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2009年早春の旅30(マドリッド) [2009春オペラと美術で世界一周]

4/2(木)

今日は夕方からオペラがありますので、遠出は原則禁止です。昨日の疲れがじわーっと残って、体がだるい感じです。遅い朝食をゆっくりとって出かけました。

マドリッドの国立考古学博物館  Museo Arqueologico Nacional は地下鉄COLONの駅から近いのですが、豪壮な建物は地下鉄側は図書館(写真左)で博物館(写真右)は裏側になります。

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↑工事中のクレーンが見えたので「やばいな」との予感は当たり、一応オープン(無料)してはいますが、古代エジプト、ギリシア、ローマ時代と中世の宝物の一部しか展示されていませんでした。

スペイン全土から集められたロマネスク関連の宝物では、「フェルナンドとサンチャの十字架」(11世紀の象牙の磔刑像)  「 グアラサールの宝物」7世紀(西ゴート王の奉納冠)、「サモラの象牙箱 」 (10世紀)などを鑑賞。主な目的だったカステーリャの柱頭彫刻は次回のお楽しみに・・・。

ブックショップも閉められていましたので、絵葉書もありません。NETから画像を拝借します。

image2.jpg  museomadrid2.jpg 

 museomadrid3.jpg←蓋の下部にアラビア文字、緻密に刻まれたオリエンタルな植物と動物は特に見事なものです。

さて時間が余りましたし、素晴らしいものを鑑賞して元気も出てきました。お天気も良く、汗ばむほどの陽気です。Paseo del Pradoの大通りをのんびり歩いてプラド美術館へ。途中以前娘と宿泊した懐かしのパラスホテルが見えました。

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このあたりも13年前に比べると、怪しげな日本語で声をかける人も居なくなり、整備もされて綺麗になりました。

 

↓プラドの前にはパトカーも止まっています。

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以前はほぼ全館見たはずでしたが、さすがにロマネスクにはまったく無関心というか無知でしたので、中世部門は見ていませんでした。今回はロマネスク講座での情報もありましたので、直行で(といっても迷いましたが)中世ののセクションへ。黄土色や錆朱の色、素朴で力強い線描はスペインロマネスクの特徴でしょうか。今回の旅の初めにN.YのTHE CLOISTERSで観てきたArlangaやBerlangaの壁画を頭の中でドッキングさせて観ました。

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後陣の壁画を移築されているチャペル(La  vera Cruz de Maderuelo)は修復中で閉鎖されています。NETでの画像ですが貼っておきましょう。

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イタリア・ルネッサンスなどを出口を探しながら、鑑賞しつつ歩いていましたら、いつの間にかゴヤの黒い絵シリーズの部屋に入っていました。そうそう、最近話題になった「巨人」は弟子の手が入っているとか・・・。

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そして、「わが子を食らうサトゥルヌス」の前で思わず目が点!ポルトガルやガリシアで見てきたロマネスクの怪物の彫刻になんと似ていること!!大きく目を見開いて人や動物を食らう怪物=サトゥルヌス。人間は残酷な生き物、自分を守るためにはモンスターにでもなんでもなってしまいます。そして人間性を失った結果は悲惨な末路しかありえないのです。綺麗ごとのお説教よりも確実に胸に響くことは間違いありません。ゴヤ、あなたは幼いときから教会であの形態の彫刻を目にして育ったのですね。この絵画も教会にある壁画や彫刻と同じ「聖書」なのです。涙がにじんできました。以前観たときはなんと残酷な作品としか思わなかった自分が恥ずかしくなりました。

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サングラスをかけないとまぶしい青空が広がっています。ホテルへは徒歩10分ほど。途中壁ガーデン?の建物。そしてタパスの盛り合わせのランチ。量が多すぎて残ったのはお持ち帰りにしてもらい、オペラの後の夜食にしました。

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昼寝のあとは初めてのレアル劇場でワーグナーの「タンホイザー」です。地下鉄AtochaからSolで乗り換えOpera駅まで。ここも娘と見学した王宮やお茶をしたカフェなど懐かしいエリアです。当時はレアルの改築工事中で、雑然としていました。↓カフェ・オリエンテ

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↓レアル劇場

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☆Teatro Real  マドリッド/レアル劇場
Tannhäuser Richard Wagner  7時開演

Directer Musical:Jesus Lopez Cobos  Dirección de escena:  Ian Judge Escenografía y figurines:  Gottfried Pilz   Iluminación:  Mark Doubleday Dirección del coro:  Peter Burian

Landgrave Hermann:  Günther Groissböck
Tannhäuser:  Peter Seiffert
Wolfram von Eschenbach:  Roman Trekel
Walther von der Vogelweide:  Stephan Rugamer  Biterolf:  Felipe Bou
Heinrich der Schreiber:  Joan Cabero  Elisabeth:  Petra Maria Schnitzer
Venus:  Lioba Braun
Un pastor:  Sonia de Munck
指揮のコボスはパリなどで何度か聴いています。安定した実力を持った指揮者で、この公演でも決して煽らない知性的な棒で、そのなかにワーグナーの熱さをちりばめた音楽(好み!)を楽しませてくれました。オーケストラとも息がぴったり。
舞台は簡素系です。衣装もシンプルです。全般に奇を衒わない、音楽の邪魔をしない演出でした。細かいことはすでに忘却の彼方・・・。
歌手はザイフェルトの声量豊かな歌唱をはじめ、ほぼ満足でしたが、ビーナスのLioba Braunだけはふくらみのない色気のない歌で少々残念。ケチって安い席(それでも€136.6)にしたので1階舞台よりのパルコボックスの2列目。舞台の半分は見えませんでした。私の席から↓

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帰りは11時は回っていたと思います。劇場もホテルも地下鉄の駅は目の前です。まだまだ人通りも多かったので、なんの不安もなく帰ることができました。


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