2012年夏の旅(12)ラ・セウ・ドゥルジェイ(アンドラ) [2012夏ザルツブルクとフランス、スペインを巡る]
9/3(月) La seu d'Urgell 13:00→ANDORRA13:30/16:15→La seu d’Urgell 16:45
カルドナと同じようなずらりと並んだ豪華版ブッフェの朝ごはんをいただいて、早速パラドールからも100mと離れていないカテドラルへ。
↓ カテドラル方向からパラドールを撮影
☆ サンタ・マリア大聖堂(ラ・セウ・ドゥルジェイ) CATEDRAL de Santa Maria (La Seu d'Urgell)
カタルーニャ地方の北、ピレネー地域に古くから司教座のあった代表的な教会。9世紀にサンタ・マリア教会として奉献された。11世紀から12世紀の改築で、後陣に5つの祭室の並び、12世紀の中頃には回廊も拡大され、現在の教会の基本になっている。
↓ 正面は細い街路に面していて、ここからの眺めるファサードは素晴らしい。左右の民家もゾディアックの古い白黒写真と変わっていないのも嬉しい・・・。
↓ 扉口の上、左右にライオンが人を襲っているレリーフ。
↓ 右に司教座美術館の入口があり、ここから回廊も含めて見学するようになっています。(有料)
↓ 初めは美術館の見学へ。ここはロマネスク部門はカメラ禁止です。写真はロマネスク壁画の展示室から次の部屋に写る前にOKのところからパチリ。
ここで観たかったのは、何と言ってもベアトゥス黙示録註解の「ウルジェイ写本」です。現在まで伝えられた挿絵を伴うベアトゥス写本は26点あり、ここラ・セウの「ウルジェイ写本」は10世紀の終わりに書かれた西ゴート書体、全232葉、挿絵90点の作品。オーディオ室の片隅にガラス越しに1葉だけですが、本物を鑑賞でき、感激でした。ここで日本語の写本の説明ビデオを独りで観てましたら、フランス人の団体の方たちがどやどや入って来ました。私のが終わるまで待っていますので、落ち着かないこと。それに、ビデオが終わってから再度ゆっくり写本を観たかったのに・・・。
↓ 図録からスキャンしました「ノアの箱舟」
↓ 11世紀のお棺/壁画以外は写真を撮ってもいいよと声をかけてくれた監視員の方。ここで持病の咳が出たのですが、飴もいただきました。優しい一声が身に染みて嬉しい独り旅。。。
次は回廊の見学へ。単本の柱頭彫刻51本のギャラリー。いわゆる説話的なものはないようですが、ライオンや人物、鳥など。。。
↓ 一種のグリーンマン?
↓ 膝を曲げたポーズの人物のフィギアも多く
↓ 個々の柱頭彫刻よりも、広々として落ち着いた美しい回廊に魅せられました。
↓ カテドラルの内部/三廊式、高い天井に半円ヴォールト。カルドナと似て装飾は少ない堂内ですが、集合柱にお団子のような丸いものがポツポツと並んでいるのが他では記憶になく、珍しいです。
↓ 袖廊の礼拝室(北)/入り口付近の装飾。
↓ 中央祭室トップの薔薇窓
↓北側外観
↓ 後陣外観
↓ Saint Michael's Church サン・ミカエル教会/カテドラルの回廊から入れる内部は後陣の壁画があるため、カメラ禁止でした。11世紀のラテンクロス型の単廊プラン。3つの後陣を持つ外観はロンバルディア・スタイルの装飾が小教会らしく慎ましい。
ここから街の中を抜け、バスターミナルに行ってみました。アンドラまで1時間に1本のバスがあるとのことで、いったんホテルに戻り30分ほど休憩ののち、13:00発に乗車。アンドラ観光へ。スペインでもピレネーに近いラ・セウやアンドラは朝晩かなり冷え込み、日中も20度程度、もう秋が近いことを感じました。
さて、30分ほど走ると国境です。一応いったん停車して、アンドラのポリスが荷台をチェック後入国しました。街道沿いには大型の電器店やスーパーなどが並んでいます。そういえばアンドラは免税目当ての買い物客の来るところです。町にもこれといった観光名所はないようで、渓谷沿いの商店街にホテルなども並んでいます。
私にはつまらないところですが、町はずれにロマネスクの教会があるのでやってきたのです。教会近くのバス停を通り過ぎてしまったので、街を少しぶらぶらしてから、TAXIでサンタ・コルマへ。
☆サンタ・コルマ教会 Santa Colma(Andorra la Vella) 本来はロマネスク初期の建築のようですが、何度かの改造を経て現在は12世紀の建築といわれています。円形の鐘楼と背後に迫る山が美しい。。。
なかには管理人の女性がいましたが、無料です。祭室を隔てる壁は馬蹄型アーチ。上部に「神の子羊」。
入口のギャラリーは16世紀以降に増築されたもの。白いリボンの花束が飾られて、より清楚な趣。粗い石積も素敵~アンドラに足を延ばした甲斐がありました。
待っていたTAXIで街に戻り、インフォで帰りのバスの乗り場を確認。遅くなったランチはバス停近くのレストランで。店先で肉を焼いているので、おなかがぐぅ~久しぶりにステーキだわ!しかし、混んでいるお店の割にお肉が固くて・・・ケチらないでヒレ肉にすれば良かったです。
それでもデザートにアイスクリームもいただいて満腹。バスでラ・セウに戻りました。夕食の時間になっても、全然空腹感がなく、手持ちのもので軽く済ませました。明日のバルセロナに戻るバスの時間も、バスターミナルで確認したところ11:00発の直行のバスがあるとのこと。なぜHPにでていないのでしょう?
懐かしい、そしてうらやましい。セウ・デ・ウルヘルは 内部、全く写真がとれませんでしたので、こういう彫刻あったっけ、状態。でも教会が開く前、入り口で近づいたり、遠のいたりしながらファッサードの造りを楽しんだことはよく覚えています。
アンドラ、 サンタ・コロマ教会は行きたかったのですが、夕方ラッシュになると車が身動きできなくなるということで あきらめました.これまでA先生の写真集などで外観は知っていましたが、内部写真を見るのはは今回が初めて。 もしかしたら、 本邦初公開?
粗い石壁に馬蹄形アーチ、そして一つ残った 「神の子羊」 山間の教会として これ以上ぴったりのものはないですね。 いよいよ行けなかったことが 残念に思われてきました。
by yk (2012-10-07 07:50)
ykさま、ラ・セウのカテドラルはやはりファサードの眺めと回廊が印象に残っています。彫刻は回廊のも含めて、他にない個性はあり統一感もありますが、夢中になってみるほどの魅力はなかったです。
アンドラはサンタ・コロマのほかにも数教会が観たいリストに入って居ましたが、ここが比較的行きやすいので、1か所だけ。。。
計画当初はここからピレネー沿いにフランス側に通り抜けるつもりだったのですが、荷物がネックになったのと、バルセロナでのコンサートがあるので、戻ることにしたのです。
YkさまのHPにセウの記事があると思いますが、拝見させていただきますね。
by alice (2012-10-07 13:26)
サンタ・コルマ素敵ですね。こういう石積みにひかれます。
スペインのロマネスクは心残りです。もっと早く行っておけばよかった。
咳ぜんそくがおありですか?気がつかなかったけれど。
夫が同じ症状で、外国で怪しまれないようにと英語の診断書を娘に書いてもらって持ち歩いていました。まさか自分で書くわけにはいかないので。ひところ変な病気がはやりましたものね。
by tina (2012-10-08 13:50)
tinaさま、アンドラとラ・セウ間のバスの時間を把握していなかったので、現地で1時間おきに出ることを知って、サンタ・コルマに行けました。
アンドラの街は旧市街は残っているのかと思いましたが、ただのショッピング・ストリートばかりで、失望でした。
スペインロマネスク、こうやって行けばいくほど、魅かれてしまって・・・。私もどこまで行かれるのか・・・。
咳喘息、なかなかしぶとくて・・・最近ようやく良い吸入薬がでて、夜中に咳き込むことはなくなりました。咳をすると風邪と思われますので、気を使います。特にアジア発の悪い風邪が流行ったころは、海外では特に困りました。
コンサートやオペラのときも、ハンカチにトローチを包んだり(音をたてないように)、体調にも気を配り・・・いろいろ大変なのよ。
by alice (2012-10-09 20:48)
ラ・セウ、まだロマネスク病に本格的に侵されていない頃に訪ねた懐かしい町です。その頃、古い建物ががらがらに崩されてパラドール建設中で、なんだかパラドールのコンセプトそのものに疑問を持ったことを覚えています。
病気じゃなかったのですが、ベアトゥス写本には感動して、この頃から明らかに病気の萌芽が…。
アンドラ、素敵に愛らしい教会ですね。ラベンナ・スタイルの円形の鐘楼が、珍しい。どこからどうやって、この円形になったんですかねぇ。
by corsa (2012-10-10 04:53)
corsaさま、ラ・セウのパラドールはカテドラルにあんなに近いのに・・・まったくの景観無視ですよね。
今回気になったのはラ・セウに限らずどこの旧市街も徐々に寂れていくこと。郊外に大型の店ができて、買い物を近所の小さい店でしなくなるのですね。この問題は日本でも同じです。時代の流れとはいえ、ここはアメリカか?と思うこともしばしば・・・ヨーロッパの田舎の魅力が薄れてきてますね。
サンタ・コロマの円形の鐘塔、おっしゃるとおりラベンナ・スタイルですよね。古風な感じが強められて・・・本当に「どこからきたの~」って話しかけたくなりました。
by alice (2012-10-10 16:35)