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2008年初夏の旅(Paris 4) [2008夏パリ、ロンドンと伊リグーリアの旅]

6/16 (月)
今日はランチの場所でSさんと待ち合わせることにして、レストランになるべく近い美術館に行くことにしました。ということでジャックマール・アンドレ美術館へ。今回で4回目の訪問ですが、お気に入りの瀟洒な館での名画鑑賞で優雅な気分。定番のレンブラント「エマオの食卓」、ウッチェロの「龍と戦う聖ゲオルギウス」、クリヴェッリ兄弟、マンテーニャ「聖母子と3聖人」などを飽かず眺めました。

Paolo UCCELLO(1397-1475)2枚の「龍と戦う聖ゲオルギウス」 絵葉書左がここジャックマール・アンドレ美術館のもの 右はロンドン・ナショナルギャラリー

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これらを観て歩くだけでもずいぶん贅沢なことですが、ランチは凱旋門近くのTaillevent タイユヴァン☆☆ で。ジャックマール・アンドレ美術館からは徒歩で10分ほど。 12:30 予約済み。
http://www.taillevent.com/
ミッシュランでは3☆と思っていたら昨年☆をひとつ落としたそうです。

店内はさすがに広々・・・ですが、私たちのテーブルは入り口の近く。まあ、見るからにいちげんさんですからね・・・。一生に一度のことと思ってましたが、さすがに美味しかったので再訪したくなりました。他の☆つきのお店にくらべて、ランチはリーズナブルです。ワインもグラスで比較的お安い設定。シャンパーニュのあとアルザスのリースリングを勧められましたが、Sさんの好みではないのでお断り。しかし、なかなかソムリエが現れません。サービスの連携が良くないようです。結局シャブリの2001年プルミエを勧められ、ボトルでオーダー。さすが、タイユヴァンの推奨はプルミエ・クラスでも深みがあり、昨日のとはまた別の馥郁とした香りと味わいに大満足。お得なランチコースでしたが、どのお皿も美味でした。細かいことや料理の名前は思い出せませんが、グリーンアスパラのスープ風~エスカルゴと半熟卵のサラダ~鮪と蓮根ののった野菜の酢の物~チーズにさくらんぼのソース~チョコレートケーキ~コーヒーとプチフール。

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昼間からのこの酔いっぷりではメトロでは帰れません。タクシーでご帰還。ゆっくり昼寝をして酔いを醒まし、夕方からのオペラへ。

Giuseppe Verdi 「 Don Carlo」伊語4幕版 ② Opéra Bastille  19:00開演   160€
Conductor Teodor Currentzis
Producer Graham Vick
Filippo II James Morris 
Don Carlo Stefano Secco
Rodrigo Dmitri Hvorostovsky
Il Grande Inquisitore Mikhail Petrenko
Un Frate Paul Gay
Elisabetta di Valois   Tamar Iveri
La Principessa Eboli Yvonne Naef
Tebaldo Elisa Cenni
Il Conte di Lerma Jason Bridges
Voce dal cielo Maria Virginia Savastano 
  

当初はエリザベッタはOlga Guriakova が予定されていたのですがキャンセル。4月のMetでお腹が大きかったのでおめでたなのではないかしら?(未確認ですが)こちらも代役に恵まれ、Tamar Iveriとはラッキーでした。Tamar Iveriは一度ザルツブルグで聴いていますが、とても良い印象が残っていました。この日も歌は綺麗に響き、姿も素敵。非の打ち所がありません。衰えの見えてきているといいながらJames Morris も渋く、Stefano Seccoも繊細なタイプのカルロスを丁寧に歌い好感を持ちました。 Dmitri Hvorostovsky は春にMetで聴いたときと同じような印象。省エネタイプなのかしら。ここぞというアリアに全力投球しますから、ほかは流している印象を受けました。しかし、斃れる前の死を覚悟してのアリア「私の最後の日」は滅多に聴かれないほどの歌唱、絶品。バリトンであれほど切なく美しく延ばされるとはもう脱帽。エボリのYvonne Naef、今まで聴いたエボリのなかでは最低、高音が絶吐調になってしまいます。

演出はあまり印象に残っていませんが、舞台中央にくり抜かれた十字架がこの時代のスペインのキリスト教の重みを表しています。1幕はその十字架に蝋燭の火、祈りと悲哀。そして激しい宗教戦争の弾圧を物語ります。2幕、スペイン風豪華な金ぴかの教会から登場するフィリッポ。そんな絶大な権力を持つ王も愛のない結婚生活を淋しく歌う3幕冒頭・・・聴かせどころのこの場面の演奏がやや物足りなかったのは残念。

1972年アテネ生まれの若い指揮者Teodor Currentzis、若々しく清新なところは良かったものの、ヴェルディの豊潤な曲想には深みが足りないように思いました。キャリアからみてこの度のバスチーユ・デビュは大抜擢でしょうか。ヴェルディのオペラの中ではファルスタッフと並んで大好きなオペラです。全編に流れる名曲の数々~♪ 陶酔。  席はパルテール後方(日本式では1階ですが階段状になっています)27-49

doncarlo.jpg  don-carlo.jpg ←Opera national de PARISから

明日は(この時点でキーリンサイドのキャンセルは知らず)ロンドンでのドンカルロです。ロドリーゴ対決に期待は高まるばかりです。ランチのワインがまだ残っていたのかしら・・・興奮状態の私はカーテンコールになって、舞台近くに行こうと階段を降りていったのです。そして見事?に階段を踏み外し、転落してしまいました。一瞬身体が宙を舞った感覚。そして、バスチーユのあの堅い木の椅子に左わき腹を強打。Sさんに心配されながらも、痛みはそれほどでもなく、歩いても響かないし大丈夫とホテルに帰りました。
湿布をして寝たのですが、夜中に無意識に寝返りをしようとして、左わき腹の痛さに目が覚めました。旅は始まったばかりです。不安に思いながら、うつらうつら安眠できないまま朝を迎えました。


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コメント 7

NO NAME

早めにレストランへ向かったものの、なれない道と地下鉄に手間取りお約束の12;30ギリギリにタユバンへ到着。待たせてしまい、失礼いたしました。

グラスワインはリースリング以外にもあると思い、他のワインをとリクエストしたつもりがなかなか次につながりませんでしネ。ソムリエのお薦めはさすが!シャブリ村のグランクリュと比べても遜色なし。黄金色のプルミエクリュ芳醇でした。

どのお料理も美味しく、チェリーソースに浮かんだチーズの一皿は特に印象に残りました。口に運ぶとデザートのように甘くはなく、程よい酸味と滑らかなチーズのこくの絶妙なマリアージュ!ウフフでしたね。

お会計を無視できればやはりまた、行きたいものです。

by NO NAME (2008-07-08 18:41) 

さくら

コメント1はさくら発信です!
画像認証にウロウロしたり、、、ブログにコメントを書くのになれていなくてスミマセン。
「ロマネスクにはまりました。」のコメントも出したのですが見つかりません。もう少したっても出ないときは改めて書かせてくださいネ。

ホロトフスキーのロドリーゴには参りました~。
1幕・2幕ともどうも調子が出ません。楽しみにしていたドンカルロとの2重唱もなんだか肩透かし。
でもでも、終幕はもう独り舞台!さすがホロ様でした。

熱唱にひかれカーテンコールで舞台の前に駆け寄ったのが2度目の参った。「段差に気をつけて」とaliceさんに声をかけるも、舞台近くで自ら左足首をクネ!捻挫もどきになりました。その直後、aliceさんの左わき腹殴打事件が起こったのではないでしょうか。私はゴム靴で通したので何とかしのげましたが、寝返りも打てぬほどの痛みを抱えて始まったaliceさんの旅はどんなに大変だったことでしょう。笑顔で旅を続けてくれてありがとう!
by さくら (2008-07-08 19:24) 

alice

さくらさん
>「段差に気をつけて」とaliceさんに声をかけるも、

ちゃんと聞こえていたのですよ。そして自分でも充分注意しながら降りていったつもりでした。ああ~なのにぃ~なんじゃ~!!

言いたくはないけれど(やっぱり言わざるを得ない 涙)歳ですわ。

by alice (2008-07-08 21:44) 

ゆみゆ7み

アリーチェさん・さくらさん(はじめまして)。大変!!その後は如何ですか?
同じ物を見ていて、コメント楽しく拝見しました。
私が見た時は、モリスではありませんでした。
フルラネットの独り舞台。彼は、ロンドンでも歌ってきたそうです。
更に1日目のホロ様は余り声が出ていないようで心配いたしました。が2回目では、仰るとおり、良い歌唱を聞かせてもらいました。
なので、国王との息の詰まるようなやり取りは、大変聞き応えが合ったと思っています
1日目は2階でした。でも遠さなど気にならないくらい見やすい劇場でした。この場所では、Iveriさんの声は、高音以外は殆ど聞こえず私は、残念に思いました。でも、シンデレラのような衣装にブロンド。年老いた王が、嘆くのも「そうかも」と思えます。
私が、ホロ様を追い掛け回すのもご理解いただけましたでしょうか^^。
始めの方は全体が暗く、何時ホロ様が出てきたのか?!でしたが、行進は、豪華でした。私の時は、何故か指揮者の時だけ「ブー」で、歌手もご本人もビックリされていました。
そのためか、2日目は、全員がかなり慎重に丁寧に歌っていたと感じました。
あの劇場はとっても冷えていませんでしたか?
私は、カーテンコールもソコソコに、トイレへ飛び込みました。かなり厚着していたのですが・・・。


by ゆみゆ7み (2008-07-17 21:35) 

alice

ゆみゆみさん

ホロ様のキャンセルにひっかからなくて幸いでしたね。ゆみゆみさんの熱い願いが通じたのでしょうか。ホロ様の代役を2回歌った方はロンドンでもキーリンサイドの代わりに1回歌って、両方とも好評だったようです。

フルラネットもロンドンと掛け持ちだったのですか~お若い!私も負けていられませんね。

左わき腹の打ち身は旅の間は普通にしていれば痛くなかったのですが、帰国してからレントゲンをかけて骨に異常なしの診断もでたので一応安心していたのですが・・・寝違いかどうかわからないのですが、ここ1週間くらい、咳をしてもひびくようになって・・・。年をとると筋肉も弱くなっていることを痛感。大事をとって家にこもっています。

さくらさんをはじめ、みなさんにご心配をおかけしました。m(--)m




by alice (2008-07-17 23:22) 

ゆみゆみ

先日ホロ様の「イル・トロバ」日本版が届きました。
今頃気が付いたのと思われるかも知れませんが。
このCDは以前見たことはあります。ご覧になったことはありますか?
この時の、アズチェーナが、「ドン・カルロ」のエボリ??。  イヤ~、女性は、化けるものですね。どう見ても同じ人には見えません。今回は、綺麗でした。(役柄からいってもそうなのですが)
仰るとおり、調子が悪かったのか、生だとああなのか。
歌いっぷりも、違ったので全く気が付きませんでした。
ホロ様は、余り変わらないのですよ・・・。私の全ての器官にハートのフィルターがかかっているからかもしれませんが^^。
by ゆみゆみ (2008-09-04 22:47) 

alice

ホロ様のイル・トロバ、観たことはないと思います。映像ではパヴァロッティのと最近のカーセン演出のスイスかオーストリアの湖上での音楽祭のをTV放映で観たくらいです。

生は東京でアラーニャが来たとき観に行った1度だけなので、メトのが楽しみ!!

ホテルはまだ迷っています・・・。
by alice (2008-09-08 20:00) 

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