2005年夏の旅(7) ローマ [2005夏2 ペーザロ、ザルツブルクから北伊への]
8/24 ローマ滞在
この日もローマの美術を愉しみました。まず、ホテルから徒歩数分のアルテンプス宮(ローマ国立博物館)へ。古代彫刻のコレクションが中心です。
↓ 中でも有名なのは「ルドヴィシの王座」(絵葉書)紀元前460年のギリシアの作。海から引き揚げられるアフロディーテが中央、右が香をたく乙女、左はフルートを吹く乙女。衣装の細かいプリーツの流れとアフロディーテや乙女たちの横顔が高貴な美しさをたたえています。
入口と出口が違っていたらしく、すぐ近くのサンタゴスティーノ教会まで路地をぐるぐる・・・。教会は小高いところに立っていました。この教会はルネッサンス様式の建物です。ラファエッロとカラヴァッジョの傑作があるので、立ち寄りました。
↓ ラファエッロ「預言者イザヤ」(1511-12)250×155 は身廊の柱に掲げられています。一目でシスティーナのミケランジェロの影響が強いことがわかります。37歳で夭逝するまでの12年間のローマ時代にはヴァチカンをはじめ多くの壁画装飾、祭壇画を描き宮廷画家として活躍しました。ローマはラファエッロだけに限っても数多くの見どころがあり、古代からバロックまで含めると…まさしく永遠の都を実感します。
↓ カラヴァッジョ「ロレートの聖母」(1604頃)260×150 は入り口近くの礼拝堂にあります。巡礼の老いた母と息子の前に現れた聖母子。巡礼の息子の足が泥に汚れているのが目の高さにあり、聖と俗、幻と現実の対比から信仰への純朴な想いへの昇華。その素晴らしく見事な効果に脱帽。2001年?「ローマのカラヴァッジョ」という大展覧会が当地で開かれたことがありました。生憎来られなかったのですが、観たかったです。
アルテンプス宮の近くからバスに乗り、ティヴェレ川を渡りヴァチカン博物館の近くの広場で降車。少し坂を上って入口へ。入口付近はこのとき改装が済んでいたと思いますが、2009年に行った時とはチケット売り場の位置など違っていた印象があります。
毎回素通りできないのは古代ローマの彫刻セクション(ピオ・クレメンティーノ美術館)です。
↓ 「ラオコーン群像」はいつ観ても惚れ惚れ。
この後はお決まりのコースのラファエッロの間を簡単に見学して通り抜け、ボルジアの居室へ。ロープを張った部屋が多く壁画を近くで観ることができなくて、残念でした。
↓ ルクレツィア・ボルジア(チェーザレ・ボルジアの妹)と言われる美女をロープから身を乗り出して撮影。ぴんぼけ。
ここから絵画館に戻りましたが、ここも閉鎖された部屋が多く、お目当てのクリヴェッリなどルネッサンス絵画は見学不可。
↓ カラヴァッジョ「キリストの埋葬」(1600)300×203 この作品も素晴らしいです。舞台で演じられるリアルな聖劇を観ているような、マッダレーナの嘆く声も聞こえてきそう・・・背後の暗闇も他の作品に比べると底知れぬ感が深いです。
遅くなったランチはこの近くでとりましたが、名所の近くの食堂はサービスも味も×、おまけに高かったことを覚えています。ここからサンタンジェロ城まで、ヴァチカンと直結する避難回廊?沿いに10分くらい歩いて行きました。
サンタンジェロ城はハドリアヌス帝によって2世紀初めに造られたもの。入口を入るといかにも古いむき出しの土&石壁。そのスロープに沿って、上に上がります。ここの博物館にもカルロ・クリヴェッリがあるというので見に行ったのですが・・・ありませんでした。下のブックショップで確かめましたら、今は修復中とのことでした。現在は展示されているようです。
http://www.castelsantangelo.com/quadreria_m.asp
屋上にも上ってみました。オペラ「トスカ」の最後の場面、トスカがここから飛び降りるシーンが目に浮かびます。夏の青空輝く太陽・・・臨場感はあまりありませんが。
↓ サンタンジェロ橋の眺め&ヴァチカン方面。
真夏の観光は疲れます。サンタンジェロ城の横からテルミネ駅行のバスに乗って途中下車。見当つけてナヴォーナ広場まで、それでも迷いながらホテルに戻りました。午睡の後目覚めたのは暗くなってからでした。蚊恐怖症なので、手持ちのもので夕食。最後の夜はローマに着いたとき親切にしてくれたあのおじさんのカフェに寄るつもりでしたが、明日は早朝出発なので行けないままに終わりました。
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