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2009年初秋の旅17(ブリュッセル~ロンドン) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/23(水)

Bruxelles(MIDI)11:29→London12:26    Strand Palas hotel 2泊

不景気なので観光客は減っているのでしょう。ネットで予約したユーロ・スターは格安なチケット(38€)をゲットできました。去年のパリ→ロンドンに比べると1/3くらい?ボンドも安くなったので、同じホテルが2/3くらいです。

ブリュッセルのホテルを10:00にチェックアウトし、タクシーでミディ駅へ。UKの入国検査が終わり、時間までカフェでコーヒーとグリル・サンドイッチの温かい朝ごはん。ホテルのは勿体無いけれど、とても食べる気がしなかったので、置いてきました。このカフェの側にショコラティエ(Pierre Marcolini)があり、お土産に少々購入し、列車に乗り込みました。ユーロ・スターは格安チケット効果でしょう、ほぼ満席でした。

ハードな旅ですから、疲労ももちろんありましたが、次が実質最後の滞在地ということで、安心したのでしょう、ほとんど寝入ってしまい、目が覚めたらロンドンでした。

ホテルではチェックインの時間に早かったようで、部屋の用意が出来るまで、15分ほどロビーに座って待ちました。ランチはホテルの中のレストランで。2皿と3皿のコースがあり、私は2皿のポークとデザート。ホテルの中なので、あまり期待していなかったけれど、結構美味しかったです。朝ごはんもここでいただきました。

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ロンドンもこの時期にしてはまあまあ暖かいので、ジーンズの洗濯もして、オペラの始まる時間ギリギリまでひと眠り。開演20分前に部屋をでました。

Verdi 『Don Carlo』 ROH18::00開演

Conductor Semyon Bychkov
Director Nicholas Hytner
Designs Bob Crowley
Lighting Design Mark Henderson


Don Carlo jonas Kaufmann
Elisabetta di Valois Marina Poplavskaya
Rodrigo Simon Keenlyside
Philip II Ferruccio Furlanetto
Princess Eboli Marianne Cornetti
Tebaldo Pumeza Matshikiza
Grand Inquisito John Tomlinson
Conte di Lerma Robert Anthony Gardiner                       Carlos V Robert Lloyd

昨年の6月、友人と同じプロダクションのドンカルロをここで観ています。その時はキーンリーサイドがキャンセルでしたし、今回はカウフマンがドンカルロ役で加わります。この強力魅惑コンビに惹かれて、当初予定していたスペイン・カスティーユ・ロマネスク巡りをカットして、ロンドンに来てしまったというわけです。

そんな私の熱意に答えてくれたご両人でした。一幕のフォンテンブローの森でのカウフマンは高音が重く、いまいちだったのですが、おまけに演技で振り返った時、木にぶつかったりして・・・おいおい大丈夫?しかし、2幕からのキーンリーサイドとの二重唱などで、どんどん調子を上げていきました。昨年のヴィラゾンも決して調子は良くなかったのですが、彼らしい駄々っ子熱情型ドンカルロでほぼ満足のパフォーマンスでした。カウフマンのドンカルロも苦悩する生真面目な青年タイプで、歌唱はヴィラゾンより安定していました。キーンリーサイドのロドリーゴも、初日の頃は良くないとの評がでたそうですが、本来の彼らしい深みはありながらも重くならないフレッシュ感のある歌唱で、本当に再度来た甲斐がありました。

そして反対にエリザベッタのPoplavskayaは昨年よりちょっぴり進歩しているという感じはしましたが、声自体が好きになれないので、昨年同様で駄目でした。エボリのMarianne Cornettiも評判が良いようですが、声量はたっぷりあるものの、表現が荒いのが気になりました。Ferruccio Furlanettoは去年のほうが良かったかも・・・。

指揮のBychkovは何度か聴いていますが、いつも感銘を受けていました。今回も、ヴェルディの知性と熱情の織り成す名オペラを職人芸的な指揮で、聴かせていただきました。大拍手のうちに幕は降りました。

↓ 休憩のときに写した夜のROH

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↓ カーテンコール。何枚も写したのですが、ほとんどピンボケでした。

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席はストール・サークルほぼ中央。隣席はこちらの方と結婚されている日本人のシニア男性でした。若いときはポーランドに住んでいたというお話で、もうロンドンから離れないそうです。ロンドンはとても住み良いとおっしゃってました。平常は日本語を話されていないようで・・・一生懸命日本語を話すご主人を側でにこにこと見つめる奥様でした。

ホテルに帰って、手持ちの食べ物の最後で夜食。耳に残るキーンリーサイドさまの声・・・シアワセな眠り。



 

 

 

 

 

 


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コメント 8

わに子

楽しく拝見させていただいています。
私が見たときも カウフマンは今一。
初めてのキーリンサイド、カウフマンとの二重唱の場面は彼の声に寄り添うようにそっと でもしっかりリードしている。。。と言う感じの繊細さを感じ新鮮な驚きを体験しました。
エリザベッタ、私は結構気に入りましたが、エボリは、カルロがエリザベッタと間違えられるシーンで笑いが出るほどの貫禄(苦笑)で、ガナッシを楽しみにしていたこともあり、ちょっと個人的に興ざめでした。。。
by わに子 (2009-10-22 04:22) 

alice

わに子さん

キーンリーサイド、初めてだったのですか~!歌ももちろんですが、舞台上の動きも洗練されていて、素敵でしょ!

次回は来春のN.Yでのハムレット、とても楽しみなのです。キャンセルの多い人なので、それだけが心配・・・。

ガナッシ、最近またキャンセルが続いていますね・・・。
by alice (2009-10-22 15:24) 

tina

今年、スカラ座がドン・カルロを持ってきましたが、生で見たのはこれが二度目です。最初はどこでだれが何をやったのか、プログラムをひっくりかえさないと分かりませんが、このオペラの本当の良さはよくわかりませんでした。
今回は一番好きなロドリーゴとの二重唱もちょっとさえなくて残念(ラモン・ヴァルガスのせい)でしたが、ルネ・パーぺのフィリッポ二世の苦悩がしみじみわかったのは、彼の歌唱力のせいか、わたしが歳とったせいなのか・・・
それにしても、フルラネットって昔から聞く名前ですがまだ活躍しているのですね。いったいいくつなのでしょう。

キーンリーサイドはaliceさんのブログなどで、ときどき名前を聞きますが、まだ聴いたことがありません。
来年、ロイヤルオペラが椿姫を、彼のジェルモンで持ってきますが、キャンセルの多い人なのですか?心配です。
本場へ出かけて聞くことのできない私にとって、せっかくの楽しみなのですから。
それにしても、スカラ座がもう一つ持ってきたアイ―ダの方が値段が高かったのは舞台装置が大掛かりなせいでしょうか。
なんだか、内容や出来を比較すると逆みたいな気がします。
by tina (2009-10-22 21:13) 

さくら

キーンリサイドのロドリーゴ聴けましたね♪

昨年、キーンリサイドのロドリーゴを聴いた時はヴィラゾンがキャンセル。
急遽若手が代役でした。緊張して歌うドンカルロを引き立てて一歩ひいた演技と歌唱でした。役柄を意識してか、彼の個性なのか。
カウフマンとの絡みでも聴いてみたかったです。

その時、てっきりキーンリサイドを待ち構えているかと思いきや隣の席で「キャーと」てエリザベッタのPoplavskayaをパシャパシャと撮っていた追っかけ女性軍団がいました。「おお。人気あるんだ?」私としてはもう少し前に出た声がいいな。

日本のミラノ公演ではヴァルガスのカルロが弱く、ロドリーゴのイエニスの評判が良かったです。イエニスはボリュームある声でしたがこれから演技に磨きをかけてネ。キーンリサイドだったらバランスが取れたかしら。

これからも最高の「ドン・カルロ」を求めてさまよいます(笑)
by さくら (2009-10-23 12:12) 

alice

tinaさん

私はドンカルロが大好きなの~。今まで観たなかではザルツブルグのヴェルニケ演出の舞台が一番良かったかな。数人の主役級の歌手を揃えるのは大変です。

スカラ座公演ご覧になったのですね。ラモン・ヴァルガス、最近歌いすぎではないですか・・・あちこちで、ヴィラゾンの代役を引き受けてましたから。もっと大事にして欲しいです。

キーンリーサイドは大事にし過ぎ?(笑)
by alice (2009-10-23 17:08) 

alice

さくらさん

去年の雪辱をはらしました。(^^)V

Poplavskayaは最近活躍しているソプラノの中では2大苦手の一人。もうひとりはPoplavskayaよりも好きになれないRadvanovsky。METで人気のソプラノで、去年、今年と続けて当たりました。好みの問題ですが・・・。(ファンの方、お許しを)

>これからも最高の「ドン・カルロ」を求めてさまよいます(笑)
は~い!!(私もよ)
by alice (2009-10-23 17:24) 

Sardanapalus

お久しぶりです。やはりご覧になったのですね!去年はピンポイントでキーンリーサイドがキャンセルした日をご覧になっていたので、この旅行記が始まった時点で「もしかして?」と期待していました(^^)どうやらご覧になった日は好調だったようで、良かったです。今年は全公演日に出演したんですよね。私はこの「ドン・カルロ」の直前までロンドンにいたのですが、残念ながら滞在を伸ばすことが出来ませんでした。臨場感たっぷりのラジオ放送を聞いて、やっぱり見に行きたかったなぁ~と悔しい思いをしています。

>Poplavskayaは最近活躍しているソプラノの中では2大苦手の一人。もうひとりはPoplavskayaよりも好きになれないRadvanovsky
私もこの2人苦手です(^_^;)
by Sardanapalus (2009-10-24 00:19) 

alice

Sardanapalusさん

こちらこそ、ご無沙汰しております。ロンドンには長く滞在されていらっしゃたので、羨ましく思っていました。

ROHのフレンド会員になってまで、このチケットをゲットしたのですが、この後の予定が今のところ白紙なので、会費を含めると東京の引越し公演ほどのお高いチケット代になりました。(汗)

それでも、キーンリーサイドのロドリーゴが聴けて、去年の悔しい思いを晴らせました。

そうそう、彼の母校ケンブリッジ大学のあたりもふらふらしてきました。30年前のキーンリーサイド・・・可愛いに決まってますね(笑)


by alice (2009-10-24 13:44) 

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