SSブログ

2009年初秋の旅5/続編(トゥスカニアとタルクィニア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/11 の続きです。

ご機嫌な昼食も終わり、バスの時間までのんびり街歩きをしましょうと、もう一度スケジュール表を確認しました。なんと!!30分も勘違いしていたのです。それでも、まだ20分あるから大丈夫と思ったのですが・・・。旧市街の迷路を抜けて、バスの出るはずの広場へ向かいます。町の中心の大きいな広場だからすぐ見つかるはずでしたが、道筋が複雑なので地元の人に説明してもらっても良くわかりません。ようやく広場にでましたが、どこにもバスの姿はなくきょろきょろ。瞬く間に時間が過ぎて、発車の時刻です。すると何本もある通りの死角の一本からいきなりバスの姿が現れました。「待ってぇ~!!」と追いかけました。いつぞやも追いかけて、停まってくれたことがありましたので・・・。でもあいにく運転手さんはこちらに気がつかず、走り去っていきました。これを逃したらバスの便は悪く、タルクィニアの観光に支障をきたします。

気がつくと、近くにピッツエリアがあります。お店に飛び込んで「タクシー呼んでくれる?」「トゥスカニアにタクシーはないから、ヴィテルボから呼ばなければならないよ」「え~っ!!」とパニックのダブル状態・・・しかし、呼んでもらうよりしようがありません。ヴィテルボからなので70€もかかりました。(涙)

タクシーが来るまで30分、このお店のひとたちは親切で、お店を閉めて帰る時間なのに、一緒に待っていてくれて、冷たいソーダもご馳走してくれました。優しい人たちに出会えてホントに良かったです。感謝しつつ宣伝します。

LA PULCINELLA
Trattoria - pizzeria

Indirizzo: Via Tarquinia, 37
Coperti: 60 - Chiusura: lunedì
Telefono: 0761 444078

↓記念撮影。

P1010237.JPG

タクシーでタルクィニアまで30分走り、丘の上のサンタ・マリア・ディ・カステッロ教会で降車しました。運転手さんは閉まっているよと去っていきました。ふと隣の家の前に鍵を持っている中年の女性が立っているのに気がつきました。まるで私が来るのがわかっていたような謎めいた様子・・・とは考え過ぎで、只の偶然だったのでしょう。(笑)

サンタ・マリア・ディ・カステッロ教会/S.Maria di Castello

中世の塔のついた城壁に囲まれた、タルクィニアでも古い地域に建っています。車では結構登ったような気がしたのですが、旧市街に降りていく道はなだらかな坂道でした。壁式鐘塔を上部に頂き、ファサードは3つ。教会は12世紀から13世紀初めに建設されました。

 

P1010249.JPG

↓ 中央の扉口は上部の2連窓ともどもコズマーティの工匠たち(Ranuccioの記名あり)によるモチーフで飾られています。

P1010250.JPG

北扉口から鍵を開けて入り、見学中はずーっと管理人さんが見張っています。

↓ バジリカ形式の内部は装飾の少ない分簡素で美しい空間が広がっています。床のモザイク、洗礼盤、説教壇、チボリウムは建設当時からのものが残っています。

P1010239.JPG

P1010248.JPG

↓ 中央のドーム天井、北壁上部の薔薇窓。

P1010245.JPG

P1010243.JPG

P1010244.JPG

↓ 教会の前から降りていく道。

P1010252.JPG

↓門から教会方向を見たところ。

P1010254.JPG

↓ 徒歩数分で国立タルクィニア博物館の入っているヴィッテレスキ館(15世紀)の近くに出ます。そのすぐ向かいの広場からヴィテルボ行きのバスが発車するのを確かめ、一安心。

博物館はカメラ禁止です。エトルリアやローマ時代に彫られた墓石や石棺が主な陳列です。ここで有名なのは有翼馬Cavalli alati(紀元前4世紀末~前3世紀)の浮き彫りです。画像はネットからお借りしました。

output_immagine.jpg

博物館の中庭。突き当り左側にチケット売り場と入り口があります。

P1010255.JPG

↓ 町役場(11世紀に建てられ、その後バロック様式に改築されている)。この階段下の通路を抜けて、古い町並みを散策しました。

P1010256.JPG

↓ 小路の突き当たりに可愛らしい教会を発見。教会前に看板があり、サンテッシマ・アヌンツィアータ教会/SS.Annunziata(12世紀)でした。実はここはノーマークでしたので、偶然とはいえ得した気分でしたが、工事中らしく閉まっていたのは残念でした。

P1010257.JPG

帰国後調べたところ、扉口はシチリア・ノルマン様式の文様を取り入れているそうです。

P1010258.JPG

P1010259.JPG

↓ サン・マルティーノ教会/S.Martino

12世紀の建築で、アラブ=ノルマン様式の影響を受けたと見られる後陣があります。

P1010263.JPG

P1010264.JPG

 

 ↓ このあたりの中世地区は塔が林立し、狭い地域に教会も多く建っています。

P1010262.JPG

↓ こちらはドゥオーモ。17世紀に改築されていますが、塔が例外なく付随され、後陣もサン・マルティーノに似て居ます。

P1010266.JPG

P1010265.JPG

タルクィニアの教会はトゥスカニアの教会とはまったく違った外観や様式を持っています。ティレノ海も極近く、海を渡ってきた文化的な影響も考えられます。

やや寂れた黒っぽい石(火山性の凝灰石)の多い建物が密集する古いエリアは、観光化されていない魅力もあり、旅情をしみじみ感じました。しかし、この町へ来て、有名な死者の町ネクロポリの見学をしないのは私くらいでしょうね。(笑)関心がないわけではなく、時間と優先順位の問題だけなのです。

今度はバスに遅れないように、30分も早くバス停に行き、ベンチに座っていました。1時間のバスの旅。途中延々と続く水道橋の景観に驚きながら、無事ヴィテルボに到着。夕食はモールのピザのテイクアウト。これも不味くて、涙でした。

 

 

 

 

 

 

 

 


nice!(0)  コメント(8) 

nice! 0

コメント 8

レイネ

タルクィニアでも、メインの鑑賞対象は教会だったんですね。
18年ほど前、エトルリアの墳墓群を見るためにタルクィニアに行きました。小高い丘の上にある畑の中に点在する墳墓に、ガイドが案内してくれて、いくつか内部見学ができました。
死生観が享楽的・楽天的なエトルリア文化には惹かれるものが多いんです。最近は、エトルリアの宝石の細工の驚異的テクニックと装飾デザインに圧倒されています。
タルクィニアの三頭の馬の浮き彫りも大好きです。
by レイネ (2009-10-08 04:50) 

tina

大変な思いをしながら旅をされて、記録を残してくださったaliceさんのおかげで、素晴らしい教会が見られて感謝しています。
サンタ・マリア・ディ・カステッロ教会の丸天井が黒っぽいのは木組みでしょうか?
by tina (2009-10-08 14:50) 

アリス

はじめまして。趣味でビサンティンの教会めぐりをしていて、
ローマを検索していたらここにたどり着きました。
過去の旅行記も大変楽しく読んでいます。
私は一人旅好きな40歳女性ですが、ブログを読んでいると
まだまだ冒険できるかなと、なんだか勇気がわいてきます。
さていつもご旅行の日程が長期のご様子ですが、その荷造りの内容を
いつか教えていただきたいです。
どのぐらいラーメンやご飯の素をお持ちになっているのか?
さらにオペラにもいける服装もあり、
身軽に移動できる秘訣を知りたいです。
これからも旅行記楽しみにしてます!!



by アリス (2009-10-08 22:06) 

alice

レイネさん

ローマの博物館が見応えあったので、タルクィニアはまあまあかなという感じだったのですが・・・バス乗り遅れ事件で疲れていましたし、

>タルクィニアの三頭の馬の浮き彫りも大好きです

あれには圧倒されました。今にも動き出しそうでした。

>死生観が享楽的・楽天的なエトルリア文化には惹かれるものが多いんです

笑って死ねる人生・・・最後はこうなりたい私も。
by alice (2009-10-08 22:33) 

alice

tinaさん

>サンタ・マリア・ディ・カステッロ教会の丸天井が黒っぽいのは木組みでしょうか?

そう、あの部分だけ木組みだったのです。また、ファサードでない南壁面に薔薇窓というのも変わってますよね。

tinaさんに紹介していただいた『エトルリアの微笑み』、あの夫婦の寝棺をまじかに見られたので、嬉しかったです。いろいろ刺激をいただいて、ありがたく思っています。

今回の旅で海外でマイミクさんたちとお会いする愉しみを得ましたので、秋の上京時にはぜひ!!会ってくださいませ。
by alice (2009-10-08 22:44) 

alice

アリスさん

ようこそ、はじめまして!!
お名前が読み方違いだけで同じようなものですね。よろしくお願いいたします。

ビサンティンの教会めぐり、私はほとんどイタリアですが、ギリシアとかトルコにもあるので行ってみたいのですが・・・。アリスさんは行かれましたか?

荷物は結構多いほうなのであまり偉そうなことはいえませんが・・・。

最近は少し軽くなりました。軽量タイプのリモアのスーツケースに変えてから、ですね。衣類は寒いときはキルティングのコートやジャケット。オペラには黒のジャケットにワンピースかツーピースを合わせます。靴はウォーキングシューズのほかにローヒールは持ちます。ローヒールだと余り歩かない食事のときなども気楽に履けます。

日本食はオペラのはねた後はカップラーメンやうどんなど。日帰り観光で地方へ行くときは白いご飯や赤飯のレトルトでおにぎりを作って持って行きます。あとは風邪を引いたり、おなかを壊すこともあるのでおかゆ(ドライのが軽いです)、それに梅干数個と海苔も。1ヶ月で合計10個くらいですから、そう多くはありません。

今回は行きはスーツケースが15キロ、小型キャリーが5キロくらいでした。帰りはオペラや美術館などの資料が増えスーツケースは20キロになりました。小型は変わらず。

化粧品は見本の小さなのをいくつか持って行くのが便利なので、化粧品売り場の方に買い物ついでに無心しています。(笑)


by alice (2009-10-08 23:14) 

アリス

さっそくお答いただいてありがとうございます。
私もリモアを愛用しています。でも軽いのでついたくさん不要なものまで
詰め込んでしまって・・・。以前の旅行記に、海老を買って塩ゆでにした
と書かれていたのを読んで、クッキングヒーターなんて旅の初心者が
持つものなんて勝手に考えていたので目から鱗でした。

ビサンティンの教会は、北ギリシャやキプロスまで行きました。
言葉もあまり得意ではなく、それなりに嫌な目にも遭いますが、
帰ってくるとまたちょっとハードルが高いところに行きたくなるのが
不思議です。
by アリス (2009-10-09 23:01) 

alice

アリスさん

>ビサンティンの教会は、北ギリシャやキプロスまで行きました。

そちら方面までおでかけとはさすが!!ですね。アリスさんはホームページなど、公開されていらっしゃらないのかしら?

言葉は私も得意ではなく、嫌な思いをすることもあります。近頃はイタリアも以前とは徐々に変わってきています。人種差別に近い言動をする輩もいて・・・まあ、どこにもいろいろな人がいますから。

クッキングヒーターは必需品です。でも、短期間の1週間や10日程度なら私も持っていかないと思います。以前、長く出られないときは持っていってません。
by alice (2009-10-10 15:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。