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2007.3 米国東部への旅(インディアナポリス) [2007春アメリカ東部オペラと美術の旅]

 インディアナポリスの次女宅で孫に会うのが目的といいながらも、ちゃっかりオペラ行脚や美術館巡りも織り込んで、さっそうと出発したのは良かったのですが、ワシントンDCで風邪で発熱、ニューヨークで体調は最悪そして、帰国当日のJAL便のキャンセル(吹雪のっため)というトラブルに遭遇。。。でもなんとかオペラは外さず観れました。この切り抜けは我ながら凄かった~自慢にもなりませんが(汗)

日程/インディアナポリス(6)~シカゴ(1)~ワシントンDC(2)~ニューヨーク(4)~ロングアイランド(1)14泊16日

↓MAP

 

 3/3(土)   札幌~成田/12:10~シカゴ8:30(JAL)/12:10~

インディアナポリス14:10(AA4232)  次女宅6泊  ~3/8

 結婚以来3年ほど住んでいたL.Aからインディアナポリスに昨年夏転居した次女一家。小さい子供を抱えての引越しの手伝いにも駆けつけず、ザルツでオペラ三昧だったおばばも今回は一応は雛祭りにあわせて、初インディアナポリス訪問を果たしました。
シカゴ便はほぼ満席、乗り換えたインディアナポリスまでの小型ジェット機(1-2列、60人乗り)にもアジア系の人が目立ちます。ホンダの工場や関連企業があると聞きました。バッケージの出てくるところがモニターにでないのでキョロキョロしていると、迎えに来ていた娘たちが見つけてくれました。昨年秋には2ヶ月近く札幌に遊びに来ていたので、2ヵ月半ぶりの孫娘の桜子との再会。はじめはきょとんとしていましたが、そのうち口元がニヤニヤと笑って、「おばあちゃん!」。思い出してくれました。

空港から30分も走るとアパートに到着。2階建てのタウンハウス棟が広大な敷地に点在しています。建物の間に芝生や池、遊園地、テニスコートなども。鴨たちが氷の張った池で遊んでいます。L.Aとはまた違う豊かな自然に恵まれた土地です。しかし、冬は札幌より寒いようで、道産子の娘や札幌で学生生活を6年間過ごし寒さに強いはずの娘の夫もブリザードが到来したときはお手上げだったようです。

お雛様の宵をチラシ寿司などでお祝い。持参のちびっ子用着物を肩にかけると「可愛いジャンバー!」と喜んで、おおはしゃぎ。少しの間にふたつの単語を並べてお話できるようになっていました。家の中をぴょんぴょんうさぎ跳びで動き回り、娘たちの幼いころよりずーっと活発です。

翌日からは夏に家を建て引っ越す予定の分譲地やモデルハウス見学。子供博物館へ行って桜子を遊ばせたり、美術館の見学やアーミッシュの家具屋さんを覗いたり、6泊の短い滞在はまたたく間に終わりました。

写真はインディアナポリス美術館&敷地内で遊んでいたリス。近寄っても逃げません。

美術館はレンブラントの自画像や真贋は不明ですがカラヴァッジョの「眠るキューピッド」も。ピッティのものに似ていますが、もっと完成度は高いので最近修復されたようです。この作品の案内にはいわゆるスクールとか追随者、コピーなどの記載はなく、はっきりカラヴァッジョの作となっていました。ほかはフランス印象派、オキーフやホッパー、モジリアーニなど。日本の美術部門も充実しているようですが、小さな子を連れていますので、次回の楽しみにしました。http://www.ima-art.org/

インディアナ州の州都インディアナポリスはインディ500という有名なカーレースやアメフト、バスケットボールNBAなどスポーツの盛んな都市です。シカゴから飛行機で1時間、車で3時間、広大な緑の広がる土地にレンガ造りのアーリーアメリカンスタイルの建物・・・住宅事情が抜群に良いのは驚きです。L.Aの3分の一で素敵な家が手に入ります。またアメリカの東部らしい伝統も垣間見られます。この州では日曜日にはアルコールは販売禁止です。L.Aに多く見られた中南米からの移民も少なく、より人々はのんびりした様子でご挨拶。必ず「How are you?」と声をかけてくれます。日本では小さな子供をつれて歩くのは、レストランなどでも嫌な顔をされたり、とても気兼ねですが、ここではやさしく接してくれますので、私までほっとします。秋にはまた母子で里帰りしてくれるそうなので、それまでのお別れです。来年はもっと暖かい時期に来て、アーミッシュの村なども行って見たいと思いました。


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2007.3 米国東部への旅(シカゴ) [2007春アメリカ東部オペラと美術の旅]

3/9 インディアナポリス14:35 ~シカゴ14:45 (AA4491)      シカゴ1泊 ( Wシカゴ・シティセンター)
 

地理的には近いのですが、インディアナポリスとシカゴは時差が1時間あります。ここ数日でかなり 春めいてきたとはいえ空からの眺めは、まだ残雪と凍った池や湖の風景が広がっていました。そのうち大きなミシガン湖が目に入ると、上空を旋回。高層ビルのそびえるシカゴの街が見えてきました。

シカゴは4年前にオペラと美術館が目的で来たことがあります。今回はプーランクの「カルメル会修道女の対話」を観る為の1泊だけの滞在でした。シカゴリリックのオペラ劇場に少しでも近いホテルを探しだしたものの今回は失敗。なぜなら、ループの電車の騒音が朝早くから夜遅くまで聞こえることと、今流行のデザイナーズホテルで照明が暗く、ロビーの雰囲気も若い人が多く、落ち着きません。決定的だったのは暖房の効きが悪かったこと。係りの人に来てもらったのですが、そのうち暖かくなると
  いうだけ。寒くてオペラの前の昼寝もできません。あいにく夕方から冷たい風雨のお天気になり、傘も飛ばされそうになりながら徒歩5分ほどのオペラ劇場へ。


 
Francis Poulenc「 Dialogues of the Carmelites」
 * In French, and surtitled in English
Conductor   Andrew Davis
Producer   Robert Carsen(original),  Didier Kersten
Sets   Michael Levine
Costumes    Falk Bauer
Chorus master   Donald Palumbo
  ~
Blanche    Isabel Bayrakdarian
Madame Lidione    Patricia Racette
Madame de Croissy    Felicity Palmer
Mere Marie     Jane Irwin
Constance    Anna Christy
Marquis de la Force   Dale Travis
 Chevalier de la Force  Joseph Kaiser
 
Production from The Netherlands Opera, Amsterdam
何年も前ですが、オペラの鑑賞会で映像を観たのがこのオペラとの出会いでした。生では数年前に地元の二期会の公演(日本語での)を観たことがあります。フランス革命時代の史実に基づいた物語です。歴史的にも宗教的にも深く重いテーマを持っています。それでもプーランクの美しい旋律に惹かれ、いつか舞台のフランスで観たいものと思っていました。今回は残念ながらアメリカで観たわけですが・・・。席は2階のボックス2列目。ここのボックス席はスペースに余裕があり、とても落ち着けます。この夜は劇場内も寒く、コートを預けず手に持っていて正解でした。

演出はカーセンということで期待していたのですが、殉教のシスターたちが断頭台に消えていく最終場面の扱いが感動的でなかったので不満でした。座らされたシスターたちが只前にバタンと倒れるだけ。あのドーン と悲痛に響く音楽とのずれはどうにも埋めようがありません。Andrew Davisの指揮もシカゴリリックのオーケストラも歌手たちのパフォーマンスもなぜか胸に響いてきません。最近日本でリサイタルをして好評だった Isabel Bayrakdarian 。夏のザルツでツェルリーナを聴いてましたし、期待していましたが・・・高音が柔らかくないし、やや雑になる時があります。若いテノールのJoseph Kaiserが良かったほかは全般に冴えない舞台で、私の意気込みは完全に肩透かし状態でした。
ホテルに帰り、深夜でもまだまだ賑やかなロビー横のBARでサンドイッチとワインをいただいて就寝。


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2007.3 米国東部への旅(ワシントンDC) [2007春アメリカ東部オペラと美術の旅]

3/10   シカゴ11:05~ワシントンDC 13:50(AA1448)         
2泊  ( フォーポイント・シェラトン・ワシントンDCダウンタウン)

翌朝は雨は上がったものの昨夜の<しけたオペラ>のせいで、元気もでません。美術館も街歩きもなしのシカゴを後にワシントンDCへ。
北米大陸を飛行機で3.4時間南下しただけで雪などまったく見当たらないぽかぽか陽気のワシントンDCでした。ポトマック川の畔の桜はまだでしたが、週末なので半そで姿でジョギングする人たちでいっぱいでした。ホテルは普通のアメリカンタイプ。ビジネスマンの利用が多いらしく廊下の隅にコインランドリーがあり便利でした。

一休みした後はまずフィリップス・コレクションの見学。閉館まで時間が無いのでタクシーを使ったのですが・・・ぼられました。(泣)後から気がついたのですが、ワシントンのタクシーはゾーン制なのでメーターがないのです。ロナルド・レーガン空港からはチップをいれても20ドルくらいだったのに、同じくらい払ってしまいました。

↑フィリップス・コレクションはワシントンの閑静な住宅街に建っています。土曜日で特別展も開催されていたので見学者も多数。その特別展のため、コレクションのなかで観たかったものが何点か展示されていなかったのは残念でした。

↑ルノアールの「舟遊びの昼食」をはじめ印象派の作品が多いのですが、シャルダンやド・スタール、ルドンなど好きな画家の作品に会えたのは良かったです。

ド・スタールは1953年にここで展覧会を開き成功しています。そのときに買い上げられた作品が2点ほど展示されていました。この後ド・スタールと妻のフランソワはN.YのMOMAやメリオンのバーンズ・コレクションを訪れています。このアメリカ旅行は一番幸せな時だったかも知れません。このわずか2年後に南仏のアンチーブで自殺しました。


夕暮れのワシントンは美しく、疲れてはいましたが地下鉄でメトロセンター駅に戻り、ホワイトハウスの近辺を散策しました。

リンカーンが暗殺された劇場や歴史のあるホテルなど眺めながら、歩いてホテルに戻りました。夕食はホテルのレストランで。このホテルを選んだ理由のひとつが評判の高いレストランがあることだったのです。前菜に生牡蠣、主菜は羊のロースト。ワインも美味しくいただきこの夜はぐっすり熟睡。

3/11 夜中の2時にサマータイムになりました。娘にも注意するように言われていましたが、ホテルからのメッセージもあり万全。いつぞやのフランスのような失敗をしなくても済みました。朝ごはんはルームサービスでのんびりとり、ホテル内のコインランドリーでお洗濯。日曜日なのでナショナルギャラリーは11時開館。
クラシックな西館から入るとドーム状の巨大なホールがあり、アザレアの花で埋め尽くされていました。

まずイタリア絵画部門から見学 。ここは無料なうえフラッシュなしの撮影OKです。しかし、残念なことに展示されていないものもいくつか。レオナルド・ダ・ヴィンチ「ジネブラ・デ・ベンチの肖像」カルロ・クリヴェッリの「玉座の聖母子」(ポルト・サン・ジョルジョ多翼祭壇画)が観られなかったのは痛かったです。サセッタ、シモーネ・マルティー二、ゴッツオーリ、カスターニョ、オラツィオ・ジェンティレスキ、トゥーラ、クリヴェッリといずれも私好みの名品がぞろぞろ並んでいて興奮。

  

ネーデルランド、フランドル、ドイツ、スペインと巡ったら、もう目の許容範囲も越え、体力も使い果たしてギブアップ。

  

↑右、エイクの「受胎告知」(部分)この作品は祭壇画の一部であった板画から画布に移され、剥落したマリアの衣装の青の修復に相当な努力があったようです。ロンドン在住の方の詳しいレポートhttp://dognorah.exblog.jp/i2

を参考に、その確認もあって実物を観るのがとても楽しみでした。私の不鮮明な写真では良く見えませんが、自然な青の色調、陰影の美しさに感嘆しました。素晴らしい修復技術です。床面のモザイクの模様(丁度目の高さ)の精緻な描写にも目が惹きつけられました。エイクの本領ここにあり!

ガーデン・カフェでブッフェの遅いランチ。このとき喉が痛く食欲が無いのに気がつきました。それでもフランス絵画部門にも足をのばしたのは我ながらスゴイ執念。(・・・って誰も褒めてはくれませんが、汗)ふらふらになりながら、歩いて15分ほどのホテルに戻ったのですが・・・夕食の時間になっても何も食べたくなく、ベットで横になっているうちに発熱。大変なことになりました。明日は移動の日です。風邪薬を飲んでひたすら快復を祈るだけ・・・。
 

3/12     ワシントンDC(Union Station)12:00~ニューヨーク(Penn Station)2:45  (amtrak)
翌朝は不幸中の幸い。なんとか熱も下がり、11時にはホテルをチェックアウト、ユニオン駅へ。大きな都市の駅はどこもごみごみして混雑しているのですが、ここはとても落ち着いた豪華な雰囲気。アムトラックへのホーム入り口も飛行機の搭乗口のようです。時間が来れば駅員がドアを開けるシステム。ヨーロッパでは見かけなくなった赤帽さんも専用デスクで待機しています。アメリカの鉄道旅行は優雅に楽しめそうです。大陸横断の旅してみたい~。


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2007.3 米国東部への旅(ニューヨーク その1) [2007春アメリカ東部オペラと美術の旅]

3/12 N.YのPenn Stationからタクシーでホテルに向かいました。随分前から予約していたパークウエストホテルはその後、宿泊した方の感想などが最悪なのを知り、結局キャンセルしました。それほど安くないのにネズミが出たとか、壁に穴があいてるとか、HPの写真にだまされたとか・・・それで1ヶ月前に予約したのはエセックスホテルの真裏にあるサボイ・セントラルパークという質素系の宿。それでもエセックスの1泊分で4泊できますから多少は我慢です。入り口は一枚のドア分の狭さで、狭い廊下を抜けると右にレセプション、ロビーもありません。エレベーターはありました。部屋はヨーロッパの3星より広く、清潔。客層も地方からの観光目的のエコノミー客が多く、問題はありません。昨年宿泊した騒がしいうえに暗く狭いヘンテコ・デザイナーズホテルに比べると料金も安く、ずーっとまし。リンカーンセンターまでゆっくり歩いても15分くらい。カーネギーホールもすぐ近くですし、五番街やMOMAも徒歩圏内。立地条件も良いので合格。

一休みした後はワーナービルの3階で軽い食事。昨夜の発熱の後遺症で食欲も無いのですが、昼食抜きでしたからスープとサンドイッチ。でも半分も食べられません。今夜のオペラ「ファウスト Faust」はまだチケットを取っていなかったので、当然パスし、明日からの連続3公演のために休養に専念することにしました。地下のスーパーで夕ご飯用の巻き寿司、果物など購入。インディアナポリスの次女に電話しましたら、彼女も同時期に同じ症状の風邪にかかっていました。それでも私より軽いようで、孫やお婿さんは元気とのことで一安心。

3/13  N.Yの朝ごはんはベーグルと決まっていたのですが、今回はホテルのすぐ角にトスカーナカフェというお店があり、パンとコーヒーがとても美味しく、気に入りました。お持ち帰りで部屋でゆっくり朝食をとりました。まだ身体がだるかったのですが、メトロポリタン美術館へ。

この日はとても嬉しいことに3度目の正直?ようやくリンスキー・コレクションに入ることができました。ここにはカルロ・クリヴェッリの「玉座の聖母子」とヴィットーレの作品が並んでいます。両方ともリンスキー邸の部屋を再現した赤い織物の壁に架けられています。今まで鑑賞した作品のなかでも最高の展示室 と思いました。

この後中世の彫刻など眺めながら中央奥にあるレーマン・コレクションに行こうと思いましたら、そちらに抜けるドアが閉鎖されています。近くにいた係員に尋ねましたら、修復中とのこと。それでリンスキーを開けたのかと勘ぐってしまいました。

イタリア絵画セクションのカラヴァッジョは作品が増えてました。最近真作と認められたという個人コレクションからの委託のものは「リュートを弾く若者」のヴァージョンのひとつ。これは初めて観ました。隣で鑑賞していたご婦人が「フレームが変だと思わない?」と話しかけてきました。確かに・・・。

常設のクリヴェッリにも会った後はアメリカ絵画なども一巡り。

遅くなったランチはエセックスのカフェレストランで。軽食とはいえ一応はアラン・デュカスの名前がついているのにと心の中で文句たれながら食事。すると隣の個室のドアが開いて出てきたのは前大統領のクリントン氏。わざわざ遠周りをして、隣席の女性ふたりと私の2テーブルの方へ来てくれました。「How are you?」とひとこと声をかけてもらって嬉しかったです。(彼よりも夫人のファンです)ボディガードの人たちも笑顔でとてもイイ感じ。ボーイさんたちが駆け寄ってきて「ラッキーだったね!」というので「カメラ持ってたのに~」というと「もう一度、呼んで来る?」というので大笑い。
 「ニュルンベルグのマイスタージンガーDie Meistersinger」6:00開演
Conductor: John Keenan
Eva: Hei-Kyung Hong
Magdalene: Maria Zifchak
Walther von Stolzing: Johan Botha
David: Matthew Polenzani
Hans Sachs: James Morris
Beckmesser: Hans-Joachim Ketelsen
Pogner: Evgeny Nikitin
Nightwatchman: John Relyea

The Production Team
Production: Otto Schenk
Set Designer: Günther Schneider-Siemssen
Costume Designer: Rolf Langenfass
Lighting Designer: Gil Wechsler
Choreographer: Carmen De Lavallade
Stage Director: Peter McClintock

オーケストラがいまいち響かないのはもう慣れっこ?しかし、舞台の豪華なことと歌手陣の頑張りもあって睡魔に襲われることもなく、しっかりとワーグナーを楽しむことができました。ボータのヴァルター?と初めはどうかなと思いましたが、結構はまってました。イタリアなまりのドイツ語のように聴こえるところもありましたが、豊かな声量(ボディも)を持ってますから、オーソドックスな演出にも助けられて及第点。ザックスのモリスは声に力が無くなって来てはいますが、技術や表現力でなんとかカバー。良かったのはMatthew Polenzani 、Metではたまに主役も担っているようですが、若々しくてひたむきな感じが良く出ていました。

2度の休憩をはさんで終演は12時。この6時間という長い観劇が風邪の治りきっていない身には苛酷だったのでしょう。夜中に突然ひどい寒気がして目が覚めました。そしてまたもや発熱。もう風邪薬も切らしてしまい、ただ冷たいタオルで頭を冷やすことしかありません。「どうしょう~」そして朝が来ました。


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2007.3 米国東部への旅(ニューヨーク その2) [2007春アメリカ東部オペラと美術の旅]

3/14
熱にうなされながら、浅い睡眠のまま朝になりました。高い熱の割合に息苦しさはないので肺炎の恐れはなさそうです。夕方まで寝ていればなんとかオペラに行けると自分を安心させながら、水とパン半分で過ごしました。やっぱりエセックスに泊まれば良かったとやや弱気。それでもルームサービスがあっても食欲ゼロなのであまりメリットもないし・・・。水が切れたので部屋の掃除に来たメイドさんに買ってきてもらいました。ここのメイドさんたちは中南米からの出稼ぎらしく、私のへたくそ英語が通じなくて焦りました。どうしても掃除しなくちゃ~と言うのを、熱があるからとタオルだけ取り替えてもらって、ようやく退散してもらいました。幸い午後から夕方まで昏々と眠りにつけました。ふらふらしながらも熱いお湯でシャワー、シャンプー。こんな無理が夫に知れたら大変。もうひとり旅には出してもらえなくなる~と恐れながら・・・。

「セヴィリアの理髪師 Il Barbiere di Siviglia」7:30開演 

Conductor: Maurizio Benini
Rosina: Joyce DiDonato
Count Almaviva: Juan Diego Flórez
Figaro: Peter Mattei
Dr. Bartolo: John Del Carlo
Don Basilio: John Relyea

The Production Team
Production: Bartlett Sher
Set Designer: Michael Yeargan
Costume Designer: Catherine Zuber
Lighting Designer: Christopher Akerlind

この演出がMet debutの若い演出家Bartlett Sher はカルフォル二ァ生まれ。

トニー賞受賞でブロードウェイで成功。キャリアはリンカーンセンター・シアターやシアトルなどでの演劇畑で研鑽を積み、Operatic debutはシアトルとニューヨークシティオペラとのジョイントプロダクションの「Mourning Becomes Electra」。演劇~ミュージカル~オペラと順調に進んできたようです。ミュージカルの楽しさがあふれた舞台に仕上がりました。
写真で見ていましたが、期待通りのフローレスの髪型や黒い革コートのカッコいいこと!オーケストラ席を囲むようにしつらえた張り出し舞台に席も6列目中央でしたから、目の表情まで良く見え、命がけで(おおげさ 笑)来た甲斐がありました。客席通路から登場のフローレスも第一声から快調。

フィガロは今まで観て来た床屋さんのなかでは最強。マッティは映像でドン・ジョバンニを聴いたきりですが、生の声のほうがあたりまえですが、魅力的。町のなんでも屋さんの歌で現れたとき、タイトルロールはフィガロであったことを思い起こさせられるほどの存在感。かといってアルマヴィーヴァがかすんでいるというわけではありません。ディドナートも含めて、3人のバランスがとれていて、その分3倍楽しかったということ。ディドナートはペーザロのときとは別人のようにコケティッシュな役柄を見事にこなして、とてもチャーミングでした。歌ももちろん演出にあわせた表現ができる方ですからお見事!! カーテンコールで写真を撮るつもりでしたが、全員スタンディング・オーベーション。アメリカ人の後ろでは6列目でもほとんど見えない状態。初めの一枚だけ↓。

この夜は隣のニューヨーク・シティ・オペラ↓も公演がありました。照明がついていたのは初めてでした。


オペラのはねたのは11時過ぎ、昨日に比べて気温も上がり春らしい陽気。セントラル・パークの付近はジョッギングや犬の散歩の人も多く、まだ開いてるコンビニもあって果物などショッピング。この夜はまだ食欲は無いものの熱はあがらず、どうやら峠を越したもよう。

 3/15
明日は帰国、恐怖の長時間フライトが待っています。大事をとってこの日も寝たり起きたりで過ごしました。朝ごはんは果物とジュース。昼は近所のカフェでカプチーノとフルーツサラダとケーキ。めちゃくちゃな食生活ですが、ほかは食べたくないので仕方ありません。昨日の20度近い気温がぐっと下がり、夕方には雨が降ってきました。

「エジプトのヘレナ Die Ägyptische Helena」8:00開演 
  Cast
Conductor: Fabio Luisi
Helena: Deborah Voigt
Aithra: Diana Damrau
Omniscient Mussel: Jill Grove
Menelaus: Torsten Kerl
Da-Ud: Garrett Sorenson
Altair: Wolfgang Brendel

The Production Team
Production: David Fielding
Set Designer: David Fielding
Costume Designer: David Fielding
Lighting Designer: Mimi Jordan Sherin

2003年の夏、ザルツブルグの音楽祭でルイージとドレスデン歌劇場のオケ&ヘレナのヴォイトでこのオペラを聴いていました。コンサート形式でしたが、今までのR・シュトラウス体験のなかでも屈指の素晴らしい演奏でしたから、今回はとても楽しみでした。しかし、Metのオーケストラはルイージについていけないのか?風邪で私の体調が悪いためか?、席が2列目の右端なので、音響のバランスが良くなかったためか?それらのすべてだったかもしれませんが、いまいちシュトラウスの音楽に乗れないままに終わってしまいました。そんななかで、ダムラウの気品のある歌唱、演技ともずばぬけて素晴らしく、彼女のまさに旬ともいえるパフォーマンスに出会えたことは特筆ものでした。彼女を初めて聴いたのも2003年のザルツブルグでのモーツアルテムで開かれたコンサートででした。あれからの成長がこんなに大きなものになると私には想像もつきませんでした。色々な役に挑戦するダムラウ、これからも大活躍をしてくれるでしょう。残念だったのはヴォイト、ザルツに比べるとあきらかに力が落ちています。あれほど豊かなうっとりする高音だったのに苦しいのです。太っていても以前のヴォイトに戻って欲しいと思いながら聴いていました。一回り痩せて多少は美しくなったとはいえ、その代償は大きいと思いました。

ケルルはMet debutだったのですが、失敗しました。不調のため1幕だけで降板、以降の舞台からも降ろされた模様。演出は簡素系の舞台にセイレーンや悪魔の動きが漫画チックで失笑を買い、Metの観客にはまったく受けません。今シーズンのプログラムの表紙はヴォイトのヘレナで飾られ↑、この公演がいかに売りだったかわかるだけに・・・。
アメリカに来る前に11月の東京でのドレスデン引越し公演のチケットが届いていました。
  ルイージさま、リベンジよろしく!

3/16 昨夜からの雨が氷点下のため霰交じりの雪、風も強くなってきました。少し早めにホテルをチェックアウトしようとロビー階に降りましたら、この宿では初めて出会う日本人の個人客がチェックインしたところでした。昨日も今日もナイアガラの滝へのフライトがキャンセルになったのであきらめてN.Y市内見物に変更したとのこと。2日前までは暖かかったのに不運でしたねといいながら・・・この後は自分の不運を嘆くことになろうとは。ホテルの前の道を渡って、堂々とエセックスの裏口から表玄関へ。ベルボーイにチップを奮発してタクシーを捕まえてもらいました。泊り客と信じて「また、来てくださいね」と愛想のいい彼。さてタクシー争奪戦にはみごと勝利したのですが、空港に着いてみれば、なにやら おかしな雰囲気。JALの10時発の便がまだ飛んでません。カウンターに行くと15ドルの食券をくれてもう少しお待ちくださいとのこと、そのもう少しが2時半になり、雪のため除雪が間に合わず明日のフライトになるというのです。それから、ホテルにご案内しますお待ちくださいと1時間半・・・。この2,3日はほとんど絶食状態が続いていましたし、咳も治まりません。なんとか早くホテルに入って横になりたい一心で、ツアーの人が先にバスに案内されたのを見て、こっそり後ろから付いていきました。2,3空席があったので乗せてもらえました。せこいことをしましたが、この後のバスは1時間半後だったことを後から聞きました。まだラッキーなほうでしたが、ロングアイランドのマリオットホテルまでなんとのろのろ運転で2時間もかかって、散々な目にあいました。お部屋の鍵もJALの世話係の部屋配分も待たず、さっさとレセプションに行ってもらいました。いろいろ怒ったりしたので?なんとなく空腹・・・急いでレストランに行き春巻きや薄切りビーフのサラダなど久しぶりのまともな食事をとることができました。遅く到着した人たちはレストランが満席で食事もとれなかったとか・・・。

3/17 6時半にバスが出発。朝から晴れてきて雪も解けたので空港までは1時間もかからず到着。ここからがまた長々と2時の離陸まで待たされました。それならせめて10時ころまでホテルでゆっくりしたかった~へなへな。お客さんを生身の身体を持つ人間と考えてないに違いありません。小さいお子さんを連れた方は本当にお気の毒でした。このあたりの事情は暇に任せて携帯で家族や友人やミクシイ仲間にばんばんメールしましたので、これ以上は割愛いたします。そのストレス発散で機内で倒れることもなく、帰ってこられただけで良かったのでしょうね。今は何が怖いって来月の携帯電話の料金です。(終)
               
 


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