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2009年初秋の旅8(プラート&ピストイア) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]

9/14 (月)

この日は一日中雨が降りました。照る照る坊主の私はそれだけで、朝から気分が優れません。エンジンがかかるのが遅かった上に資料や傘を忘れて、また部屋に戻ったりしているうちに・・・予定の列車を逃してしまいました。プラートだから本数が多いはずだったのですが、この時間帯にあるはずのいくつかの列車は8月で終わっています。ギリギリで計算したプラートとピストイアの観光ですから1時間以上も待てません。駅前からタクシーでプラートへ向かいました。チップも含めて45€。フィレンツェのタクシーは高いです。自分のミスで余分な出費を余儀なくされ、情けないことでした。(涙)

プラートのドゥオーモでタクシーを降り、土砂降りの雨のなかを聖堂内へ駆け込みました。気温もぐんと低く16度くらいでした。

ドゥオーモ/プラートPrato

12~13世紀のロマネスク様式ですが、14世紀にゴシックで拡張されました。白と緑の大理石で飾られたファサードは14世紀~15世紀のものです。正面右角に据えられた説教壇はドナテッロの浅浮き彫りの「童児の行列」が飾られていますが、これはコピーで、本物は隣接の博物館にあります。雨の日なので暗く、写真は良くありません。教会の左がドゥオーモ博物館です。

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まず、聖堂内陣の礼拝堂の見学です。右側から2番目のアッスンタ礼拝堂にはウッチェロの作と推定される壁画があります。ウッチェロとしては平凡な感じはしますが・・・。

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隣のメインの後陣にはフィリッポ・リッピFilippo Lippi(1406頃~69)のフレスコ画が収められています。ここも長い修復の期間がありました。(2001~2006)

こんな悪天候の日ですから、鑑賞者も少なく、美しく蘇ったそれぞれの場面を堪能できました。2、3人でこっそり(笑)写真を写していたら、係りの方が来て注意されました。どちらにしてもフラッシュなしなので、写りは悪いですが・・・。

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初期ルネッサンスの代表作。当時のフィレンツェでも大センセーションを巻き起こし(例の恋愛事件もこの頃)、ボッテッチェリにも大きな影響を与えたといいます。晩年のスポレート大聖堂のフレスコ画も立派で、素晴らしいけれど、こちらのほうがみずみずしい若さを感じさせ、惹かれます。

次は隣接のドゥオーモ博物館の見学です。一部修復中で工事しているところもあり、、落ち着かなかったのですが、ドナテッロの浅浮き彫りの説教壇「童子の行進」などを見て、奥の展示室から回廊へ。ロマネスク様式のアーケードが一部残っています。ドゥオーモの鐘楼はロマネスク=ゴシック様式とのことです。

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ここから300mくらい歩きますと、FS/Serragio駅です。長く待たないで乗車できました。20分ほどでピストイアに到着。駅から旧市街までは結構歩きました。目的の教会に近いカジュアルなレストランで、ランチにしました。赤ワインで温まり、パスタ一皿で簡単に食事を終え、雨の中をまた歩き始めます。駅からこのあたりまでは人口も多いので、比較的新しい町並みですが、ドゥオーモ周辺は古い建物も密集しています。狭い路地ではかなり迷いました。

ピストイア

サン・ジョバンニ・フォルヴィタス教会/S.Giovanni Fuorcivitas

12世紀にピサ様式で建てられましたが、コマチー二の工匠たちにより14世紀にようやく完成。美しい暗緑色と白の縞模様の残る側面が見所です。

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↓ 扉は堅く閉ざされていました。内部にはタッディオ・ガッディの祭壇画があるとのことでしたから、見られず残念でした。

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↓ 扉口のアーキトレーヴには12世紀のグルアモント作の彫刻が施されています。主題は「最後の晩餐」の場面ですが、拡大してみたらキリストの足元に人物がいて、食べ物をキリストから与えられているような・・・この図像はユダの聖体拝領のようです。この聖ヨハネの記述によって表現された図はオリエントには見当たらず、フランスに多いそうです。

このときイエスが「あなた方のうちのひとりがわたしを裏切ろうとしている」と言ったとき、左のヨハネはイエスの胸に寄りかかったまま「主よそれは誰のことですか」(この非常事態に甘えるのもいい加減にしなさいなって言いたくなる 笑)、イエスは「わたしがパン切れを浸して与えているのがその人だ」と答えられた・・・。

 

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↓ 途中八百屋さんを覗いたりして、うろうろしながらドゥオーモを目指します。

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↓ ドゥオーモDuomo/Pistoia

ピサ様式で12~13世紀に建てられたロマネスク建築。大理石の玄関柱廊は14世紀後半に増築されました。

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↓ 中央扉口のリュネットはアンドレア・デッラ・ロッピアのテラコッタ「聖母子と天使たち」(1505)。筒型ヴォールトも同作者によるものです。

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↓ 内部は三廊式で、後陣は17世紀に増築されました。

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↓ ロマネスク様式のクリプトにあった洗礼盤

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↓ ドゥオーモの正面左の鐘楼。頂上部の尖塔は16世紀のもの。

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↓ 八角形の洗礼堂は14世紀のゴシック様式。

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ドゥオーモの建つ大きな広場には中世の建物が立ち並び、美しい景観です。この広場の端に(i)があり、寄ってみました。ここも親切な女性がいて、丁寧な対応でした。雨の中、次に見学する教会はこちらから行くと近いからと、その方角まで一緒についてきてくれました。

サン・バルトロメオ・イン・パンターノ教会/S.Bartolomeo in Pantano

12世紀に建てられたロマネスク様式の教会。ファサードはピサ様式で、扉口にはグルアモントの作と思われる彫刻が施されています。

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↓ 内部は三廊式で、13世紀の説教壇がありますが、照明もなく、良く見えませんでした。

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ここで体力も限界になりました。もうひとつの教会はまた少し離れていますので、諦めました。近くにバス停があり、駅までバスで帰りました。フィレンツェまで40分ほどで到着するはずでしたが、列車が遅れて、ホテルに着いたのは予定より1時間以上も遅くなりました。今日はアンラッキーな日でした。

8時近くになって、夕食に出かけました。雨もやみましたので、マリーノ・マリーニ美術館近くの以前友人たちといったことのあるレストランへ行ってみましたが、この日は貸切で一般客はお断り。しかもTVカメラが店の外で来客を撮影中でしたから、ファッション関係のレセプションでもあったのでしょうか。この近辺はどこも混んでいて、ようやく見つけたトラットリアで夕食。丁度出てきた日本の方が安いし、味もまあまあよと教えてくれました。その通りでした。

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