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2009年初秋の旅1(札幌~ローマ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

 旅をツアーではなく自分で計画を立てる歓びに目覚めてからはパソコン相手に大奮闘です。2009年の秋の旅も春の世界一周チケットの半分を使いぐるりと地球を一回りするという大胆なプランになりました。

日程/ローマ (3)~ヴィテルボ(2)~オルヴィエート(1)~フィレンツエ(3)~サン・クィリコ・ドルチャ(1)~ローマ(2)~パリ(2)~ブリュッセル(2)~ロンドン(2)~カンタベリー(1)~ロンドン(2)~リスボン(1)~NY(1) 23泊25日

↓MAP

 

 

9/7(月)

札幌8:15(JAL)→成田9:55/13:20(AZ)→ローマ19:00   Hotel Ariston3泊

9月に入ってめっきり涼しくなった札幌ですが、この朝は比較的暖かでした。いつものように札幌駅まで夫に送ってもらいましたが、今年の長旅も3回目になり、夫が寂しげに見えてしまいました。我ながら悪妻だな~と、気兼ねしつつ(これでも 笑)の出発でした。

JALの朝の成田直行便が出来たので、羽田での乗り換えが不要となりました。その分ローマ行きまで3時間ほどの時間ができ、アリタリアのVIPルームで過ごしました。早朝の出発のため朝食抜きでしたから、ここでカナッペや飲み物などをいただきました。フライトはエコノミークラスですが、今年いっぱいは上級会員なのでラウンジが使えます。

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数台のパソコンコーナーもあったのですが、日本語は読めても入力できないのです。ここは日本なのに何故でしょう。信じられないようなサービス精神ゼロのスカイチームです。

最近MIXIのアプリ「私の旅行地図」作成にはまっていましたので、これなら日本語入力とは関係なく遊べます。という訳で搭乗時間までここで過ごしました。

今回の旅は3月のUAとアリタリアの特典航空券を組み合わせた自作の世界一周の残りのチケットを利用します。3月とは反対周りになり、ストップオーバーのできないリスボンとNYを経由するというロングジャーニーになってしまいました。

アリタリアに乗るのは最後かもしれません。席は90%ほど埋まっていましたが、私は3席に2席で真ん中が空いていただけましでした。相変わらずフライトアテンダントたちはお気楽な方たち。少し暇になると集まってお喋りに余念がありません。しかも数人が一緒ですから椅子が足りなくて、男性が女性を自分の膝に乗せて、ぺらぺら・・・カーテンも閉めないのでトイレに立つと丸見え。

ローマの空港からはテルミネ駅まで列車で。窓口は列ができていましたので、チケットは改札近くのキオスクで買いました。この列車の難点はテルミネ駅のホームの遠くに着くことです。長々とスーツケースを引っ張って歩くのは、疲れた身には堪えました。駅を出てホテルまでのほうが近いくらいですから。

ホテルは昨年も利用したアリストンです。シングルはバスタブがついていないので、ダブルの部屋をリクエストしていました。昨年と同じタイプの部屋でした。夜食にカップラーメンを食べまして、就寝。


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2009年初秋の旅2(ローマ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/8(火)

アリストンホテルは昨年に比べると朝食の内容が悪くなっていました。それでも注文してからサービスされるカップチーノをいただいて、ローマに着いた実感を味わいました。朝食の後、部屋に戻ると置いていった携帯電話が鳴っています。マイミクのBさんでした。今夜の夕食をご一緒していただけることになり、夕方ここのホテルまで迎えにきてくださるとのことでした。ローマに着いて早速サビシイ食事から開放されます。嬉しいな~。

うきうきした気持ちでお出かけです。まず、ネットで予約していたローマパスの受け取りにテルミネ駅へ。10時頃でしたから長蛇の列、卒業旅行らしい日本の男子大学生たちも数人並んでいます。それでも10分くらいで予約済みの列は進みました。朝から暑い(28度くらい)日です。イタリアはまだまだ夏なのでした。それでも先週は40度近い日もあったそうですから・・・。

地下鉄A線でサン・ジョバンニ駅まで行き、地上に出ますと、その名もサン・ジョバンニ門と高い城壁が聳えています。その向こうにS.Giovanni in Lateranoサン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂が白亜のファサードを見せて建っています。

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ヴァチカンに教皇座が移るまで、カトリック教会の中心的存在でした。コンスタンティヌス大帝の発願により4世紀に建てられた後は、何度かの改築を経ています。17世紀にフランチェスコ・ボッロミー二により大改修された建築が現在の姿になっています。中央に置かれた14世紀の法王の専用祭壇と後陣の13世紀のモザイクがひときわ鮮やかな光を放っています。

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イタリア語でキオストロと呼ばれる回廊は内部に負けず華やかな装飾。優美な対の2本柱はそれぞれ異なったモザイクやフリーズで覆われ、小アーチ上のモザイク模様も、この日の眩しいような青空の下で輝いていました。今の形は13世紀前半にヴァサレット親子によって造られたものですが、オリジナルはカロリング朝時代(8~9世紀)に上るそうです。

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壁に沿って改修前の聖堂の彫刻やローマ時代、初期キリスト教時代の遺跡からの出土品が並べられています。興味深いものばかりで、あっというまに時間が過ぎてしまいました。

↓ コズマティックな装飾の断片

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ラテラーノ洗礼堂はお昼には閉まってしまいます。あわててファサードとは反対のS.G.イン.ラテラーノ広場(オベリスクの建つ)に面した8角形の洗礼堂へ。

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4世紀に建てられ、大聖堂と同様に17世紀に大改造されています。

見学者で賑やかな大聖堂と違い静かな古雅な空間。付属の4つの礼拝堂のうち2箇所は改修のためクローズ。

↓ なかではやや新しい(といっても7世紀)モザイクの残る聖ヴェナンツィオ礼拝堂。中央祭壇には15世紀の聖母子のフレスコ画。

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こちらは閉まっていた柵の間から撮影。

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ここで教会の資料を作ってこなかった(作成途中で誤って消したのです)詰めの悪さが露呈してしまいました。聖ルフィーナ礼拝堂を見落とし、次の訪問予定の2教会のオープンに間に合わなかったのです。(涙)

洗礼堂の広場から向かい側の小道に入っていきます。三叉路の角に黄色い壁のレストランがあり、この左側の道を辿って300メートルほど先にサンティ・クワトロ・コロナーティ教会Ss.Quattro Coronatiが見えてきます。

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でもほんの10分ほどの遅れでここの回廊は閉まっていました。お昼のミサが始まっています。夏のローマには珍しい黒い尼僧姿のシスターたち。母校の先生たちと同じ宗派のようです。懐かしく想い、椅子に座って今は亡き恩師の姿を重ね合わせていました。

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ここの回廊は12世紀から13世紀の建築で、ぜひ観たかったのですが、残念。

先ほどの黄色い壁のレストランまで戻り、ランチ。洒落た外観とは違って、ここは地元のお客さんが多いカジュアルな食堂。カフェテリア形式で好きなものをショーケースから選んで食べられます。

茄子のラザーニアと野菜の盛り合わせ。アンテショークの酢漬けがさっぱりしてて、この暑い日にぴったりでした。

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食事を終えて、先ほどの道の左側にそれて、徒歩数分のSan Stefano Rotondoサン・ステファノ・ロトンダ教会へ。しかし、ここも昼休みがあり、夕方までクローズでした。ここはローマに現存する円形プランの教会で最古(5世紀)とされています。残念。

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カメラの電池も切れてしまい、上の数枚はi phoneで写しました。観光の初日から自分のミスとはいえついていなくて、がっくりでした。 続きます。

 

 

 

 

 

 


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2009年初秋の旅2/続編(ローマ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/8 の続きです。

さて、いつまでもくよくよしてはいられません。気持ちを切り替えて、3時に予約しているヴァチカン博物館へタクシーで向かいました。空港からのタクシーは要注意ですが、市内のタクシーで嫌な思いをしたことはありません。このときも運転手さんは良い方で、私が地図を見ていると「今は○○通りだよ」とか、説明してくれて安心でした。

博物館の前で降車。予約の時間より30分ほど早かったのですが、空いていたので、即入館できました。ここは4度目の訪問です。前回絵画館が一部閉鎖され、肝心のクリヴェッリが観られなかったことと、聖ピエトロの特別展も魅力でした。寺院やシスティーナ礼拝堂などは体力的に無理なのでパス。幸い聖ピエトロの特別展は絵画館の隣で開催されていました。

絵画館Pinacoteca

第1室から素晴らしい祭壇画です。(携帯の写真なのでピンボケ)ヴェネチア方面のモザイクでも見られる聖母の表現が馬蹄形の枠に描かれています。ルネッサンス絵画の多い絵画館のなかでは異色の作品。(11世紀?)

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↓ 初期ボローニャ派の聖母子

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第2室以降で人気NO.1はフォルリの「奏楽の天使たち」

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ようやく逢えたカルロ・クリヴェッリのヴァチカンコレクション4点(うち1点は修復中)

 

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↓ ブックショップで購入した板絵風聖母子(一番高価なお買い物32€ 笑)。早速玄関に飾ってみました。

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第8室はラファエロの作品で占められ「キリストの変容」が中央。ラファエロの下絵をもとに織られたタペストリーはが周辺に飾られていますが、ほとんど照明がなく、暗くて良く見えません。

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「キリストの変容」(部分)

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第12室 カラヴァッジョ「キリストの降架」(絵葉書)

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サン・ピエトロ展

ヴァチカンの収蔵品が主なようでした。下の2枚のように古代ローマと初期キリスト教がドッキングされたようなレリーフなど面白い~と、つぶやきながら見学。ほとんど人が居ません。

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クリスマもローマ風

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↓ 9世紀カロリング時代の祈祷本(ファクシミリ版) これは普段はなかなか目にできないものなので、ラッキーでした。パネルには「新約と旧約」聖ピエトロまたはシャルル禿頭王のバイブルと呼ばれていて、同王に捧げられた写本とのこと。開かれたページは聖ピエトロの説話場面と思われます。

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この後はホテルに戻り仮眠。7:30にロビーでBさんと待ち合わせ。タクシーで数分の海鮮レストランへ。マイミクのBさんは比較的最近お知り合いになったばかりです。初対面ですから、初めはやや緊張しましたが、共通の友人のお話などで次第に打ち解け、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。まだまだ話し足りなく、トスカーナを巡ったあとローマでの再会を約束しました。(しかし、私の体調不良で結局お目にかかれなかったのです 泣)

お魚三昧のご馳走の数々を一挙にアップ!!

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おなかいっぱいになり、デザートは断ったのですが・・・無理やり(笑)出てきたお菓子とデザートワイン。下戸のBさんの分も飲んじゃった。(汗)

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昼間のついていなかったもろもろのこともすっかり忘れました。Bさんありがとうございました。幸せな気分でホテルへ戻りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2009年初秋の旅3(ローマから日帰り観光) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/9 (水)

Roma/Viterbo駅13:20→Civita Castellana14:50/18:10→Roma/Viterbo駅19:40

当初はバスの情報しかつかめず、乗り換えもあり不安でしたので、出発直前になって、再度チェックしました。それで見つけたのが、バスの発着する地下鉄FLAMINIO駅の傍にあるViterbo駅。ここからCivita Castellanaまで私鉄ノルド線の直行列車がでています。時刻表は確実ではなさそうなので、当の駅でヴィラ・ジュリア・エトルスコ博物館に行く前に調べることにしました。

この日はランチを取る暇もなさそうです。レトルトのご飯からおにぎりを2つ作って出かけました。地下鉄A線で、昨日とは反対方向に乗りFLAMINIO駅へ。Roma /Viterbo駅は案内に沿って行くと出口を出て右隣にありました。駅の表示看板もないので、駅とは思わずしばらく、きょろきょろ。

13時過ぎの列車に乗ることにして、ここから徒歩でボルゲーゼ公園をほぼ横断して(徒歩20分くらい)ヴィラ・ジュリア・エトルスコ博物館へ。

人通りの少ない近道もあるようでしたが、ここは危険を避けたほうが無難と思い、バスや車の行き交うメインの通りを歩きました。

↓ ローマ近代美術館が見えると、ほっとしました。この通りを左に曲がると5分ほどで

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ヴィラ・ジュリア・エトルスコ博物館の裏側にでます。ぐるっと周って↓ 正面入り口へ。ローマ・ルネッサンス様式16世紀の建築の代表作です。

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 ↓ 超有名なエトルリア芸術の「夫婦の寝棺」。最近読んだホセ・ルイス・サンペドロの「エトルリアの微笑み」に冒頭表れます。癌に冒された老人がこの棺の前で呟きます。墓だというのに、そこに刻まれた夫婦は微笑んでいる。笑いながら死ねる人生とはどんなものだ?その微笑みは老人の心から離れない。

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小説に描かれた「壁に黄土色の布を張った小部屋」ではなく、大きな展示室の片隅にガラスで覆われていましたが・・・。

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↓ 紀元前5世紀のローマの神殿を飾っていた7人?の群像彫刻。ギリシア神話からの人物らしいのですが・・・大迫力。

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↓ 中庭に再現されているエトルリアの神殿

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良く見ると屋根の上にエトルリアの天使たちが並んでいます。

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庭園の突き当たりにカフェがありましたのでお茶タイム。

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13時少し前に駅へ戻ろうとして、ジーンズのポケットにローマパスの交通フリー券が無いことに気がつきました。一緒に入れていた博物館のパスは先ほど使いましたから持っています。不思議に思いながら元来たルートを下を見ながら戻りましたら、玄関近くの片隅に落ちていました。(汗)

Roma /Viterbo駅に戻り、先ほどの交通フリー券でCivita Castellanaへ向かいます(下記注を参照ください)。この電車は普通鈍行ですから、ちんたらちんたら走ります。ほとんど乗客が居なくなったころにようやく到着。このままViterboまで行くと3時間!明日はこれには乗らないで、2時間で行けるFSにしようと思います。座席も硬くて、腰が痛くなりました。(涙) 続きます。

 注:最近Civita Castellanaへ行かれた方から情報をいただきました。ローマ・パスではCivita Castellanaまでは行けないそうです。私の場合は往復とも検札がなかったように思いますが、不正乗車ともなると50€の罰金、場合によれば100から500€とか・・・。

>日本語の説明では触れられていませんし、イタリア語のページも非常にわかりにくいのですが、よくよく読むと、Passが使えるのは、ROMA.P.Fから27分ほどのSACROFANOまでだと書いてあります。

下の日本語のROMA・PASSのページを再確認。 ローマ~ヴィテルボ間は無料となっています。

http://www.amoitalia.com/roma/roma_pass.html

すっかり日本語の説明書きを信用しておりました。どうぞご注意くださいませ。

 


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2009年初秋の旅3/続編(ローマから日帰り観光) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

3/9 の続きです。

この電車は降りるときベルを鳴らさなければ、通過してしまいます。それを知らなかったのですが、少し早めにデッキに行ったら、丁度一緒に降りる方がいて私が押しますといって、押してくださったので、初めて気がつきました。危なかったわ。(冷汗)

そして電車から降りて初めて、この駅の位置が分かりました。左を見ると小高い丘の上の旧市街が思っていたより近くに見えます。まず一安心です。

チヴィタ・カステッラーナには私が乗車した私鉄のノルド線の駅と国鉄FSの駅と2箇所あるのですが、この両駅の位置がGoogle Earthでははっきりしませんでした。旧市街の観光には私鉄のほうが近いので、良かったです。

↓ トレイア川(ティヴェレ川の支流)を渡り街の中心へ。橋から下を覗くと、かすかかに川の流れる音が聴こえるのですが、川は肉眼では見えないほど谷底深く、木々が生い茂っています。写真は旧市街への坂道から振り返って撮りました。

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旧市街の中心の広場に着きました。

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観光客はほとんど見かけませんでした。静かですが古い町並みのやや寂れた感のある街です。崩れ落ちそうな家の壁に立派な陶製の祠。

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裏道を辿って行くとサン・グレゴリオ教会(S.Gregorio)が見えました。閉まっていましたが、夕方のミサには開けるのでしょう。

創設は12~13世紀ですが20世紀に改修されています。

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↓ 後陣外観

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また違う道をドゥオーモに向かって歩きます。

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ドゥオーモ/チヴィタ・カステッラーナCivita Castellana

玄関柱廊や塔などの外観は13世紀に建てられた当時の面影を残しています。この柱廊はコズマ一族の作品で、アーチに縁取られた中央扉口はさすがに見事なものです。

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↓ 半円の薔薇窓。ラッツオ・ロマネスクの流れが濃厚に見て取れます。

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↓ 右扉口のルネッタに「祝福のキリスト」のモザイク(13世紀)。

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↓ 床のモザイクはもちろんコズマーティの工匠たちの作品ですが、内部は大部分改修されています。

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↓ 初期キリスト教の石棺で作られた祭壇

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↓ クリプト。教会もここも誰も居ません。

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広場に面したバールでお茶タイム。4時半になりました。カステル・サンテリアのバジリカが開く時間が5時なのです。タクシーは見当たらないので、ここの若い方に頼んでタクシーを呼んでもらいました。カステル・サンテリアCastel Santeliaまでの往復と教会で30分待ってもらい30€でした。この運転手さんも5時で仕事は終わるから、早く帰りたいといっていましたが・・・分からないふりで、無視。そのせいか凄いスピードで田舎道を走りました。(ここで死にたくない~と冷汗)

早くも10分前には谷底にある教会に到着。すると教会の前は大勢の着飾った人たちが・・・これから結婚式なのです。急いで見学しなければなりません。

カステル・サンテリア聖堂 Basilica di Castel Santelia

創建は8~9世紀ですが、11世紀に再建されました。ビザンチン風のフレスコ画は12世紀のもの。

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焦りつつも可愛い着飾った女の子をパチリ。

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↓ 正面左の扉口 レリーフをつぎはぎにはめ込んだアイディアが良いですね。

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↓ 正面右の扉口

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結婚式のセッテイングがとても綺麗。正面から。

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内陣から正面を撮影。こんな素敵な聖堂でウエディングなんて、羨ましすぎですね。

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ロマネスク期のフレスコ画としては類をみないほど色彩豊かでです。ビザンチンのモザイクに多く見られる華やかな細かい柄模様の衣装をまとった下段に並ぶ聖女たちや大天使たちの美しいこと。

↓ 右翼廊の壁は上部まで壁画がびっしり描かれています。ここでは結婚式の音楽を担当する数人の演奏者が音あわせなどしていましたので、あまり近づけませんでした。

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中心になるのが後陣の半円蓋に描かれたキリスト。足元の4本の線は「天国の四大河」を表しています。

 

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↓ 大天使ミカエル

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後陣正面の半円蓋に描かれたキリストの足元の「神の子羊」。聖杯に血を流しています。ゲントの「神秘の子羊」を思い浮かべました。

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後背部に周ってみました。裏の坂道が墓地から上に続いています。

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私が見えなくなったので、焦って運転手さんが探しに来ました。正面に戻りましたが、まだ花嫁さんは現れません。お婿さんがいらいらした様子で電話中です。花嫁さんを待ちたかったのですが、早く帰りたい運転手さんに急かされて、チヴィタ・カステラーナの駅に戻りました。なんとか目的の聖堂が見られてほっとすると急に空腹になり、ホームで電車を待ちながら残ったおにぎりを食べました。

ラッツオの野に落ちる夕日を眺めながら、またゴトゴト電車に揺られてローマに帰りました。

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大層疲れて、外に出る元気もありません。手持ちのもので軽く夕食を済ませました。

 

 


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2009年初秋の旅4(ローマ→ヴィテルボ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/10 (木)

Roma/OST11:52→Viterbo/Porta Romana13:42  Best Western Hotel Viterbo 2泊

ヴィテルボへ行く前に、大事なことを思い出しました。サンタ・マリア・マッジョーレ教会でピエロ・デッラ・フランチェスカの壁画を観ることです。この作品は帰属や保存状態にに問題があると聞いていましたので、あえて観る気持ちもなかったのです。昨年1月もこの教会を訪問しましたが、すっかり忘れていたほどでした。しかし、昨年ようやく邦訳で出版されたロベルト・ロンギ著『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』(中央公論美術出版)にはこのフレスコ画に高い評価がなされているのです。

ローマはしばらく来られないかもしれませんから、見逃すわけにはいきません。幸い教会はホテルから極近くです。徒歩3分くらいですから、まとめた荷物を部屋に残し、チェックアウト前に外出しました。

昨年来たときは冬で、観光客もまばらでしたが、今日は青空が広がる良い天気なので、教会前の広場は大賑わい。

↓ 太陽が眩しいので、玄関柱廊のなかから撮影

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さて、玄関前の案内板にもピエロの天井画の案内などありません。身廊にないことは確かですから、まず右側廊からの礼拝室を探索していきます。すると2、3番目に案内図では礼拝堂と書かれていたブックショップがあり、その天井画に描かれた四福音書記者のうちの唯一判読できるのが聖ルカです。修復が済んだのでしょう。思っていたより色彩鮮やか。ピエロらしい美しいグリーンの濃淡が印象的です。

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ピエロ・デッラ・フランチェスカ「福音書記者聖ルカ」1459頃。

初めてロンドン・ナショナルギャラリーで「キリストの洗礼」に出会って以来、イタリアはもとより、遠くは北米のウィリアムズタウンまで追いかけをしてしまったピエロ・デッラ・フランチェスカ。これで全作品を鑑賞することができました。望外の幸せを胸に、混雑する買い物客のなかで、じーっと天井を見上げるばかり・・・。

http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/newpage1piero.html

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すっかり、変なおばさんに見られてしまったようで、ブックショップの女の方が不機嫌に私を睨んでいます。買うものもありませんから、ここの外階段の下から入れる博物館のチケットを購入。ようやく「グラッツエ」とにっこり。時間もなく、宝石で飾られた司教杖や法衣など超特急で眺め、内陣のモザイクもいくつかカメラに収め、ホテルに戻りました。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会は四大司教座聖堂のひとつで、聖母に捧げられた教会としてはローマ最大のもの。古代のバジリカの面影をとどめています。

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↓ 後陣の壮大なモザイク「マリアの戴冠」(13世紀) 5月の旅から使っているカメラの望遠で撮りました。肉眼では見えないものも写っています。

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↓ サンタ・マリア・マッジョーレ教会の「神の子羊」。ローマの格式ある教会に相応しいゴージャス系の羊さん。

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スーツケースをホテルに預け、7日分の手荷物を携え、チェックアウト。タクシーでローマ/オステンセ駅へ。イタリアFSは安いです。ヴィテルボまで2時間近く走って、4.5€でした。

ヴィテルボのホテルは旧市街を探したのですが、適当なところが見つからず、バスターミナルに近いので、郊外の近代的なホテルにしました。やはり大変だったのは旧市街まで距離があったことと、付近に適当なレストランがなかったことです。

荷物を置いて、洗濯を済ませると3時。慌てて旧市街の見学に出かけました。ホテルに隣接して大型のモールがあり、かなり車も多い道を1キロ以上は歩きます。

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↑ ようやく門が見えてきたところで、バスが来たので乗せてもらいました。終点がすぐだから代金はいらないよと親切な運転手さん。降りたところは城壁内の大きな広場で、ここから坂を上ると(i)や

↓Piazza del plebiscitoプレビシート広場があります。13世紀半ば以来の市政の中心地だったところなので、知事官邸や市役所などに使われている由緒ある建物が、広場を取り囲むように建っています。

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↓ ヴィテルボの紋章の獅子像もあちこちに立っています。

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ここから大聖堂までの道には古い建物や教会などがあり、観光客も多く歩いていました。

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↓ 大聖堂が見えてきました。このとき急に冷たい風が吹き、夕立になりました。夏の終わりのイタリアに多い気候です。

Cattedorarle/Viterbo  12世紀の建立ですが、現在のファサードは16世紀に造られました。鐘楼は14世紀のもので、トスカーナの影響がみられます。

 

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↓ 内部は三廊式で、床はコズマーティの工匠たちの作品。

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裏庭から周ると宗教美術館(有料)になっていて、Palazzo dei Papiと呼ばれる歴代教皇の館と繋がっています。

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↓ 大聖堂の前の広場からは展望台になっている開廊や

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↓ 夏の名残の薔薇を背景にさきほどの歴代教皇の館が威厳のある姿。

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↓ 大聖堂から狭い道を辿り数分、サンタ・マリア・ヌォーヴァ教会へ。ヴィテルボで最も古い教会で11世紀の建立。閉まっていて、内部はおろかランゴバルドの回廊も鍵がかかっていて入れませんでした。路地の密集した場所にあり、ファサードの写真を撮るのが難しいうえに、逆光になってしまいました。

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ここからまた2キロくらい歩いてホテルに戻りました。へとへとになり、外で食べる元気も残っていません。隣のモール内のスーパーでお寿司を売っていたので買ったのですが、超不味くて、空腹なのに喉を通りません。ビールとおせんべいだけ。イタリアで餓えるなんて・・・とふて寝。

↓ スーパーの魚屋さんは結構な品揃えでしたが。

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2009年初秋の旅5(トゥスカニア&タルクイニア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/11 (金)

今日は丸一日掛けて、ヴィテルボの西のトゥスカニアとタルクイニアの観光です。朝から晴天になり、美味しい朝食(なにしろ空腹で目が覚めました)で、元気になりました。

まず10:30のバスでトゥスカニアへ。市内を抜けるとほとんどバスは停まりません。運転手さんに尋ねても、サンタ・マリア・マッジョーレ教会の側にはバス停はないようです。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。内心は不安でいっぱいだったのですが、旅なれた風を装うしかありませんでした。(汗)

バスは結構なスピードで30分ひた走り、トゥスカニアに近づきました。街に入る手前でサンタ・マリア・マッジョーレ教会らしい建物が見えましたが、道路側の鉄柵は閉まっているようでした。

↓ まもなく、街の入り口、城壁の外のバスターミナルに到着。

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ここから今来た道を戻りましたが、自動車専用のような道路なので、誰も歩いていません。かなりのスピードで行き交う車に注意しながら徒歩10~15分くらい。さきほどチラッと見かけたサンタ・マリア・マッジョーレ教会の素朴な後陣が見えてきました。左の緩い坂道を少し登ると、ツアーのバスも停まっていて、こちらが入り口になっています。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会/S.Maria Maggiore

トゥスカニアの大聖堂として、建設は8~13世紀に及びました。↓ 山側から。

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正面手前に聳える切断された鐘楼。ファサードに3つの扉口があります。

↓左扉口。

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↓ リュネットの浮き彫りはセイレーンと人面鳥(グリーンマンと合体?)に蔦が絡まっています。ジグザグ模様と繊細な植物模様とが組み合わされたヴェシュール。

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↓ 中央扉口は側柱や上部の小開廊、薔薇窓などに白い石を用いて、素敵なアクセントになっています。

 

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↓ 中央に「玉座の聖母子」、右に「神の子羊」、左に聖書の場面の構成。

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サンタ・マリア・マッジョーレ教会の「神の子羊」。尻尾がちょっぴり外にはみ出しているところが、可愛い。

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↓ 右扉口 鐘楼の影で、上手く写っていません。

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↓ 内部は三廊式。ロマネスクの素朴な空間に繊細な装飾が加わって、内部に足を踏み入れたとたんに魅了されました。

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↓ 説教壇は中世初期の断片を組み合わせて造ったもの。素晴らしい!!

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↓ 勝利の門のフレスコ画「最後の審判」(14世紀)

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↓ アーチにも花文様が彫られています。

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↓ 鐘楼の後から眺めた丘の上のサン・ピエトロ教会。

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↓ 思っていたより坂道の傾斜が低く、助かりました。のんびり歩いても数分もかかりません。

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それでも、正午の太陽が照りつけ、気温も30度近くはあったでしょう。汗だくで到着。さきほどのサンタ・マリア・マッジョーレに似た明るい茶色に白の配色が、すがすがしく目に入り、疲れも吹き飛びました。

↓ サン・ピエトロ教会/S.Pietro

左手前には切断された2基の塔が建っています。8世紀の創建ですが、現在の姿は11~13世紀の再建時のものです。

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↓ 特に美しいファサード中央部分。

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↓ 薔薇窓はコズマーティの工匠たちの作。四隅に福音書記者たちのシンボル。

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↓ 薔薇窓左の2連窓を繊細な彫刻が囲んでいます。

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↓2連窓の上部にサン・ピエトロ教会の「神の子羊」。背中の十字架見えますか?羊の顔がロマネスクのものよりしっかり写実的。

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↓ 正面左右の扉口

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↓ 内部は折りしもTVの撮影中でした。係りの方が、先にクリプトを観ててというので、下へ。古い時代を感じさせる転用されたと見られる円柱が並んでいます。(11世紀末)

 

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↓ 中央身廊を歩くお二人はTVの出演者。ドラマではなくこの教会の紹介のようでした。このシーンで撮影は終わりました。

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↓ 三廊式の内部の内陣中央。フレスコ画は12世紀末、チボリウムは11世紀。

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クロス型の明り取りと剥落したロマネスク期のフレスコ画が何故か物悲しくも惹かれます。

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↓ コズマーティの工匠たちによる床面(12世紀末の貴重なもの)

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↓ 帰りは先ほどのサンタ・マリア・マッジョーレ教会方向には左折しません。まっすぐの道が旧市街に続いています。

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城壁近くのサン・ピエトロ教会が遠望できるレストランでランチ。お勧めのアンティパスト(写真)とパスタにワインもいただいて、ようやくローマ以来のまともな食事ができました。

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ところが~~~!! 続きます。

 

 

 

 

 

 


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2009年初秋の旅5/続編(トゥスカニアとタルクィニア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/11 の続きです。

ご機嫌な昼食も終わり、バスの時間までのんびり街歩きをしましょうと、もう一度スケジュール表を確認しました。なんと!!30分も勘違いしていたのです。それでも、まだ20分あるから大丈夫と思ったのですが・・・。旧市街の迷路を抜けて、バスの出るはずの広場へ向かいます。町の中心の大きいな広場だからすぐ見つかるはずでしたが、道筋が複雑なので地元の人に説明してもらっても良くわかりません。ようやく広場にでましたが、どこにもバスの姿はなくきょろきょろ。瞬く間に時間が過ぎて、発車の時刻です。すると何本もある通りの死角の一本からいきなりバスの姿が現れました。「待ってぇ~!!」と追いかけました。いつぞやも追いかけて、停まってくれたことがありましたので・・・。でもあいにく運転手さんはこちらに気がつかず、走り去っていきました。これを逃したらバスの便は悪く、タルクィニアの観光に支障をきたします。

気がつくと、近くにピッツエリアがあります。お店に飛び込んで「タクシー呼んでくれる?」「トゥスカニアにタクシーはないから、ヴィテルボから呼ばなければならないよ」「え~っ!!」とパニックのダブル状態・・・しかし、呼んでもらうよりしようがありません。ヴィテルボからなので70€もかかりました。(涙)

タクシーが来るまで30分、このお店のひとたちは親切で、お店を閉めて帰る時間なのに、一緒に待っていてくれて、冷たいソーダもご馳走してくれました。優しい人たちに出会えてホントに良かったです。感謝しつつ宣伝します。

LA PULCINELLA
Trattoria - pizzeria

Indirizzo: Via Tarquinia, 37
Coperti: 60 - Chiusura: lunedì
Telefono: 0761 444078

↓記念撮影。

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タクシーでタルクィニアまで30分走り、丘の上のサンタ・マリア・ディ・カステッロ教会で降車しました。運転手さんは閉まっているよと去っていきました。ふと隣の家の前に鍵を持っている中年の女性が立っているのに気がつきました。まるで私が来るのがわかっていたような謎めいた様子・・・とは考え過ぎで、只の偶然だったのでしょう。(笑)

サンタ・マリア・ディ・カステッロ教会/S.Maria di Castello

中世の塔のついた城壁に囲まれた、タルクィニアでも古い地域に建っています。車では結構登ったような気がしたのですが、旧市街に降りていく道はなだらかな坂道でした。壁式鐘塔を上部に頂き、ファサードは3つ。教会は12世紀から13世紀初めに建設されました。

 

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↓ 中央の扉口は上部の2連窓ともどもコズマーティの工匠たち(Ranuccioの記名あり)によるモチーフで飾られています。

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北扉口から鍵を開けて入り、見学中はずーっと管理人さんが見張っています。

↓ バジリカ形式の内部は装飾の少ない分簡素で美しい空間が広がっています。床のモザイク、洗礼盤、説教壇、チボリウムは建設当時からのものが残っています。

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↓ 中央のドーム天井、北壁上部の薔薇窓。

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↓ 教会の前から降りていく道。

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↓門から教会方向を見たところ。

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↓ 徒歩数分で国立タルクィニア博物館の入っているヴィッテレスキ館(15世紀)の近くに出ます。そのすぐ向かいの広場からヴィテルボ行きのバスが発車するのを確かめ、一安心。

博物館はカメラ禁止です。エトルリアやローマ時代に彫られた墓石や石棺が主な陳列です。ここで有名なのは有翼馬Cavalli alati(紀元前4世紀末~前3世紀)の浮き彫りです。画像はネットからお借りしました。

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博物館の中庭。突き当り左側にチケット売り場と入り口があります。

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↓ 町役場(11世紀に建てられ、その後バロック様式に改築されている)。この階段下の通路を抜けて、古い町並みを散策しました。

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↓ 小路の突き当たりに可愛らしい教会を発見。教会前に看板があり、サンテッシマ・アヌンツィアータ教会/SS.Annunziata(12世紀)でした。実はここはノーマークでしたので、偶然とはいえ得した気分でしたが、工事中らしく閉まっていたのは残念でした。

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帰国後調べたところ、扉口はシチリア・ノルマン様式の文様を取り入れているそうです。

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↓ サン・マルティーノ教会/S.Martino

12世紀の建築で、アラブ=ノルマン様式の影響を受けたと見られる後陣があります。

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 ↓ このあたりの中世地区は塔が林立し、狭い地域に教会も多く建っています。

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↓ こちらはドゥオーモ。17世紀に改築されていますが、塔が例外なく付随され、後陣もサン・マルティーノに似て居ます。

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タルクィニアの教会はトゥスカニアの教会とはまったく違った外観や様式を持っています。ティレノ海も極近く、海を渡ってきた文化的な影響も考えられます。

やや寂れた黒っぽい石(火山性の凝灰石)の多い建物が密集する古いエリアは、観光化されていない魅力もあり、旅情をしみじみ感じました。しかし、この町へ来て、有名な死者の町ネクロポリの見学をしないのは私くらいでしょうね。(笑)関心がないわけではなく、時間と優先順位の問題だけなのです。

今度はバスに遅れないように、30分も早くバス停に行き、ベンチに座っていました。1時間のバスの旅。途中延々と続く水道橋の景観に驚きながら、無事ヴィテルボに到着。夕食はモールのピザのテイクアウト。これも不味くて、涙でした。

 

 

 

 

 

 

 

 


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2009年初秋の旅6(ヴィテルボ→オルヴィエート) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/12(土)

Viterbo12:10→Orvieto13:40          Duomo hotel 1泊

いろいろと苦労続きだったヴィテルボともお別れです。しかし、最後までバスのごたごたが付きまといました。というのはホテルの人にバス会社(COTRAL)に確認してもらったオルヴィエートまでの出発時刻が、まったくの出鱈目だったからです。目の前で、レセプションの女性がバス会社に電話してくれたのですから、バス会社の人がいい加減に答えたに違いありません。

↓ Cotral社の青バスが並ぶヴィテルボのバスターミナル。

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バスターミナルでそんなバスはないと知ったときは途方にくれました。結局、オルヴィエートまでの直通11:30発のはずが、12:10発のバーニョレジオ乗り換えになりました。でも、本当かしら?聞き間違えではないかしら?と不安が消えません。そんな私に、そのバスは僕が運転するから大丈夫と言ってくれた親切な運転手さんが頼りでした。早めにバスターミナルに行きましたから、待合室の硬いベンチで1時間ほど・・・いらいら過ごすはめになりました。

ヴィテルボからオルヴィエートまでは1時間半以上かかりました。それでも、景勝ルートと言って良いほどのダイナミックな山間の眺めや、途中下車したくなるような崖の上の小さな村など、素敵なドライブでした。

乗り換えも到着した停留所に、次のバスが目の前に待っていましたので、スムーズでした。最後の30分は私独りが乗客です。バスはフニクラーレの駅に横づけしてくれました。懐かしいフニクラーレもあっという間に上の駅へ。駅前にはフニクラーレの券で乗れるミニバスが待っていて、朝の騒動に比べるとあっけないほど楽に、オルヴィエートのドゥオーモ前まで行けました。

↓ ドゥオーモに向かって左側、白い立看板の後の階段を降りるとホテルです。

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バスタブはついていませんが、窓付きの清潔なバスルームに部屋もまあまあの広さです。

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ほっとするとお腹が空いてきました。ドゥオーモの見学は後回しに、広場のカフェのテラス席でランチ。野菜のパニー二とオルヴィエートーのフルーティな白ワインで18年ぶりのオルヴィエートに乾杯。

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18年前とは打って変わって、当時は改修中だったこともありますが、ドゥオーモは真新しくみえるほどピカピカ。周りもバールや土産物屋さんなどが軒を並べ、観光客の数は比較にならないほど多く、賑やかになりました。

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イタリア・ゴシックの傑作とされる13世紀に着工された大聖堂。立派だな~と仰ぎ見るほかはありません。説明は省きます。

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↓ 内部は三廊式。身廊はロマネスク様式の特徴が見られます。

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18年前に来て、印象に残っていたのがこの「聖母子」(写真下)。気になっていた画家の名前を今回確認できました。以前はより鄙びた感じでしたが・・・修復して金色が目立っています。

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノGentile da Fabriano 伊1370~1427 

「聖母子」(1425) 225×125 フィレンツェ滞在の直後に製作。ジェンティーレの現存する数少ない壁画のひとつ。隣に描かれていた後補の聖カタリナは消された後がかすかに残っています。

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↓ 右翼廊奥の礼拝堂にルカ・シニョレッリLuca Signorelliの「世界の終末」をテーマにしたフレスコ画(1499~1502)があります。前回の訪問時にはまだ修復中でしたので、今回はこれを観るのが楽しみの一つでした。入り口で入場料を払います。カメラは禁止なので絵葉書を貼ります。

壁画 最後の審判/「罪されし者たち」

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↓ 上の部分

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↓ 「反キリストの物語」 左下の黒い人物はシニョレッリとベアト・アンジェリコの肖像

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オルヴィエートは地域的にはウンブリアに属し、エトルリアの都市としての古い歴史があります。考古学博物館など、ほかにも見学すべきところはいくつかあります。しかし、ドゥオーモ見学だけで気力、体力ともに使い果たし、疲労感が強いため、いったんホテルに戻り休息しました。2時間ほどの仮眠で、ようやく元気になり、夕食のため外出。

ドゥオーモ近くの、ここでは老舗のトラットリアへ。場所柄ほとんどが観光客のようでした。キャンティ・クラシコの赤ワインに前菜の盛り合わせ、メインはフィレステーキにポルチーニ茸が上にのったもの。両方とも美味しくいただきました。

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食事が終わって外に出ると、ライトアップされたドゥオーモがすぐ近くです。気持ちの良い夜風に吹かれながら、ホテルへ帰りました。

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2009年初秋の旅7(オルヴィエート→フィレンツェ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/13(日)

Orvieto11:50→Firenze13:33   Hotel Rosso 3泊

オルヴィエートでは朝寝をして、ゆっくり朝食をとり、11時ごろドゥオーモの前からミニバスに乗りました。日曜日とあって学生さんたちの研修旅行や若い人たちのグループ旅行でフニクラーレも満員です。列車も混んでるかもしれないと思い、座席指定の1等切符を購入(22€)。やはり混んでいたコンパートメント列車でフィレンツェへ。

↓ オルヴィエートSF駅からフニクラーレ駅方向を撮影。

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オルヴィエートの駅で買ったサンドイッチで車内ランチ。フィレンツェは郊外のリフレディ駅に着いたので、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで乗り換えが面倒でした。

5年ぶりのフィレンツェの宿はサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から近い、同名の教会の建つ広場に面しています。建物にホテルの旗やプレートがついていませんので、わかりにくいのですが、よく見ると入り口入ったところに、小さな赤い立看板がありました。

↓ 真ん中の建物が3泊したホテルです。

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↓ 内装は新しいデザイナーホテルらしく、お洒落な感じ。入り口左にレセプション

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↓ 中庭。右側に朝食室。

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↓ 部屋もグレイに赤いアクセントを効かせたインテリア。バスタブはついていませんが、窓のついたバスルームは明るくて広く、使い良かったです。

 

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フィレンツェでは思いがけず、マイミクTさんの有り難いお申し出があり、計画から洩れていたカルミニャーノに案内していただくことになりました。3時にホテルまで迎えに来ていただいて、ご主人の運転で一路フィレンツェから30Kほどのカルミニャーノへ。途中どしゃぶりの雷雨になりましたが、目的の教会に着いたころはほぼ雨も上がりました。

カルミニャーノCarmignano/サン・ミケーレ教会

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ここにはポントルモPontormo(16世紀の初期マニエリスムの代表的画家)の祭壇画が身廊右壁に掲げられています。カメラ禁止なので、画像はネットからお借りしました。暗い堂内にあったためか、色調はこの写真より濃く見えました。デューラーの版画「4人の魔女」を構図の下敷きにしているそうです。

↓ 「聖母のエリザベツ訪問 Visitation」(1528~29)202×156

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余談ですが、ポントルモは晩年奇妙な日記を残しています。毎日の食事を詳しく書いているのですが、制作と同じ目線が食べ物に注がれています。人との付き合いを嫌ったとヴァザーリの列伝にも書かれていますから、変人であったことは間違いないでしょう。

↓ ご参考までにデューラーの「四人の魔女」(1497 )19 x 13.1 cm,ゲルマン国立博物館,ニュルンベルク,ドイツ. ネットからお借りしました。

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Tさんご夫妻のおかげで、素晴らしい名画を鑑賞することができました。そのうえ、今日のもうひとつの目的のサン・レオナルド・アルチェトリ教会San Leonardo in Arcetriへも案内していただきました。この教会も建物に興味はなく、内部にあるロマネスク期の彫刻(説教壇)を見学するためでしたが・・・。

フィレンツェに戻り、丘の上のサン・ミニアートへの緑濃い道路の脇に車を止め、Tさんも時々散歩されるという瀟洒な館の並ぶ小道を行きますと見えてきました。

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しかし、柵に鍵がかかり、案内板には当分オープンしないようなことが書かれています。フィレンツェのHPでは夕方は16:00~18:00まで開くと在りましたのに・・・。(涙)

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見ると隣に司教館があります。Tさんがベルを押し、出られた司教様に訊いてみてくださいました。今は工事中でその彫刻もテントが張ってあって見られないそうです。

今になって思えば、そのとき3月にNYで撮ってきた一枚のレリーフの写真を持っていけば良かったのです。例え見学できなかったとしても、ここまで訪ねてきた意味が分かってもらえましたものを・・・。

↓ サン・レオナルド・アルチェトリ教会旧蔵「受胎告知」 /「NY The Cloisters(メトロポリタン美術館別館)

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1200年のフィレンツエ・ロマネスクの様式で彫られた7枚のレリーフのうちの一枚がNYに買われていった経緯などをある本で知りました。残る6枚のレリーフを観て、確認したかったのです。

↓ 幻に終わったアルチェトリのレリーフは参考書からスキャンしました。「Radice di Jesse エッサイの木」

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しょんぼり・・・元来た道を帰ります。そしてホテルまで送っていただきました。日曜の休日を私のために車を出してくださって、お世話になりました。ありがとうございました。

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2日後にTさんと共通の友人Aさんが、フィレンツェにいらっしゃいます。その夜に一緒にお食事をしましょうと約束をしました。

↓ 洗濯と休憩の後はホテルの紹介の近所のカジュアルなレストランへ。外のテーブルで道行く人を眺めながらの食事でした。好物のメロンとハムの前菜&ポルチーニのパスタ。

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美味しかったです。しかし、もう9月というのに蚊に数箇所刺されてしまいました。(涙)フィレンツェは今年猛暑だったそうですから、蚊もまだまだ元気なようです。ぽりぽり掻きながら就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


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2009年初秋の旅8(プラート&ピストイア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/14 (月)

この日は一日中雨が降りました。照る照る坊主の私はそれだけで、朝から気分が優れません。エンジンがかかるのが遅かった上に資料や傘を忘れて、また部屋に戻ったりしているうちに・・・予定の列車を逃してしまいました。プラートだから本数が多いはずだったのですが、この時間帯にあるはずのいくつかの列車は8月で終わっています。ギリギリで計算したプラートとピストイアの観光ですから1時間以上も待てません。駅前からタクシーでプラートへ向かいました。チップも含めて45€。フィレンツェのタクシーは高いです。自分のミスで余分な出費を余儀なくされ、情けないことでした。(涙)

プラートのドゥオーモでタクシーを降り、土砂降りの雨のなかを聖堂内へ駆け込みました。気温もぐんと低く16度くらいでした。

ドゥオーモ/プラートPrato

12~13世紀のロマネスク様式ですが、14世紀にゴシックで拡張されました。白と緑の大理石で飾られたファサードは14世紀~15世紀のものです。正面右角に据えられた説教壇はドナテッロの浅浮き彫りの「童児の行列」が飾られていますが、これはコピーで、本物は隣接の博物館にあります。雨の日なので暗く、写真は良くありません。教会の左がドゥオーモ博物館です。

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まず、聖堂内陣の礼拝堂の見学です。右側から2番目のアッスンタ礼拝堂にはウッチェロの作と推定される壁画があります。ウッチェロとしては平凡な感じはしますが・・・。

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隣のメインの後陣にはフィリッポ・リッピFilippo Lippi(1406頃~69)のフレスコ画が収められています。ここも長い修復の期間がありました。(2001~2006)

こんな悪天候の日ですから、鑑賞者も少なく、美しく蘇ったそれぞれの場面を堪能できました。2、3人でこっそり(笑)写真を写していたら、係りの方が来て注意されました。どちらにしてもフラッシュなしなので、写りは悪いですが・・・。

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初期ルネッサンスの代表作。当時のフィレンツェでも大センセーションを巻き起こし(例の恋愛事件もこの頃)、ボッテッチェリにも大きな影響を与えたといいます。晩年のスポレート大聖堂のフレスコ画も立派で、素晴らしいけれど、こちらのほうがみずみずしい若さを感じさせ、惹かれます。

次は隣接のドゥオーモ博物館の見学です。一部修復中で工事しているところもあり、、落ち着かなかったのですが、ドナテッロの浅浮き彫りの説教壇「童子の行進」などを見て、奥の展示室から回廊へ。ロマネスク様式のアーケードが一部残っています。ドゥオーモの鐘楼はロマネスク=ゴシック様式とのことです。

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ここから300mくらい歩きますと、FS/Serragio駅です。長く待たないで乗車できました。20分ほどでピストイアに到着。駅から旧市街までは結構歩きました。目的の教会に近いカジュアルなレストランで、ランチにしました。赤ワインで温まり、パスタ一皿で簡単に食事を終え、雨の中をまた歩き始めます。駅からこのあたりまでは人口も多いので、比較的新しい町並みですが、ドゥオーモ周辺は古い建物も密集しています。狭い路地ではかなり迷いました。

ピストイア

サン・ジョバンニ・フォルヴィタス教会/S.Giovanni Fuorcivitas

12世紀にピサ様式で建てられましたが、コマチー二の工匠たちにより14世紀にようやく完成。美しい暗緑色と白の縞模様の残る側面が見所です。

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↓ 扉は堅く閉ざされていました。内部にはタッディオ・ガッディの祭壇画があるとのことでしたから、見られず残念でした。

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↓ 扉口のアーキトレーヴには12世紀のグルアモント作の彫刻が施されています。主題は「最後の晩餐」の場面ですが、拡大してみたらキリストの足元に人物がいて、食べ物をキリストから与えられているような・・・この図像はユダの聖体拝領のようです。この聖ヨハネの記述によって表現された図はオリエントには見当たらず、フランスに多いそうです。

このときイエスが「あなた方のうちのひとりがわたしを裏切ろうとしている」と言ったとき、左のヨハネはイエスの胸に寄りかかったまま「主よそれは誰のことですか」(この非常事態に甘えるのもいい加減にしなさいなって言いたくなる 笑)、イエスは「わたしがパン切れを浸して与えているのがその人だ」と答えられた・・・。

 

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↓ 途中八百屋さんを覗いたりして、うろうろしながらドゥオーモを目指します。

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↓ ドゥオーモDuomo/Pistoia

ピサ様式で12~13世紀に建てられたロマネスク建築。大理石の玄関柱廊は14世紀後半に増築されました。

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↓ 中央扉口のリュネットはアンドレア・デッラ・ロッピアのテラコッタ「聖母子と天使たち」(1505)。筒型ヴォールトも同作者によるものです。

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↓ 内部は三廊式で、後陣は17世紀に増築されました。

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↓ ロマネスク様式のクリプトにあった洗礼盤

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↓ ドゥオーモの正面左の鐘楼。頂上部の尖塔は16世紀のもの。

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↓ 八角形の洗礼堂は14世紀のゴシック様式。

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ドゥオーモの建つ大きな広場には中世の建物が立ち並び、美しい景観です。この広場の端に(i)があり、寄ってみました。ここも親切な女性がいて、丁寧な対応でした。雨の中、次に見学する教会はこちらから行くと近いからと、その方角まで一緒についてきてくれました。

サン・バルトロメオ・イン・パンターノ教会/S.Bartolomeo in Pantano

12世紀に建てられたロマネスク様式の教会。ファサードはピサ様式で、扉口にはグルアモントの作と思われる彫刻が施されています。

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↓ 内部は三廊式で、13世紀の説教壇がありますが、照明もなく、良く見えませんでした。

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ここで体力も限界になりました。もうひとつの教会はまた少し離れていますので、諦めました。近くにバス停があり、駅までバスで帰りました。フィレンツェまで40分ほどで到着するはずでしたが、列車が遅れて、ホテルに着いたのは予定より1時間以上も遅くなりました。今日はアンラッキーな日でした。

8時近くになって、夕食に出かけました。雨もやみましたので、マリーノ・マリーニ美術館近くの以前友人たちといったことのあるレストランへ行ってみましたが、この日は貸切で一般客はお断り。しかもTVカメラが店の外で来客を撮影中でしたから、ファッション関係のレセプションでもあったのでしょうか。この近辺はどこも混んでいて、ようやく見つけたトラットリアで夕食。丁度出てきた日本の方が安いし、味もまあまあよと教えてくれました。その通りでした。

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2009年初秋の旅9(フィレンツェ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/15 (火)

朝は曇っていましたが、次第に晴れ間が広がり、午後はかなり暑くなりました。今日は事前に予約していたヴァザーリの回廊の見学です。

現地のツアー会社からホテルにメッセージレターが昨日届けられ、15:30の予定が10:00になったとの知らせでした。この日午後に着いたりしたら、どうなるのでしょうか?10:00は混むから個人は15:30にお願いしますといってきてたのですが・・・フィレンツェの観光客はやや少なくなった印象はありましたが。

9時半ごろホテルを出発、集合場所のウッフィーツィ美術館の予約専用入り口へ。

↓ 途中にあるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

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↓ フィレンツェの街角の祠(タベルナコロ)。道行く人を優しく見つめる聖母子。

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↓ こちらはシニョリーア広場のロッジアにあるチェッリー二の「ペルセウス」(部分/複製)。マニエリスムの彫刻も好きです。

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↓ ここで十数名が集合(日本人も数名)、先にウッフィーツィ美術館の見学をしてから、ヴァザーリの回廊に降りていきます。美術館の見学はほぼ1時間半、ガイドの中年の女性が英語で説明してくれます。ユーモアを交えながら2時間半・・・最後は声が擦れるほど、熱心なガイドさんででした。

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ウッフィーツィは4回目ですが、イタリア・ルネッサンスの名画の数々は何度観てもいいので、おとなしく(笑)グループの皆さんと鑑賞しました。

↓ 美術館からのポンテ・ヴェッキォの眺め。右下の赤い瓦屋根がこれから巡っていくヴァザーリの回廊です。メディチ家のコジモ一世の発案で、ヴァザーリが設計しました。クーデターなどが起こったときに、ウッフィーツィでの政務室から堅固なピッティ宮殿まで外に出ないで逃れるようにと、建設されました。壁に飾られた「自画像」の数々を鑑賞しながら、500mを1時間ほどかけて歩きます。

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トイレ休憩の後、2階のアルノ川の見えるギャラリーのめだたない扉が開いて、係員に先導されながら階段を降りていきます。壁に飾られた絵画などは撮影禁止ですが、窓の外はOKです。

↓ ポンテ・ヴェッキオの真上に来ました。

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↓ 係員も黙認?回廊内部をパチリ。

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ここの自画像のコレクションは、画集などではほとんど見かけないものです。印象に残ったのはブロンズィーノ、モランディ、カッリエーラなど。

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↓ サンタ・フェリチタ教会のなかを抜けて

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↓ 終点はピッティ宮殿の裏のグロッタの左のドアから外に出ます。

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↓ 解散の後、皆さんとお別れしてウッフィツィの近くまで戻り、ランチにしました。サラダ、ポルチーニのグリル、ベリー尽くしのデザートはナチュラルで。久しぶりに野菜主体のチョイス。ヘルシーで美味でした。

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この近くにウッフィツィの別館があり、コンティーニ・ボナコッシコレクションがあるはずですが、住所は確かにこのレストランの通りなのに見当たりません。ウッフィツィの係員に尋ねたところ、予約制だけれど、当分見られないとのことでした。係員も詳しいことは分からないようでした。この近辺は工事中でもあったので、諦めてホテルへ。

久しぶりにホテルの前にあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の見学をしました。一昨日、カルミニャーノのポントルモの「Vizitazione」を観て思い出したのが、ギルランダイオのフィレンツェ風俗の同テーマのもの。

↓ ギルランダイオDomenico Ghirlandaio(1449~94) 「Vizitazione」サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内陣(壁面に描かれた聖母の生涯の一部)絵葉書

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ホテルで休憩の後、Tさん、Aさんの3人で楽しいディナーです。その前にアクシデントがあり、そのお話をTさんに伺いながら、カラビエーレのオフィスへ。マルケからフィレンツェまで、遠方来てくださったAさんがショッピング中にお財布を掏られたのです。スリ事件の前にもTさんが財布を落として、ここへ来ましたので(Tさんのは間もなく見つかりました)、お巡りさんが新たに現れた私を見て、この人も掏られたのかとびっくり!違う違うとTさん・・・話せば長くなるのでこの後は略します。カード会社などへの連絡が済み、Tさんのご案内でビステッカ アッラ フィオレンティーナの美味しいお店へ。

大変なことになり、Aさんには申し訳ないような思いでしたが、こうなってしまってはもう笑い話にするより他ありません。3人でお互いのドジ話をして盛り上がりました。Tさんチョイスの赤ワインもお料理も、とても美味しくいただきました。

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食事の後はTさんのお宅へ伺い、夜中までお邪魔してしまいました。サン・スピリト近くの便利なところにお住まいです。愛猫のもじゃチャンにも会えました。(嫌われましたが 笑)

Aさんに途中まで送っていただき、徒歩10~15分のホテルに帰りました。お疲れのところ、ありがとうございました。

明日は早くもフィレンツェから離れる日です。しばらくはフィレンツェに来られないでしょう。TさんやAさんにお会いできて本当に良かった~!!皆さんに感謝しつつ眠りにつきました。

 


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2009年初秋の旅10(フィレンツェ~サン・クィリコ・ドルチア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/16(水)

Firenze8:50→SienaBT10:25....SienaFS14:10→San Quirico d’Orcia15:09

hotel Relais Palazzo del Capitano 1泊

今日は少し早起きして、8時過ぎにはホテルをチェックアウト。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の向かって左にあるSITAのバスターミナルへ。

ここは8年前に、今回と同じくシエナに行くために来たことがありました。でも、どこで切符を買うかも忘れてしまっています。間違えて、インフォーの列に並びましたが、なかなか順番がきません。途中から気がつき、発車5分前に待合室のある窓口に並び直し、タッチの差で滑り込み・・・慌てました。身体だけでなく、お頭のほうも柔軟性が衰えたことを痛感しました。(涙)

シエナの終点のバスターミナルからFSの駅までの移動は下り坂道ですが、キャリーを転がすには石畳なので、かなり大変でした。途中でギブアップ、バス停を見つけて駅まで乗りました。

シエナのFS駅は初めてです。事前にここからサン・クィリコ迄の直通バスがあるとNETで調べてあったのですが・・・いまいち不安なので、サン・ガルガノの見学前に、直接確かめなければなりません。13:10発を確認し、乗車券も購入しました。タクシーも何台か停まっています。よしよしと安心して、トイレなどへ行って、いざ乗ろうとしたらタクシーはゼロ・・・あれれ。

それでも、数分待っているとタクシーはやってきました。この運転手さんは良い方で「サン・ガルガノまではメーターで50€くらいだけれど、見学の時間待っているので、その分は加算されるよ。でも帰りはメーターは倒すからね。」と片言の英語で説明してくれて、安心でした。見学にほぼ1時間かかりましたので、チップを入れて80€お支払いしました。

シエナから西南に向かって30k以上、小さな町や山道を抜けて走ります。田園地帯に建つ廃墟の修道院に着いたときは、既に時計の針は11時半を周っていました。バスの時間までぎりぎりですが、あまり慌てたくない思いが強く、時間は気にしないことにしました。

サン・ガルガノ修道院/S.Galgano

13世紀にシトー派の修道士によって建てられたゴシック様式の修道院です。当時は繁栄しましたが、15世紀には衰退を初め、建物も16世紀には崩壊しました。同時に修復も始められたのですが、18世紀にはより崩壊度が進んだようです。

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この修道院の存在を知ったのは、そう古くはありません。8年前シエナの書店で、この修道院を特集した雑誌を見かけたのが、初めてでした。

その後、イタリアにお詳しいKさんやBさんからの情報をいただき、タルコフスキーの『ノスタルジア』の舞台になっていること、そしてビデオをコピーして送っていただきました。

タルコフスキーはこの映画の最終場面にこの廃墟の修道院と亡命したソ連の故郷をオーバーラップさせています。此処に立つと美しくも切ないあの場面がよみがえって来るようでした。自由への希求が、あれほどの強い普遍性を持って胸に迫ってきたフィルムは他にあるでしょうか?(この旅の前に再び観たかったのですが・・・ビデオ対応のTVでなくなったので、かないませんでした。記憶違いがあるかもしれません)

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一昨日の雨が側廊に溜まっていて、なおさらに・・・タルコフスキーの世界。

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ふと我に返り、あたりを見ますと、丘の上に教会らしき建物の姿が目に入りました。タクシーの運転手さんにもう少し待っててねと断って

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↓ 坂道を登っていきます。振り返ってサン・ガルガノを写しました。

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↓ ようやく(といっても数分くらい)見えてきました。

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ロトンダ ディ モンテシエピ/Rotonda di Montesiepi 

集中式平面プランのロマネスク様式の小教会は廃墟の修道院を見下ろす丘の上に建っています。12世紀のオリジナルの建築が残っていて、細く小さな鐘楼が控えています。

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↓ 内部はドーム天井と壁面が縞模様の同心集中的な装飾になっていて、シンプルで落ち着いた空間を造り出しています。

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聖ガルガヌスが平和を願って、岩に打ち込んだという剣が残り、左に続く礼拝室にはアンブロージョ・ロレンツェッティ(1285~1348頃)のフレスコ画「荘厳の聖母マエスタ」(リュネット部分)ほかが残っています。シエナ派の代表的画家として知られていますが、このサン・ガルガノには1344年に滞在して、描いたものと思われます。

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その下の「受胎告知」はかなり剥落していますが、聖母の顔をクローズアップしました。

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↓ 上空からの撮影の絵葉書

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続きます

 

 

 

 

 

 


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2009年初秋の旅10/続編(フィレンツェ~サン・クィリコ・ドルチャ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/16の続きです。

サン・ガルガノの見学が終わりました。時計を見るとバスの時間まで30分しかありません。カーブの多い山道の箇所もあり、40分はかかりますから・・・やはり間に合いませんでした。

シエナ駅に戻り、もう一度バス停に張ってある時刻表をチェックしました。モンテプルチャーノ行きが1時間後にあり、サン・クィリコを経由することがわかりました。NETで調べたときは2時間後だったので、やはり、現地に来てみなければ分からないものです。

駅構内のBARでピザ一切れとカプチーノの簡単なランチを済ませ、友人に絵葉書を書いているうちに発車の時間になりました。バスはシエナから南下、トスカーナらしい糸杉の見える丘を幾度も越えて、ここも丘の上の町のサン・クィリコ・ドルチャに到着しました。町やホテルの地図を忘れたため、チェントロで降りましたが、かなり歩きました。道行く人に尋ねながら、旧市街のホテルへ。

此処に限らず、資料さえきちんと揃えていたら、困ることは少なかったと思います。いろいろ忘れ物などもして、不備があった旅でした。我ながら「どうしちゃたのだろう?」と自問自答・・・。(涙)

ホテルは広い庭園のついた2階建てのプチホテル。田舎のお屋敷風なところが素敵な宿でした。メゾネットになっていて、梯子を昇るとソファーの置いてあるリビングですが、その梯子が急なのでちょっと覗いただけで使いませんでした。(怪我が怖いですから)

↓ バスルームは奥の石段のほう。石段の左にリビングエリアへの梯子がかかっています。

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↓ バスタブなしですが、窓もあり広々。

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↓ 窓から庭を見たら猫が棚の上を歩いています。

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↓ 庭から見たホテル。

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参事会教会/Collegiata

宿の前の道からすぐの小さな広場に、12~13世紀のロマネスク様式の教会が建っています。正面扉口(11世紀)と広場に面した2つの扉口(13世紀中ごろ)があります。シエナの影響を受け、砂岩とトラバーチンで構築されています。

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↓正面の前は坂道になっています。

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↓ ファサードは簡潔な切妻に薔薇窓、束ねた円柱のある柱廊がついています。

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↓ まぐさ石に2匹の龍がご対面。

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↓ 旧市街入り口の門Porta Nuova 右のバールのテラス席はお爺さんたちが、いつも大勢でおしゃべりしていました。

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↓ メインの一本道を行きますと、徒歩数分で町外れです。

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↓ サンタ・マリア・アッスンタ教会/Santa Maria Assunta

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教皇べネデット8世により11世紀に建てられた小さな教会です・

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↓ 教会の裏手に座っていた猫。

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↓ 町の酒屋さんのショーウィンドウに、シエナのグイドリッチョのラベルの貼られたワイン。美味しそう~。

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↓ 夕暮れが迫ってきました。西日がコッレジャータに当たり、先ほどとは違う姿を見せていました。

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↓夕食はホテル(別棟)のレストランがこの日はお休みとか・・・美味しいと聞いていたのでがっかり。紹介された近くのレストランへ。

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アンティショークなど野菜のグリルと生トリフのパスタ。

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味は普通でしたが、お腹も空いているはずなのにあまり食べられません。サン・ガルガノで興奮しすぎたのかしら・・・ひどく疲れていました。

夜中に発熱と下痢が始まりました。他に風邪の兆候もありませんから、疲労からきたのでしょう。明日、ローマへ戻るまで、どうしてもサンタンティモだけははずせません。高熱に震えながらよろよろとトイレとベットを行き来しました。そのうえ教会の鐘が深夜でも毎時鳴り響き、ほとんど眠られないまま朝になりました。

 

 


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2009年初秋の旅11(サン・クィリコ・ドルチャ~ローマ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/17 (木)

SanQuirico d’Orcia→Abbazia di S.Antimo→Pienza→Montepulciano→Chianciano Terme(Chusi)→Roma          Hotel Ariston 2泊

今日も朝から青空の広がる良い天気でした。昨夜に予約したタクシー(白タクをチャーター)が10時に迎え来ます。それまで朝食は抜き、ベットに横たわっていました。なんとか熱も下がり、下痢も止まったようです。身体に力は入りませんが、車がモンテプルチャーノまでは運んでくれるのです。だから、大丈夫と自分に言い聞かせ、チェックアウト。すでにタクシーの青年がロビーで待っていました。ホテルで紹介してもらったので、料金も教会などの待ち時間も含めて80€と決まっていて、安心でした。

この辺りはオルチャ渓谷と呼ばれ、トスカーナ地方でも風光明媚で知られています。まず、車はトスカーナワインの生産でも有名なモンタルチーノの丘の上の町を通り抜け、山道を越えて走ります。谷間の葡萄畑の彼方にサンタンティモ修道院が見えてきました。

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サンタンティモ修道院/S.Antimo

この修道院の起源は古く、8世紀のカロリング時代にまで遡るといいます。9世紀からの資料は残っていて、ベネディクト派の修道院として繁栄しましたが、13世紀には衰退が始まり、15世紀には廃院となりました。1992年から修道士たちが入り、再び活動するようになりました。現在の修道院付属の教会は12世紀の建築で、シトー派の影響の見られるロマネスク様式です。

↓ オニキスが組み込まれた、輝きのあるベージュ色の建物が周辺の緑に溶け込んでいます。車は教会の近くまで入れます。

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↓ ファサードの扉口。柱廊の痕跡が見られます。

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↓ 内部に入ったところに、その柱廊を飾っていたと思われる獅子が左右に置かれています。

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↓ ここで問題が起きました。カメラは禁止の表示が目に入りました。しかし、見物客は数名でしたが、パチパチフラッシュまでたいて撮影中です。私めも恐る恐る・・・。

カメラを構えながら「あ~綺麗!」と思わず感嘆の声がでます。すると側に白い僧服の修道士さんが、いつの間にか立っています。カメラをチラッと見ましたが、やさしく微笑みながら「どこから来ましたか?」。見逃してくださったのです。私の片言イタリア語で、少しお話しました。ほっとしました。

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↓ 主祭壇にロマネスクの木製のキリスト磔刑像。内陣は周歩廊になっていて、ここがヴィア・フランチージェナを経由してローマへ向かう巡礼の宿場だったことが伺えます。

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↓ 身廊の天井は木造ですが、側廊の天井は石造りの半円蓋。

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↓ 柱頭彫刻の中で見逃せないのはカベスタニーの工匠の「獅子の穴のダニエル」、ここだけ異彩を放つ作風です。

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↓ 上の「獅子の穴のダニエル」の裏側

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↓ 帰る頃は内陣の光が落ち着いてきました。

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絵葉書を買っていましたら、日本人のツアーのかたたちが入ってきました。「こんにちは」と挨拶しましたが・・・。

↓ 外壁や持ち送りにも多彩な彫刻が並んでいます。

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↓ この彫刻はオニキスが使われています。

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↓ オニキスの組み込まれた外壁。

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↓ 後陣外観や全景を撮り、

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↑ 名残惜みつつ次の目的地ピエンツァへ。

Pienzaへ行く途中は迂回して、Bagno Vignoniに寄るつもりでしたが、この迂回路は山道で時間がかかり過ぎるというので、諦めました。

ここもタルコフスキーの『ノスタルジア』の舞台になり、主人公が狂人とみられるある男との出会いの場所でもありました。その男の演説は終末の予言だったのでしょうか・・・真実と恐怖がないまぜになったような、強く印象に残りました。『ボリス・ゴドゥノフ』にでてくる聖愚者が思い出されます。ロシアには「白痴の言葉は真実だ」という言い伝えがあると聞いたことがあります。タルコフスキーが登場させた人物とはどこかで繋がっているようにも思えました。

↓ 途中で買い求めた絵葉書です。

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夢中になって観たサンタンティモのおかげで、体調は身体に力が入らず、少々ふらつくものの、なんとかローマまで辿り着けそうです。

元の道に戻り、モンタルチーノからサン・クィリコを経て、ピエンツァの町の丘を下ると、サン・ヴィート教区教会がひっそりと建っています。

↓ コルシニャーノのサン・ヴィート教会/San Vito a Corsignano

現在の姿は11~12世紀の建築ですが、8世紀から9世紀に起源があるといいます。円筒形の切断された鐘塔が控え、黄色っぽい石が温かく、親密な雰囲気をただよわせています。

予定では昨夕来るはずだったのですが、サン・クィリコまでがバスの乗換えなどで大変でしたし、車のルート上の便宜もあり、今日にしたのですが・・・閉まっていました。ここは計画の段階ではノーマークだったのですが、6年前にここを訪れられたBさんのお勧めもあり、寄ってみることにしたのです。

 

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↓ ファサード扉口

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↓ 浅い浮き彫りも素朴で良い感じです。

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↓ 南扉口

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↓ ピエンツァからオルチァ渓谷の眺め

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モンテプルチャーノのバスターミナルに着いたのは12:30頃、予定通りでした。具合の悪そうな私に、いろいろ気を遣ってくれた親切な青年ともお別れです。

ターミナルには予想はしていましたがコインロッカーなどはありません。煙草屋さんのおじさんに聞いてみたら、隣に鍵のある部屋があるから、預かってくれるというのでお願いしました。しかし、足元見られて5€も要求されましたが・・・。

循環ミニバスがターミナルから出ています。モンテプルチャーノは大きな町で標高が高く、私の今の状態ではとても歩いてはいけません。勾配のある細い坂道にはみやげ物屋やバールなどが軒を並べて賑やかです。この頂上とおぼしきドゥオーモ広場で降り、少し散歩しましたが、坂が多いのでじきにギブアップ。広場で簡単にランチを済ませ、またミニバスでターミナルに戻りました。

↓ モンテプルチャーノからの眺め。

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↓ ドゥオーモ広場 

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さて、バスターミナルに戻り、荷物を受け取ろうとしましたが、なんと!煙草屋さんが閉まっています。

一瞬パニックに・・・隣のバールのおばさんに聞くと、今は昼休みだから3時には戻るはずといいます。バスは3:20発なので、大丈夫だからと思うものの、待つ間はホントに心配でたまりませんでした。一緒に心配してくれたバスの運転手さんも煙草屋のおじさんが3時5分に戻ってきたので、「良かったね」と言ってくれて、しかもこのかたはChianciano Terme(Chusi)までのバスの運転手さんでした。バスにはFS駅までが終点と書いていないので、この運転手さんが大丈夫駅まで行くよと教えてくれて一安心。

バスの発車時間の少し前に、日本の70歳半ばの男性がやってきました。聞けばChianciano Terme(Chusi)で列車に乗り換え、ローマまで行かれると言います。シエナでバスの乗換えが分からなくて、ここまでタクシーで来られたそうです。シエナからはFSからバスが出るのをご存知なかったのです。(内心、私の勝ちと思いました 笑)

旅は道ずれです。列車もご一緒してローマまで戻りました。65歳までお仕事をして、それからイタリア語を習って、イタリアを旅するようになったそうです。今回も田舎では若者の一人旅のかたは見かけませんでした。じいさんばあさんのほうが元気なようですね。

ローマのホテルに1週間ぶりに舞い戻りました。この期間は部屋代が上がりますので、シングルで予約したのですが、こんなに疲れていてはバスタブが必要です。1泊35€を払ってダブルのバスタブつきに変えてもらいました。部屋でおかゆを食べて、お風呂に入って、泥のように眠りました。

 

 


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