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2009年初秋の旅7(オルヴィエート→フィレンツェ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/13(日)

Orvieto11:50→Firenze13:33   Hotel Rosso 3泊

オルヴィエートでは朝寝をして、ゆっくり朝食をとり、11時ごろドゥオーモの前からミニバスに乗りました。日曜日とあって学生さんたちの研修旅行や若い人たちのグループ旅行でフニクラーレも満員です。列車も混んでるかもしれないと思い、座席指定の1等切符を購入(22€)。やはり混んでいたコンパートメント列車でフィレンツェへ。

↓ オルヴィエートSF駅からフニクラーレ駅方向を撮影。

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オルヴィエートの駅で買ったサンドイッチで車内ランチ。フィレンツェは郊外のリフレディ駅に着いたので、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで乗り換えが面倒でした。

5年ぶりのフィレンツェの宿はサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から近い、同名の教会の建つ広場に面しています。建物にホテルの旗やプレートがついていませんので、わかりにくいのですが、よく見ると入り口入ったところに、小さな赤い立看板がありました。

↓ 真ん中の建物が3泊したホテルです。

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↓ 内装は新しいデザイナーホテルらしく、お洒落な感じ。入り口左にレセプション

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↓ 中庭。右側に朝食室。

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↓ 部屋もグレイに赤いアクセントを効かせたインテリア。バスタブはついていませんが、窓のついたバスルームは明るくて広く、使い良かったです。

 

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フィレンツェでは思いがけず、マイミクTさんの有り難いお申し出があり、計画から洩れていたカルミニャーノに案内していただくことになりました。3時にホテルまで迎えに来ていただいて、ご主人の運転で一路フィレンツェから30Kほどのカルミニャーノへ。途中どしゃぶりの雷雨になりましたが、目的の教会に着いたころはほぼ雨も上がりました。

カルミニャーノCarmignano/サン・ミケーレ教会

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ここにはポントルモPontormo(16世紀の初期マニエリスムの代表的画家)の祭壇画が身廊右壁に掲げられています。カメラ禁止なので、画像はネットからお借りしました。暗い堂内にあったためか、色調はこの写真より濃く見えました。デューラーの版画「4人の魔女」を構図の下敷きにしているそうです。

↓ 「聖母のエリザベツ訪問 Visitation」(1528~29)202×156

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余談ですが、ポントルモは晩年奇妙な日記を残しています。毎日の食事を詳しく書いているのですが、制作と同じ目線が食べ物に注がれています。人との付き合いを嫌ったとヴァザーリの列伝にも書かれていますから、変人であったことは間違いないでしょう。

↓ ご参考までにデューラーの「四人の魔女」(1497 )19 x 13.1 cm,ゲルマン国立博物館,ニュルンベルク,ドイツ. ネットからお借りしました。

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Tさんご夫妻のおかげで、素晴らしい名画を鑑賞することができました。そのうえ、今日のもうひとつの目的のサン・レオナルド・アルチェトリ教会San Leonardo in Arcetriへも案内していただきました。この教会も建物に興味はなく、内部にあるロマネスク期の彫刻(説教壇)を見学するためでしたが・・・。

フィレンツェに戻り、丘の上のサン・ミニアートへの緑濃い道路の脇に車を止め、Tさんも時々散歩されるという瀟洒な館の並ぶ小道を行きますと見えてきました。

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しかし、柵に鍵がかかり、案内板には当分オープンしないようなことが書かれています。フィレンツェのHPでは夕方は16:00~18:00まで開くと在りましたのに・・・。(涙)

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見ると隣に司教館があります。Tさんがベルを押し、出られた司教様に訊いてみてくださいました。今は工事中でその彫刻もテントが張ってあって見られないそうです。

今になって思えば、そのとき3月にNYで撮ってきた一枚のレリーフの写真を持っていけば良かったのです。例え見学できなかったとしても、ここまで訪ねてきた意味が分かってもらえましたものを・・・。

↓ サン・レオナルド・アルチェトリ教会旧蔵「受胎告知」 /「NY The Cloisters(メトロポリタン美術館別館)

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1200年のフィレンツエ・ロマネスクの様式で彫られた7枚のレリーフのうちの一枚がNYに買われていった経緯などをある本で知りました。残る6枚のレリーフを観て、確認したかったのです。

↓ 幻に終わったアルチェトリのレリーフは参考書からスキャンしました。「Radice di Jesse エッサイの木」

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しょんぼり・・・元来た道を帰ります。そしてホテルまで送っていただきました。日曜の休日を私のために車を出してくださって、お世話になりました。ありがとうございました。

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2日後にTさんと共通の友人Aさんが、フィレンツェにいらっしゃいます。その夜に一緒にお食事をしましょうと約束をしました。

↓ 洗濯と休憩の後はホテルの紹介の近所のカジュアルなレストランへ。外のテーブルで道行く人を眺めながらの食事でした。好物のメロンとハムの前菜&ポルチーニのパスタ。

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美味しかったです。しかし、もう9月というのに蚊に数箇所刺されてしまいました。(涙)フィレンツェは今年猛暑だったそうですから、蚊もまだまだ元気なようです。ぽりぽり掻きながら就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


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コメント 10

tina

ポントルモというと茹で卵ばかり食べた人でしたっけ。
この絵見たことがあるような気がしますが、画集ででも見たのでしょうか。

昔たしかヴェネツィアからの列車がリフレディと切符にあるのに気がつかず、大慌てで乗り換えたことがあります。階段しかなくて、トランクを持っての移動は大変でした。

以前はフィレンツェのホテルにベープマットがおいてあってびっくりしたことがあります。暑い時期ではなかったので、「なんで・・・?」と思ったのですが必需品なのですね。
by tina (2009-10-11 15:11) 

alice

tinaさん

そういえば10月にフィレンツェに行ったとき、ホテルの部屋に蚊がいました。全部で数匹だったかしら、ベットに入るとぷ~んとやってくるので、全部やっつけてからようやく眠れました。真夏の蚊と違って、か弱かったから良かったです。

ポントルモの日記はあらすじを読んだだけですが、晩年の日記なので、もはや描くことのほかは食欲(生きる)だけになったのでは・・・。老人てそんなものよね。(笑)
by alice (2009-10-11 15:40) 

Bowles

このポントルモ、最近ではビル・ヴィオラのもとネタとしてのほうが著名かもしれませんね。

ポントルモの日記、読みましたよ。探せばまだどこかにあるかもしれない...。かなり変人、って印象でした。

でもaliceさん、

>あらすじを読んだだけ

これってちょっとうけました(笑)。
by Bowles (2009-10-12 04:13) 

alice

Bowlesさん

さすが!私のようにあらすじだけ(笑ってください)でなくて、きちんと読まれているのですね~。

>ビル・ヴィオラのもとネタ

ってなんでしょう?ご教示お願いいたします~。


by alice (2009-10-12 15:52) 

Bowles

ヴィデオ・インスタ
のビル・ヴィオラ(日本でも公演したバスティーユのトリスタンがビオラとピーター・セラーズのコラボです)のヴィデオ作品のThe Greeting、これがポントルモのVisitazioneをもとに、三人の女性が挨拶しているシーンをスローモーションで13分ほど続けたものなのです。

ここでクリップを観ることができます。
http://www.sfmoma.org/media/features/viola/OS01.html

ビオラに関しては、こちらを。
http://www.billviola.com/
by Bowles (2009-10-13 01:23) 

alice

Bowlesさん

ビル・ヴィオラのこと、いろいろ教えていただきありがとうございました。

オペラの舞台美術にも活躍しているのですね。最近はヴィデオを使った演出が多いので、そのうち、ビル・ヴィオラの手がけた舞台や展覧会に遭遇するかもね。

いつも刺激を与えてくれるBowlesさんに感謝!!
by alice (2009-10-13 14:39) 

とらねこ

こちらこそいろいろお世話になりました。ありがとうございました。
San Leonardo in Arcetri、本当に残念でしたね。
レリーフのお写真を拝見して、ぜひご覧になりたかったお気持ちがよくわかりました。修復の件、お散歩の度しっかりチェックしておきますね。またご一緒させてください。
by とらねこ (2009-10-13 15:02) 

alice

とらねこさん

フィレンツェでは一言では言えないほどのご親切に感謝でいっぱいです。いつも独りで旅をする割りに、あまりしっかりしてない私で、今回も失敗ばかりでしたから、それが伝染しちゃったのかと思ったり・・・でした。

日本に帰られると日記に書かれていましたが、いろいろ楽しみになさっていることと思います。もう、ご実家に着かれたのかしら?沢山甘えてお帰りくださいませ。(笑)

フィレンツェには次回いつ行けるのか未定ですが、懲りずにまた会ってくださいね。


by alice (2009-10-13 18:10) 

kikuko

「ポントルモの日記」、20年ほど前に友人から借りて読んだだけですので、記憶もおぼろですが、「卵の魚」というメニューがしばしば出てきて、注を見ると、オムレツのようでした。とみに思い違い、勘違いが増えていますから、その類かもしれませんが・・・。
by kikuko (2009-10-30 14:09) 

alice

Kikukoさん

「卵の魚」って・・・オムレツが魚の形に似ているからでしょうか。

食べる→生きる→描くというポントルモの一大関心事が晩年にああいう日記を書かせたのでしょうか・・・後世に残るとは思わなかったでしょうし。(笑)
by alice (2009-10-30 21:34) 

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