SSブログ

2011年秋の旅 (4)ミラノ~ウィーン [2011秋ウィーンとイタリアあちこち巡る旅]

10/27(木)  ミラノ10:05→ウィーン11:35

ウィーン/Best Western Hotel Beethoven 2泊

 早朝といっても7時頃ですが、食欲もないので朝食はとらずにチェックアウト。スーツケースを宿に預け、キャリーケースとボストンバックを持ち中央駅からシャトルバスで空港へ。夜明けの遅い暗いミラノの街を離れました。 到着時と違い渋滞もなくスムーズにマルペンサに到着。
OSオーストリア航空でウィーンに飛びました。空港からはシテイライナーでミッテ駅まで。駅前からタクシーに乗り替えたのですが、いつもは10分で着くはずが、20分以上もかかりました。

まだチェックインの時間には早かったのですが、数分待つと部屋の準備が出来ました。部屋に荷物を運び入れ、一息ついてから近くのベトナムレストランで、遅めのランチ。

↓海老の揚げ春巻と雲吞麺。寒いので温まって美味しい。ビールとデザートを含めても20ユーロ弱。

2011.10 129.jpg

2011.10 130.jpg

仮眠の後は隣のアンデアウィーン劇場へ。開演15分前に部屋を出ました。今回はチケットは郵送してきましたので、窓口での引き換えの手間も不要。

2011.10 134.jpg

Geirg Friedrich Handel『SERSE』 THEATER an der Wien 19:00開演

Musikalische leitung:Jean-Christophe Spinosi

Inszenierung:Adrian Noble

Serse: malena Ernman    Arsamene:Bejun Mehta    Amastre:Luciana Mancini   Romilda :Adriana Kucerova   Atalanta:Danielle de Niese    Ariodate:Anton Scharinger   Elvito:Andrea Wolf 

Ansemble Matheus Arnold Schoenberg Chor 

開幕前にマネージャーが現れて、なにやら説明があリました。まったく聞き取れず、まさかマレーナが不調?とのっけから心配でドキドキ・・・あとからの情報によるとロミルダ役の歌手が風邪をひいたので不調かもしれませんが歌います、というアナウンスだったようです。席は最前列ほぼ中央。

2011.10 135.jpg

2011.10 136.jpg

 幕が上がる前から円形の神殿風な建物がデンと配置されています。セルセが中央を開くと緑の森の風景、盛り土のうえに樹々。この緑の森は場面により回り、枯れていたりします。円形の建物の白とと緑のコントラストが鮮やかで美しい。そこでラルゴ「オンブラマイフー」が歌われる。マレーナは今回で3回目、彼女のスロースターター気味なのは承知しているので、少し抑え気味に慎重な歌唱ですが、そう悪くはなさそうとほっとしました。今回で念願のズボン役を初めて観たのですが、その素晴らしさに唖然。男装といっても宝塚風ではなく、信じられないほど男性的なアクション。身勝手で危ういセルセの性格表現、ブラッドピット風にゆがめた顔の表情など変幻自在でお見事。最前列だし、良く見えて、まったく目が離せない感じでした。歌も次第に熱をおびてきて、クールで繊細さのあるマレーナの持ち味に、最後の熱を帯びたアリアまでのペース配分はなかなか計算されいます。

アルサメーネのB・メータは5年振り2度目。2006年のザルツブルグが初めてでした。あのとき以来私のカウンターテナーのno.1です。なので、今回はマレーナのズボン役とメータに惹かれて、ウィーンに来ました。カウンターテナーにしては低音の響きが男っぽく、性倒錯的な危うさをあまり感じさせないところが好み。その期待に応えてくれて、巧さが一層増した歌と演技、その存在感はマレーナに劣らず、素晴らしい!
姉妹のロミルダとアタランタの2人はそれぞれの性格の清純さとちゃっかり娘の違いをはっきり対照的に表現。ロミルダは樹の上で歌って白い妖精のように登場。白い下着風なドレスに白いスニーカーの可憐な容姿のクチェローヴァとデ・ニースが扮するアタランタの派手なガウン風コートに赤いハイヒール。デ・ニースはこの役にはピッタリ。声はまろやかさが無いので好みではありませんが、声量があるので、演技のうまさもあり一部の席からブラボーがかかる人気でした。少々漫画チックなセクシーなアクションも受けてました(笑)。

アドリアン・ノーブルの演出はファンタスティックな舞台と歌手たちの細かい演技に支えられ、大成功だったと思います。実際地元の新聞評も絶賛とのことでした。                                         

今日が最終公演とあってカーテンコールの時はスピノジが舞台の上からアンコールの指揮。見かけのせいもあって本番は神経質そうな指揮をする人だなあと見ていたのですが、大きな喝采を浴びて嬉しそうな笑顔の彼は少年のよう・・・カーテンコールも終わり、彼の肩をマレーナが抱いて引き上げていく後姿・・・どちらが男性?みたいで笑ってしまいました。でもマレーナは二人の幼い娘のママで素顔は気さくな金髪の北欧美人なのです。

↓ カーテンコールの写真はひどい出来ですが、雰囲気だけ・・・

2011.10 138.jpg

2011.10 139.jpg

2011.10 140.jpg

2011.10 141.jpg

終演後はすぐホテルに戻り、手持ちのもので夜食を済ませ就寝。

↓ ウィーンの定宿、今回で3回目。

2011.10 133.jpg

参考映像:ヘンデル『セルセSERSE』ドレスデン音楽祭2000年6月ライブ収録 

指揮:クリストフ・ルセ  演出:ミヒャエル・ハンぺ

セルセ:ポーラ・ラスマッセン  アルサメ―ネ:アン・ハレンベリ  アマストレ:パトレシア:バードン   ロミルダ:イサベル・バイラクダリアン   アタランタ:サンドリーヌ・ピオ   アリオダ―テ:マルチェロ・リッピ   エルヴィーロ:マッテオ・ペイローネ

演奏:レ・タラン・リリク    合唱:ルードヴィッヒスハーフェン歌劇場合唱団

 img029.jpg

 


nice!(0)  コメント(7) 

nice! 0

コメント 7

レイネ

マレーナ様のズボン役を生で観賞され、満足されたようでなによりです。表情も態度も自然で男性になりきった演技でしょう?初生マレーナ様を観たのはネローネ役で、その後お姫様役とズボン役を交互に観賞してますが、男女いずれも素晴らしいのです。(ダイドーも存在感あったでしょう?)
歌の方は、今回主役で出ずっぱりということから、前半は特にかなり声量を抑えてたのが不満でした。でも、最後のオペラの超絶技巧と迫真の演技は凄かったですね!アリア最後で壁に挟まれると、汗たらたらになって肩で息してましたね。

メータは、私の行った晩は風邪気味とのアナウンスで、高音が苦しそうで出ないのがかわいそうでしたが、全体的には男らしさがより増した歌唱で一皮剥けた印象でした。(生メータは3度目ですが、彼の進化にはびっくりしてます)

8月に『湖上の美人』のマレーナ様を拝みにウィーンに行こうと思っています。aliceさんはミラノでフローレスのを3回もご覧になってるから、もう結構、という気分かもしれませんが、ザルツブルクと組み合わせていかがですか。
by レイネ (2011-11-16 17:50) 

alice

レイネさま、次回は8月ですか・・・。行きたいのは山々ですが、その前に4月の『ハムレット』がありますし、家の事情で今年の夏は出かけられない公算大なのです。

『ハムレット』はまたすれ違いでした?以前にお聞きしていたかもしれませんが、このごろ非常に忘れっぽくなって・・・。
by alice (2011-11-16 21:11) 

alice

レイネさま、続きです。B・メータは4月のハムレットと組み合わせて、モネの『オルランド』を観る予定です。

http://www.lamonnaie.be/fr/opera/153/Orlando

札幌は昨夜ちらりと初雪が舞いましたが、心は早くも来春へ~♪
by alice (2011-11-16 21:21) 

レイネ

ウィーンの『ハムレット』は無理ですが、モネ劇場の『オルランド』には、もちろん行きますよ!ブリュッセルにはいつも日帰りで電車で行くので日曜マチネ限定ですが、もしも同じ日の観賞でお昼などご一緒できたら楽しいでしょうね。
メータのCTでも男らしく力強い声は貴重ですからね。期待してます。
by レイネ (2011-11-17 00:52) 

alice

レイネさま、私は4/24の予定なのですれ違いです。残念!

JALの特典航空券がようやく予約とれましたので、ブリュッセル~ウィーン~チューリッヒと前半はオペラ、後半はスイス・ロマネスクのスケジュールを考えています。

昨夜からの雪で、本格的な冬になりました。楽しい旅の計画を立てながら長い冬を乗り切らなくては・・・。
by alice (2011-11-17 12:46) 

はるる

すでに、懐かしく読ませていただいています。弾丸でも行った甲斐がありました。それに初めてでしたがこの劇場、規模といい演目といい気に入りました。
マレーナ様の>ブラッドピット風にゆがめた顔の表情<ほんと!、その通りでした!メータ様の男らしいCTにも感動でした。素敵な演出と溌剌とした演奏でよい舞台が楽しめました。やっぱり、生を本拠地で、がいいですね~♪ お金と時間、降ってこ~い!
「ハムレット」も観た―くてまだ迷いに迷ってます。残席わずかだし・・・。来年のどこに絞ろうかと。
ゆっくり回りたいものです。
by はるる (2011-11-18 13:57) 

alice

はるるさま、働いているうちは弾丸ツアーも楽しいんじゃないかしら・・・私が同じことしたらあの世行き(笑)ですから、違う意味羨ましい面も。

こんなにあちこち飛び回る旅ができるのも長くはなさそうなので、あと2.3年はがんばってみたいのですが・・・「ハムレット」行けるといいですね。


by alice (2011-11-18 15:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。