美人の典型です。(うっとり)オッターのCDはほとんど持っていますが、この曲を歌うのは初めて聴くことになります。オペラと同じくらいにリートの実力も誰もが認める方ですから、ここでも、完璧なパフォーマンス。詩的で繊細な歌唱に加えて、祝祭と悲歌の表現が胸に響きます。2月のパリでのフランス・バロックオペラに続いて、オッターの歌声に接することが出来たのは、今年の最高のメモリアルになりました。ボストン響を聴いたのは初めてですが、当然ですが巧いです。弦と管のバランスが秀逸。昼の美術と夜の音楽・・・こうしてボストンでの芸術鑑賞の一日は終了しました。

 


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コメント 4

ゆみゆみ

御無沙汰いたしております。お元気でいらっしゃいますか?
お怪我のその後は如何でしょうか?

欧州へ行くまでは、涼しく、帰ってきてからの連日の暑さにバテバテで、PCからも遠ざかっておりました。
来年NYへ御一緒する方が、アリーチェさんの様に、1度出たらなかなか戻らない方^^。折角なので、ボストン・ワシントンへ行ってみたら如何?と提案したので、ずっと2008年春の旅を拝見しておりました。
ボストンでこんな素敵なコンサートに出会われたなんて、羨ましい限りです。そして、タングルウッドも比較的簡単に行けそうですね。
もう終わりましたが、8/2  ころ、マッティ・フレミング・ヴァルガスが、メトの演出で、「オネーギン」をしたようです。始めに聞いた時は「行きたい」と思い旅行社へ相談しましたら、遠くて無理だ。と言われ、心に引っ掛かった小骨のように、当日を迎えました。
もっと早くにこちらを拝見しておれば・・・。と後悔です。
しかし、来年3月にNYへ行き、4月にも「ドンジョ」を見に行く事にしましたので、アメリカばかりも如何なものか。今回は、我慢です。
お友達には、アリーチェさんの足跡を伝えます。
もし、わからないことが出来ましたら、厚かましくもまたお世話になりたいと思います。その方も、アリーチェさんの夏の旅と似たルートで旅行されて来ました。もしかしたら、あちらでおあいになっているかもしれません。
オペラハウスで、お会いする日本の方は、限られているので、何処かで何らかの繋がりがあるようです。(私のように偏った鑑賞をしない限りですが・・。)

札幌も暑い日があると天気予報で聞きますと、アリーチェさんのことを思い出します。ヒョットシテ、涼しい所へ避難していらっしゃるのでしょうか?

どうぞ、お体をお大切になさってくださいませ。
私も秋の旅を楽しみに仕事に励みます。
by ゆみゆみ (2008-08-08 19:06) 

alice

ゆみゆみさん

我が家はエアコンもありませんが、小さな扇風機をたまにつけるくらいで、過ごしています。鉄筋コンクリートの1階は涼しいのが取り柄かもしれません。ずーっと夏が続いて欲しい心境です。(笑)

タングルウッド、森の中の音楽祭・・・オペラもするとは知りませんでした。
可愛らしい小さな町や村が付近にある、とてものんびりしたところのようです。多分NYからも直行バスが出るのではないかと思います。

来年のNYは事情が変わり、中旬ごろに出かけることになりそうです。今から記念のガラコンサートは無理かしら?
by alice (2008-08-09 13:09) 

ゆみゆみ

流石北海道!羨ましい限りです。
この暑さの中、夜な夜な  メトへお電話です。
おそらく  ‘ガラ’は残っているのではありませんか?申し込みの用紙が来ていましたから。問題なのは、‘夢遊病’‘ドンジョ’です。
‘夢遊病’は一般発売前で残り50枚・100枚(日により言うことが違う)だそうです。
‘ドンジョ’など、本当??と疑いたくなるのですが、前の方は完売だそうで、未だ私のチケットは、取れていない状態です。
「○日に電話をかけて来たら、状況がわかるから」と言われ続けること3回。8/15にかける事になっています。これで、確認は4回目。
あそこのシステムはどうなっているのでしょうか?
もう2度と行きたくない。と思いながらも、近々カウフマンが、ワーグナーをすると聞けば、やはり聞きたい。
電話代が、恐ろしいです。
by ゆみゆみ (2008-08-11 12:04) 

alice

>この暑さの中、夜な夜な  メトへお電話です。

まあ~大変! でもせっかくのサブスクイブですもの、頑張ってくださいね。

私のほうは一般売出し。ネット販売は8/17からなので、ガラが取れるかどうかで日程が変わりそうです。夢遊病とトロヴァトーレ以外はあまり観たいものがない・・・。

フレミングのルサルカはパリで観たことがあります。今回の相手役のテノールAntonenkoは聞いたことがないので、調べてみました。今、ザルツでオテロ(ムーティ指揮)を歌っているとのことで、お~っ!しかし、不評・・・。

>カウフマンが、ワーグナー

彼、来年夏のミュンヘンでローエングリンなのよね!行こうかな~♪


by alice (2008-08-11 23:08) 

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