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2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る ブログトップ
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2012年夏の旅(スケジュール) [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

 60代最後のヨーロッパへの旅になります。体力気力とも独りの長旅には心もとなくなってきました。その上家人の健康上の問題もあり、そろそろこういう旅からは引退の時期かなと考えております。そう思うとあちこち行きたいところが噴出(笑)してしまって、長~い日程になってしまいました。前半は音楽(ザルツブルグ&ルツエルン)、残りはロマネスク(スペインとフランス)。ところによってはかなりハードです。計画したところを全部回るのは無理かもしれません。

(3) 夏の旅 [晴れ] 8/23~9/20(27泊29日)


8/23(木)
[飛行機]千歳8:00→成田9:35/12:15→フランクフルト17:20(JL)/20:55→ザルツブルグ22:00(OS)

[ホテル]Airport Salzburg 1泊

8/24(金)ザルツブルグ市内のホテルに移動
[ホテル]ABC - アルトシュタット - アパートメント4泊

[るんるん] Salzburger Festspiele

Daniel Barenboim – Schubert-Zyklus III@祝祭大劇場  21:00~

8/25(土)
ウィーンフィル・コンサート 11:00~@祝祭大劇場 

「カルメン」19:30~  同上     

8/26(日)
モーツアルト・マチネ11:00~@モーツアルテム  

ベルリンフィル21:00~@祝祭大劇場  

8/27(月)
「ジュリオ・チェーザレ」18:30~@モーツアルトハウス  

8/28(火)
[飛行機]Salzburg10:20→Frankfurt11:35/13:40→Zurich14:35(SWISS AIR)[電車]Flughafen....Luzern(列車で50分/30分毎)

[ホテル]Waldstaetterhof Swiss Quality Hotel2泊

[るんるん] Lucerne Festival

Berliner Philharmoniker | Simon Rattleconductor

8/29(水)
[電車]Luzern8:54→Basel 9:55/15:03→Luzern16:05

[地下鉄]バーゼル美術館

☆バーゼル大聖堂

8/30(木)
[飛行機]Zurich12:20→Barcelona14:00 (Swiss Air)

[ホテル] BMH Ramblas 2泊

8/31(金)
[バス]Barcelona(Nord)9:30→Berga11:32/14:30→Barcelona16:25(ALSA)

☆ St.Quirze del Pedret
34259021.jpg /
Summer opening hours:
July, August and September
Saturdays, Sundays and public holidays (from 11 am to 2 pm and from 5 pm to 7 pm)

Weekday visits can also be arranged.
Please call (+34) 608 228 637 or (+34) 608 222 525
☆ St-Jaume de Frontanya
St Jaume de Frontanya.jpg

9/1(土)
[電車] Barcelona(Pl.Catalunya)8:44→Manresa10:02/[バス]12:50→Cardona13:46

[ホテル] Parador de Cardona 1泊

☆Sant Benet de Bages
☆Sant Vicenc(Cardona)

9/2(日)
Cardona11時ころ([車(セダン)]TAXI)...Solsona11:30/[バス]17:15→Seu de Urgell 18:36

[ホテル] Parador de Seu de Urgell 2泊

[地下鉄]Museo Diocesano y Comarcal de Solsona
5~9月10:00~13:00&16:30~19:00
☆Cathedral de Solsona
☆Olius

9/3(月)
☆Cathedoral (La seu d'Urgell)
[地下鉄]司教区博物館

9/4(火)
[バス]La Seu D'urgell 8:45→Barcelona12:15

[ホテル] BWH Ramblas 3泊

[るんるん]「Der fliegende Hollander」@Gran Teatre del Liceu 20:00~

9/5(水)
[バス]Barcelona(L3 Maria Cristina駅)8:50(NO.518)→Corbera de Llobregat9:35/11:30→12:25

☆Sant Ponc de Corbera
[るんるん]「Lohengrin」@Liceu 19:00~

9/6(木)
[電車]Barcelona(sants)10:00→Lleida10:57/13:35→Barcelona14:40

☆Cathedoral de Lleida
[るんるん]「Tristan und Isolde」@Liceu 19:00~

9/7(金)
[新幹線] Barcelona(Sants)12:22→Figueres14:03乗り換え14:20→Perpignan14:44

[ホテル] Comfort Hotel El Centre Del Mon 1泊

Cabestany  行きはTAXI 帰りはバス17:39→BT18:00
[地下鉄] 司教館美術館 10~12:30&13:30~18:30(17:45)

9/8(土)
[電車] Perpignan9:41→Elne9:49...Le Boulou...TAXI[車(セダン)]Perpignan15:00頃/[電車]16:22→Narbonne17:06...TAXI[車(セダン)]Fontjoncouse17:30頃

[ホテル] L'Auberge du Vieux Puits 1泊 
☆Cathedoral de Elne  回廊 5~9月毎日10:00~19:00まで
☆St-Andre de Sorede 
☆St-Genis des Fontaines
linteau st Genis.jpg
Avril, Mai, Juin et Septembre : 9h30 – 12h00 / 14h00 – 18h00 

☆Le Boulou/Église Ste-Marie 
☆St-Martin de Fenollar   Septembre à Décembre 2012 : 14h - 17h, fermé le(s) Mardi 

9/9(日)
TAXI[車(セダン)]Fonjoncouse...Narbonne11:35[電車]→Perpignan12:36/12:44→Vernet les Bains13:37

[ホテル] Logis Hotel Princess 1泊

☆Corneilla de Conflent 
☆Villefranche de Conflent

9/10(月)
[バス]Vernet les Bains14:00→Prades14:40

[ホテル] Maison Prades 1泊

☆Saint-Martin-du-Canigou 
☆Serrabone 
☆Saint-Michel-de-Cuxa 9:30~11:50&14:00~18:00 

9/11(火)
[バス]Prades(BT)12:50→Perpignan13:31/14:00→Arles sur Tech15:05/17:30→Perpignan18:35

[ホテル] Comfort Hotel El Centre Del Mon 1泊

☆Arles sur Tech

9/12(水)
[電車] Perpignan10:51→Nimes乗り換え12:49/13:29→Lyon14:50

[ホテル] La Residence 1泊

[地下鉄] リヨン美術館

9/13(木)
[電車] Lyon11:40→Clermont- Ferrand14:05

[ホテル] Best Western Lafayette 2泊

☆Notre-dame-du-Port

9/14(金)
[電車]Clermont-Ferrand(SNCF)8:56→Rion Chatel 9:05/12:11→Clermont-Ferrand12:22

☆Mosac
☆orcival
☆St-Saturnin

9/15(土)
[電車]Clermont-Ferrand 9:49→Issoire10:16/13:09→Brioude13:38/16:14→Issoire16:42

[ホテル] Le Relais 1泊

☆Issoire
Notre-Dame de I'Assomption
☆Brioude
St-Julien
9~12&14~17:30
☆Auzon
St-Laurent
10~12&15~19

9/16(日)
[電車] Issoire 13:09→Le Puy-en-velay 14:47

[ホテル] All Seasons Le Puy en Velay Centre 2泊

☆St-Nectaire

9/17(月)
☆Le-Puy
Cathedrale Notre-Dame

Chapelle St-Michel d'Aiguilhe

9/18(火)
[電車] Le Puy-en-velay10:41→Lyon12:55

[ホテル] La Résidence 1泊

☆ basilique St-martin d'Ainay

9/19(水)
[飛行機] Lyon13:20→ParisCDG14:30(AF)/19:30(JL)→

9/20(木)
→成田14:20...羽田17:30→千歳19:05
 計画倒れになったところもありますが、MAPでは実際訪れた場所をアップしました。
↓MAP


 


 




 
 









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2012年夏の旅(1)札幌~ザルツブルグ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/23(木) 千歳8:00→成田9:35/12:15→フランクフルト17:20(JL)/20:55→ザルツブルグ22:00(OS)

Airport Salzburg 1泊 (110€朝食込)

 札幌では珍しく、お盆が過ぎても30度を超える残暑が続いていましたが、この朝は夏の終わりを感じさせる爽やかな風が吹いていました。ほぼ1か月近い長旅とあって、留守宅の心配はきりがないのですが、毎度のことながらそんなブルーな気持ちも札幌駅から千歳空港に向かうエアポート・エクスプレスに乗り、今回の旅で聴く予定の音楽を耳にしているうちに、晴れてきました。

↓ 成田空港のラウンジ。ピンクシャンパンで旅立つ前のひとり乾杯。

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 春は特典航空券だったのですが、今回は身銭をきってのビジネスクラス。夫が5年前から海外旅行から引退しましたので、その分割り当て?と同時に私の体調(咳喘息&腰痛)も考慮して、贅沢させてもらっています。「高い航空券だから、短い旅では勿体ない」と余計に長旅になってしまったきらいもあります(汗)この時期は日本の夏休みもほぼ終わりなので、そう混んではいませんでした。隣席が空いていたのでよりリラックスでき、機内食写真も撮れました。

↓ シャンパンとアミューズの小皿2点

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↓ 9皿の小鉢入り前菜

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↓ 主菜とごはん

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↓2回目以降の食事は好きなものを選べるのですが、明石のたこやきと北海道のお茶漬(塩昆布が入っていて)美味しくてお腹がいっぱいになり、朝食はフルーツとコーヒーだけにしました。

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 フランクフルト乗り換え時に、昨夏のザルツブルグや今冬のウィーンでお会いしたHさんとばったり!札幌の友人が7月のミュンヘンで、オペラの合間に言葉を交わしたということもあって、同時期にまたご一緒で来て嬉しい偶然でした。この飛行機にはほかにも3人のシニアの日本人女性が同乗。お話に寄りますと修道院の宿泊施設に11泊(音楽祭の最終まで)されるそうで、しかも1泊5.000円!修道女さんたちも現代では志願者も少ないのでしょうね。空き部屋を利用したサイドビジネスなのかも。

↓ フランクフルト→ザルツブルグまでの小型ジェット機。夜の9時近くですがまだ明るい。

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 さて、ザルツブルグ空港に到着。あいにく雨が降っていました。今夜の宿はエアポートのすぐ近くです。翌日からの宿は市内のアパートですが、チェックインには夜遅すぎるという不安があったので、1泊だけここにしたのです。スーツケースをピックアップして、カートに乗せそのままホテルへ(300mくらい)。そのころには雨もほとんどやんで助かりました。ここまでカート持ってきちゃっていいのかしら?と不安に思いながらも、夜遅くの誰も歩いていない裏道のようなところから辿り着きました。でもホテルの玄関の横に数個置いてあり問題はないようでした。

山荘風のホテルのお部屋は広く、快適でした。長旅の疲れをお風呂に入って癒し、就寝。

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2012年夏の旅(2)ザルツブルグ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/24(金) ザルツブルグ滞在

  ABC-Altstadt-Appartements 4泊 (1泊125€)

 雨が少し残っていましたが、遠くに山並みが見えてザルツらしい涼しい朝でした。

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↓ 遅い朝食を済ませて11時ごろまで部屋でのんびり。

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↓エアポートホテルをチェックアウト。

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 TAXIで旧市街のアパートへ移動しました。事前にメールで打ち合わせた通り、アパートの入り口(靴屋さんの横)で管理人の女性が待っていてくれました。4階の部屋までエレベーターがないので、スーツケースも運んでくれます。チェックアウトのTAXIの手配もこのとき同時にしていただけました。荷物もTAXIの運転手さんが降ろしてくれるとのことで、一安心。感じの良い親切な方で、部屋で4泊分の前払いとキッチンの使い方など教わり、近くのスーパーまで案内してくれました。

今までは治安の面と何かあった時の連絡などが不安でアパートを使うことはほとんどなかったのですが、今回は体調の面からも少しでも自分で食事を用意したほうが良かろうと思ったのと、マイミクさんたちのアパート経験談が楽しそうだったので、真似させていただきました。

↓ アパートは一番賑やかなGetreidegasseにあり、音楽祭のメイン会場まで徒歩3分くらいです。

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↓ 部屋はこんな感じで、古い建物ですが清潔で快適です(シャワーのみ)。3部屋だけしかなく人気があるので、音楽祭のチケットを予約した段階で即押さえておきました。

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↓ ランチは近くの小さな広場に面したイタリア食堂で、ビールとアンティパストの盛り合わせ。パンもついてくるのでこれだけでお腹いっぱい。

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↓ 音楽祭の前に軽い夕食。切って並べただけ(汗)

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♪ Salzburger Festspiele ①

Daniel Barenboim – Schubert-Zyklus III@祝祭大劇場  21:00~  (45€)

FRANZ SCHUBERT • Vier Impromptus D 899

FRANZ SCHUBERT • Klaviersonate B-Dur D 960 
 

 バレンボイムのシューベルト・チクルス第三夜はシューベルト晩年のピアノソナタ。バレンボイムのソロピアノはCDでベートーヴェンのを愛聴していますが、生演奏は初めてでした(昨秋のシェーファーの伴奏を除く)。シューベルトもこんなに素晴らしいなんて!シューベルトの歌曲のようにピアノが歌っているような。。。人の声を連想する有機的なピアノの音。若くしてこの世を去った作曲家の苦悩、生きることの美しさがバレンボイムのピアニズムからあふれ出てくる感がありました。今年のザルツではオペラが2公演とコンサートが4公演鑑賞するのですが、初日からさすがザルツ!とうなるほどのコンサートに休憩時にはHさんと「素晴らしい!」と興奮気味でおしゃべり。彼女曰く「指揮よりも好きというかたも多いのよ」だそうです。後半は私の背後のボックス席から子供のような声が聞こえて、すこし気が散りましたが、バレンボイムの渾身の演奏に涙目のうちに終了。スタンディング・オーベションとブラボーの飛び交うなか三夜のチクルスを終えて、ホッとしたような様子のマエストロでした。

アパートに戻りお湯を沸かして、カップうどんの夜食をいただいて就寝。


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2012年夏の旅(3)ザルツブルグ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/25(土)ザルツブルグ滞在  

 今日は11時からのウィーンフィルのコンサートと夕方7時半からの「カルメン」というザルツブルグ音楽祭ならではの豪華な組み合わせ。朝から期待で胸いっぱいというか、やや緊張気味でもありました。昨夜の残りの朝ごはんをいただいて、コンサートまで部屋でくつろぎました。このアパートは4泊の間、部屋の掃除は入らず、タオルは4泊分あらかじめ置いてありました。1週間借りるとお掃除とタオル交換が1回あるようです。 特別綺麗好きでもない私(汗)掃除機もありませんから、キッチンの床を拭くくらいで済ませました。お掃除の人が入らないので 、散らかして外出しても平気…気楽でした。

 ここでたまにお洒落の話をいたしましょう。友人に何を着て行ったのか聞かれることが多いので・・・。 コンサートは洋服、オペラは和服とわけてスーツケースに詰めてきました。オペラ2夜のための和服は毎年同じもの。淡い藤色の絽の附下と白地の秋草刺繍の夏の袋帯です。和服の方は以前に比べると見かけることが稀になりました。寂しいです。 札幌でもコンサートや友人との食事などにも気軽に和服をきてでかけますので、いわゆるドレッシーな洋服がありません。かといって旅先で半襟を付け替えたり、肌襦袢などを洗ったり、アイロンもないですし・・・無理ですから、昨年同様2回のオペラのためだけ和服にしました。 今回コンサートはバルセロナも含めて8回ですから、そのためにはワンピース1とツーピース1、上に羽織る黒の麻のややドレッシーなジャケット、オレンジ色のボレロ風のもの、紺のラメ入りのややドレッシーなカーディガン、ストールなどで何とかやりくり・・・しました。

♪ Salzburger Festspiele ②@ Großes Festspielhaus11:00~  95€

Wiener Philharmoniker5/Bernard Haitink

LUDWIG V. BEETHOVEN • Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur op. 58(Klavier, Murray Perahia)

ANTON BRUCKNER • Symphonie Nr. 9 d-Moll

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲とブルックナー9番の組み合わせのコンサート。席は昨夜の平土間の一番後ろの席の背後にあるボックス席の2列目でした。隣席の方のアドバイスでボックス内にあったクッションを敷いてより舞台のオーケストラが見えるようにということだったのですが、安定感に欠けて腰が痛くなってきて困りました。そういう悪条件があったのにもかかわらず、昨夜に続いて素晴らしい演奏に聴きほれました。ぺライアは初めて生演奏を聴いたのですが、深い解釈、安定感、集中度とそれは見事なベートーヴェンで、特に第三楽章のカデンツアは技巧の冴えをさえ感じさせない滑らかで自由な調べに胸がきゅん。歳とともに涙もろくなりました。。。

休憩のとき、名古屋から2週間ザルツブルグに滞在しているという50代くらいの女性とお話ししました。初めてのザルツだそうですが、毎日のようにチケットが取れたらコンサートやオペラにきて、日本では考えられないほどの高水準の音楽に圧倒されっぱなしなの~と感激の面持ちでした。その初々しさは私には眩しくも、嬉しい気持ち~☆

後半のブルックナーも本気の(失礼!)ウィーンフィルの実力発揮といった感じで、第2ヴァイオリンの若い男性の真摯ななかに音楽を奏する喜びがあふれた姿(補記/クリストフ・コンツ)。ハイティンクに対する尊敬のまなざしも微笑ましく、これからのウィーンフィルを背負って立つ予感がしました。ブルックナーの9番は乏しい生演奏体験ですが、エジンバラや東京で聴きました。まるで違う曲のような・・・。溌剌と嵐のようなパワフルな音と嵐の後のような静かな調べ。構成の明確さが印象的。未完成の第四楽章は演奏されませんでした。

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↓ 祝祭大劇場の前/休憩のとき撮影

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 終演は1時半ごろだったでしょうか、ランチは帰り道にお魚マークの店の奥でいただきました。

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部屋に戻り仮眠の後は和服を着ていざ!今回のハイライトのカルメンへ。着物は自分で着れるというと着慣れたように思うかもですが、簡単に着られるように帯はカットしたり、作り帯にしたり工夫しています。ですから30分もあれば出来上がり~☆

ザルツブルグは毎度のことですが、昼間は夏の良い天気でも夕方から夜にかけて雨の降ることが多く肌寒くなりますので、傘や上着、ストールなどは必ず持参しなければなりません。

♪ Salzburger Festspiele ③

Georges Bizet『Carmen』@Großes Festspielhaus 19:30~   400€

LEADING TEAM

Sir Simon Rattle, Musikalische Leitung
Aletta Collins, Regie und Choreografie
Miriam Buether, Bühne
Gabrielle Dalton, Kostüme
Peter Blaha, Dramaturgie
Andreas Fuchs, Licht
Ernst Raffelsberger, Choreinstudierung
Wolfgang Götz, Einstudierung Kinderchor

BESETZUNG

Magdalena Kožená, Carmen, Zigeunerin
Jonas Kaufmann, Don José, Brigadier
Kostas Smoriginas, Escamillo, Stierkämpfer
Genia Kühmeier, Micaëla, Bauernmädchen
Christian van Horn, Zuniga, Leutnant
Andrè Schuen, Moralès, Sergeant
Christina Landshamer, Frasquita, Zigeunerin
Rachel Frenkel, Mercédès, Zigeunerin
Simone Del Savio, Le Dancaïre, Schmuggler
 

 チケットはファーストカテゴリー、席はParterreと呼ばれる平土間の最前列の左寄りでした。

オーケストラボックスの手前に張り出しの舞台が作られた関係で、足元に余裕がない窮屈な席でした。おまけに歌手やダンサーたちがすごい勢いでダンスしたり、駆け回るので、埃がまともに受ける形。でも至近距離でカウフマンやコジェナーの歌や演技を聴いて観られて、大興奮(笑)この舞台はザルツが初めてではないのが、映像はちらりとしか見てませんが新鮮味に欠けたようです。ザルツをプルミエにしてほかに回すのが、チケットも高額ですし納得できるというものですが。。。この顔ぶれですから、チケット争奪戦に勝っただけでも良かったと思うことにしました。

ラトルのパワフルで、色彩感のある素晴らしい指揮で、めくるめくような愛と死のドラマが進行します。細かいことはすでに記憶が薄れていますが、タッタラッタラーと軍隊マーチで登場する子供たちは隙あらば盗みを働く悪がき(それだけ貧しい環境にあるということ)、煙草工場で働く女工さんたちもあばずれ風…この人たちのダンスがエネルギシュ!コジェナーのカルメンはスペインのジプシー女にはビジュアル的には到底遠いのですが、北ヨーロッパの若妻風というのも、考えようによってはより現代的普遍性があり、彼女のパフォーマンスも文句のつけようもありません。3幕のカード占いの場面は何度やっても死、死。死と激しくも暗い目のコジェナーはトランプを勢いよく振り払います。そのトランプが最前列の席に散らばって落ちるほどでした。逃れようのない運命の悲惨さ・・・もろもろの感情がこちらにも圧倒的な力で迫ってきました。

ドン・ホセのカウフマンはこれ以上のドン・ホセは考えられないくらいのスーパーな出来でした。今まで観たり聴いたりしてきたドン・ホセは彼方に行っちゃって、カウフマンだけが燦然と輝くのでした。この役になりきっての細かい演技は、目の配り方ひとつとってもドン・ホセの心情を表すので、マザコンのホセとかストーカーのホセとか軽々しくいえないのです。愛を失う苦しさ重さが表現されて、秀逸でした。

キューマイヤーのミカエラももちろん文句のつけようもなく、他のキャストもコーラスも今夜が最終公演とあって力いっぱいのパフォーマンス。感動しました。

↓その後の絶賛のブラビーにこたえるカーテンコール。

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帰りは何人かの日本人のカウフマン・ファンとご一緒に、出待ちしましたが、雨も降ってきたのであきらめて先に失礼しました。

↓ そのとき「ボエーム」の子役をつとめたという可愛らしい少年たちとツーショット。ボエームは観ていませんが、かなり重要な役どころだったとか。。。

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こうして充実の一日が終わり、快い疲労のうちに熟睡。


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2012年夏の旅(4)ザルツブルグ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/26(日)  ザルツブルグ滞在

 今日も一日に2回のコンサートの予定で、11:00からモーツアルト・マチネ、21:00からベルリン・フィルです。遅めに起床し、朝食も簡素ですが手作りでのんびりいただきました。

↓ コーヒー、オレンジジュース(スーパーで絞りたてが買える)胡瓜とチョリソーの薄切り、パン。

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 今にも雨が降りそうな、そして気温も20度以下の肌寒い一日でした。ザルツの町の中を流れる川の向こうにあるモーツアルテムへ。

↓ 6年ぶりのモーツアルテム

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♪ Salzburger Festspiele ④@Mozarteum Grosser Saal 11:00~  80€

MOZART-MATINEE    Michael Gielen

PROGRAMM

WOLFGANG A. MOZART • Symphonie Es-Dur KV 543

WOLFGANG A. MOZART • Konzert für Horn und Orchester D-Dur KV 412

GEORG FRIEDRICH HAAS • ... e finisci già?
Auftragswerk der Salzburger Festspiele
Uraufführung

 モーツアルトのシンフォニー2曲の間にホルン協奏曲と現代作曲家ハッセの短い曲を並べて、変化を付けたのかなという感じ。モーツアルテムでは初めてダムラウやレティプーを聴いた記憶にあります。今回のホルン奏者も期待の星と思ったのですが・・・曲自体も大好きですし。でも、なんか平凡な演奏でした。ハッセの曲だけは若い指揮者TITUS ENGELでしたが、なかなか良かったです。ほかは手堅くまとめたオーソドックスなモーツルト、いまいち弾まないのは私の好みのせいかも・・・。数列前に音楽評論家のT氏の姿、日本人率が高いモーツアルテムでした。

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演奏会が終わったのは1時半頃で、ランチは帰り道にあるホテル・ザッハーへ。ザルツでは一番の高級ホテルなので縁はなく、初めて入りました。レストランは豪華なロビーを抜けて左に入口があり、奥の部屋はかなり混んでいましたが、手前の部屋はがら空き。丁寧な接客とサービスはさすがです。サービス・ランチを選びましたが、デザートは別なので、ワインなど含めると結局倍くらいのお支払。

↓ クラッシクな内装のレストラン

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↓ 前菜

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↓ 主菜

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↓ デザートはやはりザッハー・トルテ

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↓ Hotel Sacher Salzburg

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↓ 旧市街方面

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夜の9時からのコンサートまで時間があり、散策と思ったのですが、あいにくの雨でアパートに戻りました。

♪ Salzburger Festspiele ⑤@ Großes Festspielhaus 21:00~  200€

Berliner Philharmoniker/Sir Simon Rattle   Yefin Bronfman(Klavier)

JOHANNES BRAHMS • Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 B-Dur op. 83

WITOLD LUTOSŁAWSKI • Symphonie Nr. 3 (1982/83)

 今回のプログラムはこの2日前にベルリン・フィルの本拠地で新シーズンのオープニングに演奏されたばかり。ラトルは翌日の25日はカルメンを振ったのですから、3日連続のお仕事ということになりますね。ブラームスのピアノ協奏曲2番はそのせいかどうか分かりませんが、第一楽章は乗れません。ブロンフマンの豪快なピア二ズムに慣れてからは徐々に没入できましたが・・・地鳴りのような低音はやはり凄くて、この曲の違う面を発見させられました。さすがベルリン・フィル、丁々発止とブロンフマンと渡り合い、共鳴と音楽的な高まりはそれは見事で、第二楽章終わりごろのチェロ・ソロには心が震える想い。そして、会場全体がひとつになって終わりを迎えるのでした。

後半のルトワフスキの交響曲第三番は20世紀ポーランドの代表的な作曲家の古典とされるもので、初演は1983年のシカゴ(ショルティ)。来年の2013年がルトワフスキの生誕100年とのことです。まったくの予習なし、白紙の状態で臨んだのですが、素晴らしい演奏であっという間に終わった感がありました。作曲された1970年ころのポーランドはまだ東側にあり、民主化の兆しが見え始めたころだったのでしょうか。完成するまでのほぼ10年間の作曲家の置かれた状況、心理など汲み取って聴くには経験不足でしたが・・・。ラトルの明快なそして深い解釈が毅然と私たちに作曲家の「心」を提示してくれた、そんな演奏でした。

終演は11時半過ぎでした。興奮冷めやらない観客の間を抜けてアパートに帰り、手軽な夜食を済ませ就寝。


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2012年夏の旅(5)ザルツブルグ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/27(月) ザルツブルグ滞在

 とうとうザルツブルグの音楽祭もこの日が最後になりました。音楽漬けの毎日は愉楽の極み、大げさに言えば生きる歓びです。今夜のオペラ「エジプトのジュリアス・シーザー」までは昼間はどこへ行くという予定もありません。行く気もないけれど・・・ザルツ後に控えている長いロマネスク美術行脚のために、もっぱら体力温存につとめなければなりませんから。

散策の後は市場で最後の買い物をしてアパートに戻り、明日の移動のために荷物の整理をしました。

↓ ゲトライデガッセの不思議な路上パフォーマンス

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↓ カフェ・トマゼッリ周辺は賑やか。昼間は25度以上と暑くなりました。

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↓ この日はランチも夜食も自炊でした

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♪ Salzburger Festspiele ⑥ Haus für Mozart  18:30~   370€

Georg Friedrich Händel • Giulio Cesare in Egitto

Giovanni Antonini, Musikalische Leitung
Moshe Leiser, Patrice Caurier, Inszenierung
Christian Fenouillat, Bühne
Agostino Cavalca, Kostüme
Christophe Forey, Licht
Konrad Kuhn, Dramaturgie
Beate Vollack, Choreografie

Andreas Scholl, Giulio Cesare, römischer Imperator
Cecilia Bartoli, Cleopatra, Königin von Ägypten
Anne Sofie von Otter, Cornelia, Pompeos Witwe
Philippe Jaroussky, Sesto, Pompeos und Cornelias Sohn
Christophe Dumaux, Tolomeo, König von Ägypten, Cleopatras Bruder
Jochen Kowalski, Nirena, Kammerdienerin
Ruben Drole, Achilla, General, Tolomeos Berater
Peter Kálmán, Curio, römischer Tribun
Il Giardino Armonico

 ヘンデルのオペラやオラトリオのなかでは最も鑑賞回数が多いのがこの「ジュ―リオ・チェーザレ」(伊語のタイトル)です。それぞれ高水準の舞台に接してきましたが、ザルツはどうでしょうか・・・綺羅星のようなキャストに目がくらんで、チケットを購入した私でしたが、演出はすでに映像に流れていましたから新鮮味はカルメン同様ありません。バロックはこんな風に漫画チックにされると音楽の良さが失われてしまいます。それでもカウンターテナー3人の際立ったパフォーマンスは特筆されるべきでしょう。なかでもジャルスキーのアリアの数々は大喝采でした。オッターとの悲運の母子のアンサンブルも素晴らしいのに、この場面の鰐登場の演出には怒りました。モテモテ役の未亡人コルネリアにしてはオッターも老けすぎで、大ファンとしては少し悲しい想いでした。クレオパトラのバルトリは歌唱が彼女らしいと言えば言えるのかもしれませんが、ノーブルさが欠けていて、以前聴いたM・バーヨやS・ピオのアリアが私にはただ懐かしく、脳内転換~涙。しかし、バルトリのパフォーマンスは演技を含めて、この演出にはマッチしていましたから、文句を言う筋合いはないわけで・・・ファンの方ごめんなさい。舞台の細かいところは書きたい気持ちにもなれず・・・これにて終わります。

↓ カーテン・コールの写真もほとんど失敗

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 休憩時にカルメンの出待ちでご一緒した方たちとおしゃべり。札幌から来たというと私のブログの読者が・・・あらら。それにしても日本のシニア女性はお元気だと皆さんのお話を聞いて感嘆。カルメンの出待ちではカウフマンは結局現れず、帰ろうとした時、近くのレストランからバルトリが出てきたのをキャッチ。とても愛想良く、サインも写真もOKだったそうです。

この夜も出待ちされたのでしょうか?コメントお待ちしています~。

↓ ザルツブルグ夏の音楽祭2012のプログラム/今年は表紙の写真が無く簡素です。

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追記 :「Se Pieta~♪」 You tubeから コジェナー&ミンコ

http://www.youtube.com/watch?v=uDMOzaP9Q04&feature=related

デセ&アイム

http://www.youtube.com/watch?v=u4vB6DaJfQw&feature=related


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2012年夏の旅(6)ザルツブルグ~ルツェルン [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/28(火) Salzburg10:20→Frankfurt11:35/13:40→Zurich14:35(SWISS AIR)Flughafen15:50頃→Luzern16:30頃

Luzern/Waldstaetterhof Swiss Quality Hotel2泊 (1泊186€ 朝食込)

 アパートの管理人さんが手配してくれたTAXIが時間通りに来てくれて、スーツケースも3階から運んでくれました。ザルツブルグ空港ではツアーの日本人たちが多数。。。ルツェルンまで一緒かしら?と思ったのですが、みなさんはフランクフルトから帰国されたようでした。

↓ ザルツブルグ空港は小さいので歩いて飛行機まで

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↓ 飛行機から見たザツツブルグの方向。来年も来れるでしょうか。。。

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 ほぼ時間通りにフランクフルトで乗り換えてチューリッヒ空港へ。空港駅からは列車でルツェルンへ。空港駅ではルツェルンまでの切符が音楽祭のチケットを提示すると半額になるという情報がありましたので、窓口の行列に並んで、プリントしてきた引き換え証を見せました。でも、チケット本体でないとダメと言われて、がっかり。。。チケットを自宅まで送ってもらえば良かったです。荷物があるので1等往復で92CHF(7800円くらい)でした。みすみす4000円の損(涙)

 ルツェルン駅から湖の反対側のZentral通りに出ますと、ホテルが見えました。音楽祭の時期なので3☆にしては料金は高めでしたが、ロケーションが良い上に素敵な部屋、レセプションの感じの良さ、おいしい朝食と満足。おまけにこの後のi phone置き忘れ事件の時の対応も親切で、きちんとしたホテルに泊まって良かったです。

↓ 建物の外観は古いのですがへやはモダンな造り。階段を3段上ってベットコーナー。

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↓ バスルーム。置くタイプのバスタブのほかにシャワールームもあり広い!

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 おやつを食べて休憩ののち、駅の反対側の会場へ。このとき時間を30分間違えて早く着いてしまいました。入口近くにインフォメーションがあり、予約表を見せたのですが、どういうわけか良く見ないで、たらいまわしにされ憮然。。。鉄道割引のためやはり送付してもらう人が多いのでしょうか。待ち時間も多く疲れてしまいました。

↓ ロビーから見える湖。コンサートの時間近くになると、対岸の別荘や高級ホテルから個人やホテル専用のボートで優雅な方たちが続々やってきました。そのなかには日本人のリッチなグループも。。。

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↓ 初めてのルツェルン夏の音楽祭の会場/Konzertsaal 席は4階左のギャラリー

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↓ 自分の席から。220CHFもしたのに(ザルツとほぼ同じ金額なのに雲泥の差!)ラトルも大進くんも見えない席でした。

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日本人率も結構高く、平土間の1~3列目を多数の日本人が独占していたのには驚きました。もちろん、さきほどのボート上陸組も。。。

♪ Lucerne Festival/Berliner Philharmoniker/Simon Rattle  19:30~

György Ligeti (1923-2006)
“Atmosphères” for large orchestra

Richard Wagner (1813-1883)
Prelude to the romantic opera "Lohengrin"

Jean Sibelius (1865-1957)
Symphony No. 4 in A minor, Op. 63

Claude Debussy (1862-1918)
“Jeux. Poème dansé”

Maurice Ravel (1875-1937)
“Daphnis et Chloé”. Symphonic fragments for orchestra, 2nd suite
 今夜のコンサートマスターは樫本大進でした。日本人としては大拍手!やはり嬉しいものです。リゲティの短く瞑想的な曲が終わり、静かな余韻が続くまま大進くんのヴァイオリンの奏でるローエングリンのプレリュードが始まりました。泣きたくなるように美しい導入部です。この後もロマンテックなシベリウスと続いて、休憩に入りました。ザツツに続いてラトルの追っかけのようなスケジュールになってしまったのですが、たまたまこうなったのです。ただ日本公演があっても札幌には来ませんし、東京でも高価なチケット代で、手も足も出ませんから、まとめて聴けたのはラッキーでした。後半はあまり印象に残っていませんが、ベルリン・フィルはやはり世界最高のオーケストラです。重厚さと華麗さ、心身ともに巻き込まれるようなカラフルな響き。。。
↓ 帰途はお腹が空いたので、ホール横のレストランで
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 ↓ アジアン風のドライカレーのようなものをいただきましたが、辛すぎて半分残してしまいました。
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ホテルに戻り、大きなバスタブにゆっくり身を沈めて、5日間続いた音楽シーンのあれこれを想い出したり・・・久しぶりのお風呂を満喫しました。

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2012年夏の旅(7-1)ルツェルン [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/29(水)Luzern8:54→Basel 9:55/15:03→Luzern16:05

 ルツェルンの音楽祭は今夜も素晴らしいプログラム(バレンボエム&スカラフィル/ヴェルディのレクイエム)があります。でも、カウフマンやガランチャが出演ということで、チケットをゲットできませんでした。8割がた諦めて、この日はバーゼルまで行ってきました。バーゼルは次女が大学生のときの1996年以来の再訪です。ルツェルンから1時間の列車の旅です。

 バーゼル駅は一部改装されていましたがそれほど変わっていない印象でした。まず、構内の(i)に行って、街の地図をもらって、美術館まで歩きました。ゆっくり歩いて15分くらい。

↓ バーゼル駅

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↓ バーゼル美術館

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↓ 美術館入口。布の飾りで華やかですが、以前と変わらないロダンの「カレーの市民」がお出迎え。

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またここに来たいと思ったのは以前は日曜日に当たって、入館は無料なものの現代美術のセクションが閉鎖されていたのです。写真禁止のため絵葉書で。。。

↓ ホードラーFerdinand Hodler(1853~1918) 「Der Genfersee von Chexbres ausジュネーブ湖の眺め」1905            

晩年のホドラーは何枚か湖の絵を描いていますが、浮かぶ雲のリズム感と湖の色調が一見単純に見えるのですが、そのホードラー独自の形態のなかに時間を超越したもしくは死生観が漂っているようにも見えてきます。他には傑作の「二―ゼン山」、人物画など多数。

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↓ クレーPaul Klee(1879~1940) 「R荘」(1919)

文字のRをファンタジックな画面に挿入した印象的な作品です。以前は観られなかったので念願がかないました。暫し佇み想像力をかき立てられながら鑑賞。

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↓ ベックリンArnold Bocklin(1827~1901) 「戯れる人魚たち」(1886) 

バーゼル生まれのベックリンとあって、バーゼル美術館のベックリンコレクションは名作揃いです。なかでも「死の島」は世紀末のイメージの死にまつわる図像の代表作です。多数の作品のなかから比較的楽しそうな?人魚たちを選んだのは左下の赤ちゃん人魚が可愛い~から。

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↓ バルドゥング Hans Baldung (Grien) (1484頃~1545) 15世紀のドイツの画家。この時代にあっては表現主義的ともいえる特異な作風で知られています。時々驚かされるような怪しさを感じる作品もありますが、ここでは真面目な「聖母子とともにいる聖アンナ」悪戯なプットーも可愛いし、聖母マリアも綺麗です。

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↓ ヴィッツKonrad Witz(1400/1410頃~1444/1466頃)「シナゴーク」人間救済の鑑の祭壇画の一部

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ヴィッツ初期の作品でバーゼルのザンクト・レオンハルト聖堂の祭壇画でした。バーゼル美術館には失われた部分も多いので、祭壇画スタイルでなく、壁にそれぞれ展示されています。旧約聖書(上段)新約聖書(下段)が呼応する中世の予型論の書物「人間救済の鑑」を典拠に制作。

なかでも注目はこの女性シナゴークです。折れた槍と石板を持つこの女性はシナゴークつまり旧約ユダヤ教会を表わしているのです。伏せているように見えますが盲目・・・石板はモーゼの十戒、折れた槍はキリスト教に対する敗北を意味しています。ストラスブール大聖堂南扉口を飾っている(本物は隣接する博物館にある)目隠しされた女人像(ゴシック期)も同じ図像です。この図像の変遷をたどると、その社会的な背景とユダヤ教徒に対する迫害、虐殺が表裏のようにあぶりだされてくるのです。キリストを死に追いやった責任を何世紀にも渡って負わされたシナゴーク、ユダヤ民族の悲劇が・・・。この図像のステンドグラスや彫刻、絵画のある地域はユダヤ人が多く居住していた地域と一致しているというのも怖い・・・。ということはこのバーゼルの街にも・・・フランス、ドイツとの国境の町でもあり、1897年第一回シオニスト会議もここで開かれていました。

続きます~


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2012年夏の旅(7-2)ルツェルン [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

 ~続きです。

美術館の前庭でアイスクリームを食べて休憩ののち、町の中心のライン川方向へ進み橋の手前のRittergasseを左折。まもまくミュンスターと呼ばれるバーゼル大聖堂が見えてきます。

↓ミュンスター広場から大聖堂の正面を撮影・・・むむ修復中かぁ。。。

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このとき勘違いをしていました。ここが目的のロマネスクの扉口だと思い込んでがっかりしたのですが、この後北側面の方に回って、本命を発見したのです。

☆バーゼル大聖堂  この地は紀元前1世紀のローマ時代にはすでに安定した居住地があったそうで、ローマ風の木造の建築物があり、それは後の時代の教会に影響を与えたと思われています。現在の教会は古い部分は11世紀から、大部分は13世紀のゴシック様式に加えて14、15世紀にも改築されています

↓ 北側外観/扉口の装飾は12世紀終わり。 日差しが強く気温も30度近くに上昇。赤い砂岩の大聖堂と緑の木々のコントラストもお天気が良いと映えます。

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↓ St.Gall’sPortal

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↓ ばら窓は「運命の車輪」タイプ。頂点にキリストの姿があり、それに向かい上昇する人と下降する人が彫られています。下の扉口と呼応した終末の近いこと(最後の審判)を予告したものと考えられます。

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↓ 肝心のタンパンは絵葉書です。

リンテルには賢い乙女と愚かな乙女。タンパンにはキリストの左右にペテロとパウロ。1170~1180頃の作。

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↓ タンパン上部の左右に分かれた彫刻群。最後の審判を知らせるラッパを吹く天使とあわてて身支度する人々?

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 ロマネスク期の終わりごろのしっかりした彫と主題の統一「最後の審判」までの生きかたを問われているような。。。

↓ 左右の側柱に福音書記者たちのシンボル。

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↓ さて、内部に入ってみましょう。

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↓ 南側廊奥のチャペルにあったパネル。トップはミゼリコルディア(1170)、下は使徒たち(1100頃?)

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↓ 上の「ミゼリコルディア/慈悲/巡礼者の歓待」は小さくて良く見えませんでした。絵葉書売り場で気が付いて、どこにあるのかをショップのおばさんに尋ねて、ようやくわかりました。肉眼でもよく見えないところにあるのが残念。写真もピンボケなので、絵葉書です。

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↓ 最後はクリプトを見学

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 大聖堂の後陣は工事の塀で囲まれていましたが、ライン川を眺める展望台になっていて、ランチのサンドイッチなどを食べてくつろぐ人たちが多数。私はここから旧市街を散策しました。

↓ ライン川で泳ぐ子供たち

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↓ 坂道の多い旧市街

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↓ 小路の階段を降りるとマルクト広場にでました。

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↓ 赤い砂岩の美しい市庁舎を眺めながらランチ。

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↓ ビールもソーセージもハッシュドポテトも美味しかったです。

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 若いウエートレスさんに駅まで帰りたいんだけれどというと、すぐ近くの停留所から何番のバスと教えてくれてました。たまたま英語が分かる人で良かったです。バス停で確認のため近くの人に話しかけたら、皆駄目でした。。。そのうちBahnhof SBBと表示のあるバスが来たので乗車、駅に戻りました。ホームで、「甘すぎる~」といいながらアイスクリームを食べて列車を待ち、

↓ 予定通りの列車でルツェルンに帰りました。

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夕方になると雨が降ってきました。疲れもあってチケットをゲットする気力も失せ、部屋で休養。。。夕食は散策がてらカぺル橋のほうへ行ってみました。

↓ 湖側のゼー橋を渡ると音楽祭の会場が見えて、そろそろコンサートが始まるころかしらと悔しくなって。。。

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↓ カぺル橋の見学は後にして、10年前に友人たちと来たことのあるこの川畔を懐かしく歩いていましたら、

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↓ 急に土砂降りの雷雨になり、あわてて近くのイタリアレストランに飛び込みました。海老のパスタとティラミスの夕食。味は普通ですが、イタリアの倍くらいの食事代。。。

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↓ 夕食が終わって帰るころは雨も上がり

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↓ 夕闇に浮かぶロマンチックなカぺル橋を渡ってホテルへ。9時過ぎてもまだ暗くなりませんし、花々も綺麗な夏の終わりの旅はやはり、良いものです。

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Booking.comのホテルの説明にはWi-fiは24時間20CHFとなっていたので、2日目は節約と思って繋げなかったのですが・・・翌朝清算のときフリーと言われて、あらら・・・損しちゃった。

明日からはスペインです。


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2012年夏の旅(8)ルツェルン~バルセロナ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/30(木) Luzern9:00頃→Zurich10:00頃/12:20→Barcelona14:00 (Swiss Air)

Barcelona/BWH Ranblas 1泊(137€)

 この日は厄日でした。朝出発のときi Phoneをベットの上に置き忘れてきてしまったのです。つい最近買い替えたばかりで、色はホワイトでした。ベットの蒲団が白色だったので、遠めに見えずらかったのが災い・・・。しかも気がついたのはチューリッヒ空港でバルセロナに飛び立つ寸前。私の場合、旅先ではNETやE-mailはi Padを使い、携帯電話は主に家族との連絡と目覚まし時計くらいなのです。それで、うっかりしてしまったという訳。。。

バルセロナ空港についてすぐに公衆電話が見つかったから良かったのですが、この後は苦労することになりました。。。

まずはアパートの管理人さんに連絡して、アパートの前で30分後に待ち合わせをすることになりました。リセウ劇場のすぐ近く、アパートの玄関が劇場のボックス・オフィスの目の前という立地に魅かれ、Booking.comで予約しました。TAXIで賑やかなランブラスからSant Pau通りに入って10mくらいの所在地の番地に着きましたが、ザルツブルグと同様アパートの名前などありませんし、管理人さんも現れません。待っていたのは数分でしたが、徐々に良くなったとはいえ柄の良くない界隈ですから、スーツケースを持ってぼんやり路上に立っているのは心細いものでした。

やがて管理人の若い男性が現れ、4階の部屋へ案内されました。ここで先払いをして、鍵の使い方など教わりました。面倒だったのはスーツケースを預けることでした。カタルーニャの北を巡り、5日後に再度戻ってくることを説明して、ようやく預かってもらうことに同意してくれたのですが・・・チェックアウトの時スーツケースを部屋にそのまま置いて出てくださいとのこと。後から下の物置に入れておくからというのです。今までのホテル泊ではなんの問題もなかったことなので、少し不安でした。

アパートの部屋は改装したばかり?のようで設備も整い、広い1LDKで清潔でしたが、1階の共同の細い廊下や入り口付近は殺風景です。1フロアに1部屋なので、エレベーターのドアは2重になっていますし、セキュリティはしっかりしています。

↓ リビング

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↓ リビングからキッチン方向(全自動洗濯乾燥機も)

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↓ 廊下の向こう奥がベットルームとバスルーム(バスタブつき)。廊下の右側にエレベーター。

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早速洗濯機を回して(洗剤も用意されていた)、i pad(Wi-fiフリー)をつなげると、ルツェルンのホテルからi Phone預かってますが・・・というメールが入ってました。もうスイスには戻らないので、日本までの送料が高ければ、破棄してくださいと返信したのですが、これが届いていなかったのです。NETで、海外に携帯電話を忘れた場合を検索したのですが、中国から6万円の送料がかかったとか怖い話ばかりで、気が滅入りました。

そうこうしているうちにお腹もすいてきて、いつものバスク・バルへ。観光客が多い店ですが、一人でも気軽に食べられるのと、味もGoodです。

↓ 今年の1月以来です。やはりさほど混んではいませんでした。

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↓ カヴァにピンチョス数個でお腹がいっぱい。20€くらい。

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 アパートの玄関の鍵を開けるときは、少し緊張しましたし、室内に電話がないので何かあったときはどうしよう~という不安もありました。おまけに夜中にインターフォンが鳴ってびっくり。通りを歩いていた酔っ払いが悪戯したようで、怖かったです。リビングは通りに面していて、夜中までかなり騒がしいのですが、寝室は裏なので静かです。

目覚まし時計もないので不安なせいもあって、まだ時差ボケも残り、朝方早くに目が覚めてしまいました。


タグ:バルセロナ
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2012年夏の旅(9)バルセロナ~マンレーザ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

8/31(金) Barcelona(Pl.Catalunya)8:44→Manresa10:02

Manresa/Hotel 1948 Manresa 1泊(63.5€)

 せっかく立派なキッチンなのに、ここバルセロナのアパートは1泊だけですし、これから数日はご飯も食べられないので、朝食はレトルトの白米をチーンしたお握りにコーヒーとバナナだけで済ませました。スーツケースと鍵を部屋に残し、カタルーニャ広場の近郊線乗り場へ。徒歩10分くらい。

実はバルセロナには2泊の予定でしたが、旅に出る直前にマンレーザとバルセロナを往復するのは時間のロスと気がつき、ここを1泊にして、マンレーザに泊まることにしたのです。結局これがラッキーな方向に動くことになったのですが・・・。

でも初めは躓きました。マンレーザの駅は2つあって、私が降りるはずだったホテルとバスターミナルに近い駅(Manresa-Alta)へは停まらなかったのです。カタルーニャ近郊線のサイトでは駅の詳細で確認したのですが・・・?

↓バルセロナからマンレーザまでの列車はモンセラート山の裾野を走り、素晴らしい景観でした。列車の中から何枚か撮りましたがピンボケ。

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↓ モンセラートに一番近く、モンセラートなんとかという名前の付いた駅。でも乗降客は見えず、ひっそりしていました。

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↓ モンセラートは聖なる山。裾野には修道院や教会が点在しています。

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 ↓1時間20分ほどでマンレーザ駅に着きましたが、

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↓ 降りた駅前の状況がグーグルでチェックしたのと違います。目の前はバスターミナルのはずが、立派な大聖堂がそびえています・・・?

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不思議に思いながら駅前の橋を渡り、バスターミナル何処?と道行く人に尋ねますが、あっちで遠いと指差すばかり・・・アクセサリー屋さんのお姉さんが親切に、私の荷物を観てTAXIで行ったほうが良いわと電話してくれました。英語も通じて優しい人でした。TAXIの運転手さんにも、ホテルの名前を言ってくれて「良い旅を!」と見送ってくれました。スペイン語もできなくて、無謀かなと思いながらの旅(今回に始まったことではないけど 汗)でしたが、困っていると英語の分かる親切な人が現れるのです。。。

マンレーザのホテルはバスターミナルのすぐそばで、家族経営の小さなホテル(☆1)です。ハンサムな兄弟がレセプションで、とても親切に対応してくれて、感動もの!でした。私の行きたい聖堂のある町Bergaのインフォに電話してくれて、オープンしているかどうか確認してくれました。Pedretは明日土曜日は11:00から開くよというので「えっ、明日土曜日ですか?」予定を組んだ段階でなぜか曜日ミスをしていたのですから…我ながら呆れたぼけぶりです。それに現地に着いてからインフォで申し込めば見学できると思っていたのんきものです。Pedretは土、日しか開いてないとのこと。危ないところでした。マンレーザに泊まったおかげです。おまけにこれから行く近郊のSaint Benetの帰りにランチしたいというと、ホテルの近くにあるよと紹介してくれました。

☆Sant Benet de BAGES

 マンレーザからTAXIで15分くらい東に、途中田舎の農道のような道を走りサン・ブネ・ド・バジェス修道院に到着しました。TAXIは電話をしたら迎えに来るよと街に戻っていきました。入口からは修道院は見えません。インフォの立派な建物があり、そこで見学を申し込みます。ところが11時に修道院の最終ガイドは終わったというのです。回廊だけでもとお願いすると、ガイドさんに連絡してくれて、12時からここに住んでいたファミリーの館のガイドがあるから、それに参加した後、回廊に案内してもらえることになりました。

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↓ インフォメーション・センターの裏側から修道院が見えてきました。

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修道院は12世紀後半から13世紀初めのロマネスク後期の建築ですが、最初の教会は10世紀に奉献されましたが、11世紀にムーア人による支配や破壊を受け、1114~1115には修道院は閉鎖されました。その後12世紀末に新しく建設が始まりました。以後いくつかの改築を経ています。教会内部は入れませんでしたが、ここの見どころは回廊です。

↓ 門があり扉を開けてみました。まだツアーには時間があり外観だけでも観たかったのです。

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↓ 左方向に教会が見えました。

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教会の右に隣接して旧司教館。ここの持ち主だったファミリーの館です。

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↓ ロマネスク後期の扉口の彫刻。ライオンや鳥が繊細に彫られています。

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時間になり、私とフランス人のご夫婦の3人の参加者でガイドツアーが始まりました。映像なども駆使して、19世紀末ごろ?司教館に住んでいたファミリーの優雅な生活、インテリアなど観て回りました。カメラ禁止です。礼拝室が寝室になって居たりで?すが、廃墟同様の修道院を再建した功労は大きいと思います。昨年訪問したナルボンヌ近くのフォンフロワド修道院も個人が再建したこと、ガイドツアーで回るシステムなど似ています。

さて、ようやく回廊に案内されました。13世紀初頭の様式とのことですが、おそらくは10世紀の創建当時のものと考えられる柱頭彫刻が残っていて、中庭の自然な感じの残る緑の木々とともに心に残る光と影の空間でした。

↓ 回廊の石畳は17世紀とのことですが、素敵です。

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↓ 右の天使の大きく広げた羽根、比べて脚が短いのも可愛い。

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↓ 馬に乗る狩猟の騎士。写真では白っぽくなってしまいましたが、長く垂らした髪がなんともいえない品の良い後姿。

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↓ マントに幼子イエスをくるんで抱く聖母マリア。衣装の裾の襞が上のエンジェルと似ているので、同じ彫刻家の作と思われます。

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↓ なかでも興味深いのはこのホルンを吹く人たちと、その間に鳥(梟?)の柱頭彫刻。コンクのサント・フォア教会に似たものがあるそうですが、かなり珍しいタイプ。ホルンを吹く人はサンティアゴのが印象に残っています。

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↓ ガイドさんがここサン・ブネの最も重要な柱頭彫刻と説明したのが、4面に彫られたプレ・ロマネスクの作。この10世紀のイコニックなオランスのポーズの祈る人。他の面に受胎告知、ご訪問、植物。

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↓ 人が掴んでいる綱のようなものは死んだ蛇だそうですが、主題は?

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↓中庭は荒れた感じではありませんが、あまり手を入れてないのが返ってナチュラルな雰囲気。

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こじんまりとした回廊ですが、とても個性的でミステリアスなものが多く、ガイドさん無しでもっとゆっくり見学したかったです。それでも特別に案内していただいて感謝でした。インフォに戻り、気が利く案内係の若い女性に「素晴らしい回廊が観れて良かったわ。ありがとう」とお礼を述べて、TAXIが迎えに来るまではショッピング。図録のほかにトマトや梨など。

↓この周辺は農家が多いので、出店でしょうか、夏野菜が並んでいました。 トマトはいろいろな種類があって迷いました。写真は一部しか写っていませんが・・・

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  すでに2時半ごろでしたが、スペインはレストランのランチは14:00からなので、丁度良い時間です。マンレーザのレストラン(CAL SPAGUETTI)はホテルから予約が入って居て、すぐにテーブルに案内されました。かなり繁盛しているお店で、予約がないと無理なようです。

↓ 本日の定食からガスパッチョ、烏賊とムール貝、クレマカタラナ。ワイン、コーヒー、水を含めても30€もしません。安くて美味しくて、大満足。ホテルのお兄さんの友人なのか若いシェフが帰るとき、飛んできて外まででて、ホテルへの道筋を説明してくれて、嬉しかったです。

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徒歩数分でホテルです。2階にオーナーファミリーの住まい。3,4階がホテルです。エレベーター有り。

↓ 部屋はシンプルで清潔、シングルでも広めのベット、バスルームは窓が付いていて明るいのですが、シャワーのみです。難点はホテルの前の通りの車の騒音がかなりすること。でも田舎なので12時ごろには静かになりました。

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昼食が遅かったのでお腹もすきません。夜9時ころに熱湯をもらって簡単雑炊をつくり、トマトやフルーツもいただきました。一日一回の外食で、あとは簡単なもので済ませることが多くなりました。そのほうが胃や腸も休まリ、体調を崩すこともなく過ごせたのかなと思います。


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2012年夏の旅(10-1)マンレーザ~カルドナ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

9/1(土) Manresa-Alta10:25→Berga11:30/14:30→Manresa-Alta15:35/16:00頃→Cardona16:30頃

Cardona/Parador de Cardona 1泊(157.2€朝食込)

 この日の朝は今にも雨が降りそうな曇り空でしたが、徐々に晴れてきました。1☆とは思えない美味しい朝食をいただいて、荷物をホテルに預け出発。少し坂を下りるとバスターミナルです。

↓ ホテル3階の廊下の端にあるサンルームのような明るいコーナー

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↓ 2階のオーナーのテラスの下方にバスターミナルが見えます。

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↓ マンレーザのバスターミナル(土、日、祭日はバスの本数が少ない)。平日のつもりで予定していた便がなく、遅い出発になりました。

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 マンレーザから北に向かって1時間走り、ベルガに到着。ベルガはターミナルではなく広い通りが終点の停留所です。事前にGOOGLEのストリート・ビューで確認したとおりにTAXIが並んでいました。一番前のTAXIに乗ろうとしてややひるんだのは、若い運転手さんが今流行りのツンツン立ったヘアースタイルで、シャツも黒の光沢のある派手なもの。目つきも鋭い…でも顔を見てからやめるわけにはいきません。渋々乗ってベルガから東に3Kの、小高い山の中腹にあるサン・キルセ・デ・ぺドレ聖堂へ。ただし、聖堂の登り口の手前の古い石橋は車が入れませんから、ここで降車しなければなりません。13:00に迎えを頼みました。この運転手さんちゃんと来てくれるか心配でしたが・・・。

↓ リョブレガト川にかかるロマネスク期の橋。ここから教会は見えませんが案内板が立っています。

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↓ 橋からの眺め。釣り人の姿。

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↓ 石橋を渡ると、山道に入るところに標識が立っています。老体の私は当然右へ。

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↓ おかげさまで(笑)平坦な道をのんびり歩いて15分くらいで聖堂が見えてきました。

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ここへ見学に来る人は他になく、犬が「誰か来た~ワンワン」とチェックにやってきたので、「吠えないでよ。遠くから来たんだから~」「あれっ!わけわからん言葉で文句言ってるみたいだ・・・」

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↓ すると聖堂のあたりから犬を呼ぶ声と口笛がしました。犬は今度は私を先導するかのようにおとなしく戻りました。扉口の前に管理人さんたち(若い男女3人)が待っていてくれました。「こんにちは!可愛いわんこ達ですね」心の中は「携帯はいいから犬をなんとかしなさいよ」(ブツブツ)

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入場料2€。英語のガイドもしますといわれましたが、フリー見学にしてもらいました。そっと管理人さんは出て行って、私一人にしてくれました。「とうとうここへ来ました・・・」

今となってはいつごろここのモサラべの壁画「オランテ祈る人」に魅かれたのかははっきりしないのですが、ここのはコピーで、本物はソルソナ美術館にあるということだけは頭にインプリットされていました。ところが昨年バルセロナのカタルーニャ美術館を再訪したときに、ぺドレの壁画についての説明板があり、あのロマネスク時代の傑作「十人の乙女」の壁画が、この聖堂にあったことを知りました。また林ふじ子著「スペイン・プレ・ロマネスク紀行」にも記述があり、それも参考に今回の旅で訪れることにしたのです。

個性的で魅力的な壁画のあった聖堂に佇み、暗い堂内に浮かぶ馬蹄型のアーチを前にすると、スペインのロマネスクの魅力の原点。そして遠くのどこからか何かを語りかけてくるような・・・。

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☆ サン・キルセ・デ・ぺドレ聖堂

スペイン・プレ・ロマネスクのモサラべ美術はアラビアの支配下にありながら、キリスト教を捨てず信仰を守った人々によって、8世紀から11世紀までの間にイスラム文化の影響を受けながら優れた建築、彫刻、壁画を残しました。現在ソルソナ美術館に収蔵されている10世紀の壁画2点は中央祭室に、カタルーニャ美術館に収蔵されている12世紀の壁画は南北の小祭室に描かれていました。現在はそれぞれあまり巧いとは言い難いコピーが描かれています。

最初の聖堂は9世紀末の建築でしたが、10世紀中ごろに南北の祭室と側廊が設けられたり、改築が何度かありました。

↓ 向かって左の北祭室とその前の側廊は中央より三段ほど高く、奥の北壁は土と岩がむき出しで、窓もありません。

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↓ 外観/山の中腹、岩盤の上に建てられた聖堂。管理人さんたちのいる庇のかかった玄関間は1995年に増築されたもの。ゾディアック叢書(カタルーニャ・ロマネスク)の写真(下)には残っていた崩れかけた鐘塔(18世紀築)はその1995年に取り払われたようです。

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↓ 西側外観

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↓ 訪れる人もほとんどないような・・・サン・キルセを背に山道を下りました。

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↓ 帰り道はようやく人影が…自転車の母娘でした。

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 12:55、約束の5分前に石橋まで降りてきました。すると、すでにTAXIが待っていました。この後フロンタニヤに行って欲しいと頼んでいたので、ほっとしました。この運転手さんは見かけによらず、S字型カーブの多い道では気分は大丈夫かと声をかけてくれたり、優しい人でした。そのうえ、他の町のTAXIに比べると(走行距離や待ち時間など)かなりリーズナブルでした。

ベルガから北東に30Kくらいの、ここもかなりな山間の小さな村に建つフロンタニヤへ。先ほどのリョブレガト川の流れつく大きな湖とダム(La Baells)を眺めながらハイウエイをリポイ方面に走り、Borredaの町はずれの標識から左折し、山道を登っていきました。

☆San Jaume de Frontanya/サン・ジャウメ(聖ヤコブ)に捧げる最初の教会ができたのは905年のこと。現在の教会は11世紀の中頃に建設されました。イスラムの勢力から逃れて来た人々によって、この地に篤い信仰を集めて建てられた見るからに堅固な佇まいです。

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ベルガのインフォでは鍵を預かっているバルがあるとのことでしたが、到着してみるとすでに扉は開いていました。教会の横の空き地にテーブルを出して、飲食をしていた人たちや車で自転車で見学に来た人たちで賑やか。

↓ 西正面。ロンバルディア帯やくり抜かれたクロスがバランスよく、安定感があります。

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↓ 内部もこれといった装飾のないシンプルな空間で、横断アーチや石の量感はまるでシトー派の教会のよう。

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↓ 交差部の天井

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↓ 北側外観 正面上部の鐘塔は16世紀に増築されたもの。

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↓後背部

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↓ 岩山を背後に簡素なフォルムを見せて、素晴らしい眺めです。どんな嵐にも負けない強さと内包する豊かさを。。。教会建築の傑作ではないでしょうか。

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このフロンタニヤのように教会建築そのものとそれが自然とともにある風景はなんて素敵なのでしょう!。現地へ来て観ること。。。ロマネスク行脚の大きな魅力です。それをひしひしと感じながらTAXIに戻り、ベルガのバスセンターへ。発車10分前の滑り込みでした。それでも目の前のバルの店先に並ぶサンドイッチを買って乗車できました。発車5分前にならないと運転手さんも現れませんから。トントン拍子にいった本日の前半戦(笑)に、大いに満足しながら、バスに揺られて、マンレーザにリターン。そして、ホテルで荷物をピックアップしてTAXIを呼んでもらって、次の目的地カルドナへ向かいました。続きます~


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2012年夏の旅(10-2)マンレーザ~カルドナ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

9/1(土)

~続きです。

 さてマンレーザからカルドナまではバスがあるのですが、バス停が大聖堂やパラドールのある山の麓なので、荷物を引いては到底無理です。バス停の近くからTAXIを頼むこともできるとは思いましたが…なにしろ、田舎ですから、すぐ来てくれるかどうかも分からないのは不安です。それでも30Kの距離で30分で50€とは!午前中その倍以上の距離を走って2か所の教会で待っててもらって3時間で70€だったのにぃ~と文句言おうと思ったけれど、スペイン語は全くダメなので涙。

 ↓ それでも予想していた以上に高所で聳えているお城や教会を見て、TAXIで来て良かったと思いました。

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↓ 急勾配の坂道の突き当りにパラドール

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↓部屋は天蓋つきのベット

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↓ 一息入れた後はウエルカム・ドリンクの券をいただいたので、カフェへ。お城を改造したパラドールですから広いうえに迷路のようです。レセプションでもらった見取り図を見ながら・・・途中、こういう素敵なリビングコーナーなども。

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↓ カフェのテラス  夕方になって風が冷たくなったので、室内でビールをいただきました。

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↓ さて、サン・ビセンス教会はまだ開いているはずと、ロビー階に下りて、パラドール玄関前の中庭から行ってみました。

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 ところが扉は閉まっています。そして目についたのがガイドツアーの看板…明日11時からとのこと。このときパラドールの横にあるインフォに行けばまだ間に合ったのかもしれませんが、前日のサン・ブネのようにガイドツアーでなければ教会も見学できないのだと、早とちりしてしまいました。有料なのでインフォで入場料を払い、鍵を開けてもらうシステムになっているようです。

↓ 教会の西正面とアトリウム

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↓ 教会の玄関ポーチ

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 夕食は8時からなので、時間通りにレストランに行ってみました。当然私が一番乗りでした。9時過ぎてから徐々にお客さんが入ってきましたが、土曜日のディナーとしては席は半分も埋まりません・・・食べてみて納得。高くてあまり美味しくないのです。

↓ 茄子のひき肉づめ

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↓ 主菜はカタルーニャ風海老と鶏肉の煮込み

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↓ デザート

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立派なレストランで、サービスもまあまあなのですが、お皿やグラスが欠けていたり、なによりもこの味では・・・。事前のチェックではかなり評判が良かったので、がっかりでした。

明朝は早起きしてI先生お勧めの朝焼けのビセンス教会を撮るつもりなので、お風呂に入って早めに就寝。


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2012年夏の旅(11-1)カルドナ~ラ・セウ・ドゥルジェイ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

9/2(日) Cardona12時頃(TAXI)...Solsona12:30頃/17:35→La Seu d'Urgell 19:06

La seu d'Urgell/Parador de Torismo La Seu d'Urgell 2泊(1泊105€朝食込)

 めっぽう朝に弱い私ですが、目覚まし時計もないのに奇跡的に7時ごろ目が覚めました。まだ薄暗かったのですが、日が昇ってしまったら大変!と洗顔だけ済ませ、急いで外へ。気温は15度くらい、薄手の半コートでは寒いくらいでした。

↓ 坂道を少し降りて、サン・ビンセンス教会の後陣(東)の方向へ。

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↓ 後背部の展望台から東の空を眺めました

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↓ 西方向(写真では右端に)月が見えてます。

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↓ 5分もしないうちにやや明るくなってきました。

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↓ 展望台に着いてから10分後には朝日を浴びたサン・ビンセンスを拝めました。

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↓この直後の黄金色も綺麗でした。

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山のほうを振り返ると、すでに太陽は昇り、麓の町や村もくっきり見えてきました。いつもの朝の始まりです。カラフルに染まったサン・ビンセンスと城壁、岩や土・・・ここでも自然とロマネスク教会の素晴らしい調和に、感嘆しつつホテルに戻りました。

シャワー、シャンプーを済ませ、8時に朝食にレストランへ。またもや1番乗り。今日は日曜日なので特に遅く朝食をとる人が多いようです。

↓ びっくりするほど種類の多いブッフェ・カウンター

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↓ 朝から1杯飲みたくなる(笑)・・・チョリソにガスパッチョも。

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建物がしっかりしているので、他の部屋の物音など少しもしません。誰も泊まっていないみたいですが、チェックアウトにレセプションに降りてみると、人の出入りがかなりありました。

荷物を預け、教会のほうに行ってみましたら、扉が開いていてなかには多数の人。そうです。今日は日曜日なので、ミサが始まる寸前でした。慌てて教会内部の見学をしました。

☆ Sant Vicenç de Cardona サン・ビセンス・デ・カルドナ教会  

 丘の上の要塞のような立地からも、ここがイスラム勢力から逃れて築かれた防護の城であったことがわかります。教会の奉献は1040年ころの記録があり、新教会が建設されました。

外観はロンバルディアスタイルのフリーズ装飾以外はほとんどなく、フロンタニヤ同様その石の量感が重々しく、確固たる信仰のパワーを感じさせるのです。

内部はこのとき何のためか分かりませんが、透ける布が天井付近を覆っていて、邪魔でした。少なからず落胆しました。落石防止だとすると、近々修復に入るのかも・・・。

↓ 20Mの高さのあるという大空間の主身廊

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↓ 側廊

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↓ すでにミサのために座っている信者さんの前を厚顔にもクリプトに降りて行きました。天井の荒い石組みをゆっくり眺めている暇もなく・・・。

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神父さまが祭壇にお立ちになる前に、見学を終わらせることができました。壁画も柱頭彫刻もないので・・・。

↓ 教会前のプレート。なんだ、きちんと表示されているではないですか。昨日ゆっくり見学できたのに~。

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↓ でも、インフォが問題です。昨日は係員がいなかったですし、この日曜の朝も観光客が11時ごろにはインフォの前に集まってきましたが、扉も閉まっていて困ってました。

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↓ ホテルのロビー。ソルソナまでのTAXIを頼みましたが、30分も待たされました。

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続きます~


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2012年夏の旅(11-2)カルドナ~ラ・セウ・ドゥルジェイ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]

9/2(日)

~続きです。

 カルドナの西北20Kのソルソナに向かいました。バスもあるのですが、ラ・セウ・ドゥルジェイまでは一日に2本程度の便なので、時間が合わなくて使えません。ソルソナには美術館があり、バルセロナ、ヴィックと並ぶカタルーニャ・ロマネスクの至宝が収蔵されています。特に昨日訪れたサン・キルセの壁画がここに移されているので、素通りはできません。

TAXIは美術館の近くで停まりました。ここもGoogle Earthでチェック済みでしたが、表示が目立たず素通りしてしまいました。キャーリーバックを引きながら、ぐるりとこの坂道の多い一角を一巡・・・あら!さっき通ったところじゃないの~カルドナで懲りずに注意力散漫な自分に「しっかりしてよ!」と喝でした。

↓ ソルソナ美術館はつきあたり。前の小さな広場は車の乗り入れはできません。

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美術館はカテドラルに隣接する司教館に設けられています。正式な名前はMuseo Diocesano y Comarcal de Solsona 。

↓ 館の中に入りますと、案内看板そして階段の上に入口が見えました。今日は日曜日なので10:00~14:00まで。ウィークディだったら、やたら長い昼休みに遭って、往生したことでしょう。

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荷物があるので、受付で預かってもらいました。ここからは夕方のバスまでたっぷり時間がありますが、先史時代からのコレクションは通過してロマネスクの部屋に直行。

↓ 展示室から隣のカテドラルの鐘塔が見えます。

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↓ 木彫の聖母子像(12世紀) 旧蔵不明

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↓12世紀の円柱像「聖ヨセフと聖母」。トゥールーズのマスター・ジルベールの作と推定されている。ソルソナの回廊旧蔵

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↓ 狩りの場面 12世紀。ソルソナのサンタ・マリア教会旧蔵

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↓ グりフォンが刻まれた扉口のタンパン。ソルソナのサンタ・マリア教会旧蔵(12世紀)

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↓ MadronaのSant Pere教会クリプトにあった柱頭彫刻(12世紀末~13世紀初め)。チュニックを着た男。冠板に「MIRUS ME FECIT」の文字。この意味を調べて検索。すると引っかかったのが下のフリックコレクションのデータベース。ミロがこの彫刻から影響を受けたという・・・。

http://research.frick.org/spanish/browserecord.php?-action=browse&-recid=3402

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↓ 祭壇前飾りのパネルが2枚。12世紀後半。Sant Andreu de Sagas旧蔵

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↓右上/ 市松模様に赤・黄に塗り分けられた木地にくっきりとシンプルに描かれたキリスト降誕の場面。これ以上の省略はないのに、素朴で豊かな信仰の心があふれています。カタルーニャ・ロマネスクの傑作です。

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↓ もう一枚は

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↓ 上左のアダムとイブ。罪を犯した後のシーン。

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↓ 12世紀の壁画。サン・ビンセンス・デ・ルス(RUS)旧蔵

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↓ 使徒たち(部分)上部に描かれた文字は神の栄光を讃えています。

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↓ これがサン・キルセの10世紀の壁画「オランテ祈る人」のオリジナルです。白い壁地にたった2色で描かれ、そのシンプルでいて秘教めいた、魔術的なイメージ・・・前日訪れた山上の小教会に居て、これを観ていると想像しながら・・・。

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↓ 同じく主祭室に飾られていたクロスの中央に騎士と孔雀。ほかに人物と馬。魂の救済の象徴だそうです。

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↓ 上のモサラべのフレスコ画の上に11世紀の終わりごろ描かれたものが再現されています。細部を撮影しましたが、ピンボケ。

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↓ 子羊の座を拝する24人の長老たち

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↓同じくサン・キルセ右壁の 「黙示録の4騎手」とセラフィム(絵葉書)

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↓ 「最後の審判の天使たち」13世紀。Sant Pau de Casserres旧蔵

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このほかのゴシックにはカルドナやフロンタニャにあったものなど・・・。

↓ 荷物を受け取り、隣接のカテドラル(サンタ・マリア教会)へ。

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↓ 教会はバロックに改装されていますが、回廊に面してロマネスクの窓が残されています。

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すでに2時を過ぎていました。ランチは教会の広場の前のバルのテラス席で。パン・コン・トマテの生ハムつきを注文しましたらこれがでてきて↓

自分でパンににんにくをこすり付け、トマトもその上からぐちゃぐちゃにつぶし・・・昨年一度経験があったのでできました。隣席のおばさまたちが心配そうにこちらを見ていましたが、出来上がるとOK!と笑顔。とても美味しくって、ロゼワインとともにパクパク完食。

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食後は街の散策。

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↓ 民家の壁にはめ込まれていた馬蹄型アーチのパネル。

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 日曜日なのでひっそり。閉まっている店も多いようです。コーヒーを飲みがてら、バルの人にTAXIを頼んだのですが、滅多にTAXIを頼む客などいないらしくて、どうも通じません。そこに現れたのが、丁度交代でやってきた若い娘さん。この方は英語ができて、Oliusへ往復というと、教会ね!クリプトが素敵なのよと話が早い~。TAXIはなかなかつかまらなくて20分ほど待たされましたが、彼女のおかげで無事ソルソナから数キロのオリウスへ行くことができました。

村というより集落、数軒の家があるかないかの鄙びた山里に、教会は民家に隣接して建っています。外観を観ていたらその隣家から大きなブルドックが吠えながら突進してくるではありませんか~思わず「きゃ~!!!」寸でのところで、呼ぶ声がしてワンコはストップ。やれやれ。大きな犬に飛びつかれて噛まれなくても、後ろに倒れたら骨折間違いなしですから、怖いです。

↓ 外観/後陣から

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↓ 入口の案内板/11世紀のクリプタが見どころのようです。

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内部には係りの女性の方が座っていましたが無料です。

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↓ 粗い石の素朴さ、長い年月1000年!を経た風合いがたまりません。

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↓ クリプタの上の祭室の窓と柱頭彫刻

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丁度バスの時間になり、ソルソナのバスターミナルへ。ところが事前に調べてきた17:15のバスが張り出されたタイムテーブルに見当たらず?17:35になっています。ターミナルのバルでコーヒーを飲みながら待機。結局10分遅れてやってきたバスでラ・セウへ。

↓ 途中の景色/国境のアンドラまで20Kのところにあるラ・セウ・ドゥルジェイ(通称ラ・セウ)への道は変化に富んでいて、飽きず眺めました。

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ラ・セウのバスターミナルには19:00頃到着。今夜の宿は徒歩3分くらいのパラドールです。チェックインの時、丁度バイクを積んだ大型車とともにツーリングのツアー客が・・・。60代くらいのシニアのバイク野郎たち。かなり年輩の方や女性もも混じっていてびっくり。でもかっこいい~!

↓ 部屋はモダンな内装。ベランダにも出られます。

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夕食はパラドールのレストランで。ほとんど満席。味もカルドナに比べるとずーっと美味でした。

↓アミューズのスープ、前菜のキノコのリゾット、主菜の串焼き、満腹でデザートはパス。

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移動が多く長い一日でしたが、ここでは連泊なので、少しはのんびりできるでしょう。


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