2009年初秋の旅3/続編(ローマから日帰り観光) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]
3/9 の続きです。
この電車は降りるときベルを鳴らさなければ、通過してしまいます。それを知らなかったのですが、少し早めにデッキに行ったら、丁度一緒に降りる方がいて私が押しますといって、押してくださったので、初めて気がつきました。危なかったわ。(冷汗)
そして電車から降りて初めて、この駅の位置が分かりました。左を見ると小高い丘の上の旧市街が思っていたより近くに見えます。まず一安心です。
チヴィタ・カステッラーナには私が乗車した私鉄のノルド線の駅と国鉄FSの駅と2箇所あるのですが、この両駅の位置がGoogle Earthでははっきりしませんでした。旧市街の観光には私鉄のほうが近いので、良かったです。
↓ トレイア川(ティヴェレ川の支流)を渡り街の中心へ。橋から下を覗くと、かすかかに川の流れる音が聴こえるのですが、川は肉眼では見えないほど谷底深く、木々が生い茂っています。写真は旧市街への坂道から振り返って撮りました。
旧市街の中心の広場に着きました。
観光客はほとんど見かけませんでした。静かですが古い町並みのやや寂れた感のある街です。崩れ落ちそうな家の壁に立派な陶製の祠。
裏道を辿って行くとサン・グレゴリオ教会(S.Gregorio)が見えました。閉まっていましたが、夕方のミサには開けるのでしょう。
創設は12~13世紀ですが20世紀に改修されています。
↓ 後陣外観
また違う道をドゥオーモに向かって歩きます。
ドゥオーモ/チヴィタ・カステッラーナCivita Castellana
玄関柱廊や塔などの外観は13世紀に建てられた当時の面影を残しています。この柱廊はコズマ一族の作品で、アーチに縁取られた中央扉口はさすがに見事なものです。
↓ 半円の薔薇窓。ラッツオ・ロマネスクの流れが濃厚に見て取れます。
↓ 右扉口のルネッタに「祝福のキリスト」のモザイク(13世紀)。
↓ 床のモザイクはもちろんコズマーティの工匠たちの作品ですが、内部は大部分改修されています。
↓ 初期キリスト教の石棺で作られた祭壇
↓ クリプト。教会もここも誰も居ません。
広場に面したバールでお茶タイム。4時半になりました。カステル・サンテリアのバジリカが開く時間が5時なのです。タクシーは見当たらないので、ここの若い方に頼んでタクシーを呼んでもらいました。カステル・サンテリアCastel Santeliaまでの往復と教会で30分待ってもらい30€でした。この運転手さんも5時で仕事は終わるから、早く帰りたいといっていましたが・・・分からないふりで、無視。そのせいか凄いスピードで田舎道を走りました。(ここで死にたくない~と冷汗)
早くも10分前には谷底にある教会に到着。すると教会の前は大勢の着飾った人たちが・・・これから結婚式なのです。急いで見学しなければなりません。
カステル・サンテリア聖堂 Basilica di Castel Santelia
創建は8~9世紀ですが、11世紀に再建されました。ビザンチン風のフレスコ画は12世紀のもの。
焦りつつも可愛い着飾った女の子をパチリ。
↓ 正面左の扉口 レリーフをつぎはぎにはめ込んだアイディアが良いですね。
↓ 正面右の扉口
結婚式のセッテイングがとても綺麗。正面から。
内陣から正面を撮影。こんな素敵な聖堂でウエディングなんて、羨ましすぎですね。
ロマネスク期のフレスコ画としては類をみないほど色彩豊かでです。ビザンチンのモザイクに多く見られる華やかな細かい柄模様の衣装をまとった下段に並ぶ聖女たちや大天使たちの美しいこと。
↓ 右翼廊の壁は上部まで壁画がびっしり描かれています。ここでは結婚式の音楽を担当する数人の演奏者が音あわせなどしていましたので、あまり近づけませんでした。
中心になるのが後陣の半円蓋に描かれたキリスト。足元の4本の線は「天国の四大河」を表しています。
↓ 大天使ミカエル
後陣正面の半円蓋に描かれたキリストの足元の「神の子羊」。聖杯に血を流しています。ゲントの「神秘の子羊」を思い浮かべました。
後背部に周ってみました。裏の坂道が墓地から上に続いています。
私が見えなくなったので、焦って運転手さんが探しに来ました。正面に戻りましたが、まだ花嫁さんは現れません。お婿さんがいらいらした様子で電話中です。花嫁さんを待ちたかったのですが、早く帰りたい運転手さんに急かされて、チヴィタ・カステラーナの駅に戻りました。なんとか目的の聖堂が見られてほっとすると急に空腹になり、ホームで電車を待ちながら残ったおにぎりを食べました。
ラッツオの野に落ちる夕日を眺めながら、またゴトゴト電車に揺られてローマに帰りました。
大層疲れて、外に出る元気もありません。手持ちのもので軽く夕食を済ませました。
お帰りなさいませ。
ローマはここ5年くらい行ってません。
ローマというとミラノやフィレンツェに比べてゴタゴタして動きづらい所という印象があるのですが、アリーチェさまは最初から一日中有意義に行動なさってパワフルでらっしゃいますよね。
それにいつも1ヶ月くらいの長旅をこなしてらっしゃって凄いです。
私など8日ぐらいがちょうど良くて10日も離れてると疲れて早く帰りたくなってしまいます。
今回の旅行記も楽しみに拝読させていただきますが、お疲れのでませんようご自愛ください。
by kametaro07 (2009-10-06 00:08)
Kmetaroさん
ローマは確かにごちゃごちゃした印象ですね。私も2,3回行けばもう良いわと思っていたのです。
それが、いつのまにかモザイクが好きになってしまったので、ローマの中世の教会を訪れなくては話にならないと決め込んで、昨年今年と2年続けて行ってしまいました。(汗)
ローマはあちこちいっぺんに行こうとすると無理なので、ブロックごとに見学するとそのエリアの雰囲気もわかって面白いです。
今回で5回目でしたが、ここでオペラを見たのは1度きり。最近ムーティがここの歌劇場に力をいれてきていますね。ローマは当分行かないつもりで帰ってきましたが・・・。
長旅は今回で終わりですよ~。元気なうちに長旅の放浪気分が味わいたかったので満足しています。
by alice (2009-10-06 13:17)
池田健二氏の新書版にでている教会で、ラツィオとアブルッツィオ、それからチェファールーが未踏ですが、もし健康が回復したら、カステル・サンテリオなら行けるかもしれません。詳細なレポート、ありがとうございます。パロンバーラ・サビーナの修道院も魅力的ですね。でも、どうやって行ったらいいのか。ここのキボリウムは、驚くほどマルケのサン・レオのLa pieveのキボリウムに似ています。
by kikuko (2009-10-30 16:58)
Kikukoさん
カステル・サンテリオはお勧め!!
本当は谷底の教会まで歩いていきたかったのですが・・・。でも車が教会の前まで入れるとは思いませんでした。
あの時は結婚式のため、華やいだ雰囲気でしたが、平常は鄙びたところだと思います。
チヴァーテ、パロンバーラ・サビーナの修道院、アブルッツィオ、カンパーニァ私も行きたいところばかりですが、きりがないですね・・・。
by alice (2009-10-30 21:49)