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2009年初夏の旅6(アングレーム→サント) [2009夏仏、伊、スイスのロマネスクを巡る旅]

5/13(水)

[電車]Angouleme9:39---Sanites10:37

Hotel Au Terminus 2泊

アングレームの駅までは下り道なので、キャリーバックを転がしながら10分ほど歩きました。石畳の道なので雨が降ると難儀するかもしれませんが、この日は朝から青空が広がって気持ちのいい朝でした。

アングレームから西に1時間の汽車の旅です。車窓からは葡萄畑など穏やかな農村風景、あのコニャック駅も通過しました。

ホテルは駅の目の前の古いお宿。3★ですが、エレベーターもなく、部屋や朝食などは限りなく2★に近いところです。町の中心が1キロ以上離れていることもあって、駅前周辺は2、3軒のエコノミーな宿があるだけで、寂しい雰囲気。まだ11時前でしたが、チェックインできて、お部屋を使えました。バスタブなしですが、部屋代はパリのホテルの5分の一。

サント駅 

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2階の角部屋

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窓がついて明るいバスルーム

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早速出かけることにして、レセプションにいたマダムに地図をもらいました。60歳くらいの宿の女主人のマダムは親切でお喋り好きです。英語とフランス語のちゃんぽんで、こちらも気楽に話せていろいろ相談に乗ってもらいました。まず、今日の午後は市内の教会2つを回ります。

徒歩10分ほどでサントの女子修道院Abbaye aux Damesに到着。

11世紀にこの地方の勢力者アンジェ伯の妻によって貴族などの子女のための女子修道院として建設されました。12世紀にはファサードや鐘塔の大改修があり、その後は火事などの被害はありましたが、復興されました。女子修道院としての歴史は1792年まで続きました。大革命のときに終わったということから、プーランクの『カルメル会の修道女の対話』を思い出しました。あのような悲惨な状況にあった女子修道院はどのくらいあったのでしょうか・・・。

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正面扉口の装飾彫刻は12世紀のもの。幾重ものヴシュールは緻密に彫られた見事なもので、一番内側のアーチには神の手を支える天使たち。その2つ上には神の子羊。(写真)

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両脇に左右対称の装飾扉があります。右側の2重ヴシュールの内側はキリストと福音者たち。

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とにかく、緻密にぎっしり彫られていますから、どこを撮っていいものやら状態。これはなまめかしいイヴの誘惑でしょうか、右にアダムがいました。ファサードのどの位置ににあったのか記憶にありません。


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中央のヴシュールの外側。54人の長老たち。

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翼廊の有るラテン十字形の単身廊の聖堂。身廊の天井は二つの大きな円形ドームを戴き、翼廊とこの部分が11世紀の建築のようです。天井の木製部分に戦乱で落ちたドームが載っていたそうです。


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後陣外観は工事中のため障害物が多く、撮れません。教会の南方向から写しました。繊細に装飾された鐘塔が印象的です。

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サントにはローマ時代の遺跡も残っています。女子修道院から歩いて数分。Charenteシャラント川の畔にでます。

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ホテルのマダムのお話では川の両岸が風光明媚とのこと。午後からの日差しが強くなってきました。岸にはボートが停泊中。橋を渡って旧市街に入っていきます。

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ところが地図が役に立たないほど路地が複雑に曲がりくねっています。おなかも空いてきましたが、静まり返った通りにはレストランも見当たりません。ベビーカーを押した若いお母さんに尋ねると、そちら方面に行くから案内しますとのこと。可愛い2歳くらいの女の子がキティちゃんの小さなぬいぐるみを持っています。オリジナルは日本で、うちの子供たちも持っていたわと言うと、不思議そうでしたが、「彼女はこのぬいぐるみが大好きなの」と優しい笑顔。

2~300メートル先を曲がると大きな広場があり、レストランが並んでいます。そのうちの一軒を薦めてくれました。定食に3品選ぶスタイルです。安くて、美味しくて、可愛いワンちゃんがいて、ご主人が愛想が良くて、楽しく食事が出来ました。

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ミモザサラダと白アスパラガス

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鴨の串焼きに野菜がたっぷり

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デザートはチェリー煮。こちらはさくらんぼが安いのでこういうデザートも作れるのかしら?自家製だよとご自慢だけあって、甘さもほどほどでトレ・ボン!でした。

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さて目指すはサントゥロープ教会Saint-Eutropeです。レストランのご主人に教わったとおりに迷路のような坂道を少し登ると、ようやく、教会の後背部が見えてきました。

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外観は傷みもありますが、窓の装飾が美しいのでカメラを構えていたら、小鳥が飛んできました。

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正面に回る途中に下階(半地下)への入り口があります。下階の教会は11世紀の内陣と左右2つの後陣。他は13世紀から15世紀、19世紀の改修は中央の後陣ということです。

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翼廊から周歩廊へ導くのは質実豪快な半円の横断アーチです。深遠な雰囲気があたりを支配しています。

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その太い複合柱に深く刻まれた植物文様。

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初めは2,3人の見学者がいたのですが、半分周ったところでいつのまにか私独りになってました。蝋燭の光が揺らめき、お棺が・・・怖くなって外に出ました。素晴らしいところには違いないのですが、暗いし、誰でも入って来れますから・・・。

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このクリプトの上に重なるように上の教会が建てられたのは同じ古い部分では11世紀から12世紀といいます。中央扉口から続く主身廊は1803年に改築されました。上の教会の柱頭彫刻は緻密で複雑に彫られたものが多く、一生懸命観てますと、目が痛くなり頭もくらくらしてきてギブアップ。

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http://buzzmap.so-net.ne.jp/alicemap/spot/252064

疲れたので隣の美術館はパスしました。帰りは疲れたらテアトルの前から○番のバスに乗りなさいとマダムに聞いていたのですが、そのバス停までが来た時の迷路を避けたので遠かったです。下はサントゥロープの遠望。

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ようやくホテルに戻り、8時ごろまで寝込んでしまいました。それでも夕食は頑張って徒歩5分くらいのマダムお勧めの海鮮レストランへ。

大きなレストランでホテルも同じ建物にあるようです。前菜に生牡蠣、主菜は鶏のグリル野菜添えでした。ホテルの紹介カードでワインが1杯サービスでした。この日はカメラや携帯を忘れたので翌日の夕方、通りがかりに撮影しました。ホテルはレストラン右奥が入り口です。

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