2012年夏の旅(9)バルセロナ~マンレーザ [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]
8/31(金) Barcelona(Pl.Catalunya)8:44→Manresa10:02
Manresa/Hotel 1948 Manresa 1泊(63.5€)
せっかく立派なキッチンなのに、ここバルセロナのアパートは1泊だけですし、これから数日はご飯も食べられないので、朝食はレトルトの白米をチーンしたお握りにコーヒーとバナナだけで済ませました。スーツケースと鍵を部屋に残し、カタルーニャ広場の近郊線乗り場へ。徒歩10分くらい。
実はバルセロナには2泊の予定でしたが、旅に出る直前にマンレーザとバルセロナを往復するのは時間のロスと気がつき、ここを1泊にして、マンレーザに泊まることにしたのです。結局これがラッキーな方向に動くことになったのですが・・・。
でも初めは躓きました。マンレーザの駅は2つあって、私が降りるはずだったホテルとバスターミナルに近い駅(Manresa-Alta)へは停まらなかったのです。カタルーニャ近郊線のサイトでは駅の詳細で確認したのですが・・・?
↓バルセロナからマンレーザまでの列車はモンセラート山の裾野を走り、素晴らしい景観でした。列車の中から何枚か撮りましたがピンボケ。
↓ モンセラートに一番近く、モンセラートなんとかという名前の付いた駅。でも乗降客は見えず、ひっそりしていました。
↓ モンセラートは聖なる山。裾野には修道院や教会が点在しています。
↓1時間20分ほどでマンレーザ駅に着きましたが、
↓ 降りた駅前の状況がグーグルでチェックしたのと違います。目の前はバスターミナルのはずが、立派な大聖堂がそびえています・・・?
不思議に思いながら駅前の橋を渡り、バスターミナル何処?と道行く人に尋ねますが、あっちで遠いと指差すばかり・・・アクセサリー屋さんのお姉さんが親切に、私の荷物を観てTAXIで行ったほうが良いわと電話してくれました。英語も通じて優しい人でした。TAXIの運転手さんにも、ホテルの名前を言ってくれて「良い旅を!」と見送ってくれました。スペイン語もできなくて、無謀かなと思いながらの旅(今回に始まったことではないけど 汗)でしたが、困っていると英語の分かる親切な人が現れるのです。。。
マンレーザのホテルはバスターミナルのすぐそばで、家族経営の小さなホテル(☆1)です。ハンサムな兄弟がレセプションで、とても親切に対応してくれて、感動もの!でした。私の行きたい聖堂のある町Bergaのインフォに電話してくれて、オープンしているかどうか確認してくれました。Pedretは明日土曜日は11:00から開くよというので「えっ、明日土曜日ですか?」予定を組んだ段階でなぜか曜日ミスをしていたのですから…我ながら呆れたぼけぶりです。それに現地に着いてからインフォで申し込めば見学できると思っていたのんきものです。Pedretは土、日しか開いてないとのこと。危ないところでした。マンレーザに泊まったおかげです。おまけにこれから行く近郊のSaint Benetの帰りにランチしたいというと、ホテルの近くにあるよと紹介してくれました。
☆Sant Benet de BAGES
マンレーザからTAXIで15分くらい東に、途中田舎の農道のような道を走りサン・ブネ・ド・バジェス修道院に到着しました。TAXIは電話をしたら迎えに来るよと街に戻っていきました。入口からは修道院は見えません。インフォの立派な建物があり、そこで見学を申し込みます。ところが11時に修道院の最終ガイドは終わったというのです。回廊だけでもとお願いすると、ガイドさんに連絡してくれて、12時からここに住んでいたファミリーの館のガイドがあるから、それに参加した後、回廊に案内してもらえることになりました。
↓ インフォメーション・センターの裏側から修道院が見えてきました。
修道院は12世紀後半から13世紀初めのロマネスク後期の建築ですが、最初の教会は10世紀に奉献されましたが、11世紀にムーア人による支配や破壊を受け、1114~1115には修道院は閉鎖されました。その後12世紀末に新しく建設が始まりました。以後いくつかの改築を経ています。教会内部は入れませんでしたが、ここの見どころは回廊です。
↓ 門があり扉を開けてみました。まだツアーには時間があり外観だけでも観たかったのです。
↓ 左方向に教会が見えました。
教会の右に隣接して旧司教館。ここの持ち主だったファミリーの館です。
↓ ロマネスク後期の扉口の彫刻。ライオンや鳥が繊細に彫られています。
時間になり、私とフランス人のご夫婦の3人の参加者でガイドツアーが始まりました。映像なども駆使して、19世紀末ごろ?司教館に住んでいたファミリーの優雅な生活、インテリアなど観て回りました。カメラ禁止です。礼拝室が寝室になって居たりで?すが、廃墟同様の修道院を再建した功労は大きいと思います。昨年訪問したナルボンヌ近くのフォンフロワド修道院も個人が再建したこと、ガイドツアーで回るシステムなど似ています。
さて、ようやく回廊に案内されました。13世紀初頭の様式とのことですが、おそらくは10世紀の創建当時のものと考えられる柱頭彫刻が残っていて、中庭の自然な感じの残る緑の木々とともに心に残る光と影の空間でした。
↓ 回廊の石畳は17世紀とのことですが、素敵です。
↓ 右の天使の大きく広げた羽根、比べて脚が短いのも可愛い。
↓ 馬に乗る狩猟の騎士。写真では白っぽくなってしまいましたが、長く垂らした髪がなんともいえない品の良い後姿。
↓ マントに幼子イエスをくるんで抱く聖母マリア。衣装の裾の襞が上のエンジェルと似ているので、同じ彫刻家の作と思われます。
↓ なかでも興味深いのはこのホルンを吹く人たちと、その間に鳥(梟?)の柱頭彫刻。コンクのサント・フォア教会に似たものがあるそうですが、かなり珍しいタイプ。ホルンを吹く人はサンティアゴのが印象に残っています。
↓ ガイドさんがここサン・ブネの最も重要な柱頭彫刻と説明したのが、4面に彫られたプレ・ロマネスクの作。この10世紀のイコニックなオランスのポーズの祈る人。他の面に受胎告知、ご訪問、植物。
↓ 人が掴んでいる綱のようなものは死んだ蛇だそうですが、主題は?
↓中庭は荒れた感じではありませんが、あまり手を入れてないのが返ってナチュラルな雰囲気。
こじんまりとした回廊ですが、とても個性的でミステリアスなものが多く、ガイドさん無しでもっとゆっくり見学したかったです。それでも特別に案内していただいて感謝でした。インフォに戻り、気が利く案内係の若い女性に「素晴らしい回廊が観れて良かったわ。ありがとう」とお礼を述べて、TAXIが迎えに来るまではショッピング。図録のほかにトマトや梨など。
↓この周辺は農家が多いので、出店でしょうか、夏野菜が並んでいました。 トマトはいろいろな種類があって迷いました。写真は一部しか写っていませんが・・・
すでに2時半ごろでしたが、スペインはレストランのランチは14:00からなので、丁度良い時間です。マンレーザのレストラン(CAL SPAGUETTI)はホテルから予約が入って居て、すぐにテーブルに案内されました。かなり繁盛しているお店で、予約がないと無理なようです。
↓ 本日の定食からガスパッチョ、烏賊とムール貝、クレマカタラナ。ワイン、コーヒー、水を含めても30€もしません。安くて美味しくて、大満足。ホテルのお兄さんの友人なのか若いシェフが帰るとき、飛んできて外まででて、ホテルへの道筋を説明してくれて、嬉しかったです。
徒歩数分でホテルです。2階にオーナーファミリーの住まい。3,4階がホテルです。エレベーター有り。
↓ 部屋はシンプルで清潔、シングルでも広めのベット、バスルームは窓が付いていて明るいのですが、シャワーのみです。難点はホテルの前の通りの車の騒音がかなりすること。でも田舎なので12時ごろには静かになりました。
昼食が遅かったのでお腹もすきません。夜9時ころに熱湯をもらって簡単雑炊をつくり、トマトやフルーツもいただきました。一日一回の外食で、あとは簡単なもので済ませることが多くなりました。そのほうが胃や腸も休まリ、体調を崩すこともなく過ごせたのかなと思います。
Sant Benet de BAGES、面白そう、
うまく見学できて、よかったですね。
「スペイン旅行、ドドンデ.コム」というサイトで見て、
どうしようかと迷っていた所です。
Manresa-AltaはFGCの停車駅なので、近郊線は通らないのでは?
by elmo (2012-09-30 22:13)
elmoさま、Sant Benet de BAGES(正式な読み方は?)、朝早くバルセロナを発つと午前中のガイドツアーにも間に合いますし、ぜひ!
>Manresa-AltaはFGCの停車駅なので、近郊線は通らないのでは?
そうなのですか~事前チェックが近郊線のManresaで検索したのが間違いの元でした。TAXI代は7€くらいで済んだのですが、面食らったというか慌てました。
by alice (2012-10-01 00:10)
Manresa写真を拝見して懐かしく思い出しました。
次に行かれる所から、タクシーで帰路についた町です。
大聖堂も懐かしい。。。。
バスでも行けるんですね。。。
タクシーで結構走りました。
すぐ近くにもこんな素敵な教会があったとは。。。。
でも、ここだけならバルセロナからも日帰りできそうですね。
土日だけなのですね。メモメモ。。。。
by わに子 (2012-10-01 03:57)
わに子さま、マンレーザにはもう行かれてたのですね~。ゴシックの大聖堂、私は結局寄らないでしまいました。近郊のSant Benet de BAGESは林ふじ子先生のプレ・ロマネスクの本にサン・ベネット・デ・バーヘス修道院としてとして取り上げられていました。
ここはガイドツアーでしか見学できないのですが、この日は金曜日でしたし、土、日以外でもOKです。
土、日しか開かないのはは翌日行ったサン・キルセ・デ・ぺドレです。バスが少なくなるのが難ですが、うまく組み合わせると帰りはバルセロナまでの直行バスもあるので、バーヘス、ぺドレ、フロンタニャと3つ回れるかもよ~と、そそのかす(笑)
by alice (2012-10-01 14:30)
今頃コメントを記しても、届かないかもしれませんが、やっと探し当てました。なるほど、この回廊柱頭は、なかなかよさそうですね。見学できなかったことが、非常に残念に思われてきました。
バルセロナに近い分、かえって、なかなか行かなかったりする場所。でも、まだ逃した場所はいくつもあるので、いつか再訪の機会もあることと期待することにします。
有難うございました。
by corsa (2015-03-24 03:13)
corsaさま、こちらにもコメントをありがとうございました。実は4/3~15まで、ドイツ方面に行く予定です。夫の体調次第ではボツになるかもと、かなり控えめ(笑)な計画をしていました。オペラが主体ですが、中間でロマネスク(ライン川沿い)を訪れるといういつものパターンです。
来年はスペインに行きたいと思っていますが・・・。
by alice (2015-03-31 15:54)