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2009年早春の旅2 (ニューヨーク) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/5(木) 

この日はオペラの予定はありません。事前の情報ではカーネギーホールでキーシンのコンサートがあるとのこと。出発前にチケットのオンライン予約にトライしたのですが、会員登録しなければならず、なぜか面倒になって当日券を購入する予定に変えていました。ところがこの朝の寒風にカーネギーホールまで歩くのが辛くなり、ついつい途中のコロンバスサークルの地下鉄の駅に避難状態でもぐってしまいました。まず、マンハッタン北のTHE CLOISTERS見学をすることにしたのです。

THE CLOISTERSは7年ぶりです。その時はアッパーイーストのグッケンハイム美術館の近くからバスに乗り、結構時間がかかりましたので、今回は190th駅まで地下鉄で行きました。駅改札を出ると倉庫で使われるような大型のエレベーターが2or3台並んでいます。恐る恐る乗りました。すると、防犯のためでしょう、中にエレベーター係りの男性が机を前に座っているのです。思わずにっこりGood Morning!

地上にでますと広い道路。ここからバスもありますが、公園の入り口のゲートが見え、近所のかたらしいベビーカーを押したパパやお年寄りの散歩の方が入っていきます。風もおさまり気持ちの良い朝です。のんびり1キロほどの道を左にハドソン川を眺めながら歩きました。写真を撮ってましたら、木々の陰にリスの姿が見えます。逃げると思ったらドンドンこちらに向かって走ってきます。餌のおねだり・・・お菓子などなにも持っていなかったので、ごめんなさい。

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公園を抜けると向こうに移築された中世の4つの回廊やコレクションのために建てられた美術館が見えてきました。ロマネスク様式の教会の塔を遠望。ヨーロッパに来たかと思う瞬間です。街中に比べ雪がかなり積もっていましたが、道路だけは乾いていて助かりました。

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ここを再訪問した理由は2つあります。昨年ロマネスクの講座でスペインのカステーリャ地方を習ったのですが、ここに前回の記憶の薄かったSoria近くのSan Baudelio de Berlangaの壁画があることを知ったことがひとつ。そしてある本で知ったトスカーナ・ロマネスクの浮彫りを鑑賞することでした。

サン・バウデリオ・デ・べルランガ 礼拝堂  SAN BAUDELIO DE BERLANGA  Ermita ☆

カスティーリャの南端、ベルランガの小さな谷に建つ、聖バウデリオに捧げる小礼拝堂内部に深い洞窟
4世紀から隠修士が住み着く~10世紀にレコンキスタが終了~小さな修道院に発展~10世紀後半モサラベの
建築家が建設(イスラム色が強い)
大きな正方形の身廊と小さな正方形の後陣、外壁は粗く単純な石積み
内部は北扉口より、身廊の中央に一本の太い柱、上部に8本の四角いリヴ(馬蹄形アーチを描く)
身廊西側にギャラリー(小さな馬蹄形アーケードの列)
後陣馬蹄形アーケードの入口、壁全体に12世紀の壁画このうち23の断片が1922年に売却された、
プラド、メトロポリタン、インディアナポリスの美術館へ

The CloistersにはSan Baudelio de Berlangaの壁画が4点

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他にも↓San Pedro de Arlangaの壁画が2点あります。

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↓はフィレンツエ郊外のSan Leonardo in Arcetri教会の説教壇?の浮き彫り6枚のうちの1枚。(1200年製作)

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ガラス張りになっていたSanint-Michel-de-Cuxaの回廊。(夏になったら取りはずすようです)PHOTO065.JPG

↓サン・ギエムの回廊の柱頭

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まだまだここに書くにはきりがないほど素晴らしいコレクションの数々。N.Y来訪5回のうち、ここまで足をのばしたのは2回だけ。もっと来れば良かったとの後悔の念が私を襲います。次回はいつになるのでしょう・・・。

地下鉄でコロンバスサークルに戻り、N.Yに来たら必ず寄るトランプホテル1階のレストランJEAN GEORGESへ。バー・カウンターでかまわなければ予約なしで入れます。和食をアレンジしたメニューもあり、淡白系フレンチは美味。お任せワインのセレクトもGOODですし、一人客でもさりげない気配りが嬉しいお店です。

写真はメインのお皿。白身魚(かすべ?)カリカリのナッツ類のソース、下に千切り大根の柚子風味。

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ここからカーネギーホールは徒歩3分くらい。しかし、今夜のキーシンはSold Out。(涙)早くに窓口にくればなんとかなったのかも・・・自分のうかつさを嘆きながら、ワーナービル地下のスーパーで今夜の部屋食のためのお買い物。気落ちしたせいもあって、ミュージカルでもという気持ちにもなれず、夜の8時ころまで熟睡。食事を済ませ、シャワーを浴びて、またまたぐっすり朝方まで眠りました。


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コメント 6

kametaro07

お帰りなさいませ。お写真をを拝見するとNYは3月上旬でも相当寒かったようですね。
旅行記、楽しみに拝読させていただきます。
長旅のお疲れなど出ませんよう、どうぞご自愛の上お過ごしください。
by kametaro07 (2009-04-08 21:11) 

alice

kametaro07さん

コメントありがとうございます。

道産子で寒さには強いはずなのですが、N.Yの中心はビル風が強いのが困ります。THE CLOISTERSのある近辺は暖かく感じました。

しばらくは外出も控えて、のんびりパソコンで遊ぶ?つもりなのですが・・・。
by alice (2009-04-09 00:28) 

メルセ

こんにちは。大戸です。
久しぶりにお邪魔して、旅日記楽しく読んでいます。
ところで、ソリアに今月行く予定なんです。
壁画がここにあるということは、ソリアにはコピーがあるのでしょうか?
by メルセ (2009-05-04 13:52) 

alice

大戸さん

ソリアにいらっしゃるのですね。実は私はまだ行ったことはありません。
秋に一応予定していますが、マドリッド3泊なので無理かもしれません。

ベルランガの壁画も昨年の夏のロマネスクの講座の復習編を作成したときに画像を検索して貼ったものがあり、確かめてみました。剥がされ売却された跡はそのままになっているようですが・・・。

http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/romanesque%20lecture5.html

マドリッド古美術館やプラド美術館の中世部門が修復で見られないものが多く残念でした。
by alice (2009-05-05 13:21) 

メルセ

当初予定になかったソリアに寄ることになったのは、
今年上智を卒業した学生さんと話していて、強く勧められたからです。
彼女は卒論をスペインのロマネスク美術にしたんです。
オリテからシロスへ行く途中にソリアに寄る予定です。
新型インフルエンザのなか、行ってまいります!
by メルセ (2009-05-08 17:24) 

alice

メルセさん

私も5/8早朝の出発でしたので、コメントに気がつかず失礼しました。
ソリアはいかがでした?

マドリッドから1泊してでも行きたい気持ちがつのってきています。

by alice (2009-06-04 12:22) 

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