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2011年夏の旅(17) ザルツブルグ [2011夏パリとフランス南西部最後はザルツの旅]

8/4(木)

昨日からの雨がまだ降り続いています。やはり遠出をしなくて良かったかも・・・と自分に言い訳。

朝食室でピアニストのA・シフ夫妻を見かけました。(奥様はバイオリニストの塩川悠子さん)3泊して日本人に会ったのはこのときだけでした。

さて、雨だからホテルの隣のミラベル庭園はパスして、橋を渡り旧市街へ。ウオーキングを兼ねて(おかげでサンダルも靴下もベチャベチャ)遠回りで、祝祭大劇場とモーツアルト・ハウスの並ぶ通りへ。

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↓ 迷路のようなパサージュを繋ぐように古い建物に囲まれた小さな広場。散策の楽しいザルツです。

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↓ カフェや土産物屋さんが並んでいます。ザルツはクリスマス・オーナメントの店が多く、可愛いものがいっぱいです。ある店に並んでいた木製の天使・・・気に入ったのですが、荷物に入りそうもなく諦めました。「渡欧直前にかなり断捨離したのではなかったの~?」「いいえ、これから買うものは孫のためよ」と自問自答(汗)

↓ モーツアルトの生家の裏。大きな広場には朝市がたちます。

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↓ 果物屋でさくらんぼを買って

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↓ ザルツ名物の大きなブリッツェンを買って

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お魚マークのノルドで海老のサラダをテイクアウトして、お部屋でくつろぎのランチ。午睡もたっぷりとって、良い目覚めでした。着物(絽の訪問着)に着替えて、いざ!オペラへ・・・雨がまだ降っていたので、着物の裾を短く着付けして、タクシーを呼んでもらって出ようとしたら、急に晴れてきました。

↓ ホテルのロビーで。

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Wolfgang A. Mozart 『 Le nozze di Figaro』Haus für Mozart 19:00 370€ 

Robin Ticciati, Musikalische Leitung
Claus Guth, Regie
Christian Schmidt, Bühnenbild und Kostüme
Olaf Winter, Licht
Ronny Dietrich, Dramaturgie
Ramses Sigl, Choreographie
Jörn H. Andresen, Choreinstudierung

Simon Keenlyside, Il Conte Almaviva
Genia Kühmeier, La Contessa Almaviva
Marlis Petersen, Susanna
Erwin Schrott, Figaro
Katija Dragojevic, Cherubino
Marie McLaughlin, Marcellina
Franz-Josef Selig, Bartolo
Patrick Henckens, Basilio
Malin Christensson, Barbarina
Oliver Ringelhahn, Don Curzio
Adam Plachetka, Antonio
Uli Kirsch, Cherubim
Orchestra of the Age of Enlightenment
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor

 

 イタリア系ロンドン生まれの若い指揮者Ticciati(初めてでした)が走るように指揮台に現れました。指揮者は聞いたことの無い名前と思ってましたが、こんなに若い方(28歳!)とは予想外でした。そして音楽も新鮮なモーツアルトの息吹が感じられる躍動感にあふれ、わくわくしながら舞台に目が・・・

グートのこの演出は映像(2006年アーノンクール指揮)で見たことがありますが、白い上下に分かれた室内風景が3幕通して使われます。それと天使の黙役が重要な役割を果たすのが主な印象でした。そのときの天使と同じ人のようで、当たり前ですが5年たったら少年から青年になっていました。最前列の席なので筋肉ごつごつの体躯も良く見え、可愛くない(笑)。

今回生の舞台に接しても、グートの登場人物の心理の表現、動かし方がピンときませんでした。はっきり言うと楽しくないのです。天使によって人間の愛が玩ばれているのって「どーお」って、しらける感じ。最後の場面で誰も天使の指令に従わないので、ようやく安堵(笑)

演出抜きに楽しめたのはキーリンサイドの歌役者ぶり。異常があったのに放置していた腕を春に手術したばかりです。あのでかい青年天使を肩にのせて歌うところではドキドキ。興奮のあまり鼻血を出す場面では可哀想~こんなこともさせられてと怒ったり・・・ファン心理まるだし。彼の深い解釈でこの役に臨んだことは、言うまでもありません。そしてそれが歌や演技に自然に繋がっていくのです。改めてキーンリーサイドの素晴らしいパフォーマンスに感じ入りました。

他の歌手たちは映像になったレッシュマンに対抗できたのはコンテッサのキューマイヤーだけ。ペターゼン、シュロット、ドラゴジュビックは比べるのも可哀想ですが・・・。スザンナのペターゼンは昨年のMETのオフィーリア以来でした。映像のネトレプコより良いはずと大層期待していたのですが、陰気っぽい演技に歌もスザンナの若い色気がさっぱりで、冴えません。この方は悲劇向きなのかしら?フィガロのシュロットは初めて生で聴きましたが、歌い口が下品で感心できません。ケルビーノのドラゴジュビックはシェーファーと比べるのもお気の毒ですが、健闘は認めますが好みのケルビーノには遠かったです。

でも2006年と比べると点が辛くなりますが、全般には指揮者のTicciatiとオーケストラのthe Age of Enlightenment の音楽の効力が大きく、ザルツブルグらしい洗練された華やかなモーツアルトを楽しめました。

↓ 写真では顔ははっきり写っていませんが、良家ですくすく育った素直な好青年といったタイプ。

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 ↓ このお二人にはブラボーの嵐!

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帰りは雨も晴れて暖かい夜ですから、徒歩で10分ほどのホテルへ。ランチの残りを夜食に食べて就寝。

↓窓からの夜景。モーツアルトの住んでいた家やお城を眺められます。

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コメント 4

ご~けん

ネトレプコの旦那さんが、同じザルツで出演したのですね!
知り合いの方が今回はドン・ジョヴァンニ観たそうです。
http://yaplog.jp/akikokamoto/archive/56
ザルツの駅は、まだ仮設状態なのでしょうか、、ネットでは買えない安いチケットを、券売機で購入したことを思い出しました。ハルシュタットへの往復と、バート・イシュルです。昨年の今頃のお話。
by ご~けん (2011-08-31 03:59) 

Sardanapalus

この演出、私も白けてしまって好きになれません。最後まで見て、それで結局何が言いたいの?と言いたくなるような展開ですし。浅いキャラクターの描き方も好みじゃないです。が、ラジオで聞いていても、キューマイヤーの伯爵夫人は素敵でした。キーンリーサイドも、さすがの一言。本人はもっとあれこれ演技のアイディアを出したそうですが、グートに全部断られたんだそうです。カーテンコールの写真もいっぱいありがとうございました。指揮者のティッチアーティは、この後エディンバラで聞きました。そちらの演奏もフレッシュで素敵でしたよ。今後が大注目ですね!
by Sardanapalus (2011-08-31 09:37) 

alice

ごーけんさま、このあとウィーンでシュロットを聴いたのですが・・・。気の毒なほど拍手が少なく、ネトレプコが旦那さんに気をつかってました。

ザルツの券売機は私もトライしたのですが、英語の画面が無くて意味不明で失敗しました。ごーけんさまにやり方を伺って行けば良かったです。
by alice (2011-08-31 13:40) 

alice

Sardanapalusさま、キーンリーサイドも納得のいかない演出だったのですか・・・彼のアイディアを断るとはグートも鼻高ですね。そんななかでもせい一杯頑張ったのかと思うと・・涙。

カーテンコールの写真、最前列だったのにぼけてしまってがっかりです。SardanapalusさまのHPに使えそうですか?

エジンバラに行かれたのですか?夏の音楽祭に数年前に行ったことがあります。今年はどんなだったのかしら?
by alice (2011-08-31 13:53) 

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