SSブログ

2010年早春の旅8 (ニューヨーク) [2010春アメリカ東部の旅]

3/17(水)

昨日に続いて、春らしい陽気の一日になりました。今日は再訪問のブルックリン美術館へ。66STから地下鉄で30分ほどかかります。初訪問は2年前の4月でした。その時は地下鉄の出口にまで、美術館の傍の大きな桜の木から花びらが舞い落ちてきて、綺麗だったことを思い出しながら、入館。

ブルックリン美術館はエジプトや中近東、アフリカ美術のコレクションで有名なのですが、展示品は膨大で、広さもかなりあります。それで、今回はアッシリアの浮き彫りと日本美術の部屋、そして前回来たときは改修中だった最上階のヨーロッパ絵画のフロアだけを見学しました。

↓ 紀元前7世紀のネオ・アッシリア時代の浮き彫り

P1010841.JPG

↓ 天井ガラス張りの回廊式ギャラリーにはヨーロッパ絵画の名品が並んでいます。

P1010872.JPG

↓ 見学者は私だけの贅沢な時間を過ごしました。

P1010860.JPG

↓ クリヴェッリ「聖大ヤコブ」・・・<1472年の多翼祭壇画>を構成していた1枚。これを含めた全6枚はすべて米国国内の美術館の収蔵品となっています。この数年で、クリーヴランドの1枚を除いて、5枚は観ることはできたのですが、やはりオリジナルの多翼祭壇画の姿として見たいものです。

P1010856.JPG

P1010857.JPG

↓ ルドン「ヤコブと天使の闘い」

P1010866.JPG

P1010867.JPG

↓ モリゾ「B夫人とその娘」

P1010842.JPG

↓ モリゾの優しいタッチで描かれた可愛らしい女の子を見ていると、急に孫娘に逢いたくなってしまいました。明日が待ち遠しい・・・。

P1010844.JPG

地下鉄でコロンバス・サークルまで戻り、ワーナー・ビルのイタリアレストランで遅めのランチ。場所柄値段は高めでしたが、パンも手打ちパスタもかなり高水準の味でした。

IMG_0843.jpg

P1010885.JPG

ホテルに戻り仮眠。今回のオペラの中では付録のようなもの(私にとっては)なので、気合は入らず、着物も着ませんで、ぼやーっと観劇。

プッチーニ『ラ・ボエーム』 20:00開演

CONDUCTOR:Marco Armiliato  PRODUCTION:Franco Zeffirelli

Marcello:George Petean   Musetta :Ruth Ann Swenson

Rodolfo:Piotr Beczala  Colline:Oren Gradus  Schaunard:Massimo Cavalletti

Benoit:Paul Plishka  Mimi:Anna Netrebko

あまり気合が入らなかったのはゼッフレッリの演出のボエームはこれで3回目だったというのが大きな理由です。3回とも豪華な舞台、特に第二部のカルチェラタンのカフェの場面は多人数が登場するフェスタ風景で、大いに楽しみました。しかし、心に残る舞台ではありませんでした。甘い歌声のアリアばかりが注目されるというプッチーニの傑作の裏にあるなにか・・・たとえばあのカウリスマキの映画『ラヴィ・ド・ボエーム』のような、人生の現実を貧困をあぶりだすような、手ごたえのある演出を見せてもらいたいと思うのです。

ネトレプコとペッツァーラのコンビは悪くはありませんが、映像にもなったヴィッラゾンのイメージが強くて、いまひとつしっくりしません。ネトレプコも声の張りが以前に比べると重くなって、彼女のまあるくなった姿(ウエストが倍になった?)とともに、過ぎ去ったときを懐かしむばかり・・・。2幕のラストで屋台のお菓子をつまみながら去っていくミミでしたが、その直後のカーテンコールに口をもぐもぐさせてでてきたのにはびっくり!しかもムゼッタを歌った大先輩のスエンソンを立てる心遣いも感じられません。METライブビューイング『ホフマン物語』のインタビュアーをつとめたデヴォラ・ボイトが背後でおふざけするネトレプコを見て、デーヴァらしくしたらどうでしょうと洩らしていたことを思い出しました。とにかく慣れた役だし、そこそこ勤めればいいわみたいな安易感が漂ってくるのは拙いですね。

それでも、手堅いアルミリアートの指揮が救いでした。プッチーニの旋律の切ない美しさは何度聞いてもいいものです。チケットを紛失してしまったのですが、アッテラのときと同じような席でした。

↓ は今シーズンのプレイビルの表紙です。今年のハイライトはゲルギエフ指揮の『鼻』だったようです。評判良かったのでしょうか?

MET PB.jpg

 


nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

Bowles

>今年のハイライトはゲルギエフ指揮の『鼻』

「ゲルギエフの」というより「ケントリッジの」『鼻』、両者とも評判よかったようです。ケントリッジ展を観た人の間では(私も含め)、METのライヴ・ヴューイングでこれをやってくれないMETはやはり最悪だ、の声しきり。ケントリッジはちょうどこれに合わせてMOMAで『鼻』を特集した展示をやっていたのではなかったかな?ビル・ヴィオラのトリスタンにしてもケントリッジにしても、美術家の演出は版権が高すぎるのでしょうか。
by Bowles (2010-05-07 09:36) 

alice

Bowlesさん

MET内のギャラリーでもケントリッジのドローイング(『鼻』のための)を展示していたらしいのですが、今回は一度も地階フロアへは降りなかったので、気がつきませんでした。

>美術家の演出は版権が高すぎるのでしょうか

そういえばモネのセメレもその後再演はないようですし・・・。勿体無いですよね。
by alice (2010-05-07 21:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。