2009年初秋の旅5(トゥスカニア&タルクイニア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]
9/11 (金)
今日は丸一日掛けて、ヴィテルボの西のトゥスカニアとタルクイニアの観光です。朝から晴天になり、美味しい朝食(なにしろ空腹で目が覚めました)で、元気になりました。
まず10:30のバスでトゥスカニアへ。市内を抜けるとほとんどバスは停まりません。運転手さんに尋ねても、サンタ・マリア・マッジョーレ教会の側にはバス停はないようです。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。内心は不安でいっぱいだったのですが、旅なれた風を装うしかありませんでした。(汗)
バスは結構なスピードで30分ひた走り、トゥスカニアに近づきました。街に入る手前でサンタ・マリア・マッジョーレ教会らしい建物が見えましたが、道路側の鉄柵は閉まっているようでした。
↓ まもなく、街の入り口、城壁の外のバスターミナルに到着。
ここから今来た道を戻りましたが、自動車専用のような道路なので、誰も歩いていません。かなりのスピードで行き交う車に注意しながら徒歩10~15分くらい。さきほどチラッと見かけたサンタ・マリア・マッジョーレ教会の素朴な後陣が見えてきました。左の緩い坂道を少し登ると、ツアーのバスも停まっていて、こちらが入り口になっています。
サンタ・マリア・マッジョーレ教会/S.Maria Maggiore
トゥスカニアの大聖堂として、建設は8~13世紀に及びました。↓ 山側から。
正面手前に聳える切断された鐘楼。ファサードに3つの扉口があります。
↓左扉口。
↓ リュネットの浮き彫りはセイレーンと人面鳥(グリーンマンと合体?)に蔦が絡まっています。ジグザグ模様と繊細な植物模様とが組み合わされたヴェシュール。
↓ 中央扉口は側柱や上部の小開廊、薔薇窓などに白い石を用いて、素敵なアクセントになっています。
↓ 中央に「玉座の聖母子」、右に「神の子羊」、左に聖書の場面の構成。
サンタ・マリア・マッジョーレ教会の「神の子羊」。尻尾がちょっぴり外にはみ出しているところが、可愛い。
↓ 右扉口 鐘楼の影で、上手く写っていません。
↓ 内部は三廊式。ロマネスクの素朴な空間に繊細な装飾が加わって、内部に足を踏み入れたとたんに魅了されました。
↓ 説教壇は中世初期の断片を組み合わせて造ったもの。素晴らしい!!
↓ 勝利の門のフレスコ画「最後の審判」(14世紀)
↓ アーチにも花文様が彫られています。
↓ 鐘楼の後から眺めた丘の上のサン・ピエトロ教会。
↓ 思っていたより坂道の傾斜が低く、助かりました。のんびり歩いても数分もかかりません。
それでも、正午の太陽が照りつけ、気温も30度近くはあったでしょう。汗だくで到着。さきほどのサンタ・マリア・マッジョーレに似た明るい茶色に白の配色が、すがすがしく目に入り、疲れも吹き飛びました。
↓ サン・ピエトロ教会/S.Pietro
左手前には切断された2基の塔が建っています。8世紀の創建ですが、現在の姿は11~13世紀の再建時のものです。
↓ 特に美しいファサード中央部分。
↓ 薔薇窓はコズマーティの工匠たちの作。四隅に福音書記者たちのシンボル。
↓ 薔薇窓左の2連窓を繊細な彫刻が囲んでいます。
↓2連窓の上部にサン・ピエトロ教会の「神の子羊」。背中の十字架見えますか?羊の顔がロマネスクのものよりしっかり写実的。
↓ 正面左右の扉口
↓ 内部は折りしもTVの撮影中でした。係りの方が、先にクリプトを観ててというので、下へ。古い時代を感じさせる転用されたと見られる円柱が並んでいます。(11世紀末)
↓ 中央身廊を歩くお二人はTVの出演者。ドラマではなくこの教会の紹介のようでした。このシーンで撮影は終わりました。
↓ 三廊式の内部の内陣中央。フレスコ画は12世紀末、チボリウムは11世紀。
クロス型の明り取りと剥落したロマネスク期のフレスコ画が何故か物悲しくも惹かれます。
↓ コズマーティの工匠たちによる床面(12世紀末の貴重なもの)
↓ 帰りは先ほどのサンタ・マリア・マッジョーレ教会方向には左折しません。まっすぐの道が旧市街に続いています。
城壁近くのサン・ピエトロ教会が遠望できるレストランでランチ。お勧めのアンティパスト(写真)とパスタにワインもいただいて、ようやくローマ以来のまともな食事ができました。
ところが~~~!! 続きます。
今回は二カ所もタルコフスキーがらみの場所をまわられましたね。サン・ピエートロとサン・ガルガーノと。あれ?ひょっとしたらバーニョ・ヴィニョーニも?前者のクリプタ、aliceさんは「ノスタルジアごっこ」はなさらなかった?って、あんなアホなことをやるのは、私たちだけか...。
>ところが~~~!! 続きます。
興味津々...。
by Bowles (2009-10-07 18:10)
Bowlesさん
>「ノスタルジアごっこ」はなさらなかった?って、あんなアホなことをやるのは、私たちだけか...。
だと思う・・・。(うふっ)
バーニョ・ヴィニョーニは残念ながら寄れませんでした。映画では印象深いシーンに使われていたのですがね・・・。残念。
by alice (2009-10-07 20:57)
またまたやってきました、三郎です!
建造物が大好きなので、数々の写真を眺めてはうっとりしてしまいます(^^*)しかしそれに劣らず食べ物の写真も思わず凝視してしまいますね(笑)
在学中には外国・芸術の旅をしてみたいな~。
by 三郎 (2009-10-10 02:55)
三郎さん
こんにちは!私は戦後の食べ物のない時代に育ちましたので、10代まで見る夢は、雑誌に載っている食べ物だったりした哀れな女の子でした。
それがトラウマになったようで、どこへ行っても食べ物が気になります。(笑)
写真は5月から一眼レフの一番安くて軽いのを使っています。それでも交換レンズ(望遠)は重くって・・・それで、せっかく苦労して撮ったのだからと、大きくアップしています。
by alice (2009-10-10 15:54)