2010年秋の旅 続6(パリからトゥルニュへ) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]
6/25の続き
ディジョンも風が冷たく寒かったのですが、1時間後の夕方のトゥルニュに着いても変わらず、どんより曇り空。雨が降らないのだけが幸いでした。
駅前の大きな通りに面して、今夜のホテルの門がすぐ見えました。田舎の宿にしては高めですが、サン・フィリべール教会の傍というロケーションが気に入って決めました。
↓ 門をくぐるとホテルの向こうには教会の塔。
↓ 部屋からの教会の眺めはありませんが、玄関側のダブルの部屋は広々。写っていませんがTVも40インチくらい?大型でした。
↓ バスルームの奥のトイレは開閉ドアつき
少し休憩の後、ホテルの裏口から教会へ。裏口から見て右(正面扉口)と左(後陣)。
サン・フィリベール教会(Eglise St-Philibert)
10年前、初めて一人旅でブルゴーニュを巡ったのですが、当然ここも計画に入っていました。ところがボーヌから反対方向の列車に乗ってしまって、後戻りに時間がかかり、ここに立ち寄る余裕がなくなってしまったのです。ずーっと気になっていたので、長い間の夢が叶いました。そして期待にたがわぬ素晴らしい聖堂した。
フランス国内でも屈指の古い歴史を誇る初期ロマネスク教会です。起源は2世紀とも言われていますが、9世紀にノルマン人の侵攻によって追い出された聖フィリベールの遺骨を持つ僧たちに当時の国王がこの地を与えたことで、本格的な教会の歴史が始まりました。現在の建築は11世紀初めに再建され、1120年に献堂された記録が残されています。
内部は入り口のナルテックスの上にサン・ミッシェル礼拝堂が乗った構造で、そのため暗くて天井の低い、太い柱が印象的なナルテックスです。そこを抜けると一気に視界が広がり、威厳ある大教会の空間になっています。
↓ 高さのある正面外観なので、全部は写せませんし、曇り空の夕方でひどい写真。くり抜かれたクロスとロンバルディア帯のあたりに目が・・・。
↓ 高窓からの光で明るい側廊
↓ 内陣の周歩廊(右)近くに素晴らしい床モザイク(12世紀)が残っていて、高床の通路から見学できます。写真が暗くて出来が悪いので、下は絵葉書です。
↓ 12世紀の聖母子像はオーヴェルニュからもたらされた「黒い聖母」系のスタイル。このニッチの前は蝋燭を灯し祈る人が絶えませんので、人を避けながらでカメラの角度に失敗。
↓ 柱頭彫刻も面白いものが多数。
↓ ナルテックス、ここから後世に造られた階段で上の礼拝堂へ。
↓ 上の正面外観写真にあるくり抜き型のクロスが見えます。
↓ 上の反対側の壁に初期ロマネスクのプリミティブな人物や植物の彫刻が見られます。
↓ クリプト
↓ 最後は回廊から外に出ました。
↓ 教会は民家に繋がっています。丸い塔のある家も多く、中世の趣を残しています。
↓ 見所満載のサン・フィリベール教会の見学を終えて、ホテルの裏口へ戻りました。
お昼にご馳走を食べ過ぎて、少しもお腹がすきません。お風呂に入ってビールと手持ちのおせんべいなど齧って、早めに就寝。ここはチェックインのとき無線LANのID番号を記した紙を、こちらから何も言わないうちに持たされ、i Padも使えました。レセプションは飲み込みの早いきびきびした対応、シニアの夫婦ずれが多い、静かな宿でした。
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