SSブログ

2010年早春の旅6 (ニューヨーク) [2010春アメリカ東部の旅]

3/15(月)

今日も朝からどんよりと曇り空が広がり、今にも雨が降り出しそうでした。月曜日は美術館も休館のところが多いので、いままで街の観光はほとんどしていませんから、観光バスに乗ってみることにしました。

P1010823.JPG

タイムズ・スクエアから何本かのコースが走っているようなので、地下鉄で66STからTIMES.SQ.42STへ。地上に出ましたら、早速バスツアーの呼び込みさんにつかまってしまいました。すでにこの雨の中10人ほどが並んでいます。数分ほど待つと2階建てのバスがやってきました。

2時間のコースで、マンハッタンの南をぐるっと回りました。マジソン・スクエアガーデンやチェルシーなど賑やかな町並みを過ぎ、ワールド・トレードセンターの跡地。その9.11テロの跡地は綺麗に整備されていましたが、近くのスクエアの網の柵には家族からの写真や手紙がまだ残っていました。TVで見た地獄のような風景がつぎつぎと脳裏に現れ、息苦しくなりました。

このバスは乗り降り自由ですが、今夜のオペラのため休息の時間が必要なので、ゆっくり見学の時間がとれません。バスの上からの通り過ぎるだけの、つまらない観光になってしまいました。おまけに風雨が強く、2階建てのバスは見かけよりかなり老朽化していて、寒くてカメラを構える気もおきませんでした。

ロックフェラー・センターでバスを降り、スケート場を覗いてみました。見物人ばかりで、滑っているのは子供が数人という寂しさ。かなり強い寒風が吹き荒れ、その近くのビストロへ避難兼ランチ。

P1010824.JPG

ランチのコースをいただきました。場所柄期待度は低かったのですが、まあまあのお味。デザートはかなり美味でした。↓薄く焼いたアップルパイの上にアイスクリームと半ドライの林檎。

IMG_0841.jpg

IMG_0842.jpg

お腹がいっぱいになると(赤ワインも飲んだので)、目もようやく開けていられるくらいの眠気が襲ってきました。急いでホテルに戻り、倒れるようにベットへ。午睡のあとは着物に着替えてMETへ。夕方になってようやく風雨もおさまり、明日からの春の陽気が期待される和らいだ温かい夜風に変わってきました。

ヴェルディ『アッテラ ATTELA』  20:00開演

CONDUCTER:Riccardo Muti  PRODUCTION:Pierre Audi

Attila:Ilder Abdrazakov  Uldino:Russell Thomas  Odabella:Violeta Urmana  Ezio:Giovanni Meoni  Foresro:Ramon Vargas  Leone:Samuel Ramey

ムーティがMetに初めて登場するというので、大層話題になり、この翌日のキーンリーサイドのハムレットとともに昨年売り出しの頃に早々とチケットを入手していました。席はGR TIERのBox Seat(舞台に向かって左)の前列で100ドルでした。今シーズンから電子チケットになりましたから、引き換えに窓口に並ぶ手間も要りません。とても便利になりました。

オーディの演出は特に第一幕の舞台いっぱいの森がジャングル?と不評を買ったようです。5世紀古代ローマ時代のアクイレイアは港があったところですから、イメージの裏切りといったところですか。確かにリブレットにはアッテラの陣営の傍の森の中になってはいますが・・・。ほかにも目立つような演出の冴えも見当たらず、ほとんど無視状態で、壮大な序曲からムーティのヴェルディに引き込まれていきました。予習もミラノで収録されたムーティのものでしたが、やはり生の輝きはすばらしい!の一語に尽きました。ホントにMETのオーケストラ?と何度も思ってしまいました。指揮者によってこんなに変わるものなのですね。ヴェルディの本領、ぐいぐいと迫るドラマティックなオペラを堪能できた一夜でした。

歌手は予習してきた映像でのアッテラのレイミーに比べると、やや没個性的なアブドラザコフで、物足りなさは否めません。しかし、アブドラザコフは何度か聴いてきましたが、聴くたびに声も良くでて巧くなってきています。その努力が伝わってきました。頑張ってくださいね・・・ファンとまではいきませんが(汗)。オダベッラのウルマーナは久しぶり、7年前のファボリータについで2度目でした。声量はたっぷりあるドラマティック・リリカで、このアマゾネスのような女兵士にはぴったりです。しかし、私には力強さばかりがめだつ歌唱は苦手なのです。心打たれることはありませんでした。その反対にフォレストのヴァルガスはヴェルディのテノールとしては物足りません。ここのところ、ハードスケジュール?歌いすぎだと思うのですが、かなり歌唱が荒くなってきたようで、心配です。レイミーもまたかなり老け込んでしまいました。前評判は悪くなかったようですが、この舞台では疲れがでたのでしょうか、ふがふが状態のアリアになり、残念でした。そんな訳で、歌唱は万全ではなかったのですが、合唱は素晴らしく、ムーティの息のかかった公演はまずまずの成功を収めました。ムーティに対する熱狂的なブラボーの嵐にもクールな面持ちで、さっさと退場・・・次にMETで振ることは当分無さそうな予感がしました。

着物に慣れてきたせいもありますが、洋服を着ているときより気持ちが落ち着くようになりました。いろいろ理由がありますが、これから着物を新調することはまずありません。この旅での着物もネットショップであつらえた超安物で、これが最後の着物としては淋し過ぎました(笑)。でも、METでは何人かの方に褒められ、イイ気分にさせていただきました。そういえば、以前に着たほうが高い着物だったのに、誰も褒めてくれなかったわ(汗)。

 

 

 


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。