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2012年春の旅(2) ブリュッセル(アントワープ) [2012春ブリュッセルからスイスとフランスの田舎]

4/24(火) Brusseles Midi9:18→Antwerpen9:57/14:03→Brusseles14:42

↓ ブリュセッルMIDI駅の目の前のホテル。青いネオンの少し奥まったガラスの入口から中庭を抜けると、ようやくホテルの回転ドアが見えてきます。裏側の部屋だったので静かでした。朝ごはんはさすがビジネスマンに好評の宿なので◎。

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 部屋を出て数分後に丁度出発する列車があり、飛び乗ってアントワープへ。近郊都市間のチケットは列車内で購入することになっていることを今回初めて知りました。片道約6~7€

↓ この時だけ乗った一等車(約10€)

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 アントワープは初独り旅で来て以来ですから18年ぶり!昔のホームの地下に新しいホームやショップを増設する大規模な改装がされたようですが、正面の大時計は残っていました。懐かしい~。

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しかし、あの懐しい荷物預かり所、チッキの受け取りに何度も通ったところは当然無くなって、スタバになっていました。時代の流れをしみじみ。。。

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 さて今回の目的の新しい美術館へのアクセスです。美術館のHPで調べたバスののりばを見つけるのに難儀しました。

駅正面を出ますとロータリー、その先の大通りから左に200メートルが大きなバスターミナルです。ところがHPで記載された番号の乗り場が見つかりません。うろうろしたあげく、結局はバスのインフォで聞いてようやく判明しました。広場に面した大きな古い建物の横にバス停があります。バスは10分ほどでやってきて、10人ほどの乗客はほとんど美術館で降りました。

昔は赤レンガの倉庫が並んでいた波止場が素敵な建物が並ぶお洒落なエリアに変貌していました。以前はこの辺まで観光プチ・トランが走っていたのです。

そのなかでも一際目立つMAS ( Museum Aan de Stroom)。

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お目当てはアントワープ王立美術館のコレクションの特別展示です。↑のガラス張りロビーから素晴らしい眺めを楽しみながら展示階へエスカレーターで昇っていきます。

↓ 展示室前のポスターもフーケの聖母子をデザインしたもの。

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以前アントワープに来たときは王立美術館の閉館日で見学できなかったので、今回が初めて観るものばかりなのです。しかもカメラOK!

今回の旅の写真で問題点があります。今まで使ってきたソフトがあのウィルス騒ぎの後使用不可になり、新しいPCにすでに入っていた編集ツールを使っています。慣れないので切り取りが巧くできません。歪んだり、構図がめちゃめちゃですがお許しを。。。

↓ フーケJean Fouquet「聖母子と天使たち」1450頃 95×86  ベルリンのナショナルギャラリーにある「エティエンヌ・シュヴァリエと聖ステパノ」と共に「ムランの二連祭壇画」と呼ばれています。アントワープの祭壇画が右にあり、幼児イエスの指差す左にベルリンの祭壇画という構成。ここのボランティアのガイドさんはもちろんそのベルリンの祭壇画の大きな写真を用意して説明していました。

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フーケはほかに小品1点ありました。

↓ エイクJan van Eyck「噴水の傍らの聖母子」1439  19×12.2

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↓ アントネッロ・ダ・メッシーナAntonello da Messina「キリストの磔刑」1475 59.5×42.5 

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 ↓ マセイスQuentin Massys「聖クリストフォルス」106×72  上に掲げてある男の肖像画もマセイス

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 ある展示室は部屋の中央に置かれた大きなテーブル。その上に小品が何点か立てかけられ、椅子に腰かけて作品と同じ目線でじっくり観られるようになっています。ここで鑑賞した珠玉の2点は

↓ エイクJan van Eyck「聖バルバラ」 1437 31×18 写真はひどいですが、溜息もののエイクの美しい線描に目が釘づけ。余談ですが、エイクの作品はメルボルンにある聖母子と帰属が疑われる作品以外はこれでほぼ鑑賞完了になりました。

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↓ ウエイデンRogier van Weyden「フィリップ善良公」1460代 

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 ここからスムーズに行くと徒歩10分ほどでノートルダム寺院ですが、旧市街は迷路のようで、倍くらいかかってようやく到着。ノートルダム教会はすっかり様変わりしていました。内部はピカピカになって白塗り、有料、カメラ禁止。以前の古びた寺院で、ルーベンスの祭壇画を眺めて感動したことが懐かしい。。。来なければ良かった(ブツブツ)

↓ ノートルダム寺院の横から

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↓ 後陣側の広場へ。これも時代の流れで大きなマックのお店。

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また以前は地下を走るバスだったけれど、立派なメトロが完成していました。これに乗ってアントワープの駅経由でブリュッセルに戻りました。駅構内でピザとビールなど買い込んで、部屋に戻り遅いランチ。

仮眠の後モネ劇場へ。地下を走るTトラムという不思議な乗り物(笑)に乗って4つ目がオペラ座の近くの駅です。初めはTトラムとばかり思っていましたので、ホテルの人に乗り場を尋ねても話がかみ合いません。MメトロのほかにTトラムは地下を走る路線もあるので、ややこしいことに。。。

ヘンデル『オルランド』@モネ劇場  チケット89€

Orlando
Direction musicale ¦ René Jacobs   Mise en scène ¦ Pierre Audi

Orlando ¦ Bejun Mehta   Angelica ¦ Sophie Karthäuser  Medoro ¦ Kristina Hammarström

Dorinda ¦ Sunhae Im  Zoroastro ¦ Konstantin Wolff

Orchestre ¦ Baroque Orchestra B'Rock

 今夜の公演は4回目でしたが、TVカメラが入ってましたので、ヨーロッパでは放映されるようです。メータがウィーンの舞台を途中で降板したという情報もあり、心配でしたが、第一声から調子が良いのがありありといった素晴らしい歌唱に胸をなでおろし、ヘンデルの世界に引き込まれていきました。

舞台はシンプルな分、スクリーンでメータの姿を映しだし、オルランドの苦悩を表現するという。。。メータあっての今回のこの演出です。他の若い歌手たちも揃ってフレッシュなパフォーマンスでした。韓国人ソプラノ(DorindaのSunhae Im)も大活躍。メータの風貌もインドの血をひいていますから、仏像・・・そう阿修羅を思い浮かべてしまいます。舞台のしつらえもアジアっぽく、水辺に浮かぶ多数のローソクの光が灯篭流しのようでした。第一幕の軍隊は9.11を思い浮かべるレスキュー隊。毀れた家屋、どうしょうもないかなわぬ恋、壊れていく心。。。どのシーンにも切なくジーンときてしまいました。2幕終わりにドラマチックに狂乱の場面で幕が下りたのですが、3幕はややだれてしまった感はありました。ハッピーエンドで教訓的な3幕は現代には受けないのかもしれません。

席は二階ロッジア左。この公演のチケットは他の公演に比べると売り出しが遅く、発売初日に手配したのにセカンドカテゴリーしかとれませんでした。それでも舞台に近い分、平戸間の後ろより良かったです。

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今年は1月の時と悟りといい今夜ののオルランドといい滅多にないほど優れた演奏のヘンデルが聴けました。夏のシーザーでそろい踏みになるかもとホクホクしながらホテルに戻りました。

夜中のブリュッセルMIDI駅構内でしたが、ポリスや警備の人があちこちに立っていて、安心でした。昼に続いてまたまた簡単に手持ちのもので夜食。明日はレイネさんとリエージュでランチなので我慢我慢。


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コメント 4

Bowles

TV録画があるので待っててくださいね。
by Bowles (2012-05-19 10:13) 

alice

Bowlesさん、お待ちしています~。TVカメラの入った日の公演を観てると自分がちらっとでも写ってるかなと・・・楽しみよりも恐ろしい(笑)
by alice (2012-05-19 12:55) 

職歴

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 職歴 (2012-10-16 23:39) 

alice

職歴さま、初めまして!美術がお好きなのですか?今年の夏はバーゼル市立美術館にも行きましたので、ぜひ!また遊びにいらしてくださいね。
by alice (2012-10-17 20:05) 

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