2009年初秋の旅4(ローマ→ヴィテルボ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]
9/10 (木)
Roma/OST11:52→Viterbo/Porta Romana13:42 Best Western Hotel Viterbo 2泊
ヴィテルボへ行く前に、大事なことを思い出しました。サンタ・マリア・マッジョーレ教会でピエロ・デッラ・フランチェスカの壁画を観ることです。この作品は帰属や保存状態にに問題があると聞いていましたので、あえて観る気持ちもなかったのです。昨年1月もこの教会を訪問しましたが、すっかり忘れていたほどでした。しかし、昨年ようやく邦訳で出版されたロベルト・ロンギ著『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』(中央公論美術出版)にはこのフレスコ画に高い評価がなされているのです。
ローマはしばらく来られないかもしれませんから、見逃すわけにはいきません。幸い教会はホテルから極近くです。徒歩3分くらいですから、まとめた荷物を部屋に残し、チェックアウト前に外出しました。
昨年来たときは冬で、観光客もまばらでしたが、今日は青空が広がる良い天気なので、教会前の広場は大賑わい。
↓ 太陽が眩しいので、玄関柱廊のなかから撮影
さて、玄関前の案内板にもピエロの天井画の案内などありません。身廊にないことは確かですから、まず右側廊からの礼拝室を探索していきます。すると2、3番目に案内図では礼拝堂と書かれていたブックショップがあり、その天井画に描かれた四福音書記者のうちの唯一判読できるのが聖ルカです。修復が済んだのでしょう。思っていたより色彩鮮やか。ピエロらしい美しいグリーンの濃淡が印象的です。
ピエロ・デッラ・フランチェスカ「福音書記者聖ルカ」1459頃。
初めてロンドン・ナショナルギャラリーで「キリストの洗礼」に出会って以来、イタリアはもとより、遠くは北米のウィリアムズタウンまで追いかけをしてしまったピエロ・デッラ・フランチェスカ。これで全作品を鑑賞することができました。望外の幸せを胸に、混雑する買い物客のなかで、じーっと天井を見上げるばかり・・・。
http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/newpage1piero.html
すっかり、変なおばさんに見られてしまったようで、ブックショップの女の方が不機嫌に私を睨んでいます。買うものもありませんから、ここの外階段の下から入れる博物館のチケットを購入。ようやく「グラッツエ」とにっこり。時間もなく、宝石で飾られた司教杖や法衣など超特急で眺め、内陣のモザイクもいくつかカメラに収め、ホテルに戻りました。
サンタ・マリア・マッジョーレ教会は四大司教座聖堂のひとつで、聖母に捧げられた教会としてはローマ最大のもの。古代のバジリカの面影をとどめています。
↓ 後陣の壮大なモザイク「マリアの戴冠」(13世紀) 5月の旅から使っているカメラの望遠で撮りました。肉眼では見えないものも写っています。
↓ サンタ・マリア・マッジョーレ教会の「神の子羊」。ローマの格式ある教会に相応しいゴージャス系の羊さん。
スーツケースをホテルに預け、7日分の手荷物を携え、チェックアウト。タクシーでローマ/オステンセ駅へ。イタリアFSは安いです。ヴィテルボまで2時間近く走って、4.5€でした。
ヴィテルボのホテルは旧市街を探したのですが、適当なところが見つからず、バスターミナルに近いので、郊外の近代的なホテルにしました。やはり大変だったのは旧市街まで距離があったことと、付近に適当なレストランがなかったことです。
荷物を置いて、洗濯を済ませると3時。慌てて旧市街の見学に出かけました。ホテルに隣接して大型のモールがあり、かなり車も多い道を1キロ以上は歩きます。
↑ ようやく門が見えてきたところで、バスが来たので乗せてもらいました。終点がすぐだから代金はいらないよと親切な運転手さん。降りたところは城壁内の大きな広場で、ここから坂を上ると(i)や
↓Piazza del plebiscitoプレビシート広場があります。13世紀半ば以来の市政の中心地だったところなので、知事官邸や市役所などに使われている由緒ある建物が、広場を取り囲むように建っています。
↓ ヴィテルボの紋章の獅子像もあちこちに立っています。
ここから大聖堂までの道には古い建物や教会などがあり、観光客も多く歩いていました。
↓ 大聖堂が見えてきました。このとき急に冷たい風が吹き、夕立になりました。夏の終わりのイタリアに多い気候です。
Cattedorarle/Viterbo 12世紀の建立ですが、現在のファサードは16世紀に造られました。鐘楼は14世紀のもので、トスカーナの影響がみられます。
↓ 内部は三廊式で、床はコズマーティの工匠たちの作品。
裏庭から周ると宗教美術館(有料)になっていて、Palazzo dei Papiと呼ばれる歴代教皇の館と繋がっています。
↓ 大聖堂の前の広場からは展望台になっている開廊や
↓ 夏の名残の薔薇を背景にさきほどの歴代教皇の館が威厳のある姿。
↓ 大聖堂から狭い道を辿り数分、サンタ・マリア・ヌォーヴァ教会へ。ヴィテルボで最も古い教会で11世紀の建立。閉まっていて、内部はおろかランゴバルドの回廊も鍵がかかっていて入れませんでした。路地の密集した場所にあり、ファサードの写真を撮るのが難しいうえに、逆光になってしまいました。
ここからまた2キロくらい歩いてホテルに戻りました。へとへとになり、外で食べる元気も残っていません。隣のモール内のスーパーでお寿司を売っていたので買ったのですが、超不味くて、空腹なのに喉を通りません。ビールとおせんべいだけ。イタリアで餓えるなんて・・・とふて寝。
↓ スーパーの魚屋さんは結構な品揃えでしたが。
祝!!ピエロ・デッラ・フランチェスカ全作品制覇!!
どれがいちばんのお気に入りですか?
あのピエロ・デッラ・フランチェスカの場所ね〜。おみやげを買う人も、あそこを通ってトイレへ行く人も、誰も注意を払わないってのがいいですね(笑)。
>2時間近く走って、4.5€でした。
って、ちょっと謎...。
by Bowles (2009-10-07 09:08)
Bowlesさん
ありがとうございます!!Bowlesさんに励まされて、成し遂げられた(笑)ようなものなので、コメントいただいて、とっても嬉しいです~☆
一番のお気に入りはセニガリアの特別展で観た「セニガリアの聖母」。この街へ来て描いたのだな~と、想い入れも大でした。
まさかショップの天井とは思わず、絶句でしたが、お土産買って居る人たちの邪魔にならないように、こそこそ&にやにやしながら写真を撮る私は、まったく浮いていましたね。
>2時間近く走って、4.5€でした。
オステンセ駅の自販機で買ったのですが、行き先を間違えたかと思いました。チケットは記念に手元に持っています。
私鉄ノルド線ですとローマ・パスなのでフリーだったのですが、4.5€ならね~。(笑)
イタリアの田舎はバスも安くて、例えばシエナからサン・クィリコまで1時間で、3.30とか・・・まあいろいろ文句もありますが、許します。(笑)
by alice (2009-10-07 12:28)
自分のブログ、再度読み返してみました。あらら!!
Bowlesさんが>2時間近く走って、4.5€でした。って、ちょっと謎...。の意味が分かりました。(汗)
書き直ししますね。
by alice (2009-10-07 12:35)
某所の私のフォト・アルバムの2007年9月のピエロのphoto、aliceさんとほぼ同じ角度で撮っていますが、そのときのデジカメはまだ10倍ズームがついたものではなかったので、aliceさんのお写真にはずっとずっとおとります。まあロンギ大先生のおっしゃることも、今ではあれこれ訂正することもあるようですけれどね...。でもやっぱりピエロっぽいのは事実です。あんなところにね〜、ホントに。
謎かとけました!!
by Bowles (2009-10-07 15:18)
>某所の私のフォト・アルバム
えっ?某所ってどこ? 私も見れるところって・・・とMIXIを開いてみました。
なんと!!見逃していたのです。ピエロも売店の天井と書かれているではありませんか・・・。
カメラは前のデジカメが古くなったので、思い切って一眼レフにしたのですが、重くて大変。特に望遠レンズはつけ替えも面倒ですから、ここぞというときだけしか使いませんでした。5月のときは望遠レンズ自体、重いので自宅に置いていってしまいました。(汗)
今回はせっかく望遠で写したので、大きめな写真をアップしました。
基本的に教会内ではフラッシュはたかない主義なので、暗いところはあまり良く写っていません。
by alice (2009-10-07 20:41)