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2005年夏の旅(13) アクイレイア~トリエステ [2005夏2 ペーザロ、ザルツブルクから北伊への]

8/30  Aquileia→Grado→Aquileia→Trieste

Excelsior Hotel 2泊

 アクイレイアのホテルの前がグラード行きのバス停ですが、切符は少し先のタバッキで事前に買わなければなりません。チェックアウトして、スーツケースなどを預けたとき、グラードの資料を一緒に預けてしまって、気が付いたのはバスの中・・・あ~あ。またもやチョンボ(涙)

アクイレイアからグラードまでの道はラグーナのなかの1本道で、素晴らしい眺め!左右に広がるアドレア海がきらきら輝いていました。このラグーナには小島も点在していて、素朴な教会の塔が見えました。のんびりできたら遊覧船などで離島を訪ねたりしたかったです。バスは20分ほどでグラードのバスターミナルに到着。地図が必要ですからインフォはどこ?と道行く人に訊いたのですが、首をひねるばかりです。諦めて見当を付けて歩いて行きました。

↓ やがて、小さな入り江にボートが数多く係留しているところにでました。

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この港に面してホテルが建っています。図々しかったのですが、レセプションに座っていた若い女性に、市内地図をいただけますか?とお願いしてみました。快く、教会の場所も印をつけてくださって助かりました。グラードまでのアプローチの素晴らしさと親切な対応に心もほんわりとして、旧市街を歩きました。レストランの並ぶ路地から緑の木々の美しい広場にでます。

↓ ここからS.Eufemia教会の南側面がみえました。教会の周りは趣のある古い家が立ち並び素敵な広場です。

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↓ でも慌ててはいけません。後背部のほうに石碑博物館がありますから、ここを先に見学しました。

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↓ ローマ時代と初期キリスト教の石碑が回廊の壁に貼り付けて展示されています。ユダヤ教でも見られる7つの燭台の浮彫など。

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 石碑博物館から直接教会の後陣まで通路があります。グラードのかっての大聖堂だったS.Eufemia教会は古い歴史を持っています。元は4~5世紀の小さな聖堂でした。6世紀にランゴバルド族に追われたアクイレイア大司教がグラードに逃れ、ここに教会を新たに建設しました。鐘楼は15世紀。

↓ S.Eufemia教会の正面

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↓ 祭室の床モザイクの中央はアルファとオメガ

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 3廊式の内部は床が一面のモザイクです。アクイレイアの華やかさには劣りますが、幾何学模様が多彩なクロスを表し貴重です。現役の教会ですから当然モザイクの上に礼拝の椅子が並べられています。

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↓ また床の一部は元の教会の床面を見られるようになっています。

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↓ 洗礼堂は教会の左側廊から入ります。

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 サンテウフェミア教会の正面向かって左に洗礼堂、↓ S.Maria delle Grazie教会が並んでいます。

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資料を忘れてきていたので、もう少しでこのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会を観ないでしまうところでした。危ない危ない(汗)この小さな教会も4~5世紀に創建され、6世紀に改築されました。

↓ 内部はさきほどのサンテウフェミアよりぐんと古風な雰囲気。いかにも初期キリスト教会らしさがあります。3廊式のバジリカ様式。祭室は彫刻を施した大理石の柵で区切られています。左壁にはマリアの像があり、手向けられたいくつかの花束に篤い信仰を集めている様子が感じられました。その床のモザイクに窓からの光がさしこみ、モザイクの色が鮮やかに浮かび、綺麗でした。

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教会の裏に回ってみましたら、レストランのテーブルがごく近くまで並んでいます。こういう風景はあまり見たことはなかったのでちょっと驚きました。この教会が街の風景にすっかりとけこんでいる様子なのです。何故か心温まる想いがして、ますますグラードが好きになりました。

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まだランチの準備中でした。ここから賑やかな海辺のほうへ歩いていきますと、ヴィットリア広場があり、5~6世紀のバジリカのモザイクや石棺などの遺構が見学できます。グラードはリゾート地なので、S.Eufemia教会のあるエリアとはまったく別の顔が、海辺にでると現れます。海水浴場の浜辺には多くのリゾートホテルやマンション、レストランが並んでいます。それでも8月末なので、そろそろ逗留客も減って、静かになってきた雰囲気でした。夏の終わりのリゾート地ってひそやかな宴の後、なんとなく物悲しくもあり、ひとり旅にぴったりかも。。。こういう季節は結構好きです。浜辺のレストランで海鮮グリルの一皿を賞味。レモンをたっぷりかけて美味しいこと!居心地も良くバスの時間までぼんやり座っていました。

 バスでアクイレイアへ戻り、ホテルに預けてあったトランクを受け取りタクシーで7KほどのCervignano駅まで。駅にはエスカレータもエレベーターもありません。困っていると丁度駅員さんの姿が・・・トリエステ行きのホームはどこですか?と尋ねると向こうだよと、そして困った顔の私を見てどれどれとトランクを運んでくれました。大助かりでした。こういう時、つくづく一人旅で良かったと思います。独りで心細そうに見えるのでしょう。親切にしてくださる方が多いのです。

 夏の終わりの青く輝くアドレア海を眺めながら、がらがらの列車に乗ってトリエステへ。トリエステを初めて意識したのは須賀敦子の「トリエステの坂道」を読んでからですから、日も浅いのですが、このときは「イタリア ユダヤ人の風景」(河島英昭著)を読みながらの旅でもあったので、トリエステでのユダヤ人たちの悲劇が、この町に近づくにつれ胸が締め付けられるような苦しさで迫ってきました。アドレア海があの狂気の日々と変わらない美しさなのも人間のむごさをを際立たせます。著者の無辜の人々を襲った悲劇を思うには強烈な想像力が必要との言葉が本当に頷けました。

さて、ウニタ・ディタリア広場から近い埠頭に建つ大きなホテルがトリエステでの宿です。4☆を奮発しました。港の眺めも素晴らしい、広い部屋でした。

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部屋で少し横になっていますと、ここがこの旅の最後の地でしたから、安堵と、疲れもあったのでしょう。ベットでうとうと・・・ふと目覚めるといつのまにか夕暮れ。窓の外は海に落ちる夕陽の薄いピンク色で染まっています。あわてて外へ出てみますと、埠頭は夕日見物の散策の人が大勢いました。夕陽が沈むまで散策。

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ウニタ・ディタリア広場からレストランの並ぶ小道に迷い込みました。美味しそうな匂いが漂ってきて、レストランへ。このレストランはおじいさんのカメリエーレたちがほのぼのとした雰囲気に一役買っていました。以前は一流のお店にいたのでしょう。気が利いたサービスでしたが、注文を聴いたりするときはテーブルに寄りかかってしまいます。お客さんがにこにこ見守っている感じも良かったです。写真は海の幸の前菜。スパゲティ・ボンゴレも美味でした。


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yk

アクイレイアは もう十年以上前でしょうか、宮下孝晴先生がオペラ歌手の中丸三知絵さんを案内する、といった筋書きで ラベンナなどを訪ねたNHKの4回くらいのシリーズで見て、行ってみたいな、 と思いながらいまだに果たせていません。このあたりなら一人で いけそうかしら、 なんて思ったりしながら楽しませていただいています。
 日の入りの写真、NHKで須賀敦子特集をやった時にこういったトリエステの絵がでてきて 、とても見たかったのですが、夜遅くついて朝出発のツアーでしたのでダメでした。 でもデジャビュ、私は イギリスのウイットビーという町に行ったとき 朝撮った写真がこういう感じ、空がやはり紫がかったピンクで(私のホームページのトップのスライドショー) しかし、日の出より日の入りのほうが余韻があっていいものですよね。
by yk (2012-07-31 07:50) 

alice

ykさま、宮下先生のあのTV観た方が多いですね。私も一部ですが観ましたが、見学路が強化ガラスになっているのは現地で初めて知りました。

トリエステの日の入りは季節によって色も変わるのかもしれませんが、あの夏の終わりの夕暮れ時はまさに哀しいまでに美しかった。。。

>日の出より日の入りのほうが余韻があっていいものですよね

確かに。しかし、日の出の写真はほとんどありません。朝寝坊ですから…(汗)
by alice (2012-07-31 23:50) 

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