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2012年冬の旅(8) ベルリン [2012冬パリとバルセロナ、スペイン北部のロマネ]

1/22(日)

3☆でもドイツのホテルの朝ごはんはどこも充実しています。マシーンのコーヒーではなく、きちんとオーダーをとって淹れてくれて、ポットでサービスしてくれるのとパンが美味しいのが嬉しいです。

今日はほぼ20年前に娘たちと訪れた思い出のダーレム博物館へ行きました。ホテルの目の前の地下鉄(Deutsche Oper)から2つ目のWittenbergplatzで乗り換えてDahlem Dorfまで。

↓ 地下鉄のホームはどこも綺麗になりましたが、ダーレムの駅舎は当時と変わらず牧歌的なたたずまい。

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以前は情報も少なく、迷ってようやく辿り着いた記憶がありますが、今回はGoogleのストリートビューで確認済み。徒歩3分くらいで着きました。下の建物の裏にあった古典的な建物の絵画ギャラリーは新しいほうに移り、現在は民族系の博物館だけになっています。

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チケット売り場のある大きなホールの奥に進むとすぐ左にアジア部門の展示室の入り口があります。今、開催中のキジル千仏洞のポスター。4/29まで。

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2007年秋に中国の新疆ウイグル自治区を旅したことがあり、そのときキジルやそのほかの洞窟から壁画がドイツに運ばれたことを聞いていました。私の旅のテーマのロマネスク美術とはなんの関係もないようですが、ロマネスク美術が受けたオリエントの影響がらみで、シルクロードの美術は根底で繋がるものを感じています。だからこそ、ドイツやフランスなどのヨーロッパの探検家や学者たちを駆り立てたことと思われます。壁画や仏像などを自国に持ち帰ったことについては、中国西域のイスラム化や文化大革命時の破壊のことを考慮すれば致し方ないと思います。ただ第二次大戦時にはベルリンに移したものの30%も失われたそうで、とても残念です。

↓ 仏像の展示室

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↓ 獅子の玉座の釈迦像 1~2世紀 Gandharaガンダーラ(パキスタン)/ギリシア彫刻の影響を受け、頭光や獅子座が西からの流れを示しています。インドっぽくない温和な表情のお釈迦さま。衣装の流れるような表現も素晴らしい!

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↓ お釈迦さまの誕生の浮彫 2~3世紀 Gandharaガンダーラ(パキスタン)お釈迦さまの母親マーヤー夫人の脇腹から生まれたという伝説の場面

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説明板に仏教の用語がでてきますが、勉強不足で分からないことだらけ・・・。

↓ 仏陀の悟りのサイクルからの場面  1世紀 Gandharaガンダーラ(パキスタン)

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↓ 写真禁止を知らずに写してしまった復元された123窟主室の天井。壁画保護のため照明を落としていますので、ラピスラズリの青が映えません。そのせいか現地で観たあの美しさも、感動も小さいのは致し方ありません。ドーム型天井に8つに放射状に分かれて、仏と菩薩が交互に描かれています。中央は蓮華。

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キジル千仏洞(クチャ近く)5~6世紀

Albert Grünwedel ( 1856 – 1935) ドイツの考古学者、初めはロシア隊とともに、1899ドイツ人としては初めてウイグルに入った。1902.1903からはドイツ独自の第一次探検隊を率いてトルファン、クチャ、高昌故城など調査1913.1914の第四次までウイグルのシルクロードに広がる仏教、マ二教の研究に多大な成果をあげた。第二次からはA.V.Le Coqも同行。復元されたブッデスト・カルト・カーブは世界で唯一だそうです。

↓ 3期123窟の入り口から

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↓ 窟の外側から覗いた後室の天井(こちらは撮影OK)飛天たち。

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↓ 彩色仏像 シクシン仏寺出土 7~8世紀 写真では顔が陰になってしまいましたが、美しいお顔。額に花鈿が描かれ、頭髪の波型模様も繊細。こんな優美な仏像は滅多に見られないと、ここへきてやや興奮(笑)台座には花丸紋に鹿が描かれているようです。

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↓ べゼクリク千仏洞20窟 10世紀ごろの供養する人たちの図(左はウイグルの王子様たち、右はお姫様?) 両方ともに鮮やかな色彩、民族衣装も豪華で印象的。

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↓ 供養するTocharian Princesトチヤリアンの王女さま(べゼクリク千仏洞27窟、13世紀)

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↓「 神と女の楽師 」 キジル(171窟)5世紀 (楽神善愛が仏法を信仰する物語り)。このほか76窟にあった「魔女誘惑図」もダーレムにありました(写真忘れ)。

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ほかにも多数の興味深い壁画、仏像、織物など。。。

帰国後、ウイグルを旅したとき現地で購入した新疆大学出版の「シルクロード・新疆仏教芸術」(日本語解説付き)を改めて読んで、「ドイツに流失」の文字が多数あることに気がつきました。そのうちのいくつかは鑑賞できたことは嬉しいのですが…やはり複雑な気持ち。

さて、ダーレムからベルリンの町なかへ戻り、クーダム近くのビア・レストランでランチ。

↓ 寒いけれどやっぱり黒ビール。旨い!ソーセージは普通。

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↓ デパートは日曜でお休み

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夜はシラー劇場でコンサート。

Barock Konzert @Shiller Ttheater 18:00~  53€

Dirigent Marc Minkowski
Sopran Julia Lezhneva

Les Musiciens du Louvre - Grenoble
前半はユリア・レジネヴァの独唱 後半はMDLGのコンサート
プログラムを紛失してしまって、詳しい曲目は後程アップします。
ユリアちゃんは夏のボーヌ以来2度目です。少しの間に少女っぽいところが抜けて、洗練されて美しくなってきました。ヘンデルの宗教曲を素直な良く伸びる声で、天使のような歌唱。ブラボーを浴びて、ちょっとはにかんでの笑顔が変わらずに可愛い。まだ深い表現力を求めるのは無理というもの、これからの課題でしょうか。オーケストラは3夜連続の演奏でしたが、いつもの生き生きした演奏で愉しい時間を過ごすことができました。昼間はベルリンのファンクラブの方たちの行事もあったそうで、本当にお疲れ様でした。席は昨夜と同じ2階最前列中央付近。
明日はいよいよスペインへ飛びます。ベルリンよりは暖かいと良いのですが・・・。

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