2012年夏の旅(25-1)イソワール~サン・ネクテール [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]
9/16(日)Issoire (TAXI)9:30→Saint-Nectaire10:00/11:30→Auzon12:20/12:50→Brioude(バス)13:21→Le Puy-en-velay 15:00
Le Puy-en-velay / All Seasons Le Puy en Velay Centre 2泊(1泊101€)
朝方の冷え込みで目が覚めました。夏の終わりから始まった旅はすでに秋になってしまった感があります。いよいよ終盤のロマネスク行脚も残りわずか、心引き締めて向かいます~。
↓ レストランで質素系の朝食をとり、昨夜予約してもらったTAXIでサン・ネクテールへ。
↓ 途中の風景/ 丘の上の廃墟の城や塔など。風光明媚なところは多いのですが、若い運転手さんだったので、すごいスピードで駆け抜けます。シャッターチャンスを逃してばかり・・・。
14年前はサン・ネクテールの周辺は村の民家くらいだったと記憶していましたが、村に入る手前の道沿いには新しい大きなホテルやレストランなどが並んでいました。温泉場なのかしら?
↓ コルナドール山麓のテラスに建つサン・ネクテール教会が見えてきました。
↓ 教会前の広場に到着。あらら!今日は日曜日なので青空マルシェが立っていました。もちろん、サン・ネクテール名産のチーズ専門店もありました。
☆L'Eglise Saint-Nectaire サン・ネクテール教会
3世紀に聖ネクテールが創建。聖人の死後、ここに埋葬され巡礼者が訪れるようになった。管理していた「ラ・シェーズ・デュー修道院」がこの地をオーヴェルニュ伯爵から寄進されて、現在みられる教会(12世紀)を建設したという。石材は地元産の薔薇色と灰色の粗面岩(火成岩の一種)。オルシヴァルとよく似たオーヴェルニュ様式であるが、一回り小さい。大革命時に大きな被害を受け、19世紀に西正面の方形の双塔や交差部の鐘塔などが修復された。
↓ 教会ではミサの真っ最中でしたので、外観の見学から始めました。北側から交差部の八角形の鐘塔を眺め
↓ 南側外観 14年前の黒っぽい外壁は近年洗浄されたらしく、柔らかい色調になりました。
↓ 南翼廊上部の破風の壁にクロスの装飾
↓ 後陣外観
さて、ミサも終わり教会内部へ。実は前回訪問のとき、教会はクローズしていて内部は観ていないのです。その時のツアーガイドの説明では当時の神父さまが相当に偏屈といいますか頑固な方で、教会が見世物になるのをかなり嫌がっていて、政府や観光協会との確執もあり、気が向かないと開けないそうなのです。その気持ちもわからないわけではありませんが・・・とても残念でした。それもあって今回は無理して足をオーヴェルニュまで伸ばしたのです。神父さまが亡くなられたあとは、オーヴェルニュの他の名教会と同様に安定した状態(撮影も可)で、見学できるようになりました。
↓ 内部は外壁同様近年洗浄または塗り直されたようで、意外に明るい堂内です。
↓ 後陣のステンドグラスの窓から朝の太陽の光がまぶしいほど差し込んでいました。
内陣を囲む6本の円柱の柱頭に「キリストの受難」「キリストの変容」「聖ネクテールの奇跡」「ヨハネの黙示録」「最後の審判」「キリストの復活」がそれぞれ4面に彫られています。
↓ 「キリストの復活」の場面/ 空になった墓はモザやイソワールと共通の古代的な記念墓の形。
↓ 天使と3人の聖女たち
↓ 「キリストの受難」の<十字架を担う>と<不信のトマス>
↓ <キリストの就縛>ユダの接吻
↓ 「キリストの変容」
↓ 左に眠り込む弟子たち
↓ <パンと魚の増加>5個のパンと2匹の魚/キリストと弟子たちが食卓にいる場面は一見「最後の晩餐」に似ていますが。よく見るとキリストの胸にもたれかかるヨハネも光輪のつかないユダの姿もないので、キリストの行った奇跡のひとつと考えられます。そうなると昨日のショーリアの柱頭彫刻は「最後の晩餐」ではないのかも・・・。
↓「ヨハネの黙示録」の<黙示録の騎士>青白い馬に乗り羽が生え3本の槍を持つ。
↓ 「最後の審判」の<ラッパを吹く天使たち>
↓ ステンドグラスからの光を受けて染まるイーグルは火の鳥のようでした。
他にも周歩廊や側廊の柱頭彫刻にも面白いものがあります。
↓ 「竪琴を弾くロバ」
↓ 「善き羊飼い」 このテーマもオーヴェルニュに多いようです。
↓ 「荒野の誘惑」
↓「コルナドール山の聖母」 12世紀木彫
↓ 帰途の風景を目にとどめながら、イソワールを通過してオーゾンへ。
続きます~
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