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2012年夏の旅(26-1)ル・ピュイ・アン・ヴレ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

 9/17(月)

  今日も良いお天気!天気女と自他ともに認める私ですが、今回のロマネスク行脚のときは100%青空ディでした。特に今日は苦手な山登りで、200段以上の階段を昇らなければなりませんから、本当にラッキーでした。

↓ 部屋の窓から。右に見えるのは工事中の聖母子像です。あの嫌いなサーモン・ピンクの聖母子像が見えなくて良かった~。左はこれから見学するノートルダム大聖堂です。

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 お祭りが済んだからでしょう。静かな街中をのんびり歩いて↓ オテル・ド・ヴィルのある広場へ。

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↓ その広場から細い坂道を大聖堂へ向かって上って行きました。

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↓ ようやく岩壁の上に建つ大聖堂前に到着しました。西正面は12世紀末に完成。三連のアーケードを組み合わせて、トップに切妻風の鐘塔?多層に配置された色モザイクの装飾がイスラム風で、エキゾチックな美しさは特筆ものです!

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↓ 上から眺める赤い屋根の家並みは14年前と少しも変わっていません。懐かしさでいっぱいでした。

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☆ La Cathedrale Notre-Dame(Le puy en Velay) ノートルダム大聖堂(ル・ピュイ)

古代ガリアのドルイド教の霊場で、ローマ時代には古代の神殿が並んでいました。4世紀にキリスト教が伝来し、神殿は教会に建て替えられ、巡礼地として繁栄。熱病を癒す黒い石(隕石?)やオリエント伝来とされる「黒い聖母」の木像が篤い信仰を集め、サンティアゴ巡礼の出発地として発展しました。コルネイユ山の中腹に建設された現在の教会は11世紀の中頃で、その後12世紀の中頃と末に改築、完成。

↓ 西正面から大聖堂に入りますと、そこは玄関廊と思いこんでいましたが、っていましたが、平面図を確認しましたら低層の身廊になっています。左右にヒマラヤ杉の扉口(12世紀)。アラビア語やアラベスクなどムスリムの彫刻家が手掛けたと思われます。

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↓ 次はまた3段ほどの階段を上ると少し高い身廊部分になっています。左右のアーチに13世紀の壁画「玉座の聖母子」

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↓ 「キリストの変容」

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↓ 中央の大階段を上がると後陣の見える身廊にでます。オリジナルは12世紀(19世紀に再建)の大空間です。後陣中央祭室の黒い聖母子像がすぐ目につきました。

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↓ 黒いマリアに捧げる蝋燭にも絵柄が

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↓ マントから顔を出すカンガルーの赤ちゃんのように可愛いイエス。17世紀の木製像。8月15日の聖母被昇天祭には輿に乗って町中練り歩くそうです。今日のドレスは九月の薔薇でしょうか。

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↓ 北隣の礼拝室にはこれもまた超有名な「熱病の石」が置かれています。どういう方たちかわかりませんが、ただいま治療中で、中に入って石に触ることはかないませんでした。

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↓北翼廊の小祭室の壁画と柱頭彫刻

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↓ 北側廊から「旧図書館」サン・クレマン礼拝堂へ。

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↓ こちらにも黒い聖母子像が祀られています。オリジナルは13世紀?でエジプトからの伝来という伝説がありますが、フランス革命のとき焼失。19世紀に再現されたものです。

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↓ 先ほどの北翼廊付近からいったん外に出て、回廊(有料)の入口へ。

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 ↓ 回廊は11世紀の中頃に建築が始まったと言われています。南北に長い長方形で、白砂岩と暗色の火山岩の石材を交互に使用したイスラム風のアーケード。

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↓ また迫り石に色モザイクを使った12世紀のスタイルです。回廊の柱頭彫刻は植物文様がほとんどですが、すべてオリジナルとのこと。

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↓ 回廊を巡っているうちに虹がかかってきて…ミラクルな情景でした。

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↓ 聖堂への錬鉄格子の扉。12世紀末~13世紀初めにフランスで最古の金物職人によって造られたもの。イスラム式の張り出し格子窓をイメージした渦巻きモチーフの組み合わせ。

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↓ 回廊から見える後陣の外壁と鐘塔(トップは19世紀の再建)。暗色に配された色モザイクが映えて、美しいです。

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↓ 元の西正面から階段を下りて、今回はレース編みを見学する暇もなく、次の苦行へ向かいました。

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汚い話で恐縮ですが、この近くの公衆トイレを使ったのですが・・・清掃が行き届かず、やけに蠅が多いのです。昨日はお祭りでかなり見物客がでていたからかもしれませんが・・・。

↓ マップを見ながら歩きますと、右折するところにデギーユ礼拝堂への案内板が見えました。でもその左に立っているグリーンの標識の「犬のトイレ」って?

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↓ 尖った岩山のてっぺんにサン・ミッシェル・デギーユ礼拝堂が見える眺めの良い道ですが・・・。

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↓ 左に犬のトイレ(写真はグーグルのストリートビューから)がありました。なにも、こういう景観の道の途中に作らなくても・・・。それだけ落し物が多いということでしょうか。

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続きます~


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コメント 2

shochan

《ル・ピュイ・アン・ヴレ》を検索しました。ここはパリの南にあるのですね。英語に比べて、フランス語は発音が聞き慣れず、また舌が回りません。 ここは、《サンティアゴ・デ・コンポステーラ》の一つなんですね。テレビで見ましたが、巡礼者は、ホタテ貝殻のついた宿屋に泊るとか。イスラム教徒のメッカ詣でに類似みたい。日本なら88箇所巡りですか。14年前にも、一度行っているのですね。よく言うように、ヨーロッパは、石造りの文化なのですね。イスラムの文様が、随所に見られるのは、ここはイスタムに征服されたのですね。スペイン、グラナダのアルハンブラ宮殿は、イスラム建築の傑作なのですね。宮殿明け渡しは、無血だった。スペインの女王が、宮殿を破壊せず、そのまま残した。 パティオって、中庭という意味ですね。札幌駅・北口に、《パティオ》という空間がありますね。イスラム建築には、必ず、パティオがありますね。今回の写真にも、パティオが散見されますね。Aliceさんは、こういう場所柄に魅了されるんですね。下の《画像認証》は、見ずらいですねぇ・・・。

by shochan (2012-12-10 19:07) 

alice

Shochanさま、こんばんは!<ル・ピュイ・アン・ヴレ>のこといろいろ調べていただいたようで、恐縮です。

おっしゃる通り、フランスから出発するサンティアゴ巡礼の道は4つあって、そのうちのひとつがここなのです。ただイスラム様式の影響は受けていますが、スペインのようにイスラムに征服されたわけではなくて、巡礼の道を通じて、交流があったのです。当時はヨーロッパよりイスラム文化のほうが優れていましたから。

>下の《画像認証》は、見ずらいですねぇ・・・。
他の方からもそのようなご指摘があったので、なんとか改善して欲しいです。
by alice (2012-12-11 00:16) 

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