2012年春の旅(6) ウィーン~チューリッヒ [2012春ブリュッセルからスイスとフランスの田舎]
4/28(土) Wien10:00→Zurich11:25(Swiss Air)
Ambassador Swiss Quality Hotel 2泊
チューリッヒはウィーンよりも気温が高く、到着したときは30度近くありましたが、湖からの涼しい風が吹きさわやかな一日でした。チューリッヒの定宿は3年ぶりですが、レセプションの愛想の良さは変わっていませんし、希望通りのお部屋もとってくれました。シングルでもバスタブがついてない部屋もあるのです。
↓ シングルベットが壁際のコンパクトな部屋。 写真では良く見えませんがベットカバーは白いキルトで私好み。
↓窓際のデスクにインスタントラーメンと林檎のウエルカムサービス
↓ バスルームの白黒市松模様のタイル床も私好み。
洗濯の後はスイスフランを調達に外出。すぐ近くのトラムの停留所の通りにATMがありました。お金をゲットするとお次はランチときょろきょろ。すると目の前にビュッフェスタイルのカフェがあります。新しいお店のようでした。好きなものを好きなだけ気軽にいただけるので、重宝しそうです。重さで値段が表示されます。ワインを含めて20スイスフランくらいで、味もまあまあいけます。レンズ豆のコロッケやラタトイユ、デザートは苺とマンゴークリーム。
↓ 食後は湖畔を散歩
昼間のワインが効いて、ぼーっと眠くなってきました。ホテルに戻り仮眠。
ヴェルディ『リゴレット』チューリッヒ歌劇場 19:00~21:45
Rigoletto Verdi
Conductor/Nello Santi
Producer/production/Gilbert Deflo
Set and costume design/William
Orlandi
Choir rehearsal/Ernst Raffelsberger
Orchestra/Zurich
Opera House Orchestra
Choir/urich Opera House Choir
Sen Guo (Gilda), Liliana Nikiteanu (Maddalena), Liuba
Chuchrova (Giovanna), Ivana Rusko (Gräfin Ceprano), Mariana Carnovali (Page);
Juan Diego Flórez (Il duca di Mantova), Leo Nucci (Rigoletto), Pavel Daniluk
(Sparafucile), Valeriy Murga (Monterone), Morgan Moody (Marullo), Miroslav
Christoff (Borsa), Tomasz Slawinski (Ceprano), Joa Helgesson (Usciere)
席は2列目中央。最前列の中央が3席空いていましたので、とても良く見えました。開幕ベルが鳴り、観客もすべて着席しましたが、指揮者がしばらく現われず・・・心配してしまいました。数分後、サンテイさんが巨体を揺らして指揮台に上って一安心。しかし、老いてこれだけ太っているしとの気遣いも無用でした。ひとたび指揮棒を振り下ろすや否や・・・ヴェルディワールドが瞬く間に広がって…凄い!と思わず手を握り締めました。フローレスもヌッチも水を得た魚のように自然な動きで、歌い演技します。出遅れ気味だった韓国人ソプラノのセン・グオも「いとしい名前は~」のアリアから突如と言っていいほど感動的な歌唱になり、盛大なブラバーがかかりました。サンティさんのご指導の賜物でしょう。若い音楽家の育成に大層熱心なサンテイさんです。数年前、PMFのコンダクターとして札幌にも来ていただきました。演奏会も素晴らしかったですし、その時の地元の新聞に載ったインタビューも感動的だったことを思い出しました。
リゴレットはドレスデン歌劇場で2008年に観たものがあまりにも素晴らしく、しばらくリゴレットは封印と思ってきましたが、フローレスはもとよりヌッチのタイトルロール役に魅かれ、チケットもはやばやと手配したのです。どちらが良かったとか単純には比較できませんが、演出はドレスデンのほうが洗練されていて、畳み掛けるようなドラマティックな展開も凄いものがありました。今回のチューリッヒは古典的な舞台で、それなりに安心して観ていられるので、個々の歌手の歌に没頭できました。これがイタリア歌劇の真髄、これがサンティの手法なのでしょうか・・・フローレスも昨秋のミラノより瑞々しいスーパーな歌唱を聴かせてくれました。ヌッチのなりきりリゴレットにはほとほと感心。歌はやはり後半は少々息切れしましたが、素晴らしい!の一言。残念だったのはマッダレーナのNikiteanu、全然声が飛んできません。端役と思って怠けちゃ駄目よ!休憩にはフローレス夫人のチャーミングなお姿も見えて、華やかに盛り上がった公演でした。
↓ 劇場内のポスター
ぐっと涼しくなった夜、明日から天気が崩れそう~。劇場裏手の宿に帰り、せっかくなのでサービスのカップラーメンを夜食にいただきました。容器の包装は日本のとは違いますが、正真正銘のメイドインジャパン日清食品のマーク入り。林檎も美味しくいただきました。
お帰りなさいませ。
モネやウィーンも興味深い公演ばかりですが、珍しいフローレスのマントヴァをチューリッヒでもお聞きになったとは素晴らしいです。
ご宿泊のホテルは私も時々利用しますが、目の前が楽屋口でとっても良い場所ですね。
ビュッフェ式レストランも時間のない時など便利で利用します。
次はいつ行けるか?
お写真を拝見して懐かしく思ってしまいました。
この後の旅行記も引き続き楽しみにしております。
by kametaro07 (2012-05-19 14:49)
リゴレット、ヌッチとフローレスでお聞きになったなんて・・・うらやましい。
by tina (2012-05-19 16:00)
kametaroさま、スイスは物価が高く、安くて美味しいものに巡り合ったことがありません。あのビュッフェはその点貴重ですね。
この後のスイスの旅でも食事には苦労しました・・・
by alice (2012-05-20 13:44)
tinaさま、フローレスはもうリゴレットは出ないのかと思っていましたが、チューリッヒは2回だけなので、歌ったのでしょう。ドレスデンのときより声は楽に出ていたような気もします。
これからヴェルディのレパートリーを増やしつつ、大歌手への道を順調に進んで行くのでしょう。。。素晴らしいですね。
by alice (2012-05-20 13:54)
alice様、はじめまして。
私もこの28日のリゴレット、聴きました。フローレスとヌッチが素晴らしく、記憶に残る公演となりました。ところで、2幕の最初に女性が出てきて、なんらかのアナウンスをしたのですが、この意味はおわかりになりましたでしょうか?ヌッチ、リゴレットという言葉は聞き取れたので、リゴレットのヌッチが調子が悪いが歌います、というような内容ではなかったかと思いますが。
by ばけぺん (2012-05-21 22:20)
ばけぺんさま、ようこそ!コメントありがとうございます。
28日のリゴレットのときのアナウンスのこと、思い出しました。おっしゃるとおりヌッチの調子が悪いというアナウンスだったと思います。記事にも書きましたが、後半ややスタミナ切れのようなところはありましたが、特に調子が悪そうには見えませんでしたよね?
地方在住なので東京でよりも海外でオペラを観るほうが多いのですが、たまにブログやMIXIのオペラ仲間と一緒になることがあります。お声かけてくだされば嬉しいです。
by alice (2012-05-22 12:57)
alice様、さっそくのご返信、ありがとうございます。
あのアナウンス、やはり、ヌッチの調子が悪い、ということだったのでしょうね。ちょっと心配したのですが、調子が悪いようには見えませんでした。ただ、もう1回の上演日(5月1日)には、2幕の最後をアンコールしたらしいので、調子が良かったら、と思うと残念です。
とはいえ、まさに役が乗り移ったようなあのリゴレットを聴けば・・・フローレスのマントヴァ公を聴くのが目的でしたが、それ以上に感銘を受けたのがヌッチのリゴレットでした。秋には日本でヌッチのリサイタルがあるようなので、これはぜひ聴きに行かないと、と思っています。
また、宜しくお願いいたします。
by ばけぺん (2012-05-22 21:44)