2009年早春の旅25(オレンセ→ルーゴ) [2009春オペラと美術で世界一周]
3/28(土)
昨日ポルトガル北部からスペイン北西部のガリシア地方に入りました。2日目の今日はオレンセの西のロマネスク教会を巡り、その後は北の大西洋沿岸へ向かって移動して行きます。写真はオレンセのホテル。
旅の前にGoogle earthで訪問予定の教会を確認する作業をしたのですが、オレンセ西の2教会については未発見でした。それほどマイナーな教会なのかも・・・と思うだけでわくわくでした。やはり、ベテランの運転手さんでも道を迷いました。
Ourense-Astureses-Serantes-Ourense-Eire-Boveda-Lugo
グランホテル・ルーゴ1泊
アストゥレセス Astureses 帰国後、もう一度Google earthで確認しました。ミーニョ川の支流の流れる町や村をいくつか越えて、山間の先にある集落にひっそりと教会が佇んでいます。
サン・フリアン教会/12世紀後半の建築で、祭壇には1164年の年号が刻まれています。最初はテンプル騎士団の教会でしたが、ポルトガルのトマールと同様にその豊かな財力に目をつけられたのでしょうか、当時の教皇によりテンプル騎士団は廃止。1319年からは聖ヨハネ騎士団に移りました。
↑長方形の身廊に半円の後陣という単純な構成に正面と側面に太い控え壁が張り出しています。
↓正面扉口の上部に軒蛇腹と頂上部には壁式鐘塔。
正面の扉口は三重のヴシュールに縁取られ、タンパンには族長の十字架と二つの小さなアーチ。アーチの底部はシンプルで抽象的な文様がみられます。
迫石や側柱の柱頭にも同様に抽象化された動植物が彫られています。
北扉口、タンパンには浅い浮き彫りの三つの十字架。外側ヴシュールのチェッカーボードの模様がシンプルで、写真には写っていませんが、上部のアラバスターの窓も古風です。タンパン下の大きな石のところにも彫刻が施されていたものがあったのでしょう。壊れてしまって今は崩れるのを防ぐために、はめられた感じでした。
後陣の窓。
民家が教会の周りを囲んでいます。庭先の花が朝露にぬれて綺麗に咲き誇っていました。
セランテス Serantes こちらはGoogle earthでも確証が持てません。セランテスという名前の地名はもちろんのこと、I先生の資料にあるレイロの村はずれに孤立するという場所も、現地でいただいた地図もたよりに捜索したのですが・・・ギブアップ。
サント・トメ教会/教会は12世紀末の建築で、裏には墓地がありますが、周りには壁式のお墓のマンションがいくつか建っています。ロマネスクに求められる古い静かな趣には欠けていますが、コルネリア山の麓の小さな集落を抜けると深い林が広がっていました。
長方形の身廊と内陣、半円形の後陣の構成です。正面扉口の南の鐘塔は増築されたもののようです。正面は切妻の形状に薔薇窓と扉口の間に軒蛇腹が設けられて、装飾豊かで、魅力的な彫刻の数々に魅了されました。
タンパンは鳥と人物が寄り添う十字架が浅く彫られています。
正面だけでなく側壁にも軒蛇腹が続き、ユニークで多彩な彫刻に圧倒されました。
小さな南扉口のタンパンにも十字架、こちらの迫石も存在感たっぷり。
内部のバルコニーから鐘塔にも登れます。
後陣外観は裏手の墓地から眺めました。
教会裏手から林のほうへ散歩。ガリシア独自?の穀物倉庫と木々の緑にうっとり。ロマネスクの教会の立地の素晴らしさに触れ、至福の時間をすごしました。
続きます
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