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2009年初夏の旅8(サント→ボルドー) [2009夏仏、伊、スイスのロマネスクを巡る旅]

5/15(金)

Saintes[車(RV)]---Retaud---Thezac---?---Corme・Ecluse---Tarmont---Thams---Rioux---Saintes[電車]12:57---Brdeaux14:19

Best Western Royal Saint Jean 1泊

朝9時から12時半までの予定でサントからタルモンまで往復し、途中寄り道をしながら6教会を巡ります。ホテルのマダムが行程を運転手さんに説明してくれて出発です。マダムの話では昨年日本のシニアの女性2人がここに泊まり、私と同じコースでロマネスク巡りをしたそうです。フランス人でも知らないところを、どうして知っているのか?と不思議そうです。ブルゴーニュやピレネーなどに比べてマイナーなサントンジュまで来るということは、多分私と同じI先生の講座を受けている可能性が高いと推定しましたが・・・。

パリ以外は天候に恵まれてきましたが、この日は時折強い風が吹き、時には雨になりました。でも、幸いなことに見学地では傘を差さずに済みました。

Retaud/Saint-Trojan教会 サントから10キロの距離のレトー村の中央に建っています。北側面と後陣側の広場は道路に面しています。

西正面はサントンジュ様式の中央扉口と左右の塗りこめられた装飾扉口が軒蛇腹の下に並んでいます。鍵がかかっていて入れません。

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軒蛇腹の持ち送りや3重のヴシュール、4本の丸いバットレス。

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交差部の上は8角形の無骨な印象の鐘楼

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後背部に周ってみますと、装飾豊かな窓やユニークな軒の持ち送り。ファンタステック!

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Thezac/Notre Dame教会  レトーから数分でテザックの村の民家に囲まれた教会に到着。ここも閉まってました。  

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2層の鐘塔がここの見所のようです。

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教会の裏庭に咲いていた野薔薇

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2箇所の教会が閉まっていましたので、運転手さんが気の毒がって、この近くだからと寄り道してくれた教会です。名前をメモしていなかったので、帰国後調べてみました。多分Meirsacではないかと思います。ここは開いていました。正面扉口は一箇所で、ヴシュールの彫刻もいまいちですが、

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ヴシュールに続く柱頭彫刻はサントンジュらしい繊細さ

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 単廊式ですが、翼廊があり交差部上に低い方形の鐘塔と脇に円錐形の尖塔が建っています。

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Corme-Ecluse教会  周りには花壇などもしつらえられ、手入れの行き届いた広い敷地に建っています。正面の切妻形の上部、下には軒蛇腹、ギャラリー、そして3つの扉口。左右の扉口は塞がれています。

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方形の鐘塔、その傍らに円錐形のトップを頂く細い円柱の塔。サントンジュに多いスタイルです。均整の取れた全体の姿に緻密に刻まれた彫刻の数々の見事さ。サントンジュ・ロマネスクのなかでは見逃せない教会のひとつでしょう。

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中央扉口外側のヴシュールセンターに刻まれた人間の左右に怪鳥?意味不明。

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半尖頭アーチで区切られた翼廊

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内陣から扉口を撮影。ここも誰も居ません。

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内部の柱頭彫刻は抽象的な植物文様が大半。

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Tarmont/Ste-Radegonde教会 タルモンに着いたころが一番風が強く吹き荒れていました。遠くからジロンデ河の畔に建つ教会が見えてきました。

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気の利く運転手さんは大きな駐車場には止めず、教会の近くまで行ってくれて助かりました。

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教会正面は墓地になっています。

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扉口は15世紀に改修されていますが、磨耗が激しいのは川からの強風を受ける地勢のためかもしれません。中央のヴシュールに「神の子羊」足元に在るのはなんでしょう?(補記:聖書とのことです)

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内部は近代の補強のための改修はあるものの、ほぼ12世紀の建築が残っています。入り口からすぐの短い身廊部分に続く翼廊、大小の後陣の構成。

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広いジロンデ河の最下流で、すぐ先は海(大西洋)です。この教会の建っているところは狭く、川に張り出した形になっていて、それが独特の孤高の教会の景観を見せています。

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鉛色の空に、後陣を見せて建つ姿は小さく可憐なようでいて、力強く不動でもあり、永遠のときを感じるシーンでした。

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突き当たりは世界遺産にもなっているこの辺一帯の独自の漁の張り出し小屋が見えました。(Carrelets)

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タルモンはお天気が良ければ相当な観光客が来るのでしょう。教会の付近はカフェやお土産屋さんが並んでいます。路地はあちこち花々が植えられ、素敵な散歩道になっています。

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続きます。

 

 

 

 

 

 

 


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コメント 4

Pirvs Lvdens

10年前にタルモンへ行きましたが全く変わっていないようですね。
元はラテン十字だったのに自然の力がギリシア十字プランに造りかえてしまいました。
メダイヨンの子羊の足元にあるのはおそらく聖書、黙示録写本によく登場します。

by Pirvs Lvdens (2009-06-19 22:54) 

alice

Pirvs Lvdensさん

>メダイヨンの子羊の足元にあるのはおそらく聖書、黙示録写本によく登場します。

そうなのですね!これで疑問が解けました。ありがとうございます。

ポルトガルで「神の子羊」をいくつも見て以来、私的ブームになっています。今回もいくつか発見しましたが、十字架を持たない羊さんもあり、土地や彫られた石の違い、そして写本の影響などなど、興味は深まるばかりです。

また何かありましたら、ご教示くださいませ。よろしくお願いいたします。



by alice (2009-06-20 12:29) 

tina

十字架を持たない子羊もいるのですね。
初めて見ました。
といってもたいしてみていないのですが。
by tina (2009-06-23 22:17) 

alice

tinaさん

復活の旗だけ持った子羊もどこで観たような・・・。ビザンティンのモザイクだったかしら?

ゲントのエイクの「神秘の子羊」までの変遷を辿ってみるのも面白いでしょうね~。


by alice (2009-06-23 23:54) 

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