2011年夏の旅(5) ヴェズレー~アヴァヨン~ボーヌ [2011夏パリとフランス南西部最後はザルツの旅]
7/23(土) ヴェズレー12:00~アヴァヨン12:30/14:50~モンバール15:38~デジョン16:16/16:33~ボーヌ16:52
Hotel Le Cep 1泊(174€/朝食19€)
昨夜は悪夢のおかげで、眠れなくなってしまいました。結局、睡眠導入剤を半分飲んで寝付きました。朝は8時に起床し、朝食のあとはまた丘の上のラ・マドレーヌを目指しました。
↓ 霧の立ち込める朝のヴェズレー
↓ 教会の周りをぐるりと回ってみました。北側面外観
昨夜の催しのための椅子が階段状に並んでいました。階段の上から後陣をパチリ。ゴミが・・・。
南側に回りますと、MUSEEの旗が見えます。その先がMusee Lapidaireの入り口なのですが、今日は午後3時からのオープンとの張り紙が・・・。昨夕は疲れてぼーっとして開館時間を確かめなかったのが、失敗の元。再訪することはもうないでしょうから、本当に残念でした。
↓ 初めのドアをくぐって左の階段の上が美術館です。
がっくりしながら、まだまだ見残しているマドレーヌ教会に入りました。
↓ 朝の光が明るく差し込む堂内。
↓ 「ガニュメデスの誘拐」 ギリシア神話のテーマは少年愛を含んでいます。修道院のなかでの同性愛を禁じるためのものとの説があり、他にもいくつか見られました。
↓ 例えば中央では天使が悪魔を懲らしめている柱頭彫刻には
↓ 右の側面にはふたりの修道士。いかにもと思わされる素振りがもの哀しい・・・
↓ 左は危ない雰囲気の男女・・・禁じられた愛欲を戒めた題材ですね。
↓ こちらの聖ブノア(ベネディクト)は誘惑に負けませんよ。
↓ 「聖ペテロと聖パウロが真ん中の異教者の改宗のために祈っている」
↓ 左側面には異教の女を連れてきた男
↓ 悪魔と結託する悪い王?(部分)足のひづめと近寄る蛇が邪悪さを表わしている
↓ 動物系もかなり奇怪
瞬く間に時間は過ぎて、バスの時間です。ホテルに戻りました。
↓ 坂道の可愛いショップ
ホテルをチェックアウトして、目の前のバス停からミニバスに乗って、アヴァヨンまで。乗車30分ほどですが4€。観光案内も兼ねた夏限定のバスでした。でも乗客は私独り。小さな村から森の細い道に入っていきます。このあたりはモルヴァンという緑豊かな山地なのです。森の中の小川の畔に小ぶりで瀟洒なオーベルジュが何軒かぽつぽつ建っています。写真には撮れませんでしたが、うっとりするほど美しい風景でした。
↓ アヴァヨン近く
↓ アヴァヨンの街も丘の上?
運転手さんが親切な方でアヴァヨンの駅についたので、旧市街に行きたいと言うと、そのまま廻ってくれました。しかし、この日は週末のバザールのため歩行者天国になっています。ここを真っ直ぐ行けば古い教会があるというので、重い荷物を抱えキャリーバックを転がしながら1キロくらいは歩きました。旧市街の石畳はかなりハードでした。
↓ようやく時計塔が見えてきました。
ここを潜るとロマネスクの扉の残る教会が建っています。インフォも向側に見えました。
↓ Eglise Saint-Lazare 4世紀に創設されたという古い歴史を持っていますが、一部11世紀終わりのものが残っています。2つの扉口が見所。触ればぽろっと崩れ落ちそうな傷み加減です。
↓ さまざまな装飾の柱が華麗な在りし日の栄光を物語っています。
↓ これはサロメの宙返りダンスでしょうか?
すでに1時を過ぎ空腹です。時計塔の傍のピザ屋でランチ。外から窯で焼いているのが見えたので。。。予想どおり美味しいお店でした。
食事が終わりタクシーを頼みましたが、今日は混んでいて空いたタクシーは無いとのこと。しかし、荷物を持って駅まで歩くのはとうてい無理です。困り果てて教会前のインフォに入り、また同じようにタクシーを頼んでみました。ここは親切でした。何度もあちこち電話をしてくれました。20分後ならというのでOK!結局30分後でしたが、係の女性はとても親切で、車の音がすると外まで見に行ってくれたりして、ありがたく思いました。
予定変更してモンバールまでタクシー移動71ユーロ。ディジョン経由でボーヌに戻りました。
ボーヌにつくと土砂降りの雨。タクシーが居たので助かりました。ホテルに着き、玄関を入ったら、ロビーでツール・ド・フランスの観戦中の人達が多勢騒いでいます。この日がマイヨジョーヌが最終的に決った大事なレースだったのです。それを横目でみながら。。。あれれ?
観たことあるような人たち。。。。MDLGかな~レセプションから鍵をもらって部屋へ。
Operaの始まるのは9時なのでルームサービスで熱いお湯をもらって、サンドイッチとカップ拉麺という変な組み合わせの夕食。8時まで仮眠のあと、今日は雨なので、オスピス中庭ではなくカテドラルでのコンサートになりました。どちらにしてもホテルからは極近くです。雨は上がったものの戸外では寒いので、教会のほうが良かったです。
↓9時少し前でもこの明るさです。
15分前にホテルを出ましたが、まだ中には入れず人が多勢。そのなかに見た顔が、ローラン・ナウリでした。目があってつい会釈・・・当然彼は怪訝そう~。パリで震災のチャリティーコンサートをしてくれたのを思い出してつい(笑)せめて感謝の言葉をかけたいと思いましたが・・・そのうち出番で教会のなかに入ってしまいました。5分前くらいに観客も中へ。
↓ 開演前
Beaune Festival international d'Opera baroque
『Così fan tutte』 Tarif 85€
CHOEUR AEDES (dir. Mathieu Romano)
ORCHESTRE LES MUSICIENS DU LOUVRE-GRENOBLE
Direction musicale : MARC MINKOWSKI
Fiordiligi :Julia Lezhneva, soprano
Dorabella :Gaëlle Arquez, mezzo-soprano
Ferrando :Sébastien Droy, ténor
Guglielmo :Benoit Arnould, baryton
Despina :Eugénie Warnier, soprano
Don Alfonso :Laurent Naouri, baryton
30e Anniversaire de la création des Musiciens du Louvre
coproduction Musiciens du Louvre-Grenoble, Festival en Ré Majeure
Samedi 23 juillet - 21 h . la Basilique.
今回のコンサートはミンコの指揮もさることながら、話題のソプラノユリアちゃんを生で聴きたいと思ったからなのです。ただ、彼女の初CDはミンコの指揮が素晴らしいのが突出して、歌唱はやや期待薄でした。でも生はやはり違います。フォルデリージの揺れ動く娘心をかなりの深い役柄解釈を自分のものにした表現は素晴らしかったです。美しい声が教会内に心地よく響き大喝采でした。
メゾのGaëlle Arquezもユリアちゃんに引っ張られる感じで、次第に堅さも取れてきて大健闘でした。
テノールのSébastien Droyは柔らかな美声での甘いアリア「アモローゾ~」にはうっとりでした。グリエルモのバリトンがやや劣っていたのが残念でしたが、コンサート形式とは言え、衣装も変えたりで楽しく見ることができました。後からメンバーに聞いたところによると、ナウリが演技指導と衣装など担当したとのことでした。
元はロマネスク期に建てられた教会ですが、現在はゴシック様式が主になっています。さほど大きな教会ではないのですが、椅子が隙間なく並べられ、かなり窮屈。席は前から数列目の中央。ザルツブルグに比べると予算の関係?とかで、オーケストラは小規模な編成になったようですが、音響が良いので充分でした。
ミンコのモーツアルトは6年前のミトリダーテ以来?、若い歌手たちの頑張りにナウリのよく響くユーモアな表情豊かなバリトンなど、素晴らしいモーツアルトを楽しめた演奏でした。
↓ カーテンコール
休憩のときはホテルのトイレに戻っても余裕の近さ。この夜の宿泊客はかなり音楽祭目当ての方が多かったようです。エレベーターで一緒だった隣室の老婦人もおひとりでした。
お風呂で温まって就寝。
弱冠実力派ユリアちゃんからは目が離せません。嫌味のない声なのでモーツァルトもよさそうですね。メゾもソプラノもこなせるユリアちゃんだから、年齢的にも外見的にもケルビーノなんてぴったり。
ナウリさんは、出演するのにそんなぎりぎり時間に会場入りなんですね。
オケの皆さんおよびミンコさんとは、また同宿でしたか?
by レイネ (2011-08-14 07:34)
レイネさま、ユリアちゃんはサハリン生まれなので、北海道の隣の島・・・ロシア人というより東洋的な顔ですし、親近感をおぼえました。好みとしてはモーツアルトやヘンデルを歌って欲しいです。
ホテルにはオケの半分が泊まっていたようです。ロビーで見かけた後は、翌日の朝食にも誰とも会いませんでしたが、ボーヌの駅でばったり!詳しくは次のブログで~。
by alice (2011-08-14 17:39)
今回も充実したご旅行だったようで何よりです。
ミンコはザルツの前にこのコジもあったのですね。
ユリアちゃんは昨年のザルツのモーツァルテウムで、やはりミンコ指揮のコンサートで聴きましたが、1989年生まれと若いのにコロラトゥーラも上手で美しい歌声が印象に残りました。
今年のザルツは行けないと思っていたのですが、なんとか行くことができました。
ミンコのコジが観れて嬉しかったです。
by kametaro07 (2011-08-14 21:39)
Kametaroさま、ザルツはタッチの差ですれ違いでしたね。ミンコのコジの感想も早々とブログに書かれていて、楽しく読ませていただきました。私のほうは旅の終わり近いので遅れますが・・・細かいことはすでに忘却の彼方(笑)
2つのコジは場所(教会とザルツの新しいホール)の違いと歌手もまったく別なこともあって・・・それぞれに良さがあり、両方きっちり楽しめました。無理して行った甲斐がありましたです~。。
by alice (2011-08-15 12:49)