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2009年早春の旅1 (札幌→シカゴ経由→ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

 2009年の旅は結局3回決行して、それぞれが長期にわたる旅になりました。体力的にもこの辺が潮時という思いがあったことは事実で、そのためにあれもこれもと詰めすぎた感があります。次女宅の訪問や一部はM社の「スペインガルシアとポルトガルのロマネスク教会を訪ねるツアー」に便乗して、少しは楽?をしますが、海外旅行歴で最も長くなりました。

日程/ニューヨーク(2)~インディアナポリス( 8)~ニューヨーク(3)~機内(1)~リスボン(2)~ナザーレ(1)~ポルト(3)~ヴィアナ・デ・カステッロ(1)~オレンセ(1)~ルーゴ(1)~コルーニャ(1)~サンティヤゴ・デ・コンポステーラ(1)~マドリード(3)~パリ(2)30泊32日

↓MAP

 

3/4(水) 千歳13:45→成田15:25/17:55→シカゴ14:10/16:05→ニューヨークLGA19:21

N.Y Empire Hotel 2泊

例年より雪の少ない札幌とはいえ、まだ春というには程遠い寒さです。そのうえ2日前には大雪で交通マヒ状態だったというN.Yに向かうのです。当然、完全防寒ウエアでなくてはいけないのですが、その後のポルトガルのことなど考えるとブーツを履いていくのは躊躇。軽いウオーキングシューズとこれまた軽いキルティングのオーバーコートで出発。

いつものように札幌JRタワーのホテル玄関まで夫に送ってもらい、そのまま通路を抜けて駅構内へ。外を歩かないので、滑り止めのつかない靴でもOKなのです。

千歳空港では最近評判の花畑牧場の生キャラメルが並ばずに買えました。というのは、花畑牧場のカフェレストランで食事やケーキセットをいただくと、3箱まで優先購入できると言う商魂逞しいシステムになっていたからなのです。生キャラメルは軟らかくて融けやすいので、成田で機内預けトランクに移し変え、ニューヨークのホテルでは冷蔵庫に収め、無事にインディアナポリスへ届けることができました。

今回の旅はインディアナポリスの次女から譲ってもらったUAの特典航空券(北米経由のヨーロッパ往復ビジネスクラス)の片道分とアリタリアの特典航空券(イタリア往復エコノミークラス)の片道分の組み合わせで世界一周するという、ややこしい旅程です。乗り換えのシカゴでの入国審査では、当然ヨーロッパからの帰国便のEチケットの提示を求められ、質問も少々ありましたが、娘がアメリカに住んでいるので、そこも行くのよというと、分かったわと話がスムーズになりました。

昨年の11月にUAの特典を申し込んだにもかかわらず希望の日3/6のビジネスクラスに空きがなく、2月になってようやく2日前の3/4ならということで了承・・・しかし、2泊の余分なN.Y滞在はホテル代が高いので痛かったです。

成田の豪華なVIPラウンジPHOTO1211.jpg

 

 

 

 

 

 

 

ユナイテッドの機内食 これからアメリカへ行くと言うのにステーキをたいらげてしまいました。(今回の旅でも肥りそうな予感・・・)朝食は果物とヨーグルトで我慢。

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N.Yのラガーディア空港にはほぼ予定どおりに到着。道路はすっかり乾いていましたが、まだ植え込みなどに雪の残る夜のN.Y。タクシーでリンカーンセンター至近のホテルへ。

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改装したばかりで綺麗です。バスタブなしで1泊30.000円は高過ぎますが、ホテル代の高いN.Y事情とガラを含めた連夜のオペラ通い、そして荷物預かりの都合もありここに決めました。

下の写真は後日のもの。茶色の建物(左)がホテル、右の白い低い建物がリンカーンセンターの一角に建つシアター(バレエやアメリカンシアターオペラなど)。メトロポリタン歌劇場はこの右の広場の正面に建っています。

 


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2009年早春の旅2 (ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/5(木) 

この日はオペラの予定はありません。事前の情報ではカーネギーホールでキーシンのコンサートがあるとのこと。出発前にチケットのオンライン予約にトライしたのですが、会員登録しなければならず、なぜか面倒になって当日券を購入する予定に変えていました。ところがこの朝の寒風にカーネギーホールまで歩くのが辛くなり、ついつい途中のコロンバスサークルの地下鉄の駅に避難状態でもぐってしまいました。まず、マンハッタン北のTHE CLOISTERS見学をすることにしたのです。

THE CLOISTERSは7年ぶりです。その時はアッパーイーストのグッケンハイム美術館の近くからバスに乗り、結構時間がかかりましたので、今回は190th駅まで地下鉄で行きました。駅改札を出ると倉庫で使われるような大型のエレベーターが2or3台並んでいます。恐る恐る乗りました。すると、防犯のためでしょう、中にエレベーター係りの男性が机を前に座っているのです。思わずにっこりGood Morning!

地上にでますと広い道路。ここからバスもありますが、公園の入り口のゲートが見え、近所のかたらしいベビーカーを押したパパやお年寄りの散歩の方が入っていきます。風もおさまり気持ちの良い朝です。のんびり1キロほどの道を左にハドソン川を眺めながら歩きました。写真を撮ってましたら、木々の陰にリスの姿が見えます。逃げると思ったらドンドンこちらに向かって走ってきます。餌のおねだり・・・お菓子などなにも持っていなかったので、ごめんなさい。

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公園を抜けると向こうに移築された中世の4つの回廊やコレクションのために建てられた美術館が見えてきました。ロマネスク様式の教会の塔を遠望。ヨーロッパに来たかと思う瞬間です。街中に比べ雪がかなり積もっていましたが、道路だけは乾いていて助かりました。

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ここを再訪問した理由は2つあります。昨年ロマネスクの講座でスペインのカステーリャ地方を習ったのですが、ここに前回の記憶の薄かったSoria近くのSan Baudelio de Berlangaの壁画があることを知ったことがひとつ。そしてある本で知ったトスカーナ・ロマネスクの浮彫りを鑑賞することでした。

サン・バウデリオ・デ・べルランガ 礼拝堂  SAN BAUDELIO DE BERLANGA  Ermita ☆

カスティーリャの南端、ベルランガの小さな谷に建つ、聖バウデリオに捧げる小礼拝堂内部に深い洞窟
4世紀から隠修士が住み着く~10世紀にレコンキスタが終了~小さな修道院に発展~10世紀後半モサラベの
建築家が建設(イスラム色が強い)
大きな正方形の身廊と小さな正方形の後陣、外壁は粗く単純な石積み
内部は北扉口より、身廊の中央に一本の太い柱、上部に8本の四角いリヴ(馬蹄形アーチを描く)
身廊西側にギャラリー(小さな馬蹄形アーケードの列)
後陣馬蹄形アーケードの入口、壁全体に12世紀の壁画このうち23の断片が1922年に売却された、
プラド、メトロポリタン、インディアナポリスの美術館へ

The CloistersにはSan Baudelio de Berlangaの壁画が4点

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他にも↓San Pedro de Arlangaの壁画が2点あります。

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↓はフィレンツエ郊外のSan Leonardo in Arcetri教会の説教壇?の浮き彫り6枚のうちの1枚。(1200年製作)

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ガラス張りになっていたSanint-Michel-de-Cuxaの回廊。(夏になったら取りはずすようです)PHOTO065.JPG

↓サン・ギエムの回廊の柱頭

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まだまだここに書くにはきりがないほど素晴らしいコレクションの数々。N.Y来訪5回のうち、ここまで足をのばしたのは2回だけ。もっと来れば良かったとの後悔の念が私を襲います。次回はいつになるのでしょう・・・。

地下鉄でコロンバスサークルに戻り、N.Yに来たら必ず寄るトランプホテル1階のレストランJEAN GEORGESへ。バー・カウンターでかまわなければ予約なしで入れます。和食をアレンジしたメニューもあり、淡白系フレンチは美味。お任せワインのセレクトもGOODですし、一人客でもさりげない気配りが嬉しいお店です。

写真はメインのお皿。白身魚(かすべ?)カリカリのナッツ類のソース、下に千切り大根の柚子風味。

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ここからカーネギーホールは徒歩3分くらい。しかし、今夜のキーシンはSold Out。(涙)早くに窓口にくればなんとかなったのかも・・・自分のうかつさを嘆きながら、ワーナービル地下のスーパーで今夜の部屋食のためのお買い物。気落ちしたせいもあって、ミュージカルでもという気持ちにもなれず、夜の8時ころまで熟睡。食事を済ませ、シャワーを浴びて、またまたぐっすり朝方まで眠りました。


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2009年早春の旅3~10 (ニューヨーク→インディアナポリス) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/6(金)ニューヨークLGA13:29→インディアナポリス15:58 

~3/13(金)次女宅8泊

米国への飛行機の預け手荷物は2個までOKですので、いつもスーツケースを2個準備。今回も1個はお土産分で、他の1個は私の分。8日後にこのホテルに戻りますので、私の分は荷物の預かり室に置いていきます。

ノースウエストがN.YとINDIANAPOLIS間に直行便を運行しています。今回初めて自動チェックインして、預け荷物1個にに15ドルと表示がでて、びっくり!カードで引き落とされます。そのせいか、ほとんどの方がぎりぎりの大きさの持ち込み手荷物を手にしています。ハンドバック以外の持ち込み手荷物は搭乗口で別に預かってもらえるので、席の上の棚がいっぱいになる心配もなく便利です。

インディアナポリスは新しいピカピカの空港になりましたが、次女の家からは15分ほど遠くなりました。今朝も寒かったのでオーヴァーコートスタイルでインディアナポリスに着いてみれば、なんとトレーナー一枚で良いほどの暖かさ。荷物引取りのターンテーブルまで誰でも入れるのが米国流。初めは荷物を盗まれないか心配でしたが、慣れました。エスカレーターを降りていくと次女母子がベンチに座っています。そーっと近ずいて孫に目隠し・・・可愛らしく喜ぶ様子に眼が細~くなってしまいます。昨年の11月に帰って以来なので4ヶ月ぶりなのですが、おしゃべりも一段と上手になって、あと1ヶ月で4歳になるというので、3歳児の反抗期もやや和らいでお利口さんです。いつもの婆馬鹿なので、流してお読みくださいませ。

昨年のブログでも触れましたが、インディアナポリスは自動車産業も盛んなところで(カーレースも有名)日本のホンダ関連の企業の進出もあり日本人の在住者も多いのです。日本の食料品店もあり大根や牛蒡、白菜、水菜などの野菜も手に入ります。小さなお店ですがコーナーにイートインも設けられ、お寿司や蕎麦など軽い食事もできるようになっています。2年前に引越ししてきたときはシカゴ(車で4時間)まで日本の食料品を求めて買い物に行っていたので、便利になりました。

次女の家は郊外のコミュニティにあります。例の住宅バブルがはじけて値が下がったのでしょう。まだ空き地が目立つものの、1年の間に隣地にも向かいにも新しい家が建ちました。同じコミュニティでは統一されたデザインの家が並ぶのがこちらでは普通です。平屋or二階建てのほかは木目や煉瓦の色、窓やポーチのデザインなどの違いで個性を出しています。値段も安く、日本に比べると段違いに住宅環境は良いようです。ごみの出し方もおおざっぱで下の写真の向こうの家の前に並んでいるのが個々の家のごみ袋ならぬごみタンク。燃えるごみでも何でも入れて、週2回のごみ収集日の朝にガラガラとガレージから引いてきて自分の家の前に置いておくだけ。生ごみは台所のディスポーザーで始末できます。

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ガレージは車2台分が普通です。次女の家にはありませんが、地下室のある家が大半です。お向かいには高校生の男子がいて、冬の間はほとんどオーディオなど揃っている地下室から出てこないと、母親は嘆いていたそう。高校といえば、近くにあるのですが、広大なパーキングを備えています。16歳になると免許がとれて、車通学が認められるのです。

いつも仕事で多忙な次女の夫も一緒に日曜日は皆でダウンタウンでお食事。地球の歩き方にも載っている有名なステーキ屋さんST ELMOへ。アメリカンクラシックの雰囲気、サービス係も気がきく楽しいお店。前菜は海老のカクテル。普通は小海老ですがここのは大きめの海老2匹に西洋わさびのソースがたっぷりかかっています。美味しいけれど辛すぎて涙が出るほど。次女の夫はは450gもあるリブステーキを完食。私と娘はミニ・フィレをオーダーしたのですが、日本の3倍はあるのですから残しました。こちらでは残してもお持ち帰りするのが普通ですので、翌日のランチはにんにく風味のステーキ丼。そうそう、ワインはカルフォルニア・ナパバレーの赤。

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次女夫婦も結婚5周年を迎え、親子3人でこの国に馴染んで幸せな生活を営んでいる様子です。母親としては安心して遊んでいられる?というものです。(我ながらなんか飛躍しているような・・・笑)

インディアナポリス篇は続きます。


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2009年早春の旅3~10 (インディアナポリス) [2009春オペラと美術で世界一周]

インディアナポリス 続編

孫のスクール(3歳児クラス 週2回10時~2時)を送りがてら覗いてみました。孫は家では英語は話しませんが、ここでは先生や他の子供たちとのコミュニケーションに困ることもなく、なんとかやっているようです。時々私の英語の発音にクレームをつけたりします。活発で仕切りやタイプの子なので、そのうち私の英語の先生を務めてくれることになるかも・・・。

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孫の留守の時間を利用してインディアナポリス美術館へ。途中、古い邸宅の並ぶストリートが何キロも続いています。新興住宅地とはまったく異なる界隈で、部屋が30くらいはありそうな古いお屋敷はまるでフォンテッドマンション!!

美術館は11時からオープンなので、30分ほどは隣接するリリーハウス(下の写真)と呼ばれている邸宅や庭園などを散策。今年は春の来るのが早く、クロッカスやムスカリなども咲いています。

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この美術館には2年前に訪れています。その時は孫もまだ2歳で、ゆっくり鑑賞できませんでしたから今回はTHE CLOISTERSでも観て来たSAN BAUDELIO DE BERLANGAの壁画が2枚あることと日本美術のコレクションもあるということで期待いっぱいで入館。

ところが、それぞれが空ぶりに終わってしまいました。スペインロマネスクの壁画は展示壁の補修のため3月末まで一時的に撤去。日本美術のほうはお目当ての江戸時代の奇想画家たちのは一枚も見当たらず・・・しょんぼり。下の写真は縄文時代の土器&イランのボウル。

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カラヴァッジョ&ウッチェロ(両方ともほんものかしら?)

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レンブラント「自画像」がここの目玉

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印象派は結構良いものが・・・カイユボット&ピサロ

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そして、ルドン&キリコ&バルテュス

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前回鑑賞済みのオキーフ、ホッパーなどは省略して、館内のレストランPUCK‘Sで母娘ランチ。アメリカでは結構知られた高級?チェーン店のようです。私の選んだお皿はMISO SALMONなんとか。なんのことはありません北海道名物鮭のチャンチャン焼きをアレンジしたもの。(笑)

孫娘との蜜月8日間もあっという間に過ぎました。今年の夏?の里帰りを心待ちにお別れです。帰りの車の中ではいつもよりちょっぴり無口になったちびちゃん。札幌は遠いところと認識して、昨年と違った表情でした。来年はN.Yのオペラをパスして、一緒にカナダでも遊びに行きましょうか・・・。

 

 

 

 

 

 


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2009年早春の旅11(インディアナポリス→ニュ-ヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/14(土) インディアナポリス10:39→ニューヨーク12:49

Empire Hotel 3泊

新しいインディアナポリス空港なので、当然自動チェックイン機が完備され、しかも日本語対応!荷物も機内持ち込み手荷物だけなので、手続きは並ぶこともなく1分くらいで完了。素晴らしい!!

新しいショッピングゾーンはそれほどの魅力はありませんが、自動販売機でi podsやデジカメなどを売っているのにはびっくり。自動チェックイン機といい、こうして人手のかからないシステムが増えていくのね~。普通の主婦のおばさんが世界が変わっていくのを実感するのも、旅の良さでしょうか。

さて、ニューヨークのエンパイヤーホテルに戻ってきました。8日前とは違って雪はすっかり消え、春らしい陽気のN.Yです。ホテルで一休みした後、近所のお洒落なワインバーBar Bouludで軽めの遅いランチ。グラスワイン、パン、前菜の盛り合わせでおなかがいっぱいになりました。リンカーンセンターの真正面のビルにいくつかのレストランが並んでいるうちの1軒です。

今夜のオペラは「夢遊病の女」です。同じホテルに泊まってらっしゃるオペラ仲間のNさんと連絡がとれないので、ひとり淋しく部屋を出て、エレベーターに乗って降りる途中、Nさんが乗ってこられて、びっくり!!Nさんのお友達も含めて5人がこのホテルに何日かのずれはありましたが同宿でした。他にも何人かの日本人をお見かけしました。夜は気温が下がり寒くなりますが、なにしろ劇場が100mほどしか離れていませんので、ジャケットの上はストール巻いて、コート無しで駆け込みOK。

「La Sonnambula 夢遊病の女Vincenzo Bellini  
Saturday, March 14, 2009, 8:00 pm - 10:40 pm  ORCH W-22 $221.50
Conductor:Evelino pido
Production: Mary Zimmerman
Amina:Natalie Dessay
Elvino:Juan DiegoFlorez
Rodolfo:Michele Pertusi   LISA Jennifer Black

この日はライブ・ビューイング収録があり、カメラがあちこちにセットされ舞台の手前は移動するカメラが歌手たちを追って撮影。席はオーケストラ席の後方やや右より。

フローレスの歌う「La Sonnambula」は2003年の春、ウィーンで経験しています。相手役はボンファデッリでした。彼女の一番輝いていた頃の舞台で歌もまあまあ、スタイル抜群、お人形のように綺麗でした。ボンちゃんの話はともかく、その時のフローレスも初々しく、歌唱も大層進歩していたのですが、6年振りに彼のElvinoを聴き、大感激!!あれからの精進が伺える最高のElvinoでした。Elvinoの心理を深く理解し、最大限の表現のできた歌唱だったと思います。収録の日なので硬くなるのでは?明日はガラだし・・・との心配も第一声を聴いただけで吹っ飛びました。反してデセィはやや不調(彼女でも緊張?)。脇役を固めたPertusiは歌唱はもとよりその洒脱な演技力で喝采。メトデビューのJennifer Black、コケテッシュな魅力は高音が苦しいために大分棒引きといった感じ。

演出は劇中劇の形をとるものの、そう複雑ではありません。大きなメトの舞台を活かし5~60年代のアクタースタジオの雰囲気を出しています。そのせいか、フローレスが革ジャン、ジーンズスタイルで登場すると、ジェームス・ディーン・・・そしてデセィはナタリーウッドと我らがアメリカ青春映画がオーバーラップしてしまうのでした。しかし、最後のハッピーエンドのシーンになるといきなりチロルっぽくなるので、観客の笑いを誘うのでした。

カーテンコールの写真はスタンドオーべーションになり、後方の席では無理でしたので、18日の分を分けてアップします。

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18日にもう一度この舞台に、フローレスの素晴らしいパフォーマンスに接することができる~♪ああ、その前に明日15日のガラでの歌唱が楽しみ~♪とても幸せ気分で眠りに落ちました。

 


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2009年早春の旅12(ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/15(日)

昨年宿泊したホテルはキチネットが付いていましたので、朝食はスーパーで調達した果物やベーグルなどを部屋で、のんびりいただけました。今回はホテル内の朝食室、いったん外に出てホテルの角の1階のスターバックス、1ブロック歩いてカフェLe Painの3通りを試してみました。そして、コーヒーの美味しさからホテル内の朝食室に行くことが多かったのです。スターバックスは日本でもほとんど入ったことがありません。薄いアメリカンコーヒーが苦手。カフェLe Painもお値段の割りにあまり美味しくないのが残念です。パンもコーヒーもパリのカフェとはやはり違います。

それでもこの朝はスターバックスで我慢して、11時からの日曜ブランチを目指しました。カーネギーホール(写真)の57th Streetを東に2ブロックほどのBrasserie 8 1/2 へ。

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ひとりでも予約なしでOKでした。入り口に受付があり、螺旋状の階段を降りていきます。日曜のミサ帰り?の家族が2、3組くらいで意外に空いていましたが、12時過ぎになると混んできました。

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種類も多く、味もGOOD。受付があるので高級レストランぽいけれど、ブッフェスタイルは気楽です。

食後は散歩がてらセントラルパークの東側ミュージアム・ロードを歩き、フリック・コレクションへ。街角で見た小さなポスターに、スルバランの静物画がチラッと見えたので、特別展?と期待して入館。しかし、それはパサディナのノートン・サイモン美術館からの「Still Life with Lemons ,Oranges and Rose,1633」1点だけの展示でした。それでもピエロ、ベッリーニ、フェルメールなど逸品ぞろいのパーマネントコレクションを堪能。ここは2年ぶり3回目の訪問でした。

今夜はお待ちかねのメトロポリタン・オペラ125周年のガラ・コンサート。幸い切符をネットで入手できましたので、いそいそと劇場へ。入り口からホワイエの上まで観客がびっしり。祝祭気分で観客の見物といったところ。

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ところが、プログラムを見てがっくり。パーぺが病気のためキャスト・チェンジとのこと。ボリスやヴォータンが聴けるはずでしたのに・・・。(泣)

THE 125TH ANNIVERSARY GALA  6:00PM開演 オーケストラ席U-35

Conductor James Levine   Director Phelim McDermott 

指揮のレヴァインは致し方ない?として、演出に昨年初めてメトで「サテグラハ」を担当したMcDermottを起用したのは私的には◎。多彩なデジタルな仕掛けの中でも、シャガールの魔笛の緞帳の絵が映像とからんで動くのがとても印象的でした。今までのメトの名舞台の古いプログラムが大きく映し出されるのも良かったと思います。てんこ盛りのプログラムですが、印象に残ったものだけピック・アップします。

Gounod「FAUSTファウスト」・・・メフィストフィレスをレリエが歌って拍手。最近のレリエの活躍ぶりはコミカルなセビリアのバジリオから劫罰のメフィストフィレスまでなかなかなものです。彼を初めて聴いたのは2002年のパリ・バスチーユのエスカミリオ。あのときからきっと大成すると踏んでいたので、なおさらに嬉しく思いました。

Puccini「LA FANCIULLA DEL WEST西部の娘」・・・今シーズンのPLAYBILLの表紙を飾るカルーゾが1910年(世界初演)に歌った舞台の再来シーンです。第3幕首に処刑の縄がかかるジョンソンをメト40周年のドミンゴが歌いました。まだまだ健在どころかその辺の若手テノールも歯が立たないほどの素晴らしいアリアに絶句でした。ドミンゴはこのほかにもオテロ、パルジファルそして来シーズン初挑戦?らしいシモンボッカネグラのバリトンを歌い大喝采を浴びました。ガラの最高の立役者はドミンゴです。

Verdi「RIGOLETTO リゴレット」・・・フローレスがラ・ドンナ・モビレを歌いました。昨夜エルヴィーノを歌ったばかりですから、また心配でドキドキ。しかし、ただいま絶好調の彼には舞台に姿を現しただけで拍手が起きます。その歓声にこたえるフローレスらしさのあふれた見事なアリアを披露し、最後のペンシーレを伸ばす伸ばす~~あら、いつ終わるのみたいな驚きの声。そして賞賛の嵐に私の涙腺もゆるみました。10年間追っかけしてきましたが、とうとうスーパースターといっても過言でないほどのテノールに成長しましたね。

もうひとり舞台に現れただけで拍手が起きたのはホロさまことHvorostovsky。スペードの女王からのアリアを歌いました。ロシア語の歌がやはりこの方にはしっくりきます。落ち着いた上品さを漂わせて歌もお姿も素敵!の一言。昨年のメトやパリに比べると、今年は調子が良いようで、明日のルーナ伯爵に俄然期待大。しかしマルちゃんがでないのは寂しい・・・また思い出しちゃった。

3人の若手テノール(Calleja、Antonenko,Giordani)そろい踏み・・・まあ最低このくらいは歌えないとメトにはだしてもらえないでしょうという程度のレベル。ガラの雰囲気に呑まれ相当なプレッシャーと思われますが、個人的にはMarcello Giordaniは落第。年老いた(失礼・・・ でも私と同じくらい年齢です)ドミンゴには束になってもかなわないというのが、なぜかメトの将来を暗く思わせてしまうのでした。

この後はデセィの「LA TRAVIATA」・・・昨夜同様高音が苦しげではありましたが、ど根性で乗り切ったのはさすがです。来シーズンはどこかでヴィオレッタを歌うはずです。彼女のファンではありますが無理してでも駆けつけるというほどの魅力は・・・。

フレミングが「死の都」のマリエッタのアリアを歌ったのは少々驚きでした。このセンチメンタルな美しいアリアを選択するのはわかるにしても・・・。心動かされないまま終わってしまいました。このアリアはデノーケの秀逸な歌唱がまだ耳に残っていて、やや苦手なフレミングのは当然ながら受付けられなかったのかも知れません。(ファンの方ごめんなさい)

後方の一番端の席でしたので、カーテンコールのときは前に移動して写真を撮りました。↓大柄のハンプソン(パルジファルのアンフォルタスはとても良かったです)はとても目立ちます。夢遊組みの二人は仲良くひそひそ話。

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そこへゲオルギュー登場。あれっ!君も一緒?と指差すハンプソン。

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「なんか悪い?」(後姿のアラーニャ)「ありゃ~僕より目立ちたがる奴がいたか」(天を仰ぐハンプソン)

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忘れてはいけません。メト125周年とともにメトデビュー40周年のお祝いを受けるドミンゴさまです。

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こうして華やかな夜は終わりました。

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2009年早春の旅13(ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/16(月)

N.Yに来たら必ず訪れる(まだ全部門を制覇していません)メトロポリタン美術館は今日は休館なので、MOMAに行くことにしました。特別展にこれというものがなかったせいか、予想されるほどの混雑はなくほっとしました。カメラは駄目と思い込んでいましたので、クロークに預けてしまいました。フラッシュなしでOKと知りましたが、クロークに取りに行くのも面倒と、携帯のカメラで撮影。あまり良く映ってません。

彫刻のある庭園&上階から見下ろした家具の展覧会

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今回印象に残ったのはベン・シャーンの子供たちの遊ぶ風景

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髪を切り男装するフリーダ・カーロの自画像。

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ロスコは初期の作品を含めて何点かのコレクションがあり、うち気に入った3点ほど写しましたがピンボケ。 

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アンリ・ルソー「夢」(部分)

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ホテルまで歩いて帰る途中で見つけた海鮮レストランRedeye Grillでランチ。広い店内ですが近隣のビジネスマンで結構混んでいました。

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前菜に生牡蠣、主菜に寿司(アボカド、エビてんぷら巻)サラダ、味噌スープつき。美味しい!胃がほっとしました。

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昼寝の後はオペラ第3夜「トロバトーレ」、明日には帰国されるNさんたちとホテルロビーで少しおしゃべりした後、5人揃って劇場へ。

Il Trovatore Giuseppe Verdi  
Monday, March 16, 2009, 8:00 pm - 10:45 pm 席はグランドテーィル c-14  $176.50
 

Conductor: Gianandrea Noseda
Production: David McVicar
Leonora:Sondra Radvanovsky
Azucena: Luciana D'Intino
Manrico:Marcelo Alvarez Philip Webb
di Luna: Dmitri Hvorostovsky
Ferrando: Kwangchul Youn

McVicarの演出はさほど奇を衒ったものではありません。舞台をスペインのゴヤの絵画に描かれた19世紀初頭の内乱当時に移し、動乱と迫害に生きる民衆のパワーをヴェルディの色彩豊かな旋律にのせて展開されます。右側にお城になったりジプシーの隠れ家になったりする大きな石造りの建物。左に処刑用の十字架などが並ぶ墓地といった簡素系の設定。ヨーロッパではチープというほどの舞台ではありませんが、豪華好きのメトの観客には受けないでしょうね。

↓緞帳幕はゴヤ「サン・イシドロへの巡礼」(1821)黒い絵シリーズの1枚

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指揮のノセダのもと、手堅い中に情感豊かな演奏のオケ。Hvorostovskyのむらなくソフトに響く低音の魅力、D'Intino のアズチェーナもあまりおおげささがなく、かえって感情移入ができました。Radvanovskyはメトの 売れっ子?ソプラノのなかでは一番苦手なタイプ。イタリア語の発音と音域のあわせ方がずれるような気がしてなりません。昨年の「エルナー二」のときも同じでしたが、その違和感はぬぐえず、1幕目は特に慣れなくて、集中度が欠けました。声量はあるし、姿も綺麗なので惜しいな~とは思います。単に好き嫌いの問題なのでしょうか。

久しぶりにまるちゃんアルバレツが聴かれると、とても楽しみだったので、N.Yに来てから風邪?で降板したことを知ってがっかり・・・。マントヴァ公はともかくフローレスとレパートリーが重ならないごひいきテノールの3本指に入ります。後はカウフマンとヴィラゾン。(気が多いです)

代役は煮ても焼いても食えない代物で魅力ゼロ。どこから見ても銀髪のホロさまのほうが素敵なので、なんでこんなでぶちゃんがいいの~操をたてて死ぬなんて愚かなことしなさんな~と叫びたくなってしまいます。まるちゃんだったら絶対そんなことを思わせない歌唱で迫ってきたに違いないです。

↓ホロ様は去年よりボディも引き締まってスマートになり、歌唱もより自然な発声で安定感が増しました。次回はぜひ!ロシアもので聴きたい!!

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↓Luciana D'Intino も10年ぶりに聴きました。

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2009年早春の旅14(ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/17(火)

今日はアイルランドの聖人のお祭り、セント・パトリック・ディ。大規模なパレードが行われるようで、メトロポリタン美術館の前の通りは緑の帽子やスカーフなどで装った人たちで賑わっていました。

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バスでセントラルパークを横断して美術館に着いたときは、5番街のあたりからパレードのマーチングバンドが聞こえてきたのですが、10分くらい待っていてもなかなか見えてきません。気の短い私はあきらめて入館。

チケット売り場で手に入れたSpecial Exhibition情報をチェック。1Fの中世ギャラリーでビザンチン美術の展覧会がありました!!

エジプトの砂漠の修道院から出土された5~7世紀のものがメイン。

大好きなクリスマ3点

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↓はアルメリアからの特別貸し出しの石の十字架(1100~1200)

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続いて常設のロマネスク柱頭彫刻 ( 北スペインPalencia)

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中世美術のフロアを奥へ進みますと、ここ2年ほどは改修のため閉鎖されていたロバート・リーマンコレクションが見えてきました。内部は撮影禁止なので入り口だけ。

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期待に反して、常設のコレクションに目新しいものもなく、・・・地階はボナール展。

今回は初のアジア美術部門訪問です。中国の壁画や大仏の並ぶ大きなホール。

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ここから小部屋のシルクロード系のコレクションに入り、西域ウイグルで観たキジル千仏洞壁画など。

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上は中国?下は日本の飛天(10世紀)

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ここまでの約2時間の鑑賞で、頭も目も許容範囲を超えてしまいます。

美術館を出ますと、丁度パレードも終わりごろ。市長さんたち?が最後を〆てお開きになりました。

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この混雑ではバスもなかなか来ないようです。ぽかぽか陽気のセントラルパークを徒歩で帰ることにしました。30分ほどでコロンバスサークル近くまで。黄色の花の咲く大木は金鎖?でしょうか。

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ランチはホテルの目の前のイタリアンCafe Fiorelloへ。ここはオペラの前後はいつも混んでいて、入ったことはありませんでした。ランチには遅い時間でしたのでOK。ワインとパン、前菜7種盛り合わせ(自分で選べる)でお腹がいっぱいになりました。

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今夜のオペラは「ルサルカ」です。生の舞台は7年前のパリ以来2度目。あの時もタイトルロールはフレミングでしたが、カーセン演出のシュールで美しい舞台が印象に残っています。さて、メトではどのような・・・。

Rusalka Antonin Dvorák  
Tuesday, March 17, 2009, 8:00 pm - 11:35 pm 席はparterre box11-5  $111.50

Conductor: Juri Belohlavek
Production: Otto Schenk

Rusalka:Renee Fleming
Foreign Princess:Christine Goerke
Ježibaba: Stephanie Blythe
Prince:Alesandrs Antonenko
Water Sprite:Kristinn Sigmundsson

予想通りパリのモダンな演出とは全然違って、メトらしいオーソドックスなもの。幕が開くと湖と森の風景が現れます。綺麗なので歓声(と安堵の声? 笑)が沸きました。ドボルジャークのこのオペラはオペラとしてはさほど魅力は感じられませんが、時々はっとさせられたのは劇や歌唱から気持ちが離れるほどのオーケストレーションの美しさです。指揮者は初めて聴く方ですが、スラブ風な哀感に洗練された音の響きに感銘。

フレミングは7年前よりも美しくなって(努力の賜物でしょう)登場しました。歌はそう変わったところはみられませんが、苦手だった力んだような(調子の悪いときは濁る)高音をソフトにカバーするテクニックがみられ、今回のほうが聴きやすいルサルカでした。有名なお月様のアリアも綺麗にまとめました。

2日前のガラで初めて聴いた王子のアントネンコも無難な歌唱ですが、姿はなかなか見栄えします。魔法使いのブライスはガラのアムネリスよりこちらのほうが適役ではないかしら?(笑)新人の活躍も特筆ものでした。森の精のひとりKathleen Kimと王子の屋敷の家来Kate Lindseyはフレッシュな歌と演技で楽しませてくれました。

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同宿だったかたたちも今朝帰国され、劇場にも日本人の姿はぐっと少なくなりました。夜になって急に冷え込んできました。

 

 

 

 


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2009年早春の旅15(ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/18(水)

この日も春らしいぽかぽか陽気。のんびりとニューヨーク最後の一日を過ごすつもり。当初はブルックリン美術館を予定していたのですが、遠いのであまり気が乗らず、近場のユダヤ博物館に変更。

地下鉄でセントラルパークのウエストサイドの82丁目まで行き、そこからは徒歩で公園内を横断、散策しながら92丁目のユダヤ博物館へ。

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途中、改修の済んだグッケンハイム美術館の前を通りました。

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ユダヤ博物館    http://www.thejewishmuseum.org/

邸宅風玄関を入るとまず、セキュリティチェックがあります。荷物を預け(カメラ不可)シニア料金10ドルを払い、まずエレベーターで4階の常設フロアへ。4000年にわたるユダヤの芸術と文化の紹介はまた迫害の歴史を含むのは当然のこと。写真や映像によるホロコーストの記録を熱心に見つめる人たち・・・ユダヤ人でないのは見回したところ私独りのようでした。息が詰まるような雰囲気から逃れるように閑静な一室へ。そこにはどこかで観たような大きな壁画・・・現在のシリアを流れるユーフラテス川畔の遺跡から出土したあのシナゴークにあったもの(コピーですが)。本物をダマスカスの博物館で観ていました。あのときはさほど熱心に見ていなかったようで、細かいところはすっかり忘れていました。旧約聖書の場面が生き生きと描かれています。

旧約聖書といえばここを訪れた最大の目的はティソJames Tissotの「創世記」連作です。しかし、1枚も見当たりません。係員に訊きましたが、特別展以外は出さないようです。残念。

下の画像は博物館のHPから「ファラオの娘に拾われるモーセ」

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George Segalの「The Holocaust」

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5th Avenueをバスでまっすぐ南下、57丁目付近で降車。今日のランチは中華。海鮮スープ饅頭がとても美味しかったのは良いのですが、蟹や雲丹のスープが胸元を直撃。運悪くこのとき着ていたのは白いカーディガン。(泣)

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今夜は2回目の「夢遊病の女」です。そして明日はニューヨークともお別れ・・・。5枚あったチケットの最後の1枚を握り締め劇場へ。

La Sonnambula  Vincenzo Bellini
Wednesday, March 18, 2009, 8:00 pm - 10:40 pm   席はPrarterre box9-5  $111.50
Cast  3/14と同じ

前回より安い席ですが、ボックス席は落ち着きます。私の席からは下のように舞台が見えます。

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フローレスは前回と同じに絶好調を維持してブラボーの嵐。デセィも前回よりぐんと高音も冴え、演技も余計な部分はカット?動きがシンプルな分歌唱に集中できたようです。またガラの喝采も彼女にとってはプラスに働いたのでしょう。前回苦言を呈したLisaのJennifer Blackも歌唱もまあまあ、演技は自然な動きがでてきて、なかなかチャーミングな出来栄えになりました。デセィのよくなった分、前回より落ち着いて観劇できました。

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夜になると急激に冷え込むニューヨーク。雨も降ってきました。

 


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2009年早春の旅16(ニューヨーク→ヨーロッパへ) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/19(木)New YorkJFK16:50→機内泊

ニューヨークを離れる日は朝から冷たい雨が降りました。これからが今回の旅のハイライトなので、ここで風邪を引くと大変。暖かな部屋(というか暑すぎるほどですが調整がききません)で、荷物の準備をしながらのんびり。11時過ぎにチェックアウトして、トランクなど預かってもらい外出。ワーナービルでぶらぶらウィンドーショッピングするも、買うものも予算も荷物の空きもなく、欲望は食欲だけ・・・。

ニューヨークにはいろいろな人が居ますが、赤いおべべのおばさんが裾を膝までからげて、ワーナービルに入ってきました。ご丁寧に赤いリュックを背負っています。正真正銘のジャパーニーズなのかどうか謎です。いくら図々しい私でも、隠れてi phoneで撮影しました。ぴんぼけ。

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ランチは日曜日のブランチが美味しかった8 1/2へ。今日はプリフィックスメニューからオニオングラタンスープと子羊のカットグリル、デザートは忘れました。

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2時ごろホテルに戻り、タクシーでJFK空港へ。いよいよ初大西洋横断です。ルフトハンザのビジネスクラスは満席。日本~北米LineのUAとは大違い。それはやはり居住性やサービスの良さの差と思えました。食事も美味しく、毛布もキルティングの肌掛け布団。一番嬉しかったのは機内映画やオーディオサービスの充実していること。日本語吹き替えの最近封切りされたまたは封切り前の映画がずらり・・・感動でした。オーディオも他の航空会社ではクラッシクはポピュラーな音楽におされ気味ですが、プログラムのトップにオーケストラ、器楽、オペラと3つを揃え、さすがドイツ!!

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夕食が終わると早速映画鑑賞。前の席の後背についたTVが遠~い。

選んだのは「ある公爵夫人の生涯」・・・キーラ・ナイトレイはともかく、レイフ・ファインズが出るので決まり!

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あらすじは最も裕福な公爵の一人、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)に嫁いだ17歳のジョージアナ・スペンサー(キーラ・ナイトレイ)。聡明(そうめい)で美しい彼女は公爵夫人としてイギリス中の人々に愛されるが、夫のデヴォンシャー公爵はジョージアナに男子の後継者を生むことだけを望み、自身は離婚歴のある女性との愛人関係を続ける。(シネマトゥデイ)

元ダイアナ妃の実家につながるお話とは日本に帰ってから知りました。悲劇的な血の繋がる二人の女性がオーバーラップという見方も面白いでしょうけれど・・・時代が違いすぎるので、比べてもしょうがありませんが、ヒロインの行動にあまり感情移入できないのは何故でしょう。ヒロインの豪華な衣装はとても美しいけれど、いまひとつ魅力に欠けていました。お人形さんのような感じ・・・夫の関心を引かないのも納得。デヴォンシャー公爵はあの時代の権力者の傲慢さ加減が良く出ていました。背景の時代が求めるものを考えるとそれなりに楽しめる映画です。

オペラ映画はウトウトしながらウィーンでの2年前?の「マノン」(ネトレプコとアラーニャ)を観ました。

そうこうしているうちにフランクフルトに到着。時差の関係で、北米ではこれから就寝という時間に、フランクフルトはそろそろ夜が明けるという時間帯・・・。


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2009年早春の旅17(リスボンへ) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/20(金)→フランクフルト5:25/9:25→リスボン11:20 

VIP Diplomatico Hotel 2泊

初の大西洋横断と浮かれていたのは良いのですが、ほとんど睡眠を取らないままにフランクフルトに到着してしまったのですから、困ったことになりました。3時間程度ラウンジ(しかも混んでる)のソファーに座っていても、眠ることは不可能です。結局はリスボンまでの3時間弱のフライトで熟睡しました。

目覚めて時計を見ると12時を回っています。到着が1時間も遅れたのかしら?と勘違い。ポルトガルは英国と同様に1時間の時差があるのでした。ポルトガルは初めて!リスボンも初めて!とうきうき気分で降り立ってみれば、そこは南国。気温25度の表示に呆然。薄手とはいえ黒いキルティングのオーバーコート姿です。(大汗)

暑いやら眠いやらでよれよれになってホテルへ。シャワーを浴びて、Tシャツに着替えると少しはシャンとなりました。今日グルベンキアン美術館に行かなければ、もう時間は取れないのです。幸いホテルは地下鉄の駅にも近く、3駅ほどで到着。交通量の多い広い道路を渡り、公園の一角に建つ美術館へ。

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ここのカタログも重いので購入しませんでした。コレクションは多岐にわたりますが、私は主にヨーロッパ絵画を見学しました。

ネーデルランド絵画

↓ ウェイデン「ある聖女の頭部」(21×18)、もう一枚の「聖ヨセフの頭部」とともに祭壇画の一部。(ロンドンの「読書するマグダラのマリア」も同じ祭壇にあったと推定されている)

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↓ デーリック・バウツ「受胎告知」

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イタリアルネッサンス絵画

↓ ギルランダイオ

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↓ カルパッチョ「聖家族と寄進者」

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ラファエッロ前派

↓ バーン・ジョーンズ「ヴィーナスの鏡」(1873~77)122×199.5

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ランチは美術館内のカフェで。ロールキャベル、炒めライスなど。巨大なプリンつき!公園の芝生が鮮やか。藤の花も咲いて、札幌の初夏の気候。

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午後4時頃を過ぎるとかなり涼しくなってきます。ホテルに戻り、手持ちのもので軽く夕食を済ませ、ベットで熟睡。ふと目覚めると階下のロビーから日本語らしき声ががやがやと聞こえます。

ツアーの皆さんが到着する時間になっていました。お出迎えに降りて行き、引率のI先生や添乗員さん、札幌の知人たちに挨拶。これで一安心です。部屋に戻りお風呂に入り、気持ちよく就寝。

 


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2009年早春の旅18(リスボン) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/21(土)

今日からいよいよ私の苦手な団体行動が始まります。それなのに何故ツアー?と思われるかも知れませんね。理由はいろいろありますが、昨年と同様に10日程度のツアーを組み入れたのは長旅をすべて一人旅ではやはり寂しいこと。荷物の多い私には今回のような周遊プランはかなり厳しくなってきたこと。そして肝心なことは、2001年から受講してきたロマネスク講座のI先生同行の旅に興味がありました。今回はひとりでは無理なポルトガルの片田舎の小教会訪問が含まれています。そのような訳で、参加させていただきました。参加者21名はほとんどが東京または札幌の講座の生徒で、毎回のように参加されてらっしゃるベテランの方も多く、ロマネスクの知識もかなりなレベルとお見受けしました。

[バス]Lisboa-Torre de Belem-Mosterio dos Jeronimos-[レストラン]-M.N.de Arte Antiga-Se-Alfama-Lisboa

さて、初日はリスボン市内の見学です。滞在中のポルトガルの気候は朝晩の気温は5度くらいですが、最高気温は25度くらいまで上がります。

発見のモニュメント   エンリケ航海王子の没後500回年を記念して1960年に造られたモニュメント。高さ52m、帆船をモチーフとして、大海に乗り出す勇壮なカラベラ船を手に先頭に立つエンリケ航海王子。そのあとにこの時代に活躍した宣教師ザビエル、航海者のガマ、作家のカモンイスなどが並んでいます。

↓正面から見ると十字架の形

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マラソン大会の前日の催し?

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べレンの塔   マヌエル1世の命により16世紀の初めに建てられた要塞。4層からなる方形の塔とテラスからなり、ロマネスク、ゴシック、マヌエルの3つの様式をたくみに組み合わせた魅力的な建築。

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ジェロニモス修道院  エンリケ航海王子が建てた礼拝堂の跡地にマヌエル1世が1502年に着工。異国情緒あふれるマヌエル様式の壮麗な建物はポルトガルの黄金時代の象徴。

南扉口/中央柱にエンリケ航海王子の像、タンパンは聖ジェロニモス(ヒエロニムス)の物語

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サンタ・マリア教会/天井は星の形を描く細いリヴ、詩人カモンイスの記念墓

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回廊/上下2層からなる55m四方の大回廊、石灰石で彫られた繊細な、海への憧憬に満ちた装飾で埋め尽くされている

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ここで一息いれておやつにしましょう。ジェロニモ修道院の近くにあるお菓子屋パステイス・デ・ナタへ。

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ポルトガルで一番美味しいお菓子エッグ・タルトを売っています。さすが行列!

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早く食べたいよ~。まあまあ私が代表で並びますとメンバーの優しい方が買ってくださいました。味はもちろん花丸!!なにせ出来立てのお味ですから・・・でもランチの前なので1個で我慢しました。

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ランチはムール貝の前菜、ポーク、フルーツと素朴で家庭的なメニュー。このツアーはワインなどの飲み物代も含まれています。初めて参加の私はワインを注文して笑われました。(汗)ワインはもちろん地元産。

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国立古美術館   テージョ川を見下ろす高台に建つポルトガルを代表する美術館。カメラ不可。

ここに収蔵されているピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖アウグストゥス」を見ることができたことが一番の幸せでした。これで、ピエロの作品はローマのサンタ・マリア・マッジョーレ教会の天井画を残し、ほぼ制覇したことになりました。

↓ ピエロ・デッラ・フランチェスカ「聖アウグスティヌス」(132×56.5)全身図のうちの部分。1454~69頃に制作。サン・セポルクロのサンタゴスティーノ聖堂のために描かれた多翼祭壇画の一部分。1947年にリスボンで発見された。中央の聖母子は失われ、両脇を構成していたほかの3枚はロンドン、NY、ミラノに分散している。ピエロらしい明るい色調、衣装の刺繍や司教杖の水晶の描写にフランドル絵画の影響がみられる。

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他にはボッシュの三連祭壇画「聖アントニウスの誘惑」、メムリンク、スルバラン、狩野派の南蛮屏風(↓絵葉書部分)、

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フランドル派の影響を受けたポルトガルの画家ヌーノ・ゴンサルヴェス「聖ヴィンセンテの衝立」(絵葉書部分)など。

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カテドラルSE   Se(セ)とはポルトガルでは大聖堂(司教座の意)のこと。 この地には西ゴート時代に司教座が設置され、その後イスラムの礼拝堂となり、1147年にキリスト教の勝利により現在の姿に再建された。工事は長くかかり、後陣は13世紀に入り、回廊は14世紀初頭になってようやく完成。

西正面/左右に双塔がそびえ、力強いロマネスクの構成。深いポーチと幾重ものヴシュールに囲まれた扉口。柱頭彫刻は「ライオンに跨って戦う男たち」や「聖ミカエルの龍退治」など。

Seを背景に電車が大きくカーブしながらが通ります。

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内部/6つの梁間からなる三廊式。フランス人の棟梁ロベールとベルナールが指導したため、簡素で端正な空間はノルマンディのロマネスクに似ている。左翼廊の近くに回廊への入り口。

回廊/シトー派的な簡潔なゴシック様式。小窓のデザインがそれぞれに美しい。保存のための屋根を設置するらしい。地下は掘り下げられている。調査中?

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アルファマ  カテドラルから数分歩くとリスボンの最も古い界隈アルファマ地区に着きます。西ゴート時代以来1755年の大地震までここがリスボンの中心地でした。大地震以降は都市計画から取り残され、庶民的な生活感ただよう地域になり、狭い路地が続いています。

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アルファマ地区の庶民的なレストラン

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そろそろ夕暮れ、寒くなってきました。ホテルに戻り、夕食は一休みしてからバスで海鮮レストランへ。レストランの入り口のショーウィンドウ。まるで魚屋の店先。素朴ですが素敵に見せるという発想はないのでしょうか?

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前菜サラダとイカの揚げ物など、鱒の塩焼き。ワインは白。ラベルにあるQuintaはブドウ畑の意味。ランチに続いて素朴というか手のかかっていない料理。都会のリスボンがこうだと田舎はどうなるのかしら?

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食後はファドを聴きにカーサ・ド・ファドへ。日本で言えば民謡か歌謡曲か・・・暗い情念のような溜息や叫びのような歌・・・苦手です。

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合流した初日に朝9時から夜10時過ぎまでの団体行動。大層疲れましたが、明朝は移動の日、トランクを整理して就寝。

 

 


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2009年早春の旅19(リスボン→ナザレ) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/22(日)

[バス]Lisboa-145-Tomar-50-Batalha[レストラン]-20-Alcobaca-15-Nazare

Miramar Hotel 1泊

ポルトガルの春は花咲き乱れ、緑もレタスのような淡い色から濃い緑まで美しく、バスの車窓からもずいぶん楽しませてもらいました。朝は濃霧がかかり寒いのですが、次第に晴れてくると青空に白い壁と赤い屋根の民家、花と緑の競演です。花はあまり詳しくはないのですが、花蘇芳(濃いピンク)藤、エニシダ、金鎖、エリカなど。

トマール Tomar  リスボンから2時間ほどバスで北上。ナバオン川の畔に広がる町。トマールの修道院が丘の上に建っています。

キリスト修道院/ユネスコの世界遺産。12世紀テンプル騎士団によって創建。1314年テンプル騎士団が廃止された後はポルトガルではキリスト騎士団がその財産を受け継ぎました。団長を務めたエンリケ航海王子やマヌエル1世の尽力により大修道院へ発展。

↓門を入ったところからの全景

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↓正面階段から見た門

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ロマネスクの基本構造は「テンプル騎士団のロトンド」に残っています。装飾は後世のものです。内部は見学できません。

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ゴシックやマヌエル様式の回廊がいくつか残っています。

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自由見学なので、独りで廃墟になっている部分を観にいきました。荒れるままになっていますが、花や緑を背景に自然に溶け込んだ姿が心に残りました。

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バターリア Batalia  バターリャはポルトガル語で戦いという意味。1385年スペインのカスティーリャ軍との戦いで勝利し、ポルトガルの独立を守った記念として修道院を建立。

その修道院の広場に面したホテルのレストランで、ランチ。地元バターリャの白ワイン、ちりめんキャベツのスープ、サラダ、鰻の炊き込みご飯、デザートはケーキ。リスボンより美味なごはんがでてきて満足。

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バターリャ・勝利の聖母マリア院/世界遺産に登録。1388年に建設は始まり16世紀初頭まで引き継がれました。↓騎馬像の立つ広場からみた修道院。

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↓入り口はフランボワイアンの壮麗なゴシック様式 ↓内部は簡素で明るい上昇感に満ちた空間PHOTO371.JPG  PHOTO372.JPG

王の回廊はマヌエル様式の装飾

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未完の礼拝堂は一度外に出てから(ここも自由見学でしたから、迷いました)入ります。100年かかっても未完に終わったのは装飾に懲りすぎていたから?と思うほどの柱の繊細な彫りもの。

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アルコバッサAlcobaca   ナザレの東14Km、アルコア川とバサ川の合流する場所にある町。ここに12世紀に建てられた修道院があります。バスを降りて修道院までの道沿いに洒落たショップやカフェが並んでいます。

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アルコバッサ・サンタマリア修道院/世界遺産に登録。ポルトガルの初代国王アルフォンソ1世の命により1153年創設。王はレコンキスタに協力したシトー派修道院に寄進し、建設は13世紀半ばまでかかりました。18世紀の地震の被害もあり、ファサードはバロック様式に改築されています。

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静寂の回廊  14世紀初めの建築 。 ポルトガル特有ではないのかもしれませんが、リスボンのカテドラルでも惹かれた回廊のアーチ上部の小窓。ここのデザインもそれぞれ違っていて素敵です。

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回廊の噴水

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上階の回廊はマヌエル様式で増築されました。ここを見学後、最後に教会へ行くつもりでしたが、係りの方が、5時でクローズというではありませんか・・・添乗員さんが30分間違っていたのです。

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もう、閉められそう~と、寝室(左)に降りてみれば、もう誰も居ません。一瞬鍵をかけられてしまったのかと恐怖。焦ると出口がどこか分かりません。扉がいくつかあり、そのひとつの螺旋階段を降りると巨大な煙突のある台所(右)に出ました。(大汗)

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それで、大事なものを見逃しました。(涙)ブルゴーニュの影響のある「ペドロ1世の石棺」(絵葉書)です。

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大西洋沿岸のナザレの町が今夜の宿泊地ですが、ホテルに入る前に海岸から夕日を眺めました。夕刻になるとぐんと温度が下がってきます。浜辺での30分間は寒くてブルブル。F氏にジャケットをお借りできましたので、風邪を引かずに済みました。感謝です。

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ホテルは高台の眺めの素晴らしいリゾートスタイルのホテル。部屋も広くて素敵。

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夕食は別棟のレストランで。大きな炭火の竈が見えました。鰯の炭火焼はお変わりしていただきました。鰯とか鯖とか青魚系が大好きです。パンに塗った魚のペーストも美味しくておかわり。シンプルな料理が多いためでしょうか、ツアーのごはんに飽きが来ないのが助かりました。

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2009年早春の旅20(ナザレ→ポルト) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/23(月)

[バス]Nazare-105-Coimbra[レストラン]-120-Porto

Hotel Infante de Sagres 3泊

今日は朝から快晴。出発前にホテルからナザレの海岸を眺望。

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ナザレは伝統衣装(7枚重ねのスカート)の女性を見るのも楽しみだったのですが、バスの中からほんの2、3人お年寄りを見かけただけ。年々少なくなっているということです。

さて、バスは一路大学の町コインブラを目指して走ります。高速道路はほとんど渋滞することもなく快適です。

コインブラCoimbra  政治の リスボン、商業のポルトに次ぎポルトガル第3の都市コインブラは芸術と文学の都市といわれています。起源はローマ時代、西ゴート時代には司教座も置かれました。

コインブラ大学/1308年リスボンから移され、ヨーロッパでもパリ、ボローニャ、サラマンカに並ぶ古い歴史を持っています。

旧大学の広い中庭に時計台とラテン回廊。

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中庭に面した図書館(下) 膨大な蔵書とバロック装飾(金泥細工)の見事な内部は撮影不可なので絵葉書です。

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大聖堂(旧カテドラル)/1140年から1175年にかけて、フランス人の建築家ベルナールとローベールによって建設されました。要塞のような簡素で力強いフォルムのロマネスク様式。

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後陣外観は建築当初の面影が残っています。

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張り出した中央の壁面。下部の扉口と上部の大窓は幾重ものヴシュールと付け柱に縁取られています。

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付け柱の彫刻は外観に似合わず繊細で優美。

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内部は三廊式。身廊の両側は半円形の大アーケード、上部はトリビューン。天井は半円筒ヴォールト。

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柱頭彫刻は植物や動物のモチーフが多く、オリエンタルな雰囲気。黒と金色の彩色はいつのものでしょう?

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回廊はゴシック様式  2連アーチの上部の小窓がここにも。

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サン・チャゴ教会/旧市街のコメルシオ広場に残る12世紀の教会。右の坂道に面した南扉口から出入りします。

正面は大きな切妻、深い扉口に幾重ものヴシュールと付け柱。

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南扉口の付け柱彫刻。大聖堂のものに似ています。

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内部は木組み天井。礼拝室の入り口はイスラミックな文様。

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ランチは旧市街近くのレストランで。入り口は貧相ですが

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中は広くて内装も素敵。

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野菜のポタージュスープ、蛸の炊き込みご飯、デザート(ワゴン)はプリンを少々選びました。

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セドフェイタ Cedofeita   ポルト市内にあるセドフェイタに聖マルタンに捧げられたロマネスクの小教会があります。

サン・マルティン教会/12世紀アルフォンソ1世の時代に現在の姿に整えられましたが、現在の教会には10世紀と11世紀の石材が再利用されています。長方形の身廊と内陣からなる単純な構成。西正面は切妻の形、北の控え壁が小さな鐘塔になっています。

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少し待っていると鍵を持つ管理人さんがやって来ました。左の女性は現地ガイドさん。

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このツアーでは初めての純ロマネスクの小さな教会ですから、嬉しくてやや興奮気味で外側を何度も周ります。

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そして北扉口のタンパンに・・・ここが今回のツアーの目玉「神の子羊」その1がおわしました。(笑)

ですが、あまりはっきり写ってなくて残念。子羊が子馬のようにも見えます。(汗)ここの特徴は他に比べると浅彫り。十字架の下が王冠のようなMの形になっています。

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西正面扉口は17世紀の改装。タンパンにはそのときの説明?なにやら文字が・・・メンバーのSさん(この方はフランス語が堪能でいらっしゃいます)がラテン語の解説。この教会の歴史が書かれているようでした。

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内部は石造の半円形ヴォールトで覆われ、簡素なロマネスクらしい佇まい。全体に彫刻は荒削りの印象。植物と鳥、雄牛と食われる人間など。

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ポルト Porto  リスボンから北へ約300km、ポルトガルの産業の中心地で、第二の都市。大西洋に流れ着くドウロ川の河岸に位置し、ポートワインの産地としても有名。歴史的に仏ブルゴーニュとの結びつきが深く、11世紀から12世紀にかけて、数多くのロマネスク教会が建設されました。この周辺のロマネスク教会をポルトを拠点に3泊して周りました。

雲が厚く垂れ込めて、夕暮れのように暗くなってきましたが、まだまだ観光は続きます。

大聖堂/旧市街の中心ドウロ川を見下ろす丘の上に建っています。12世紀に建設は始まりましたが、13世紀初めまでかかり、その後は幾度かの増改築を経ています。

正面写真は工事中でもあり撮りませんでしたので、Netから拝借しました。

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北入り口付近のアズレージョ

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回廊は14世紀のゴシック様式

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身廊は左右に大アーケードが続き、天井は浅い尖頭ヴォールト。

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大聖堂から丘を下って河岸へ。ドウロ川を行き来するクルーズ船やエッフェルの設計したドン・ルイス橋など眺めて、散策。日没近くになり、これでようやく本日の行程終了となりました。

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ホテルはポルトで最高の格式を誇る5☆のお宿。しかし古い建物ためかトラブルが続出・・・私は被害はなかったのですが。

ようやくホテルに到着。豪華なシャンデリアが輝くロビー。

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夕食はホテル内のレストランで

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前菜は蛸のカルパッチョ、子牛のロースト、バニラムース添えのアップルパイ。

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2009年早春の旅21(ポルト) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/24(木)

[バス]Porto-30-Paco de Sousa-30-Trouquela-80-Peso da Pegua[レストラン]-40-S.pedro de Aguias-140-Porto

今日はポルトから東、ドウロ川の南に点在する3つの教会を訪問しました。出発前は3教会なので楽勝と思いましたが、教会間の距離が結構離れているのに加え、最後のサン・ペドロ・デ・アグネス教会が予想を上まわる僻地にあり、最もハードな一日になりました。

パソ・デ・ソウサ Paco de Sousa  ソウサの谷にはいくつかのロマネスク教会があります。「ロマネスクへの道」の道標もあちこちで見かけました。最近はロマネスク観光に力を入れています。

しかし、その道しるべがあるにもかかわらず、バスは迷いながらようやくサン・サルヴァドール教会に到着。

サン・サルヴァドール教会/10世紀末に修道院として創建され、12世紀前半にクリュニー修道院の傘下に、そして13世紀の初めに現在の教会が完成。ロマネスク末期のバジリカ様式の聖堂で、一部ゴシックの影響もみられます。

西正面の幾重にもヴシュールに縁取られた薔薇窓と扉口が確固たるロマネスクの印象を与えてくれます。朝なので逆光のためカメラワークは最悪。

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扉口は浅い尖頭アーチの五重のヴシュールに囲まれ、それに続く10本の側柱は西ゴート風やモサラベ風の植物や幾何学文様の装飾。タンパンは中央に銘文(判読不能)。

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タンパン左右に太陽と月の擬人像

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タンパン持ち送り 右の人面

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左は舌で鼻面を舐める雄牛

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側柱の柱頭彫刻

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後陣外観には人や動物の持ち送りが何かを語りかけるような姿で並んでいます。

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北側に墓地があり、主後陣は方形、両脇に半円形の小後陣。

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内部は三廊式で、天井は木組み。

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入り口右に置かれているのはエガス・モニスの記念墓。現地でいただいたパンフレットにはエガス・モニスはポルトガルの最初の王の有名な騎士ということです。12世紀に製作されたこの記念墓の側面にはエガス・モニスの物語が刻まれています。

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内部の柱頭彫刻は私のぼろカメラでは到底上手く写りません。(涙)

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北側の回廊から見えた天使の十字架

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タロウクエラ Tarouquela ドウロ川の南は斜面に葡萄畑が続きます。世界的なワインブームを反映して、新築の家が目立ちます。その高台にある集落タロウクエラに入りますと、青空を背景に教会が見えてきます。

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サンタ・マリア・マイヨル教会/12世紀後半の建築。13世紀の改築で南側に墓地の礼拝堂が増設された関係で以前の外壁を飾っていた持ち送りなどが良好な状態で保存されていたのが印象に残りました。

長方形の身廊とやや幅の狭い長方形の内陣、正面南に方形の鐘塔というシンプルな外観です。花崗岩の外壁が丁寧に仕上げられていて、石積みの端正な美しさが目に残ります。

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扉口には三重の尖頭方アーチで縁取られたタンパンがあり、浅く彫られた「生命の樹」と左右には二頭のライオン。

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獣に喰われる人・・・この図像はこの後にもたびたび連環の形で登場してきます。

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内陣は華やかに装飾されていますが、右南側の側壁に建築当時の窓が残っています。

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上の写真の裏側です。持ち送り、壁、窓がロマネスクの残映・・・素晴らしい!!

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ペソ・ダ・レグアはドウロ河畔のワインをポルトに送り出す基地になっています。街中にはワイン倉庫や試飲をさせるショップなど並んでいます。ドウロ川の眺めの良いホテル併設のレストランでランチ。野菜サラダ、鶏肉と野菜の煮込み、デザートは本場のカステラ。

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ドウロ川に沿ってしばらく走り、やがて支流のタボラ川方向へ。その川を見下ろしながら、どんどん谷を登っていきます。川幅も狭くなり、谷底が見え隠れし、深い山間に入っていきます。

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まもなく見えた小さな集落の細い道を谷底の教会を目指して、慎重にバスは降りていきます。これが雨の日だったらと、ぎりぎりの路肩を見て、背筋が寒くなりました。

サン・ペドロ・デ・アグイアス San .Pedro de Aguias タボラ川の上流のこの深い谷間にはイスラムの隠者が住んでいたのですが、レコンキスタの進んだ11世紀、騎士テドンの兄弟が戦死した兄弟を弔うためにこの場所に教会を建てたのが始まりです。この谷間には修験者が篭るような祠のような簡素な建物が見えたり、森厳な雰囲気が感じられました。独りではとても来られないところです。

サン・ペドロ・デ・アグイアス教会/聖ペテロに捧げられた小教会。上記の兄弟の子孫がベネディクト派修道院にこの土地を寄進し、12世紀後半に現在の教会が完成。

手前のバスの駐車場から100mほど歩くと見えてきました。最近、瓦を葺き替えたばかりで思っていたより鄙びた感じはありません。

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大小の方形二つで構成された身廊と内陣。左の西正面には岩壁が迫り、右は谷間の崖という地形に孤高の姿。

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北扉口が私を呼んでいます。(笑)まず、遠くからじりじり近寄ります。

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タンパンに「神の子羊」その2 二重の飾りアーチに鳥の頭?が並んでいます。

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西正面は岩壁が迫り、写真を撮るのも岩を登らなければなりません。ここで怪我をしたら困りますからと私は適当に撮影。左には岩壁と教会をつなぐ石壁が見えます。このタンパンの模様はマルタの十字架と網目模様。浮き彫りが薄くなっていてカメラには良く写りませんでした。

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タンパンには波打つリボンに取り巻かれた十字架。二重の飾りアーチの内側は鳥?アーチの両端には四福音書記者を象徴する動物たちとユニークな装飾。

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内部は暗く、フラッシュは禁止なので諦めました。その上電池切れの赤マークが点滅。持ち送りの写真もありません。

ポルトまでの帰途は計画より1時間も遅れて8時過ぎに到着。夕食もホテルのレストランであわただしく済ませました。そのときいただいてきたメニュー表によりますと、ホタテのクリーム和え、グリルしたチキンのジャマイカペッパーソース添え、フルーツサラダのアイスクリーム添えをいただいたようです。

 この日が疲れのピーク、お風呂に入って湿布を腰や背中にペタペタ貼って就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 


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