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2011年春の旅 12 (ニューヨーク) [2011春東京からNY、母娘の旅]

4/20(水)

アメリカに着いたときより、次第にお天気が下降気味でしたが、この日は午後から久しぶりに暖かくなりました。

コロンバス・サークルから地下鉄でマンハッタン北部のクロイスターズ(メトロポリタン美術館別館)へ。私は2002と2009に続いて3回目、長女は初訪問です。地下鉄の駅(190St)を降り、フォート・ライオン・パークを散策。あいにく霧が濃くハドソン川は眺められませんでしたが、桜や水仙、クリスマスローズなどが咲いていました。

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前回は3月初旬の訪問でした。公園の中は雪が積もっていましたが、↓今回は朝の霧の向こうに桜と中世の教会を模した美術館の建物が浮かび上がって、幻想的な風景。

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↓ 近づくにつれて、霧も晴れてきました。

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↓ まずはカンパンの「メロードの祭壇画」のある部屋へ。

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そしてフランスのラングドックやルッション地方から移築した回廊や「一角獣のタペストリー」などを鑑賞。

↓ 「Saint-Michel-de-Cuxaの回廊」と柱頭彫刻

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↓ 今回初めて目にしたSaint-Michel-de-Cuxaのトリビューンを飾っていたといわれる神の子羊とケルビムのピンクマーブルの彫刻。

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↓ ブルゴーニュ地方のオータンにあった天使の浮き彫り

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↓ 現在は廃墟になっているMoutiers-St-Jean修道院(ブルゴーニュ)の扉口(13世紀)

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↓ 「Saint-Guilhemの回廊」12世紀の終わりごろ

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地下鉄で82Stまで戻り、バスに乗り換えてメトロポリタン美術館へ。クロイスターズでもらったバッジをつけるとフリーですぐ入館できます。ここで夕方まで居るという長女と別れ正面大階段の横からG階の中世部門のフロアへ。クロイスターズほどではありませんが、かなり価値の高いものが並んでいます。

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↓ このコーナーはフランス、イタリア、スペインが混在

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↓ 「オーヴェルニュの聖母子」12世紀

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↓ Saint-Pere-en-Vallee(シャルトル近く?)小扉口のリンテル(1220-30)の彫刻。下の写真では2枚に分けました。左に「墓を訪れる聖女たちと天使」、右に「キリストの埋葬」

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最後にリンスキーの部屋でクリヴェッリ兄弟と隣に飾られていた↓ Giovanni di Paoloの「マギの礼拝」を観て

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美術館の前からバスで五番街を走りホテル・ザ・プラザの近くで降車。もう2時を過ぎていましたが、今日のランチはザ・プラザの地階にあるフード・コートで。ザ・プラザは私なんぞは高嶺の花の高級なお宿ですが、地下はまあまあカジュアルなレストランです。カウンターが寿司、バーガー、シーフードなどいくつか並んでいますが、注文すると座った席に関係なく届けられます。スペイン風蛸と長葱にカルフォルニャ・ロール、お持ち帰りにファラフェルサンド・・・美味でした。ここは初めてでしたが、独りでも気軽に入れますし、メニューがバラエティに富んでいて面白いです。ホテルまで数分歩いて戻り、仮眠。今夜のオペラに備えました。

 Giuseppe Verdi 『Il Trovatore』8:00~10:45

Conductor :Marco Armiliato   Production:David Macvicar

Leonora:Sandra Radvanovsky   Count di Luna:Dmitri Hvorostovsky    Manrico:Marcelo Alvarez   Azucena:Dolora Zajick    Ferrado:Stefen Kocan

このマックヴィガー演出のプロダクションは2年前に観ていましたが、その時まるちゃんことアルバレツは風邪でキャンセルでした。今回はこれがメインではなかったのですが、マルちゃん目当てで、また観ることにしました。席は3階のバルコン前列でしたが、3番目なのであまり観やすくなかったのすが、117.5$なので・・・我慢です。

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指揮はアルミリアート。メットでは何度か聴きましたが、オーケストラとの呼吸感がしっくりしていて、かなり満足させてくれる演奏を今回も披露してくれました。演出はゴヤのいくつかの名画にインスピレーションを得て、スペインの内戦当時の雰囲気が良くでています。↑2年前の写真よりピンボケ~。

まずアズチーナを歌ったザジックが素晴らしかったです。声は予想より透明感があり、アズチーナになりきったパフォーマンスは素晴らしい!この役を十八番にしているザジックを聴けたのが、この夜の一番の収穫でした。それに比べると何ですが、昨年同様の大声はりあげタイプのラドヴァノスキーにはもううんざり!どうして人気があるのかさっぱりわかりません。ヨーロッパ特にイタリアでの評判も良いのかしら?声量を大きくすることに重点を置くせいで、歌詞が不明瞭&ディクションが汚いのは耐えられません。昨年より進歩していると期待したのですがね。アルバレツは写真でもお分かりになると思いますが、ふた周りほど痩せました。そして歌唱もスケールが小さくなったのは残念です。以前の熱っぽさが感じられず・・・あの恐ろしい火のアリアも私にはいまいち不発でした。だからといって他のテノールと比べるとまだまだ上の水準にあることは変わりませんが・・・。ホロ様は全体にこの役に慣れた感じがして、歌唱も演技も余裕でした。群集の動かし方も今回のほうがスムーズに見えたのは私が2回目だったからでしょうか。見せ場の鍛冶場の合唱シーンも迫力満点。ゴヤの鍛冶場の絵画にヴェルディの音楽が重なって、民衆のパワー炸裂!感動しました。

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午後は汗ばむほどの陽気でしたが、夜になるとかなり冷え込んできて、震えながら帰りました。寝ないで待っていた長女とファラフェルを夜食にいただいて就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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コメント 4

tina

Moutiers-St-Jeanの写真が見られないのですがどうしてでしょう。
クロイスターというとメトの館長だったホーヴィングの「謎の十字架」(1986)を思い出します。ミステリーのようなノンフィクションでこの十字架がみたくて行ったのが何年前だったか。
サン・ギレ―ム・ル・デぜールの回廊がここにあるのは「中世が見た夢」(小佐井伸二)を読んで知りましたが、ずっと後になって修道院をたずねて、ここで見られたらよかったのにと思いました。
もうアメリカにいくことはなさそうですが、二つのメトだけはまたいきたいですねえ。うらやましいです。
by tina (2011-05-06 21:29) 

alice

tinaさま

Moutiers-St-Jeanの写真、手違いで消えてましたので再アップしました。

ホーヴィング、何冊か本を書いてますが、「偽の名画」も面白かったです。メト美の地下には相当数の偽作があるようですね。

サン・ギレ―ム・ル・デぜールは今夏に訪問予定です。tinaさんのMIXI旅日記には登場していませんか?。モンプリエからTAXIになるのですが・・・どなたか割り勘してくださる人いませんか~。

アメリカに何度も行くようになるとは、私自身考えても見なかったのですが・・・。NYのほかにはボストンのフォッグにMoutiers-St-Jeanの柱頭彫刻があり、T先生にいただいた資料を基にHPにまとめてみました。

http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/romanesque%20note1.html
by alice (2011-05-07 12:35) 

tina

調べてみたら、サン・ギレームへ行ったのは2005年で、まだデジカメも使っていませんでしたし、ミクシイも始めていませんでした。
コンクへ行きたくて参加したツアーで、最後がサン・ギレームでした。ここからモンペリエへ出て一泊して帰国しました。
ロマネスクについても碌な知識のないころで、もったいなかったです。
サン・ギレーむは雨で写真も碌なのが残っていませんが、とても印象にのこる教会でした。
by tina (2011-05-07 22:42) 

alice

tinaさま

サン・ギレームはI先生の講座で知ったのですが、それ以前に訪れていたクロイスターズでは観たはずですが、キュサのほうが印象に残っていてあまり憶えていませんでした。

ラングドック・ロマネスクではかなり重要な聖堂らしいので、これから夏までに予習しなくては・・・。
by alice (2011-05-09 16:27) 

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