2008年初夏の旅(Paris→London5) [2008夏パリ、ロンドンと伊リグーリアの旅]
6/17 (火) Paris Nord13:01→ London St.Pancras14:34(eurostarチケット67€)
London 3泊 Strand palace Hotel (25.000円 朝食10~20£)
地下の朝食室でSさんとパリの朝ごはん。ここは朝食が別料金で12€。パンとチーズをお持ち帰りして(ブッフェ式でないのでOK)、ユーロスターのなかでのランチに活用しました。
朝早くに11時半頃のタクシーを予約していたのですが、ここで騒動が・・・チェックアウト後にタクシーがストで来られないというのです。そ、そんなぁ~この大荷物のうえ私は左わき腹が痛いのですから・・・途方にくれながらホテルの前の道路を見ると、丁度信号待ちしているタクシーが居ました。それからのレセプションの方の素早い行動には感心・・・外へ飛び出してタクシーの空きを確認、なんとかかんとか渋る運転手さんに無理矢理状態で、荷物をトランクに運び入れてくれました。後続の車にプープー鳴らされながら乗り込み、料金交渉。足元見られて通常の倍を提示されたのですが、ここで降ろされてはたまりませんから仕方ありません。それにしてもヒヤヒヤのパリ脱出の巻でした。
パリからのeurostarは初体験です。うろうろしながら2階で発券してもらい、パスポートコントロール、荷物検査と続き、2階のホームを見下ろす待合室でほっと一息。ホームへは坂道状のエスカレーターで降りて行けます。
昨年はブリュッセルからの移動で、確かwaterloo駅到着でしたが、今回はeurostar発着のために改装したSt.Pancras 駅です。古い煉瓦の駅も残しながら、ガラス張りでの開放感のある設計。
ロンドンのホテルは好みのプチホテルではなく、単にRoyal Opera House から近いというだけで選びましたが、実は3度目。どうやらお得意様のリストに載っていたらしく、昨年と同じ最上階の部屋を用意してもらえました。シンプル・モダンに改装されましたが、以前のほうが好み。
部屋代が高いのに、冷蔵庫もエアコンもついていません。1泊につきミネラルウオーターが1本サービス。
http://www.strandpalacehotel.co.uk/
打撲した左わき腹をかばいながらの移動は疲れました。ベットに横になりウトウトしているうちに時間がきました。賑やかなコペントガーデンを4、5分歩き、Royal Opera House へ。
Giuseppe Verdi 「 Don Carlo」 ③ Royal Opera House 18:00開演 190£
伊語5幕版
Conductor :Antonio Pappano
Director :Nicholas Hytner
Don Carlo :Rolando Villazon
Rodrigo :Simon Keenlysade Dimiyris Tiliakos
Elisabetta di Valois :Marina Poplavskaya
PilipoⅡ :Ferruccio Furlanetto
princess Eboli :Sonia Ganassi
Monk :Robert Loyd
チケット引き換えのカウンターで,キーリンサイドが病気でキャンセルの張り紙を見たときはホントに気落ちしました。でもVillazon 、 Ferruccio Furlanetto 、 Ganassiは歌いますからとSさんと慰めあいながら席へ。オーケストラ席の後方 V-16
ここに来るまで ドンカルロの5幕ものはフランス語とばかり思っていた勉強不足な私、始まってまもなくあれれ。(汗)Villazon は1幕のブローニュの森のアリアで、高音にヒヤッとした部分もあって、いささか不安定な出だし。首を振りながら引っ込む彼の様子がドラマ上の心情と重なって見えました。(頑張れ!)2幕目からは大分持ち直し、昨日の真面目でやや一本気なセッコに比べると、ドラマティックな表現力、演技に優れていて惹きつけられます。Ganassiは気品のある素晴らしい Eboli でしたが、数年前 ザルツで歌ったボロディナのやや暗いメッゾのほうが Eboli 像(私の)には合っているような・・・。Furlanetto は4月のMet「エルナーニ」で聴いたばかり。ベテランらしい風格を備えたヴェルディのバスをここでも堪能させてもらい、幸せでした。Poplavskayaは何度か聴いているはずですが、印象は薄く、この舞台もまあまあ。キーンリーサイドの代役さんも頑張って(演技はほぼ棒立ち)歌いました。お疲れ様~と皆で暖かい拍手。
Pappano の指揮は昨日のパリの新人さんに比べると、ベテランらしく、こなれたヴェルディ。こちらのほうがヴェルディを聴いたという満足感が深かったのは否めません。
舞台は、バロック絵画風の衣装や最終場面の背景は黒や灰色が基調となっていて、スペイン王室の光と影をオーソドックスに表現。パリと似ていたのは3幕の金ぴかの聖堂の建物(どっちが真似したのか)。音楽に合った演出も斬新さからは遠く、あまり印象的には残りません。今まで観た舞台ではザルツブルグのヴェルニケのものが良かったので、なかなか超えられないのかも。そのうえ芸達者なキーンリーサイドが出なかったことで、カルロとの友情の2重唱にも酔えなかったのは、はなはだ残念でした。
ここのホワイエはガラス張りでお洒落な雰囲気。ワインも何種類かのなかから選べるようになっています。Sさんと幕間に美味しいワインをいただいて、キーンリーサイドのキャンセルのショックから立ち直れました。(笑)
慣れない移動でSさんもお疲れの様子。明日の遠出のためもあり、真っ直ぐ部屋に帰り、手持ちのもので夜食を済ませ就寝。
>地下の朝食室でSさんと朝ごはん
またぁ〜。地下で朝ごはんなど召し上がってはいけませんってば〜(笑)。パリにいらつしゃる時はパリ風に...って、よけいなお世話ですね、失礼しました〜!!
by Bowles (2008-07-09 23:09)
お久しぶりです。今回の旅行記も楽しく読ませていただいています。
>タクシーがスト
さすがはフランスですね(^^)
>キーリンサイドが病気でキャンセルの張り紙を見たときはホントに気落ちしました
ほんと、この日だけキャンセルだったんですよね~。しかもラジオ録音もこの日だったし…わざと休んだのでは?なんてファンなのに勘繰ってしまいます(^_^;)代役のティリアコスも演技は仕方ないにしても、歌は頑張っていましたね(ラジオで聞きました)。彼はパリでもディーマの代役で2回歌って大活躍だったようです。
ライブ中継とDVD用の映像収録が行われた最終日はキャストも揃って気合も入っていたそうですから、DVDを楽しみに待つことにします。
by Sardanapalus (2008-07-09 23:39)
Bowlesさん
お部屋でプチ・デジョネね~取ろうと思えど・・・出発前はトランク拡げっぱなしの散らかったお部屋なので、遠慮しました。
2年ぶりなので、部屋代も朝食代も値上がりしていました。(涙)
でも、レセプションの顔ぶれも変わらず、パリの我が家に帰ってきたみたいにくつろげました。
by alice (2008-07-10 14:19)
Sardanapalus さん
>ほんと、この日だけキャンセルだったんですよね~。しかもラジオ録音もこの日だったし…
この日だけなんて、なんという不運(泣)ラジオ録音があったとは気がつきませんでした。普通ならラジオ録音だと頑張るのにぃ~。自分の魅力は映像があってこそという考えなんでしょうか・・・やや失望。
といいながら、DVDが出るのを待ち、来年の床屋さんも行こうと思ってます。
by alice (2008-07-10 14:29)
>普通ならラジオ録音だと頑張るのにぃ~。自分の魅力は映像があってこそという考えなんでしょうか
ホント、「普通」なら張り切りますよねぇ。キーンリーサイドは録音された声は別物だから、劇場にいる客が聴いて楽しんでくれればそれでいい、という姿勢なんですよね。全く、遠隔地のファンにとっては困った人です(^_^;)でも、唯一のキャンセル日がラジオ収録日だったのは偶然だと思いますし、本当に具合が悪かったのでしょうけどね。
>来年の床屋さん
チケット競争が大変そうですけど、私も行こうと思っています。何よりあの演出がまた観たいのです(^^)
by Sardanapalus (2008-07-10 18:41)
>チケット競争が大変そうですけど
そう、それが問題。会員になれば取れやすいという話も聞いたことがありますが・・・。
>何よりあの演出がまた観たいのです(^^)
Sardanapalusさんは同じ演出のをすでにご覧になってらっしゃるのですね!まだ1年先ですが、待ち遠しい~♪
by alice (2008-07-10 21:26)
アリーチェさんは、フルラネットとモリスの王をご覧になったのですね。
羨ましい。パリでホロ様が、フルラネットと共演したのを聞き、ホロ様には更に精進していただき、低音もそして最後の最後の響きまで、美しい、素晴らしいとうなるようなバリトンになって欲しいと思いました。
キーンリサイドは、もっとお休みしていたのだと思っていましたし、ガナッシもお休みでしたね。ガナッシは如何でしたか?
私もメトで見たボロディナさんは、良かったのだと思いながら見ていました。それまでは、少しきつすぎ・怖すぎと思っていましたが。
ロンドンは、5幕でしたか。メトで、5幕を見てからやはり森のシーンは欲しいと思います。唯パリでは、ホロ様が亡くなった後がとても長く、ホロ様チャンと死んでいられるか?人に踏まれないか?心配でした。
私も新幹線は、3回利用しましたが、日本人を見かけることも無く私は、心細かったです。パスポートを見せたり、やはり国を跨ぐ列車です。流石に3回続けての利用は、疲れました。
「フィガロ」はご覧になりましたか?私は、ロンドンから入りましたので、2日目に見て、マッティの魅力を再確認いたしました。2人を追いかけるのは骨が折れそうです。
又明日から楽しみに拝見いたします。
by ゆみゆみ (2008-07-17 21:57)
さくらさんはロンドンでもう一度「ドンカルロ」をご覧になったのですが、キーンリーサイドは歌いましたが、ヴィラゾンがキャンセルだったそうです。そしてガナッシも不調だったそう。舞台はホントに一期一会。
ガナッシは4年前のロッシーニ祭(ペーザロ)で初めて聴いて、あまりの素晴らしさに驚愕。そのあとは機会がなくて、今回が2回目。声の威力はやや落ちたのかな~。でも、これだけのエボリはなかなか聴けませんでしょう。
みかけも小柄で可愛いタイプなので、ボロディナのような凄みには欠けます。メトのボロディナは半音下げて歌ってるのを、ある方のブログの試聴で聴きましたが、確かに怖いわ。(笑)ゆみゆみさんがご覧になったときは眼帯はしてました?
by alice (2008-07-17 23:39)
パリのタクシーのストはびっくりしました。
日本でストのニュースを見ていた友人も心配していたそうです。倍の料金でもユーロスターに間に合ってラッキーでしたね。
ゆみゆみさん始めまして。
ユーロスターはチェックインなど飛行機と同じようにあり初めてでは戸惑いますよね。
私は全部aliceさんがしてくれたのでとても助かりました。さらに私の手をかばってくれてトランクを汽車までエイ!と引き上げてくれてたのです。
なんと頼もしかったことか!
わき腹の痛みを抱えてですよ。 感謝。
by さくら (2008-07-23 00:33)
さくらさん
そのわき腹ですが、旅行中は普通にしていれば痛くはなかったのに、帰国して、念のためレントゲンを撮ってもらって、異常なしの診断が出た後で痛み出してきて、しばらく憂鬱な日が続きました。ようやく2.3日前から良くなったところです。帰国後も遊んでばかりで、無理をしたという記憶はないのですが・・・。
オペラの飲み会で整形外科のK先生に「そのうち必ず治るから」といわれたので、それほど心配はしませんでしたが・・・。
さくらさんもお大事にね。
by alice (2008-07-24 16:25)