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2009年初夏の旅5(パリ→アングレーム) [2009夏仏、伊、スイスのロマネスクを巡る旅]

5/12(火)

[電車]Paris Monparnasse10:50---Angouleme13:10

Mercure Angouleme Hotel 1泊

スーツケースはホテルに預け、5泊の荷物(小型キャリーとボストンバック)で出発。この日は朝から雨が結構強く降り、傘を差してメトロまで歩くのは大変なので、タクシーでモンパルナス駅へ。切符を自動販売機で購入。昨年はカードがアクセスできなくて苦労したのですが、今年はスイスイです。以後はイタリアの南チロル地方以外はほとんど自動販売機を使いました。

TGVに乗り込み、しばらくすると青空が広がり晴れてきました。おせんべいやさくらんぼなどのおやつを食べてお水がなくなったので、車内のカフェに行きましたが、休業していて店が空っぽです。このとき13:00を過ぎていました。切符を見間違えていて14:00に着くと思い込んでいたのです。後1時間お水なしで我慢か・・・と席に戻ったとたん、アングレームとアナウンスの声がします。すでに列車はホームに入ってます。思わず「わ~っ!!」と叫んで、荷物とコートをひっ掴んで降車。あのとき車内カフェが開いていたら完全にアウトでした。ついてないようでついているというパターンです。不思議なことに今回の旅ではこのパターンが繰り返されることに・・・。

アングレームの駅からホテルまでは徒歩でも行かれる距離なのですが、結構急な坂なのでタクシーで。メルキュールチェーンの大型のホテルですが、部屋は古いものの広く、窓からの眺めは朝食室からも出られる庭園です。

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荷物を置いて早速アングレーム大聖堂へ。大聖堂までは徒歩15分くらいですが、途中ロテル・ド・ヴィルの広場でランチ。下はHotel de Ville(市役所)歴史的にも価値のある建物です。

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午後からは気温も高く、テラス席で。定食のコースから3品を選びます。

暑いので冷たいガスパッチョ(半分も食べてから写しました)とサーモンのタルタルステーキ、デザートは多分アイスクリームでした。大きなレストランですが、なかなか良いお味。大聖堂までの道を尋ねたらご主人がでてきて、大きな市内地図を持ってきてくれました。ホテルの小さいのと違って郊外の教会も載っていたので、有難く頂戴しました。

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おかげさまで迷路のような道を迷わずに北側からサン・ピエール大聖堂に辿り着きました。Charente(シャラント)川は聖堂の正面向かっての右側を流れています。

起源は4世紀に遡りますが、西ゴート人やサラセン人、ヴァイキングの破壊や略奪を受け、現在の建物は12世紀に建てられました。1562年にはカルヴィ二ストに破壊され、1634年に修復、1866年には建築家Paul Abadieによって改修されました。

正面には左右に4角形の塔、円錐形の屋根を載せた姿です。正面からは見えませんが交差部の上のドームとトランセプトの上の方形の高い塔(6層)が並んでいます。

ポワティエ様式として知られる西ファサードはおおまかに3層に分かれています。最上部の切妻壁に5つの盲半円アーケード、左右には前述の円錐の屋根の有る4角形の塔。(この部分はアバディーの修復時のもの)
この下の層は壁面に組み込まれた大彫刻「昇天」をメインに展開。ファサードの高い位置に昇天のキリスト(写真)と四方には福音書記者のシンボル。天使たちは雲間から現れ、中央の大きな窓の上にも見上げる天使たち。その周辺に聖母と11
使徒が同じく昇天のキリストを見上げています。中央の扉口の上部は「荘厳のキリスト」のタンパン。このタンパンと上の騎馬像もアバディーの修復時のもの。

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ファサードの多彩な彫刻のなかの中心をなすマンドーラのキリスト。この図像は単なる昇天ではなく、再臨と最後の審判をも併せ持つとも言われます。

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内部の大空間はペンデンティヴによって支えられた直径10mほどのドームが3つ続きます。全体は端正な切石積みで、横断アーチと壁付アーチによって整然と区切られています。外観の両流れの屋根からはその下にドームがあるとは想像がつきません。

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側廊がないので壁に大アーケードのようなブラインドアーチを設け、上部はクリアストーリー。

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ペンデンティヴを厚い壁とともに支える複合柱、柱頭彫刻も端正に並んでいます。

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複雑にな絡み合う植物文様の刻まれた洗礼盤。良く見るとその蔦の絡まるなかに人が彫られています「キリストの洗礼」でしょうか。

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後陣外観から交差部のドームと左袖廊上部の6層の塔が見えました。

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手入れされたお庭にやってきた猫はおっとりタイプ。これからお昼寝?。

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庭に面して美術館Musee d‘Angoulemeの入り口があります。かって大聖堂やアングレーム地方の教会を飾っていた柱頭彫刻が10点ほど展示されています。

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いったんホテルに帰り、タクシーを呼んでもらって、アングレームの西5kmのサン・ミッシェルという町にあるサン・ミッシェル・ダントレイグ教会を訪ねました。公園の一角に建っています。8角形で二階建ての集中式プラン。下階は半円形の後陣が8つという見るからに安定感のある12世紀の建築です。

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扉口のタンパンに2重のヴシュールに囲まれた聖ミカエルの龍退治の浮き彫りがあります。

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タンパンいっぱいに刻まれた羽を大きく広げた聖ミカエルの躍動感ある勇姿、見事です。

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なかに入ると見学者は私だけ。天井のトップに8本のリヴが集中していく構造はシンプルですが、敬虔な祈りの場にふさわしい空間。丁寧に積まれた石の天井壁もその雰囲気を高めています。

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軒の持ち送りの彫刻も見事です。少し離れたところに鐘塔が建っています。西日のため後背部からは逆光ですが、トップの小さな塔に太陽を隠して撮影しました。神々しいような光が散らばって綺麗でしたが、それが写真には写らなくて残念。

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アングレームに戻る途中の丘の上の街と大聖堂の眺めです。

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夕食はここのホテルのレストランで、中庭の席でしたが、さすがに陽が落ちると冷えてきました。お手軽なコースムニュから選んだ前菜はいくらがのっていて美味しかったのですが、主菜はお魚を選んで失敗。

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