2011年秋の旅 (2) ミラノ(ガッリアーノ&アリアーテ) [2011秋ウィーンとイタリアあちこち巡る旅]
10/25(火)
今日はミラノから北へ、バスを利用してロンバルディア・ロマネスクの聖堂を2箇所訪ねました。ほとんどは以前これらを訪れられたKikukoさんのHPを参考にさせていただきました。Kikukoさんはガッリアーノ&アリアーテをそれぞれ別の日に行かれていますが、私はこの日はオペラもないので1日で回りました。
6時起床、7時朝食、7:50まだ夜明け前のそぼ降る雨の朝。ミラノ中央駅からメトロでZARAへ。地上に上ったところに新聞スタンドがあり、ここで片道切符(カントウCANTU)を買い、道を渡ったところにある市内バス用の屋根の付いたBSで座って20分、バスの出発10分前にはCANTU行きのBSに移動して傘を差しながら待ちました。しかし、バスはなかなかやって来ません。貼ってある時刻表にはここが終点のバスが折り返し運転となっています。そのバスがまだ来ていないのは確かですから30分は待つことにしました。諦める寸前の25分遅れでバスが来ました。雨はやむ様子もなく寒い朝(この日は5ー12度の予報)、旅の始まりそうそうバスを待つこと1時間弱の苦行です。ついてません。待っていた乗客は私一人でしたから心細くもあり・・・。
↓ ZaraのBSから(8時半頃ようやく明るくなってきました)
終点のCantu/PARLINI通りで降車。方向の見当がつきません。近くを通った婦人にガッリアーノはどっちの方向?と尋ねても分からないとの返事です。当たって砕けろ!の気持ちがなければ挫折しちゃいますよ~まったく。
・・・と愚痴りながら、感で進行方向の坂道を上って行くと街の中心のガリバルディ広場へ着きました。当たり!
↓ 高い鐘塔のサン・パオロ教会は11世紀建立でわずかにロマネスク様式が残っているようですが、寄らずにガッリアーノを目指しました。
ここからは地図でOK。坂道を下り、Seregnoまでのバスの出るMadonna通りを確認。チケットも向かいのT煙草屋さんで購入してからガッリアーノを目指しました。何度も確認した地図は濡れてボロボロになりました。徒歩10分~15分くらい歩き、交差路にようやくBasilica di San Vincenzo e Battistero di San Giovanniの看板。そこからは駐車場のすぐ向こうに
Basilica di San Vincenzo e Battistero di San Giovanni 聖ヴィンチェンツオ聖堂と聖ジョバンニ洗礼堂
少し小高い処に10~11世紀のロマネスク前期の建築とされる円形の洗礼堂を伴った聖堂が建っています。
↓ 坂道を上ると玄関廊の付随した洗礼堂に突き当たり
人が出入りして開いていましたが、アンティークレースの展示場に使われていて、カメラは禁止でした。そういえばCANTUはレースや編み物製品で有名な町だそうです。内部は2階建ての上部から光が入り、明るい空間。洗礼盤はロンバルディアで最も古いもののひとつ。
↓ 外観は雨の日のため石積が黒っぽく、素朴で清らかな美しさがいまいち伝わらなくて残念・・・。
聖堂は鍵を持った管理人が居ますが、カメラはOK。内部は三身廊で全体のバランスとしてはかなり規模の大きい後陣ですが、参考書の古い見取り図ではファサード側に続いて単身廊があったようです。1835年当時のスケッチでは既に南側廊は失われていますので、1910年ごろに始まった調査や修復でその部分に最終的には鉄柵にガラスがはめ込まれたようです。そのガラスの部分がこの石積の素朴さの残る教会建築とはそぐわない感じがしました。内部は明るくなりますが・・・。
↓ 11世紀の壁画で飾られた内部
↓ 後陣、右側面(右下にキリストに教会を捧げるAribertoの図)
↓ 中央マンドーラの栄光のキリストの左下に円光に翼の大天使ミカエル、下に預言者エレミア。
↓ 右障壁のフレスコに聖母子と聖人たち
↓ 上の原図パネルも飾ってありました
↓ クリプト
↓ 正面扉口方向
↓ いかにも初期ロマネスクの素朴な柱頭彫刻
↓ 北側外観
↓ 後陣外観
帰りはもと来た道の途中で見つけたレストランでランチ。歯肉炎なので固いものが食べられません。
↓ アンティパストは鰯の酢漬けサラダ。
↓ セコンドは海鮮パスタ
赤ワインで温まり元気が出ました。
Madonna通りはコモや他の街行きバスが次々やってきます。授業の終わった高校生が多勢のモンツァ行きに乗車。Seregnoの駅前についたのは10分ほど遅れ、おまけにトイレに行きたくなって、アリアーテへのバス停を探す暇もありません。それで結局タクシー(15ユーロくらい)でアリアーテに向かいました。
La Basilica e il Battistero di Agliate アリアーテの聖堂と洗礼堂
ランブロ川の向こうに小さな集落があり、そのなかにひっそり建っています。
起源は10世紀末~11世紀前半のロマネスク初期の様式。ここも独立した多角形の洗礼堂が教会右側にあり、聖堂と同時期に建てられたと考えられています。
↓ 正面扉口 石積の風合いがたまらなく良いですね~。
↓ 内部は三身廊と三後陣のバジリカ形式 。クリプトの上の高い祭室は進入禁止ですので、雨の暗い日でもあり、ほとんど観られませんでした。
↓ クリスマの彫られた左障壁と説教壇。
↓ 右障壁
↓ 教会の床を一部くり抜いてオリジナルの柱を見られるようになっています。
↓ クリプト
↓ 洗礼堂 正面扉口方向 なんて可愛らしいのでしょう!雨の中嬉しくて小躍り(笑)
↓ 内部も中央の低いところに洗礼漕。一部に壁画も残っています。
↓ 洗礼堂の後陣
↓ 雨の中ぐるぐる周囲を回り、靴もべちゃべちゃ・・・。
帰りは川向こうのバール(チケットはここで買う)の前のバス停から乗車。KikukoさんのHPで注意喚起されてましたので、時間前に来るのを見逃さずにすみました。このバスは駅前まで行かなくて徒歩数分のバス停で降車。バスの運転手さんの言ったとおりに行くとSeregno FS駅。予定より1時間ほど早くミラノに戻りました。
7:30に近くのホテルアオスタに宿泊されるKikukoさんをお迎えに参上。チューリッヒ経由でミラノに到着されたばかりですが、夕食をご一緒していただきました。私もあまり食欲が無いので近所のカフェテリアスタイルのレストランへ。ビールに焼き野菜などいただきながら、今日のロンバルディア・ロマネスクの報告とKikukoさんの明日からの南チロルのお話など・・・話題は尽きませんが、再会(2日のスカラ座)を楽しみにお別れ。
外に出ると雨も止んで、中央駅前は電飾電車(イタリア統一記念?)が走っていました。
逆パターンで行った私ですが、アリアーテへ行くまでにひと騒動ありました。(後日UPします)
kikukoさんバスやはり健在なのですね。CANTUの町から帰りにこのバスでミラノへ帰ろうとしたのですが、時刻表を見せてあらゆるタバッキでバスのチケットを購入しようと試みても、知らないと言われ、結局モンツァ経由で帰りました。
再訪のBattistero di San Giovanni、撮影禁止でしたが、しっかり2階に上がれて写してきました。レースは写していないのでいいわよね。。。と。最近2階には上がれないらしいので、展示会のお陰と自分を言い聞かせましたが、自分的には レース邪魔!(苦笑)でした。。。
>帰りはもと来た道の途中で見つけたレストランでランチ。
流石です。私は掛け持ちするのが精いっぱい
by わに子 (2011-11-14 16:44)
わに子さま、えっ!CANTUからミラノZARAまでのバスはPARLINI通りで乗れませんでしたか?
レース私は好きなのですが、あの場合はやはり邪魔と思いました。それに二階に上がっちゃいけないって言われたのよ。若い人には甘いんだぁ~(ひねくれ 笑)
アスティ周辺のお話&写真も楽しみです~♪
by alice (2011-11-14 17:45)
素晴らしい写真拝見させていただきうらやましいです。
私にはとてもこんなことはできないのでブログを楽しみに読ませていただきます。
ミラノ在住のかたが書いていらっしゃるJITRAのメールマガジンに公共交通ではバスの利用が一番難しく上級者向きと書いてありました。さすが上級者!
私も昔は初心者にもかかわらず、無鉄砲なことをしていましたが、もうとても無理です。
ガッリアーノの栄光のキリストのマンドルラを支えるミカエルの下の預言者エミリア(エレミヤ?)ってああいう形で描かれることが多いのですか?
どこかで見たような気がします。
アリア―テの聖堂の石積み(水石っていうのでしょうか)素敵ですね。
今度のツアーの添乗員は池田先生のツアーにニ十回以上添乗したと言っていました。
by tina (2011-11-14 21:21)
tinaさま、たった今tinaさまのMIXI日記にコメント送信してきたばかりでした。
バスの利用はKikukoさんのご指導の下、路線と時間さえあれば挑戦(まさに!)することにしていますが・・・挫折も多いですよ。
バスの時間表はかなりHPで確認できるようになりましたが、時間通りに来ないのが最大の悩み。現地の人たちでさえ30分も先に来て待っていました。停留所の確認もGoogle earthのストリートヴューまで駆使しますが、それでもつかめないことも・・・。
>ガッリアーノの栄光のキリストのマンドルラを支えるミカエルの下の預言者エミリア(エレミヤ?)
あらら間違えてますね。後から訂正します。写真には写っていませんが右の預言者も同じポーズ(マンドーラを支えていると思いますが)です。
by alice (2011-11-15 00:01)