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2008年初夏の旅(London6) [2008夏パリ、ロンドンと伊リグーリアの旅]

6/18(水)London. Paddington10:21→Oxford11:23/17:14→London  Paddington18:22
  今日はオペラが無い日なので遠出をしました。オックスフォードは14年ぶり。あの時はロンドンからのバスツアーに参加して、大学のカレッジやチャペルなど見学しましたが、Ashmolean Museum は未訪問でした。今回の旅の前に参考書などチェックしたところ、オックスフォードからは イギリス・ロマネスクの聖堂IffleyイフリーのSt.Mary's Churchも近くにあると知り、一石二鳥と計画を立てたのです。

ロンドンの地下鉄は慣れるまで時間がかかります。昨年は敬遠してバスを使いましたが、今回はSさんのご案内で、ホテルから近いEmbankment駅からPaddington駅へ移動。そして鉄道に乗り換え、オックスフォードへ。 車窓からは運河にナローボートが行き来する風景も垣間見られ、大都会のロンドンから田舎へ向かう悦びがふつふつ。

オックスフォード駅からイフリー行きのバス乗り場を確認して、まずアシュモリアン美術館へ。http://www.ashmolean.org/
 今年の春訪れたニューへヴンのイエール大学やボストンのケンブリッジ大学などを思い出しながら、歩きました。それらアメリカ東部の大学より歴史のある街は観光客も多く、中心街は賑やかですが、美術館周辺は閑静で、見学者はそれほど多くありません。

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コレクションは古代ギリシア・ローマの彫刻からラファエル前派まで見ごたえがあるのはさすが!!珍しいものもいろいろ発見。刺激的な時間を過ごしました。ここはラファエロをはじめとする素描のコレクションでも有名ですが、その部屋はいつもは見られないようで、クローズ。時間も無く断念しました。

P1060142.JPG左の写真は古代ギリシアの女流詩人サッフォーの胸像(5BC頃)
オリジナルはギリシア・アルカイック期ですがこれはローマ時代の摸刻です。

19世紀に賞賛の的になり、ワッツがこれをもとに「ピグマリオンの妻」↓を製作しました。Netから画像を拝借。

 

 

 

watts.jpgGeorge Frederick Watts(1817–1904)
「Wife of Pygmalion 」1868 Oil on canvas  67×53 Buscot Park, Oxfordshire, England

 

 

 

 

P1060143.JPGエジプトの小神殿 (7BC)砂岩でできた25代国王TAHARQAの神殿(4㎡)
エジプト南部のヌビアにある大神殿の中にあったものを移築。
 

 

 

コプト教の浮き彫り(6~7世紀の墓碑)& ロマネスク?の浮き彫り

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2階に上がるとイタリアルネッサンスの部屋
ウッチェロの「夜の狩猟」

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左 馬の手綱をひいてのけぞる騎手  右 白い馬の背に水玉模様、月光の木漏れ日でしょうか妖しい光。 これらを観ているとこの狩猟の場にいるような不思議な臨場感が・・・。

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  3階はラファエル前派の名画が揃っています。左J・E・ミレイ「方舟に帰った鳩」、右バーン・ジョーンズ「音楽」

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P1060168.JPG展示室の隅に衣装戸棚。  これはアーツアンドクラフト運動でも有名なウィリアム・モリスとジェーンの婚礼祝いに贈られた箪笥。バーン・ジョーンズが描いた扉絵は「女子修道院長の話 The Prioress’s Tale 」、チョーサーの「カンタベリー物語」が典拠とのこと。
 

 

 

 

P1060172.JPGランチは美術館のレストラン(ブッフェ式)で野菜スープとラザーニャなど。クミンの香料入りのスープははじめ何?不味いと思いましたが、だんだん美味しくなってくる不思議なお味。ラザーニャも野菜たっぷりで美味。ワインはオックスフォードの名前のものを選びましたが、この地方では醸造していませんよね?

 

 

さて、駅前に戻りイフリー行きのバスに乗車。メインストリートを抜け、イフリー・ロードに入り住宅街を走ります。家並みがまばらになった頃に運転手さんにSt.Mary's Church  教会の近くを教えてもらい、下車。ここからテムズ川に向かってほぼ真っ直ぐの道(church roadの標識あり)を進むのですが、途中で大きくカーブする分かれ道は迷いやすいところ。要注意です。イングリッシュガーデンのある素敵な家々が並ぶのに感嘆しながら、写真を撮るのに夢中。徒歩15分くらいのところを30分はかかったでしょうか。

P1060175.JPG   P1060176.JPG←教会近くのB&B

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 ようやく塔が見えてきました。門から入ると後陣。正面にまわってみますと、入り口は誰もいないのに開いています。有難かったこと!

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Church of St.Mary the virgin IFFLEY(12世紀)西正面入り口はテムズ川に向かって建てられました。扉口は3箇所、北扉口と南扉口そして西正面扉口と上部の薔薇窓や3連窓に特徴的なギザギザ模様の彫刻装飾があり、内部は単廊式。内部もギザギザ模様で埋め尽くされています。3つの補強柱に続くアーチと2つのノルマンウインドーの縁取りもギザギザと徹底しています。ファサードの扉口飾りアーチには鳥のくちばしが連続。ユーモラスでもあり、じっと見ていると突かれそうな鋭さもあり面白い意匠。コッツウォルズ地方の蜂蜜色の石が温かみのある雰囲気を漂わせています。見学者は私たちだけという至福の時間を過ごしました。資料や絵葉書は自己申告制で、ようやく発見した寄付箱(穴)に多めに代金を入れて、感謝の印にしました。

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ここからGoogle earthでのMapを参考にテムズ河への散歩。木橋に水車のある風景。行きは迷いましたが、帰りに良く見ると教会の横にmill laneの表示。

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  帰りのバスはすぐ来ましたが、セントラルが終点。10分ほど駅まで歩き、ロンドンへ戻りました。
寄り道が多く、予定より1~2時間くらい遅くなり、お腹がペコペコ。夕食はPaddington駅構内の回転寿司屋で。海外で食べるお寿司ですからそれなりのお味ですが、まあまあ。
でも値段は札幌あたりの倍以上はします。

今日は一日曇り空でしたが、なんとか雨に当たらずに済みました。へとへとになりながらも、初めてのイギリスのロマネスク教会、周囲のイングリッシュガーデンに咲く花々・・・。ここは花の綺麗な時期に来るべきところ、特に薔薇の咲く頃が超お勧めです。


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コメント 6

tina

イフリーの聖堂、中に入れてよかったですね。羨ましい。
この前、訪ねた教会はほとんどみんな資料の代金を入れるのは壁の穴でした。イギリス、特にあの地方はそうなのでしょうか。

イギリスのロマネスクはフランスとは雰囲気が違いますね。
何かのどかな感じを受けました。
by tina (2008-07-10 21:36) 

alice

tinaさん

>訪ねた教会はほとんどみんな資料の代金を入れるのは壁の穴でした

イフリーだけではないのですね~。これからは探さずに済みます。現場に行かなければわからないことって多いですね。一応参考書も読んでいくのですが、あまり頭に入ってなくて、帰国してからもう一度読み直し・・・。

>イギリスのロマネスクはフランスとは雰囲気が違いますね。
何かのどかな感じを受けました

周囲の風景がそう思わせるのでしょうか?まだ1箇所行っただけなのですが、いろいろ行きたくなってしまいます!
by alice (2008-07-12 00:03) 

Sardanapalus

>アシュモリアン美術館
どうも学術的な研究機関としての印象が先行してしまうのですが、ラファエル前派の絵も揃っているのですね!?これは、次回ぜひ訪れてみようと思います。素敵な写真ありがとうございました(^^)

イフリーのロマネスク式教会も雰囲気がありますね。英国のロマネスク教会は後世に改築されてしまってあまり残っていないのですが、ここはかなりロマネスクの部分が残ってますね。彫刻も特殊で面白かったです!

今度のイギリス訪問時には久しぶりにコッツウォルズを歩こうかしら…。
by Sardanapalus (2008-07-13 22:59) 

alice

Sardanapalusさん

オペラも同様ですが、美術館も現地へ行かなければ、お目当てのものが展示されているかどうかわからないというスリルがありますけれど・・・。(笑)

>今度のイギリス訪問時には久しぶりにコッツウォルズを歩こうかしら…。

良いですね~♪ ご存知かもしれませんが「イギリス古寺巡礼」(芸術新潮)によりますと、イフリーの周辺ではMalmesbury、Dintonなどにもロマネスク教会があるようですね。


by alice (2008-07-15 13:46) 

さくら

イギリスのロマネスクが初めてというより、私は今回の旅がロマネスク入門。ポンティニュイに続き2度目のロマネスク教会でした。
「はまりますよ~」ですよね。
「はまりました~」(笑)

古都、オックスフォードは、美術館も町並みも、メインのイフリー教会もギザギザも最高!
時間が足りないのは分かっていても、ついつい立ち止まってしまう魅力。落ち着いたたたずまいに囲まれて幸せでした。あまりにステキなので後日コッツウオルズの観光バスに乗ったのですよ。
aliceさんの写真を見てまたまた感動がよみがえりました~♪



by さくら (2008-07-23 00:50) 

alice

>あまりにステキなので後日コッツウオルズの観光バスに乗ったのですよ。

観光バスはシェークスピアの故郷まで行くツアーでしたか?あちらのほうも茅葺屋根の家、蜂蜜色の石の家ときれいだったことでしょう。

さくらさんの撮ったお写真もいろいろ見せてくださいませ。

by alice (2008-07-24 16:33) 

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