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2010年秋の旅 3(ウィーン) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

9/22(水)

抗生物質のおかげで、夜中にトイレに起きることもなく数時間はぐっすり眠れました。

ここのホテルの美味しい朝ご飯もいただいて、すっかり元気になり、久しぶりの美術史美術館へ行ってきました。ホテルから徒歩数分です。さらっと絵画部門だけでも巡ろうと思いましたが、気持ちだけで体がついていきません。1時間半くらい観たらギブアップ・・・情けない。美術館巡りから次第に足が遠のく原因はひとえに我が身の衰えにあることを痛感させられました。ここも3回目だし、さんざん観たから良いんだわ~と負け惜しみ(汗)。シニアチケット7€

ここはカメラOKなので、お気に入りを記念に撮って来ました。

ブリューゲル父子の2枚。上はピーテルの「農民の踊り」の左下の部分<縁日での母と子>

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ピーテルの次男ヤンの「花瓶の花」。「ビロードのブリューゲル」と称されたヤンは数多くの花の絵を描いた。あちこちの美術館に残されているが、なかでもウィーンのは傑作。

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好きなネーデルランドの画家(15世紀)ファン・デル・フースの「原罪と哀悼の祭壇画/キリストの哀悼」の左下部分<哀しみのマグダラのマリア>

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修復後は初めてのご対面。ご存知フェルメールの「絵画芸術の寓意」の部分<女神>光の点描が輝き、とても綺麗になった。

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上はコジモ・トゥーラ(15世紀/伊フェッラーラ派)の「ピエタ」。下はマンテーニャの「聖セバスティアヌス」の疲れてても素通りできない逸品2作。

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これは初めてここにあることを知った(見逃していたらしい)。今回の大収穫!アントネッロ・ダ・メッシーナの「サン・カッシーノ祭壇画」。聖母の親指に注目ですね(笑)。

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スペインのマルガリータ王女の可愛いお見合い?用絵画(ベラスケス)の並んだコーナー。

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壮麗な階段部分を降りて

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ケルントナー通りの近くまでぶらぶら歩き、ここも以前友人たちと食事したことのあるイタリアンのRISTORANTE SOLEでランチ。

前菜とパスタ、ワイン、エスプレッソ、水で40€のお支払い。量は日本の2倍はあるから、その分高いです。

メロンと生ハム(量は多く見えますが、ハムは極薄なのでそれほどでもありません)

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手長海老とムール貝たっぷりの豪華スパゲッティ、美味!

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食事が終わって、近くのネット・カフェへ。1時間ほど次女へのメール、MIXIのサン牧などで遊びました。ウィーンのホテルではID番号をもらって、接続を設定したのですが、i Passに連動しないままでした。まだこのケースに慣れていなかったので、私のミスと後から判明しました。

ホテルに戻り仮眠の後オペラへ。

チャイコフスキー『スペードの女王』@ウィーン国立歌劇場 19:00開演

オーケストラ席3列目右側 168€

Conductor  Tugan Sokhiev
Producer  Vera Nemirova
Sets  Johannes Leiacker
Costumes  Marie-Luise Strandt
 ~
Hermann   Neil Shicoff
Tomski / Pluto   Albert Dohmen
Jeletzki   Boaz Daniel
Gräfin   Anja Silja
Lisa   Angela Denoke

若手のソキエフの指揮、推進力のある締まった演奏をウィーンSOオーケストラから引き出す、並々ならぬ才能の持ち主。ちなみに今回がウィーンSOのデビューだそうです。最近聴いた若手のなかではアンドリス・ネルソンと並ぶ新星。歌手も主役3人は高水準で、デノーケは死の都、マクロプーロスに続いて3度目ですが、いつも地味ながら心のこもった素晴らしいパフォーマンスで、ハズレがないのに感心させられます。
シコフは7年前のザルツブルグのホフマン以来2度目ですが、あの時より調子は良かったようです。
ただ損をしているのは、演出のせいで人物像に魅力が感じられないためか、一本調子の感がありました。これはプロンプターの助けを借りなければ、しかも盛大に(笑)のせいもあるようで・・・。アニア・シリアの伯爵く夫人はジュディ・デンチが歌うの?と思わせるような名演!若い頃を回想するアリアは、自分もこの歳になると、しみじみ。。。「ジュ ヌ セ パ  プークワ~♪」。しかし・・・この後のレイプ場面に目が点。この3人に比べると残念ながらエレツキー公爵とポリーナが弱かったのが惜しまれます。特にポリーナのロマンスが物足りなかったのは、最近オペラ例会で聴いたデビュー当時のカサロヴァのがとても良かったせいでしょう。

演出は通俗的、舞台は現代の旧ソヴィエト時代と見ましたが、閉塞感はしっかり描かれていても、それぞれの幕、特にカジノの場面ははっきり言って下品過ぎ。エロチックにすれば客が歓ぶとでも?女装の男の卑猥で気持ち悪いこと!チャイコは確かにホモだったけれど。。。色と欲に溺れる人間を表現したいのは分かるけれど・・・私が古いとは思いません。チャイコフスキーの人生の悲哀を美しく表現した音楽を冒涜されたようで、怒りというよりもあきれ返ってしまいました。この夜がプレミアだったので、これから演出もエロ、グロを少しは抑えてくれれば良いのですが、演奏が素晴らしい分惜しいと思いました。

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昼間は薄い長袖で充分の暖かさでしたが、さすがに夜は冷え冷え。秋はこの旅の間にドンドン深まる気配が漂ってきました。

アルファー米のワカメご飯を半分とカップうどん、残りのご飯は梅干をなかに明日の昼用にお握りを1個作って就寝。


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コメント 2

tina

アントネッロ・ダ・メッシーナの祭壇画、見たことがありません。四年ほど前にローマの特別展で見た覚えもないので、カタログを調べたら出品されていませんでした。ウイーンに行ったのはだいぶ前だったので、この画家に関心がなかったのでしょうね。残念。
ニ―ル・シコフは最近あまり名前を聞きませんが元気なのですね。
サントリーのホール・オペラでカバラドッシを演じたのが好演だったのを思い出しました。
具合が良くなって良かったですね。私もトルコで膀胱炎になり、トプカピがろくに楽しめませんでした。
旅行中の病気は、本当に困りますね。9fyMGK
by tina (2010-10-15 21:05) 

alice

tinaさま

>ウイーンに行ったのはだいぶ前だったので、この画家に関心がなかったのでしょうね。

私も同じようなものですが・・・これだけのものを見過ごしていたのかとちょっとショックでした(笑)。元は裏面にあったグリザイユの聖女も隣に並んで展示されていました。

大きな美術館は得てして貸し出し中だったり、修復中だったり、疲れたりで見逃す作品もありますから、何度も足を運んでの発掘も楽しいものだと思いました。
by alice (2010-10-15 23:10) 

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