2009年初夏の旅12(パリ→チューリッヒ) [2009夏仏、伊、スイスのロマネスクを巡る旅]
5/19(火)
Paris13:05---Zurich14:35
Ambassador Swiss Quality Hotel1泊
パリは最近とみに交通渋滞がひどいので、なるべく11時以降に空港へ着くようなフライトを選ぶようにしています。タクシー代が混んでいるときと、そうでないときの差が10~20€もあるのです。昨日から少し暖かくなりましたが、それでも15度くらいのパリを定時に離陸し、チューリッヒに到着。スイスは今回の旅では一番気温が低いはずと思っていましたが・・・
チューリッヒからいきなり夏の旅に突入してしまったのです。25度以上はありましたから、コート姿の私は汗だくでホテルにたどり着きました。アンバサダーホテルは昨年泊まったホテルの隣で、1階に洒落たレストランもあり、やや高級感はあります。7年前に友人と来て泊まったことがあり、懐かしかったのと、サービス価格がBooking.comにでていてリーズナブルなので予約しました。(前払い)
部屋は写真を撮り忘れてしまいましたが、7年前と同じシングルルームでした。最近は独りでもダブルベットの部屋が主流なので、やはり、古いタイプのホテルといえるでしょう。
洗濯と昼寝の後は、ホテルの目の前にあるオペラ・チューリッヒへ。15分前に部屋をでました。
(4)ヘンデル『アグリッピーナ』 19:00開演
George Frideric Handel | : | Agrippina |
In Italian, and surtitled in German | |
Scintilla | |
Conductor | Marc Minkowski |
Producer | David Pountney |
Sets | Johan Engels |
Costumes | Marie-Jeanne Lecca |
Lighting | Jürgen Hoffmann |
~ | |
Agrippina | Vesselina kasarova |
Poppea | Eva Liebau |
Ottone | Marijana Mijanovici |
Nerone | Anna Bonitabus |
Giunone | Wiebke Lehmkuhl |
Claudio | László Polgar |
Pallante | Ruben Drole |
Narciso | José Lemos |
Lesbo | Gabriel Bermudez |
チューリッヒオペラ劇場の予約サイトが昨年と方式が変わったらしく、5月に出かけられると決まってからすぐに(数ヶ月前)予約したのですが、チケットを購入できなくて、FAXしたところ、すぐにOKの返事があり、まもなく送付して来ました。チケットには1.Rang Reihe1とあったので、平土間の最前列と勘違いしていて、1階すなわち2階ということでした。それでも、ほぼ中央の1列目ですから、とても良い席でした。
入り口ホールはそろそろ開演というのに人が大勢です。2階にも案内係が居ませんので、変に思いながら舞台に近い側面のドアを開けて・・・!!なんとまだ練習中で、ミンコウスキーが厳しい顔をみせて指示をだしています。ちらっとこちらをみたような・・・。さっとドアを閉めて廊下へ。不安が頭をかすめます。初日はとうに終わり、何度かの公演が済んでいるはずなのに、まだ、開幕のぎりぎりまで練習とは・・・。
数分の遅れで幕が開き、ミンコウスキーが指揮台へ。なんとなく元気がないみたい、そして前奏曲が終わると椅子に座ってしまいました。椅子に座って指揮をするミンコウスキーを始めてみたような気がします。音楽全体では昨年のフィデリオより良かったと思いましたが、春のシャトレの「妖精たち」に比べると・・・。オーケストラの違いなのでしょうか。
歌手で変更があり、楽しみにしていたPoppeaのMalin hartelius がEva Liebauになり、残念でした。タイトルロールのカサロヴァは今の彼女としては大層頑張って歌っていたのですが、癖のある大仰さが演歌調の歌唱となり、ヘンデルを歌ってよねと言いたくなってしまいます。決してカサロヴァが嫌いでもなく、演歌調も時にははまるときもあります。なにせ演出が演出ですから。どぎつさ満載、気持ち悪くなるような場面も・・・まるで西太后のような衣装のアグリッピーナが屠殺場でアリア[Pensieri,voi mi tormentate...]を歌います。(下の写真)見るからに凄いでしょ。
ミヤノヴィッチは初めて聴きました。声量はあまりないのですが、この人が歌うとああ上質のヘンデルを聴いているという歓びが湧いてくるのです。痩せ過ぎなので、健康に気をつけてまだまだ活躍していただきたいです。
私の席から
カーテンコールはほとんどピンボケで失敗してしまいました。
今夜のオペラの余韻に浸りながら、ホテルのレストランで軽く食事をして部屋へ。明日からは後半の旅に入り、移動も多くなります。10日間分の荷物のことなど考えながら眠りにつきました。
参考映像/ヘンデル『アグリッピーナ』2003年3月トゥルコワン市立劇場(仏)におけるライヴ収録
指揮:ジャン=クロード・マルゴワール 演出:フレデリック・フィスバック
演奏:Le Grande Ecurie et la Chambre du Roy
アグリッピーナ:ヴェロ二ク・ジャンス ネロ―ネ:フィリップ・ジャルスキー
ポッペア:イングリット・ペリューシュ クラウディオ:ナイジェル・スミス
オットーネ:ティエリ・グレゴワール
はじめまして、オランダ在住のレイネと申します。
カサロヴァの「アグリッピーナ」をご覧になったんですね!ブログ仲間で話題になったのですが、実際に観られた方の感想は、やはり違いますね。カサロヴァとヘンデルはあまり相性がよくないのかもしれません。
マリヤーナ・ミヤノヴィッチは、お気に入りなんですが、昨年モネ劇場での「ジュリオ・チェーザレ」では、降板になりました。細身過ぎて体力がないのかもしれません。よくキャンセルします。彼女のネローネ、どんなだったのか気になります。
しかし、ネローネといえば、なんといってもマレーナ・エルンマン!アリーチェさまは、ウィーンで彼女の「ダイドー」をご覧になったようですので、記事のアップを楽しみに待っています。昨年末にパリで上演されたプロダクションですよね。9月にアムステルダムでも上演されるんです。(明後日からチケット発売)
ささやかながら、マレーナ・エルンマン・ファンクラブをしています。マレーナさまの「ディド」記事、アップされたら当方のブログにリンクしてもよろしいでしょうか。
by レイネ (2009-06-27 18:27)
レイネさん
初めまして!
オペラの感想は本当はとても苦手なのです。歳のせいもありますが、いつもぼんやり観ていて、帰ってからさっぱり思い出さないのが辛いところです。一切メモをとらない主義ですし。(ただの怠け者・・・汗)
>マリヤーナ・ミヤノヴィッチは、お気に入りなんですが、昨年モネ劇場での「ジュリオ・チェーザレ」では、降板になりました
私も昨年のアムスでの「ジュリオ・チェーザレ」でミヤノヴィッチにキャンセルされました。
今回舞台での彼女を初めて見て、その痩せかたは病的な感じもしました。歌唱が素晴らしいだけに、体力がつけばもう一歩の声量、ズボン役らしい身のこなしなどがプラスされるに違いありません。
ネローネはボニタブスが歌いました。ミヤノヴィッチと比較すると他の歌手たちはヘンデルらしくないと切り捨てるのは過言かもしれませんが、私にはそう聴こえました。
>ネローネといえば、なんといってもマレーナ・エルンマン
おお!でましたね~♪実はウィーンで「ディド~」があると知ったとき、ディド役を調べていて、初めてマレーナ・エルンマンを知りました。ネローネの映像もYou Tubuで見て、これは面白そう~と大期待でした。良かったですよ!!例によってあまり詳しくは書けませんが・・・お待ちくださいませ。
只今、アメリカから次女と4歳の孫が里帰り中で、なにかと振り回されております。それでアップが遅れております。
by alice (2009-06-27 21:50)
aliceさん、ハルテリウスでもたいした違いはなかったと思います、ヘンデルにはむいていません...な〜んて言うとファンの方に起こられるかもしれませんが。この公演を二度ご覧になった方と先日の新国のチェネレントラのときにお話ししたのですが、一日はミンコ、まったくダメ、その次の回は良かったんだけれど、ということでした。やはりMDLGを指揮するときとは違うのは当〜然。シャトレは最高でしたもんね〜。
ミヤノヴィチですが、私は去年のモネのチェーザレは聴けました。でもチェーザレには物足りない...別キャストのザゾで決まりです。ヘンデルでも彼女は役を選ぶと思います。それから去年のあの時期は彼女、妊娠の初期だったのでキャンセルしたようです。秋ごろに出産したんだったかな、年内にまた活動を始めたのですが、一部ではキャンセルが多いと言われています。彼女、ミンコがアムステルダムで使い始めてから(2001年だったかな?)脚光を浴びた歌手ですね。
by Bowles (2009-06-29 09:10)
Bowlesさん
>やはりMDLGを指揮するときとは違うのは当〜然。シャトレは最高でしたもんね〜。
これからはMDLGを指揮するときだけに絞ろうかな~♪11月の来日公演、絶対行きます!!
ザゾのチェーザレは確かに良かったですね。9月にシャンゼリゼでコンサートがあるようなので只今考慮中・・・。
ミヤノヴィチ、赤ちゃんがいるのですか~知りませんでした。出産といえば、グルヤコーヴァはまだ歌ってないようですね。
by alice (2009-06-30 21:34)