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2010年秋の旅 5(パリ) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

9/24(金)

ここのホテルの唯一のマイナスポイントは朝食でしょう。パン、ジュース、コーヒー、ハムなどあまり美味しくないのです。それにスペースも狭く、落ち着いて食べていられません。客層はさまざま、日本人の若い女性二人、中国人のファミリーとアジア人も多いです。

お部屋でのんびり過ごし、10時半頃メトロでルーブル美術館へ。今回はロマネスク絡みでエジプトセクションのコプト美術を観るのが目的だったのですが、入り口は張り紙があり閉鎖されていました。復元されたバウイト修道院の遺跡と壁画は次回の楽しみにしましょう。

そして、なにげなく向かい側のフランス以外の中世からルネッサンスの彫刻部門の入り口を見ましたら、数年前には見かけなかった浮き彫りがでんと置かれています。そうそう、ロマネスク関連はフランスもの以外はここにあっても不思議ではありません。展示は中世のものが増えていて、特にイタリアのロマネスク彫刻に 面白いものがありました。

↓ 13世紀初め、Avezzano/伊アブルッツオ州のサン・ニコラ教会(1915年の大地震で崩壊)の扉口リンテルの一部。

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↓ ヴェネチア 洗礼盤?

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↓ コンスタンチノープル(現イスタンブール) 6世紀の初めの柱頭彫刻

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↓ アテネ 12世紀末~13世紀初め グリフォンの装飾石板の破片

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イタリア、8~9世紀。シンボリックな植物と動物で表わされた祭壇の前飾り

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他はリーメンシュナイダーやウッチェロなど好きな作品に再会できました。
ヴァトーのデッサン展もやっていたのですが・・・。

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館内の書店を覗いて、郵便局で絵葉書用の切手を買い求め、今回のルーブルはお終いにしました。

サンジェルマン・デ・プレへメトロで移動して、日本食のレストランへ。明日から地方回りなので、このあたりで日本食を補給しなければなりません。ここは去年初めて来て気にいっていましたが・・・。

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お蕎麦とデザートのついた松花堂弁当、ワイン、コーヒーで45€

お値段の割りに量も少なく、以前ほど美味しく感じませんでした。でも、相変わらず流行っています。遅めのランチでしたから席はありましたが、普段は予約が要るでしょう。お隣の席に九州から独り旅の同じ年頃の女性の方が・・・お互いに田舎訛りなのが気楽にさせたようで、結構お喋りして楽しい食事になりました。

疲れが出たのか帰り道、次第に首と肩が痛くなってきました。ホテルに帰って湿布を貼り、長めのお昼寝タイムをとりました。7時にホテルを出て、ゆっくり歩いてバスチーユオペラへ。昨日のゴミは綺麗に掃除され、普通のパリの裏通りになっていて、安心しました。バスチーユ広場もいつもの賑やかで明るい雰囲気に戻っていました。

ワーグナー『さまよえるオランダ人』 19:30開演 席はPartrrre 3列目右側 140€

Peter SchneiderDirection Musicale
Willy DeckerMise en scène
Wolfgang GussmannDécors et costumes
Hans ToelstedeLumières
Patrick Marie AubertChef du Choeur

Matti Salminen /Daland    Adrianne Pieczonka Senta
Klaus Florian Vogt /Erik   Marie-Ange Todorovitch /Mary
Bernard Richter/ Der Steuermann     James Morris/ Der Holländer

Orchestre et Choeur de l’Opéra national de Paris

今夜は初めて観るオランダ人でした。2時間半も休憩なしと思わなくて・・・膀胱炎が治っていなかったら大変なことでした。考えただけで冷や汗ものです。体調が良くないとオペラも楽しめません。

ヴィックの演出、簡素な舞台ですが洗練されていて私は好きです。4年ぶりのピェコチェンカはスマートになって、歌も前よりかなり良くなって復活!でした。サルミネンとフォークトはまあまあ。ジェームスモリスは春のメトでもひどかったので、まったく期待していなかったのですが、その割にはさすがにワーグナーを長年歌って来たキャリアがあるから。。。しかし、カーテンコールではほとんど拍手がなくてお気の毒でした。引退間じかでしょうか。

舞台後方に大きな額(帆船が漂う海の絵)、その前に狂おし気な様子で写真の額を手に後ろ姿のゼンダ。あれっ!ピコチェンカはキャンセル?と聞いてないけれど。。。ほっそりふた回りは痩せて綺麗になりました。そして見事なパフォーマンス!ゼンダの心理が浮かび上がり、久方ぶりにワーグナーに陶酔できました。最後は海に飛び込まないで、ナイフで胸をさし自害する形をとりました。

当然、彼女はなぜ幼馴染で誠実なボーイフレンドの胸に飛び込めないのか。まだ観ぬ彷徨える異国の人に憬れたのかという疑問がわいてきます。息が詰まりそうな漁村での生活のなかで、広大な海を目の前に一生ここで生きて行くのか?この小さな世界から逃げ出したいという彼女の想いが伝説を膨らませたーイメージの世界となって表現されます。道北の小さな町で生まれ育った私には容易に理解できるのです。初体験のオランダ人はかなり水準の高い演奏とともに忘れがたいものとなりました。

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終演後、私の列の後方に座っていた札幌の知人Tさんと幕間のシャンパンの約束だったのですが・・・飲めなかったわね~残念と、少しお話してお別れしました。彼女は明朝早い出発でアルザスへ。私はブルゴーニュとパリを離れます。
宿に戻り、夜食にカップらーめんを食べて就寝。 

 


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コメント 4

ゆみゆみ

私もいつも旅行の前は、精神的なものからトイレが異常に近くなります。ですから、飛行機の中ではお腹にカイロを貼って温めるのですが、何度トイレへ行くでしょう?!更にオペラでも緊張の為、ホールに到着して2回・幕間は必ず・帰る前に1回。
パリは料金がかかりませんが、料金の発生する所は、小銭を用意するのが大変です。
アリーチェさんの膀胱炎が直ぐに治まって良かったですね。
私も今回は、カメタロウさんのコメントを拝見していたので、≪落ち着いて・落ち着いて≫≪早めに行動、時間にゆとりを≫などと呟きながらの旅でした。

オランダ人  ご覧になれましたか。良かった。
私も2回見てきました。モリスは1回目は「これが??」でしたが、2度目は流石・・・。大きく動くわけではなく、演技が凄いわけでもないのに、オランダ人の雰囲気が体から・声から溢れています。
重唱の時もそれぞれに良く合っていて、ワザワザ見に来て良かったと思いました。
あのセット  海が見えそうで見えない  私の想像力が自然に働いて良いセットだと思いました。でも最後にオランダ人の船員が歌うシーンは余り感心できません。
フォークト綺麗な声ではありませんか?澄んでいて、でも力強くて・・・。年に一度は聞きたい人になりましたが、あの声では歌える曲は限られる感じです。「マイスタージンガー」を歌ったそうなので、私の大好きな演目でもあるので見てみたいと思います。そういえばこの演目のモリスも最高でした。

ワーグナーの女性歌手は私がどういう歌い方が好きなのか、私自身未だわかりません。ただ、マイヤーさんのイゾルデを≪上手い≫と思ったくらいで、どうしても≪強くなる・高い音も有るから力が入る≫タイプが多いので、納得いった物は思い浮かびません。
その点今回の方は、比較的その手の歌い方ではないとは思いました。やはり高音にきつく感じる箇所がしばし、有ったので・・・。
ワーグナーは難しいのだな!と思い聞かせてもらっていたところです。
お痩せになったのですねあの方は。しかし、最初から、写真を持ってズットあの絵の前で立ったまま出続けるのは、歌い手には気の毒だなと思いました。
でも、嬉しいです。同じ演目で語れるのは・・・。
長文お許し下さいませ。
by ゆみゆみ (2010-10-16 22:58) 

alice

ゆみゆみさま

オランダ人、2回もご覧になったのですね!モリス、私もMETで3.4年前ハンス・ザックス聴きましたが良かったです。
サルミネンとフォークトについては、まあまあと書きましたのは予想通りといいますか、それ以上に感動までにはいたりませんでした。フォークトは初めての生でしたが、期待が大きすぎたのかも・・・。

ピェコチェンカは私が観たのは初日だったのですが、高音も無理なく素晴らしいできでした。痩せたので、今後はスタミナが問題になるかも・・・。

マイヤーのイゾルデは10年前のややふっくらしていた頃のが最高でした。今は表現力でカバーしている面が大きいと思いますが、声に頼らずかえって良い面もあるので、努力の人ですね。


by alice (2010-10-17 13:11) 

alice

追伸、ゆみゆみさま

METのトロヴァトーレ(4/20)、今、確認したらとっくに購入済でした。危ない危ない・・・。いつものGR TIER117.50$です。
by alice (2010-10-17 13:20) 

ゆみゆみ

メト  やはりすれ違いでした。残念!!
私はもう少し後、「オリー」は、パスですから。

フォークとlは、ボストリッジのタイプ  とは言えませんか?
力ずよさはフォークトの方が有りました。


by ゆみゆみ (2010-10-17 20:38) 

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